プロジェクトマネジメントとは?基礎知識やスキル、これだけはおさえておきたい10のポイントを解説

 2019.10.15  株式会社システムインテグレータ

「プロジェクトに失敗した」という経験がおありでしょうか?「ない」と答えられるハッピーな人も中にはいるかと思いますが、多くのプロジェクトマネージャーや担当者は大なり小なりプロジェクトに失敗した経験を持っています。しかしその失敗も、次に活かすことができれば価値ある失敗となるでしょう。プロジェクトはきちんとマネジメントしてこそ成功に近づくことはいうまでもありません。特にプロジェクトが大規模になればなるほど管理は必要不可欠です。

本稿では、このプロジェクトマネジメントの基礎を整理しつつ、担当者が押さえておきたいプロジェクト管理の10カ条についてご紹介します。誰でも失敗はしたくないものですが、失敗の確率を最小化するためにも本稿でご紹介するプロジェクトマネジメントをぜひ参考にしてください。

プロジェクトマネジメントとは?

まず、プロジェクトとは企業の新商品開発企画やソフトウェア開発、システムインテグレーションなど、新しいものを開発して世に送り出したり、クライアントが望む成果物を作り出したりする事業を指します。これらのプロジェクトは得てして全社を巻き込むような巨大なプロジェクトになりがちで期間が1年を超えるものも数多く存在します。もちろんプロジェクトは巨大なものばかりではなく、瞬時に終わる比較的軽いプロジェクトも存在します。

プロジェクトマネジメントの国際標準とされるPMBOKは「プロジェクト」を以下のように定義しています。「プロジェクトとは、独自の製品、サービス、所産を創造するために実施される有期性の業務である。」。つまり、会社などの通常業務や、継続的な運用管理、あるいは改善活動などは、特に開始と終了が定義されていないため、「プロジェクト」とは呼ばない。ただし、特定の期限までに特定の建築を行う、製品を開発する、システムを構築する、などは個々のプロジェクトになりうる。

出典:Wikipedia

PMBOKについてはこちらのブログで詳しく解説しております。ぜひ合わせてご覧ください。
【第1章】PMBOKを理解しよう:PMBOK とは
PMBOK7 変更点と第7版を読み解くポイントについて解説

では、プロジェクトマネジメントとは何か?一般的にはプロジェクトの最終的な目標達成に向けて、そこに至るまでの手順・人材・設備・資金・資材などを総合的に管理し、プロジェクトのQCD(品質・コスト・納期)を守るための管理業務を指します。

プロジェクトごとに、完了してから「利益はいくらでした」というような体制を取っていては、いつ赤字プロジェクトが発生するかは分かりませんし、プロジェクトの利益を最大化することも難しくなります。プロジェクトの開始から終了まで、一貫した体制でプロジェクト利益を最大化するためにはプロジェクトマネジメントが欠かせません。

プロジェクトマネジメントの目的

プロジェクトマネジメント本来の目的について解説します。「単に決められた予算や納期を守り仕様通りのシステムや製品を作ること」と捉えている方も多いのではないでしょうか。

予算、納期、品質=QCDを守ることはプロジェクトマネジメントを行う上で当たり前のことであり、重要なゴールです。しかし、それ自体をプロジェクト管理の目的と理解してしまっているのです。

結果、顧客の期待を越えるどころか予想通りのシステムや製品を提示し、可もなく不可もなく、成功なのか失敗なのかもわからないままプロジェクトを完遂してしまいます。これは企業と顧客、双方にとってメリットのないプロジェクトです。QCDを第一の目的とするのではなく、そのプロジェクトで達成するべきビジネスが必ずあるはずです。ビジネスから見たプロジェクトの目的も意識するべきではないでしょうか。

厳しい要件の中でも利益を最大限に高めていくためには、プロジェクトマネジメントを徹底し、全体にかかる費用を抑えることが重要になります。簡単に言えば、一つのソフトウェア・製品開発にかかるコストを可能な限り抑えて、利益率を上げるという方法です。

しかし、品質を落とすことはできないので、開発工程にかかる作業などの原価を削減するのは得策ではありません。実は、広い視野を持ってプロジェクト全体を見回せば、意外と多くの“ムダ”が生じていることに気づきます。
例えば製品設計の承認フロー。承認者が多くフローを回すことだけで1週間もかかっていると、その分プロジェクトが遅延しますし、人件費も多くかかっています。これを1日に短縮するだけでも、おそらく相当なコスト削減になります。

こうした無駄をいち早く発見して、解決することで利益率を上げるのも、プロジェクトマネジメントを行う、もう一つの目的なのです。

プロジェクトマネジメントに必要なスキル

スケジュール管理

優れたプロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャーは得てして「時間の管理が上手い」という特徴がありますが、時間管理の成否はスケジュール管理で決まります。

プロジェクトを完了するためのタスクを可能な限り細分化し、各タスクの作業時間を正確に割り出し、自らの、そしてチームメンバーの時間をどう割くかを考えます。スケジュール管理能力の高い低いは、こうした時間管理を如何に高い精度で出来るかで判断されるのです。

ここで大切な管理手法がCCPM(Critical Chain Project Management)です。CCPMとはプロジェクトや各予算をギリギリに抑えて「プロジェクト・バッファ」と呼ばれる余裕を持っておくことで、円滑なプロジェクト促進を目指します。

関連ブログ:
大型プロジェクトにはCCPMを取り入れようCCPM とは

リスクマネジメント

“リスク”とは将来発生する可能性のある問題を指し、リスクマネジメントはこれを回避するための管理手法です。大切なポイントは、過去の事例から発生し得るリスクを想定し、予め対処することにあります。

リスクを正確に予測し回避することができれば、円滑なプロジェクト推進が可能になります。最も発生しやすいリスクは計画変更によるプロジェクト遅延です。
プロジェクト規模が大きくなるほど初期計画通りにいくことはまず無いので、計画変更時に柔軟に対応するための管理が必要になります。ここでのリスクマネジメントは、予め計画変更を予測して複数のシナリオを用意しておくことです。
リスクマネジメントを徹底できるようになれば、プロジェクトをスムーズに進行できます。

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関連ブログ:
プロジェクトマネージャーのためのリスクマネジメント

コミュニケーション能力

チームメンバーやプロジェクトリーダー同士でコミュニケーションを取る上で最も大切な能力であり、身に付けることが最も難しい能力でもあります。
伝える力があるということは、チームメンバーに自身の言葉を納得させる力があるということです。今や力で動かす時代ではなくなってきています。権力や権威で人が動いたり、恐怖感でプロジェクトがうまくいくことは、これからはないと言っていいでしょう。つまり、これからは自身の言葉によって人を動かし、共感によってプロジェクトを推進していくことが重要です。プロジェクトマネジメントには必要不可欠なスキルの一つです。

メンバー育成力

チームをゴールに導くというミッションと同等に、チームメンバーを育成することも大切です。チームメンバーを育成してスキルが伸びれば、結果的にプロジェクト成功につながりやすくなり。具体的な例を一つ上げると“褒め方”と“叱り方”があります。

チームとして仕事をしていると、プロジェクトリーダーは時にメンバーを褒めること、そして叱ることがあります。この2つはチームメンバーのモチベーションを高めたり、課題解決を促すために重要な要素です。
上手な褒め方とは、メンバー全体の前で褒めることです。そうすることで褒めたメンバーのモチベーションを高めるたけでなく、チーム内に競争意識を生ませ、モチベーションを高めることもできます。
上手な叱り方とは、メンバー全体の前で叱らないことです。チーム内で叱られたメンバーは自尊心が傷つけられ、プロジェクトリーダーの話がすっと頭に入らなくなくなります。加えてモチベーションも下がるどころか、チーム全体も人前で叱られたくないという思いから、思い切った行動ができなくなるという問題もあるのです。従って、人前で叱るというのはやってはならないタブーなのです。

日本人の特長として99%はうまくいっているのに、1%がうまくいっていないため、99%を褒めず、1%ばかりを叱る傾向があります。もっと99%の方に目を向けてあげるべきではないでしょうか。

プロジェクトマネジメントに必要な10のポイント

プロジェクトを失敗させず、成功へと導くためには何が必要か?すべてを説明できるわけではありませんが、ここでは担当者が必ず押さえておきたい10カ条についてご紹介します。

1.とにかく“人”とそのコミュニケーションを大切にする

プロジェクトを推進するのは人であり、コンピューターではありません。さらに、プロジェクトには複数人の関係者がかかわるため、そこには必ずコミュニケーションが発生します。「人とコミュニケーション」、これがプロジェクトを構成するすべてと言っても過言ではないほど、プロジェクトの成功に欠かせない要素です。だからこそ、担当者は常に“人”とそのコミュニケーションを大切にする必要があります。

プロジェクトにかかわるすべてのメンバーを尊重し、その能力を認め、適当な仕事を与え、正しく評価すること。これこそメンバーのモチベーションを最大限に高め、プロジェクトを成功へ導く要因の1つです。

2.正しいプロジェクト管理手法を採用する

プロジェクト管理を実施するにあたり様々な手法が用意されています。担当者は新しくプロジェクト管理手法を発案するのではなく、既に用意されたフレームワークから正しいものを採用することが効率的にプロジェクトを成功させるためのポイントです。

代表的なプロジェクト管理手法としては「PMBOK(Project Management Body of Knowledge)」や「CCPM(Critical Chain Project Management)」などがあります。詳細については、『プロジェクト管理手法をご紹介!PMBOK・WBSから開発手法の違いまで』をご確認ください。

3.プロジェクトの「目的と目標」をメンバー間で共有する

失敗するプロジェクトの中には、プロジェクトメンバーと最終的な「目的と目標」が共有されていないケースが多々あります。プロジェクトの着地点をプロジェクトマネージャーの脳内だけで思い描いていても、そこに向けて真っすぐ突き進むことはできません。メンバー全員が同じビジョンを描いてこそのプロジェクトです。

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの最終的な「目的と目標」をメンバー全員と共有し、かつ理解を得るための努力が必要です。

4.「チームを育成する」という意識を持つ

プロジェクトごとに新しいチームが発足される中、どんなに優秀なメンバーが揃ったとしてもチームとしてはまだまだ未熟です。多くのプロジェクトマネージャーは、高いスキルを持ったメンバーを確保できたことに安堵しますが、プロジェクトはチームで推進するものなので、特定のメンバーのスキルに依存するのは非常に危険です。

担当者は常に「プロジェクトと一緒にチームを育成する」という意識を持ってプロジェクト管理にあたることが大切です。

5.経営陣やステークホルダーの支援を得る

プロジェクトを成功させるためには周囲の支援も欠かせません。特に経営人やステークホルダーから信頼され、支援を受けられる関係を築くことは、プロジェクトを成功させる大きな要因になります。彼らの支援を受けられれば、優秀なメンバーを効率良く収集できますし、プロジェクトに関する説得も行いやすくなります。

6.メンバーごとの責任範囲をハッキリとさせる

メンバー1人1人が責任感を持ってプロジェクトにあたれるよう、モチベーションを向上するには責任範囲をハッキリさせる必要があります。何があっても言い逃れができないような責任範囲を明確にすることで、メンバーごとのモチベーションが向上し、プロジェクトを円滑に推進できるでしょう。

7.問題の兆候を見逃さない

一見上手く推進しているプロジェクトも、少し掘り下げると多くの問題が潜んでいることがあります。プロジェクトを失敗させないためには、まずそれらの問題の兆候を見逃さず、早期段階で排除することが大切です。

8.適切なツールを選んで、活用する

プロジェクトを推進するにあたり、様々なツールを活用します。担当者には無数にあるツールの中から、適切なツールを選び有効活用するための方法を模索することが求められます。

関連ブログ:
プロジェクト管理ツールおすすめ18選 無料から有料まで徹底比較

9.プロジェクトが計画通りに進まなかった場合のシナリオを用意する

プロジェクトが当初の計画通りに進むことはほとんどありません。従って、問題が発生した際のシナリオも用意しておき、失敗や赤字を回避するための対策が必要になります。

10.プロジェクトの原価管理を徹底する

「プロジェクトに原価管理?」と思われるかもしれませんが、プロジェクトの利益を最大化するには、原価を徹底管理し、プロジェクトの予算を達成するための管理が必要です。原価管理の手法は多数あるため、適切な手法を選ぶのもポイントです。

関連ブログ:
知らないとヤバい!プロジェクト原価管理の仕組み

いかがでしょうか?皆さんも、本稿でご紹介したプロジェクトマネジメントの10カ条を参考に、失敗せず、成功するプロジェクトを目指していただきたいと思います。

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