プロジェクトに参加していて、「フェーズ」という言葉を耳にしたことはありませんか?
計画フェーズや設計フェーズ、製造フェーズなど、いろいろなフェーズが存在します。
実はこの「フェーズ」、プロジェクト管理においてとても重要な考え方になります。
「フェーズ」の設定次第で、プロジェクトが成功するか失敗するか結果が大きく変わってきます。なんとなく「フェーズ」を設定していませんか?
そこで、今回改めて「フェーズ」というものを理解し、適切に設定して、プロジェクトを成功に導いていきましょう!
プロジェクト管理における「フェーズ」とは?
プロジェクトにおける「フェーズ」とは何でしょう?
「フェーズ(phase)」は、直訳すると「段階」や「局面」という意味になります。
次に「プロジェクト(project)」は、目的を達成するための計画の策定とその遂行となります。IT業においては、「定められた期間で製品やサービスを創造するための計画と遂行」を指します。
このことから、プロジェクトにおける「フェーズ」とは、モノづくりを計画・遂行するにあたり作業内容や期間や規模によって区切った単位を言います。
わかりやすい例として、「料理」で表現してみましょう。
料理でやること | フェーズ |
---|---|
どんな料理を作ろう? | 計画フェーズ |
作り方は? | 設計フェーズ |
必要な材料を調達 | 調達フェーズ |
料理開始! | 製造フェーズ |
味見 | テストフェーズ |
食卓に並べて食べてもらう | 納品フェーズ |
このように、フェーズを定義することができます。
なぜプロジェクトに「フェーズ」は必要か?
では、なぜ「プロジェクト」を複数の「フェーズ」に分ける必要があるのでしょう?
短い期間で終わるプロジェクトであれば、フェーズ分けせずに一気に実行して完了させることができます。しかしながら、ソフトウェア開発では、往々にして中長期にわたる開発プロジェクトが多く存在します。大きく長いプロジェクトになるとやるべき作業も膨大になり、プロジェクト管理が煩雑になってしまいます。
そこで、フェーズに分け、フェーズごとに管理することで、ゴールに着実に向かうことができます。フェーズにはそれぞれの明確なゴール目標(達成基準や成果物)を定めて管理していきます。
さらに、「フェーズ」の中でやるべき作業を「タスク」と呼び、抜け漏れのない洗い出しと実行・管理することで、手戻りを防ぐこともできます。
「プロジェクト」「フェーズ」「タスク」をイメージで表すと、下記の通りになります。
このように、プロジェクト全体をタスクレベルまで分解してツリー構造で表現することを、WBS(Work Breakdown Structure)と呼びます。
こうすることで、プロジェクト全体を俯瞰できるようになります。
プロジェクト管理において重要な考え方「フェーズゲート」
さて、冒頭でフェーズ分けがプロジェクトの成否を左右するとお話ししましたが、ここからが重要なポイントとなります。
フェーズを移行する際に、移行判定基準を設けることがあります。これを「フェーズゲート」と呼びます。「フェーズゲート」とは、「フェーズ」の完了を確認する基準となります。
そこまでの作業で所定の条件を満たしていなければ、次の「フェーズ」に進むことができません。また、「フェーズゲート」はプロジェクトを進める上での要所となるため、それまでの作業を評価してプロジェクトの変更や中止を検討するタイミングにもなります。
さて、この「フェーズゲート」ですが、製造業ではレビューや移行判定会議をかなり厳しく行い、手戻りを防ぐプロセスを確立している企業が数多くあります。
それに対して、IT業では同じモノづくりにも関わらず、この「フェーズゲート」を正しく設定し、レビュー・判定を厳密に行っている企業が意外にも結構少なかったりします。
その結果として、「手戻りが発生した」「想定外の事象が起こり、遅延してしまった」という声を数多く聞いてきました。
プロジェクトは「後工程ほど変更・修正の困難度が増す」という原則があります。
特に、製造業では0.1円単位ででもコスト削減を求められる世界なので、後工程での変更は極端に嫌う傾向があります。このあたり、IT業も見習った方がいいのではないでしょうか?
プロジェクト管理では、フェーズゲートもWBSと一元管理を!
さて、プロジェクト管理において、「フェーズゲート」が重要ということがご理解いただけたかと思います。これからは「フェーズゲート」を「WBS」と合わせて管理・運用することをお勧めします。
しかしながら、この「フェーズゲート」を会社標準として運用しようと定義するも、なかなか全社徹底できていないという声も数多くお聞きします。
確認していくと「WBS・ガントチャートとフェーズゲートをバラバラで管理してしまっている」ということが多くありました。一元管理こそが、標準化浸透の早道ではないでしょうか?
プロジェクト管理ツール:OBPMで実現できるフェーズゲート管理
弊社が推奨する統合型プロジェクト管理ツール「SI Object Browser PM(OBPM)」では、マイルストーンという機能で、WBSとフェーズゲートの一元管理が可能です。
各プロジェクトのガントチャート上に、フェーズゲートとなるマイルストーンを設定できます。
フェーズゲートは、「レビュー評価」と「品質評価」の2種類を設定することができます。
「レビュー評価」は、主に要件定義書や設計書などドキュメント類のレビュー・指摘管理で使用します。レビュー結果を記録し、確実にフェーズゲートに則した指摘をし、定義漏れ、記載誤りなどを排除していきます。
もうひとつのマイルストーン「品質評価」は、チェックリストのイメージです。
移行判定や出荷判定のチェックと記録に使用します。
チェック漏れがあり、納品後のクレームなんて経験やチェックの記録もどこにいったかわからないといった経験はないでしょうか?
OBPMならプロジェクトに紐づいて一元管理ができるので、実施漏れを防ぎ、万が一事故があってもすぐに原因を追跡することができます。
また、PMOや品質保証部など、横断的にプロジェクトを監視する際には、マイルストーン一覧により実施・未実施が一目で確認できます。
このように会社のフェーズゲートを標準化することが可能です。
統合型プロジェクト管理ツールOBPMで、プロジェクト管理工数を削減し、効率的にプロジェクト運営をしていきませんか?品質向上と利益向上も目指せます。
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