プロジェクトは現場で起きているんだ!

プロジェクトの進め方(Vol.29)

  • 2018.04.23
  • 株式会社システムインテグレータ
プロジェクトの進め方(Vol.29)

プロジェクトの進め方は難しい

試験勉強など1人で作業する際には、計画を立てて目標達成に向かって進めていくことはあくまで自分1人の問題となります。しかし、いろいろな立場の複数の人を巻き込んでプロジェクトとして目標達成に向けて進めていくとなると難易度が格段に上がります。

プロジェクトの進め方については、そんなの知っているよというベテランの方もいれば、初めてプロジェクトリーダーを任されてどのように進めていけばわからないといった若手の方もいると思いますが、プロジェクトの進め方を知っているベテランの方のプロジェクトが必ず上手くいっているのかというとそのようなことは無いかも知れません。

基本的なプロジェクトの進め方は会社毎に決まりがあるにしても、必ずその通りに進めれば上手く行くということでもなく、プロジェクトの進め方については苦慮されているのではないでしょうか。

今回は、プロジェクトを成功に導くために重要な進め方について考えていきたいと思います。

プロジェクトにおける進め方とは?

プロジェクトの期間や規模、内容によって様々な違いはあると思いますが、プロジェクトに関する進め方には一体どんなものがあるでしょうか。

代表的なプロジェクト管理の手法(進め方)としては、PMBOKProject Management Body of Knowledge)が上げられます。ここで詳しい内容は割愛しますので、ご興味のある方は、「【第1章】PMBOKを理解しよう:PMBOK とは」をご覧ください。

PMBOKでは、プロジェクトの流れを「立ち上げ」、「計画」、「実行」、「監視・管理」、「終結」という5つのプロセスにて定義しています。そしてそれぞれのプロセスの中にやるべき項目(知識エリア)も定義しています。

PMBOKはあくまでも知識となるので、具体的な方法として活用していかないとあまり意味がありません。

次に、特に重要と思われるプロセスを上げて、進め方の大きなポイントを上げたいと思います。

①立ち上げ、計画

何事も準備、計画が一番重要と言われるように、プロジェクトを進めるにあたっても一番重要なポイントになります。

プロジェクトが始まる前には、お客様から受領した要件を元に見積や提案書を作成、提出します。ここで大事なのは、金額は妥当かどうか、開発期間は大丈夫か、リソースは確保できるか、リスクはないかなどをリスト化してしっかりチェックすることです。もちろん担当するPMPL、当事者でのチェックは行いますが、PMOProject Management Office)や事業部長、役員など第三者からのチェックも重要となります。金額規模や期間によっては実施しない場合もあるかも知れませんが、第三者の立場からチェックをすることで、思わぬ見落としを防止する必要があります。特に提案から受注前後の進め方は要注意です。

プロジェクト計画書やリスクチェックシート、見積チェックシート、スケジュール表、体制図などを作成して、それを確認する会議を上手く活用して進めていくことがポイントになります。メンバーや関係者と全体像を明確化して目標を共有しましょう。

②実行

プロジェクトがスタートすると各メンバーがそれぞれ役割に応じて作業を進めていきます。少人数のプロジェクトであればまだ各メンバーの様子もわかりますが、大規模プロジェクトとなれば、各メンバーの状況を把握することも難しくなります。プロジェクトを進めるのはあくまでも人間です。特に大規模プロジェクトになればなるほど下記のような問題行動を聞くことがあります。 

・実は作業は終わったけど、早く終わると作業を振られるから進捗は黙っておこう。

・2日もあればできる作業だけど、余裕を持って5日といっておこう。

・この作業に時間がかかっていることがバレてしまうと怒られるから、他の作業に工数をつけておこう。

・間に合わないけど自分の作業だから、がんばりますと言っておこう。
 

このようなことが行われてしまうプロジェクトでは、残念ながら成功に進めていくことは難しくなります。プロジェクトが実行段階になった場合で一番重要なことは、プロジェクトに関わるメンバー全員でプロジェクトや作業内容などを共有してコミュニケーションを取ることです。当たり前のことですが、なかなか実践できていないことが多くあります。

例えば、進捗会議などの他に、ランチや休憩室で食事やお茶でも飲みながら、プロジェクトの進捗の確認や悩みや課題、解決状況などの意見を交わすことで、お互いに状況を理解しチームワークも良くなり、プロジェクトに対する意識も高まります。正確にプロジェクトの状況をメンバー全員で把握し、コミュニケーションが取れていれば、上記に上げた問題行動もなくなるのではないでしょうか。

プロジェクトなので、個人だけでどうにかなることではありません。チームとしてプロジェクトを動かしているので、コミュニケーションを活発にしてプロジェクトを進めていく必要があります。

うまくいくプロジェクトの進め方の心得

上記では、プロジェクトの進め方のフェーズにて重要なポイントをご紹介しました。各プロジェクトメンバーの立場でみると少し進め方にも違いがあります。プロジェクトを成功へ導くために必要な心得を少し紹介したいと思います。

【PM/PL】

・チームを一体化すること

プロジェクトは毎回メンバーも人数も変わります。社内以外の外部の方もメンバーに加わることがあります。各メンバーが高い技術を持っていても、チームとしてまとまりがなければプロジェクトを上手く進めることができません。チームとしてコミュニケーションをよく取り、メンバー11人が、チームをとして一体化する、成長させていこうという意識づけができる環境にすることが大切です。そのためにも、自らの思いを伝えて、言葉だけではなく態度でも示すことが重要になります。また、プロジェクトの目的やゴールを一緒に共有して進めていくことも大切です。 

・チームを補完すること

プロジェクトを管理する立場なので、一方的にコントロールする、上から指示をするといったイメージが強くあります。このイメージのままではメンバーとの意志疎通も上手くできず、プロジェクトは進めることはできません。大きな決定や責任はPM/PLにはりますが、メンバーとお互いの欠点を補い合ってプロジェクトを進めていくという相互尊重の意識が大切になります。

・関係者から信頼を得る

何か問題や支援が必要になった時に、PM/PLだけでは解決できない事もあります。そんな時、管理層や他部署の関係者などから信頼を得ていれば、相談したり、情報をくれたり、協力してくれることもあるかも知れません。プロジェクトを上手く進めるためには、信頼を得ておくことや根回しをしておくことは重要です。日頃より仕事に対する姿勢、コミュニケーションの取り方に気をつけて誠実に対応していくことで、信頼を高めることができます。結果として、お金やリソースの確保がしやすくなり、プロジェクトをスムーズに進めることができることが可能になります。

【メンバー】

・当事者意識を持つ

自分の担当作業は期日を守るように実施するようにしますが、担当外の作業やプロジェクト全体のことについては、PMPLが考えるから私には関係ないや、などと言った考えを持っている方も少なからずいるのではないでしょうか。確かに自分の担当作業はしっかりとできたとしても、それはプロジェクト全体で見ると一部分でしかありません。1人で全て動いているわけではありません。例えば、他のメンバーの作業が遅れてしまえば、全体の遅延に繋がり、お客様に迷惑がかかってしまいます。プロジェクトに関わる以上自分が責任者であり、率先して作業を行い、メンバーをフォローするといった当事者意識を持つことで自らの成長にも繋がり、プロジェクトも上手く進んで行くことができます。

・正確な報告をする

「プロジェクトは現場で起きているんだ!」という本ブログのメインタイトルにあるように、まさに現場でプロジェクトは進んでいます。現場で起こっている事実を伝えないとPMPLはプロジェクトの正確な状況の把握ができず、誤った方向に進めていくかもしれません。正確な報告をしなければ突然進捗が悪化したり、原価が膨れたりお客様にも迷惑がかかりますし社内でも問題になります。正確な情報を伝えやすい環境を作るのは管理する方の役割でもありますが、正確な情報を伝える義務はメンバーにあります。嘘は変わることはありますが、事実は変わることはありません。

プロジェクトの進め方 最後に

プロジェクトの進め方について今回取り上げましたが、具体的な手法というよりは考え方といった精神論に近い内容になってしまいました。プロジェクトを進めていくには手法やツールはもちろん大切ですが、主役は人です。プロジェクトに関わる一人ひとりの意識が良い方向に向かえば、プロジェクトは成功に導かれると信じています。

プロジェクト管理ツール:OBPM基本ガイドブック

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