プロジェクトは現場で起きているんだ!

プロジェクトの攻略法(Vol.30)

  • 2018.05.07
  • 株式会社システムインテグレータ
プロジェクトの攻略法(Vol.30)

多くの企業は、4月に新年度を迎えます。このブログをご覧いただく頃は、キックオフミーティングが終わり年度目標に向かって活動がスタートしている頃ではないでしょうか。

部門キックオフでは、新年度の体制や施策など部門戦略が発表されます。各施策は、チームや個人に展開され具体的な活動計画が作成されます。

皆様の会社でも、組織や個人の計画と実行を関するためのツールが導入されてると思いますが、本日はその中のひとつ「プロジェクト管理ツール」がテーマです。

プロジェクト管理ツールは、スケジュール管理が得意な製品や進捗管理機能が得意な製品、原価管理までカバーしているERPなど、数多くのベンダーから発売されています。

当社が提供する、「SI Object Browser PM(以下OBPM)」は、企業の中にある色々な種類のプロジェクトを「進捗」、「要員」、「原価」、「品質」と4軸で管理ができる数少ない統合型プロジェクト管理ツールです。今日は、導入企業に提供される導入支援サービスを通じて、OBPMをうまく活用するための攻略法を紹介します。

攻略法1 プロセスを標準化してプロジェクトの精度をあげる

OBPMの導入が始まると、約2か月間で56回オンサイトの導入支援サービスが提供されます。今日は、先週から導入が開始された A社(IT企業)の2回目の導入支援です。

1回目の導入支援では、推進メンバーが集まりOBPM導入キックオフが行われ、現状のプロジェクト管理の課題が確認され目指すべきゴールが合意されました。

1回目の訪問から一週間が過ぎ、今日は、OBPMの中でも重要な「プロジェクトタイプマスタ」と「ドメインマスタ」の設定方針を決定します。

 前半テーマ:プロジェクトタイプマスタ

前半は、「プロジェクトタイプマスタ」の設定方針決定です。各部門の推進メンバーが、今使っているWBSをプロジェクタに映しながら業務の流れを説明してくれます。

A社の主力事業はパッケージソフトのカスタマイズ導入です。新規プロジェクトは1~2年をかけて導入する大規模案件が多いようです。すでに多くの顧客を抱えており、毎年決まった時期にバージョンアップがあるようです。最近では顧客の業務を支援するBPOサービスにも力をいれており色々な業務があります。

推進メンバーの説明が終わり、弊社から「プロジェクトタイプマスタ」の説明を行います。

【プロジェクトタイプマスタ登録画面】

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OBPMでは、社内の色々な業務をタイプ別に分類してこの画面で登録します。タイプ別にプロジェクトを分類しておくと、販管費や共通費の配賦をコントロールしたり、アラートを出す条件をタイプ別に変えられます。また画面帳票やレポート出力をする際、フィルタ条件としても使うことができます。

・「営業支援プロジェクトは、販管費の配布対象から外したいね。」

・「小規模プロジェクトは、進捗遅延やコスト超過のアラートは必要ないかな。」

・「保守業務は部門の全メンバーを工数入力の対象にしよう。」 

1時間ほどの議論が終わり、A社ではプロジェクトのタイプを6つにする事に決定しました。

後半テーマ:ドメインマスタ

後半は、ドメインマスタの設定方針決定です。「ドメインマスタ設定画面」をプロジェクトに投影しながら説明を開始しました。

【ドメインマスタ設定画面(ドメイン例)】

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A社様は、パッケージソフトの製品開発、パッケージソフトを使ったカスタマイズ導入、保守業務、BPOサービスなどいろいろな業務があり、各部門が分担して行っております。

各部門の業務は、進め方や管理方法が異なるので、それぞれの業務(ドメイン)に名前をつけて、プロセスをテンプレート(雛形)として登録します。

各ドメインでは、最大17個のプロセスが登録できます。工程タスク(WBS)を中心に、工程別進捗率、工程別レビューパターン、工程別品質基準、見積方法などPMBOKに準拠したプロセスを標準化します。説明が終わると、推進メンバーの間で活発な議論が始まりました。

・「大規模カスタマイズ導入のレビューはOBPMで管理するといいね。」

・「見積もりの算出方法は、このタイミングで一度見直しをしよう。」

・「保守業務は数も多いので工程タスクは粗い粒度で管理すればいいかな。」

・「品質基準は、まずはEXCELのテンプレートをここに反映しよう。」・・・

ドメインマスタの内容と活用方法がしっかりと伝わったようです。 

次回の訪問までに、本日決定した設定方針に沿って「プロジェクトタイプ」と「ドメインマスタ」を推進メンバーに登録していただく事を合意し、2回目の導入作業が終了しました。

まとめ1

皆さんは、新しくプロジェクトを立ち上げる時、どのように計画を立てていますか?

全社標準のテンプレートを使って精度の高い計画をたてている会社もあると思いますが、全社(部門)の標準はなく経験豊富なベテランが計画を立てている、過去の類似プロジェクトを参考に計画をたてている。といった方も多いのではないでしょうか。プロジェクト管理ツールの検討時に、プロジェクトがよく遅れる、予実績の精度が悪い、先の予測があいまいなど、計画に対する課題をよく聞きます。 

OBPMでは、ドメインマスタを使って各業務の標準化を進めていきます。新規プロジェクトの登録ではドメイン(雛形)を選択し、ドメインの各プロセスを計画にセットします。読み込んだプロセスを修正するだけなので、手順は簡略化され精度の高い計画が短時間で出来上がります。また、ドメインの各プロセスは定期的に見直すことで計画の精度はさらに良くなります。OBPMを活用する上でドメインはとても重要なマスタなのです。

攻略法2 入力を簡素化してプロジェクト情報の鮮度を保つ

前回の導入支援から2週間が経ちました。今日は、3回目の導入支援で A社に訪問しております。すでに導入支援で方針が決まった、「プロジェクトタイプ」と「ドメイン」の登録が完了しています。 

前半テーマ:プロジェクトの立上

前半は、プロジェクト登録から、要員計画、スケジュール、コスト見積と、プロジェクトの計画段階で使用する各機能の説明を行っていきます。一通り説明が終わり、登録された「プロジェクトタイプ」と「ドメイン」を使って新規プロジェクトの立上を実演すると・・

・「ドメインから読み込まれたプロセスをプロジェクトに合わせて修正すればいいのか。

・「テンプレートがあるのでヌケモレなく計画が作れるな。

と推進メンバーからは高評価です。さらに推進メンバーからいくつか質問があがりました。

Q.ガントチャート画面の下にボタンが並んでいますが、これは何ですか?

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A.OBPMの各画面では、関連機能がボタンやリンクで呼び出せるように設計されています。

・「メニューから機能を選択する操作が省略できるのか。」

・「直感的でわかりやすいね。」

と声があがります。 

Q.保守業務のように、毎年ほぼ変わらない業務の便利な登録方法はないですか?

A.すでに登録されているプロジェクトをコピーすることもできます。前年の保守プロジェクトをコ

ピーして期間を変更すれば、すぐに新しいプロジェクトを立ち上げることができます。

・「なるほど、前年と同じ計画がセットできるのですね。」

・「リードタイムが決まった業務は雛形のプロジェクトを登録しておくといいね。」

と活用方法がイメージできたようです。

後半テーマ:日次業務

後半は、工数入力、進捗率入力、TODO画面など、日々の業務でプロジェクトのメンバーが利用する機能を紹介していきます。工数入力画面では次の質問がありました。 

Q.画面上部のチェックはどうやって使うのですか?

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A上部のフィルタ機能を使うと、工数入力者の対象プロジェクトが絞りこまれて表示されます。

担当のみ(ガントチャート)にチェックが入っているので、ガントチャートの担当者に自分がアサインされたプロジェクトだけが絞り込まれて表示されています。表示WBSでは(当月の予定のみ)にチェックがされておりますので、来月以降の計画は表示されません。

・「対象となる実績入力に不要な情報が省略されるのか。」

・「今の実績入力に比べるととてもシンプルになるね。」

と現場の実績入力もイメージでき、プロジェクトの立上、日次業務も問題なく運用できそうです。

まとめ2

プロジェクト管理ツールは、必要なタイミングで正しく計画が登録されて、鮮度よく実績データが入力されないと見たい情報が得られません。そのためには、「入力負荷を軽減」することがとても重要です。立上フェーズでは、いろいろな機能を盛り込みたくなりますが、まずは現場の運用をイメージして、出来るだけシンプルな入力の仕組みを構築する事が重要です。

攻略法3 プロジェクトを統括的に管理できる組織を設計する

2か月の導入支援サービスが終わり、A社のOBPMの運用が開始されました。

OBPMの導入では、稼働後も運用が安定するまでの2ケ月間、「活用・促進フォローサービス」が提供されます。このサービスは、稼働後に現場から発生する問合せ支援や、月次処理の立ち合い支援が提供されます。

本番運用から1ケ月が経ち、月次処理の立ち合い支援で A社に訪問しました。

推進メンバーが、月次処理を実行するとたくさんのエラーが発生しています。ほとんどが工数や進捗入力に不備があるプロジェクトです。現場も新しいシステムに慣れていないため、多くの場合、初回の締め処理ではこのような状況となります。一つ一つエラー内容を確認し、アラートを解消しながら月次処理を進めていきます。

翌月、再び月次処理の立ち合い支援で A社を訪れました。

工数や進捗入力の不備は少なくなくなりましたが、意図しない進捗になっているプロジェクトが散見されます。登録状況を確認すると、計画がしっかり作られていない事で原因でした。アラートを解消し月次処理を終えたあと、運用マニュアルの見直しを行い、推進メンバーからPMOに運用が引き継がれました。

それから半年が経過すると、OBPMによるプロジェクト管理の運用がずいぶん定着してきたようです。入力に慣れた現場からは、

「進捗報告のデータはどこをどう見たらいいのか?」

「データを分析するのに、どのデータを使ったらいいか?」

など、いろいろな質問があがっているようです。まだ、形だけのデータ登録で活用できていない部門もあるのでPMOがフォローをしながら、徐々に浸透を進めているとの事でした。

OBPMが導入される企業では、プロジェクトを横串で統括的にサポートするためのPMOを設置する企業が多くあります。プロジェクトの異常を検知すると、すぐに状況を確認しPMと一緒に問題解決にむけたサポートが行われます。また、現場のいろんな要望を受けてドメインも定期的に見直されます。事業部長や経営層が、ツールの選定から浸透活動にも積極的に関与している企業では、OBPMが社内の重要なツールとして活用されています。 

まとめ3

プロジェクト管理ツールは、しっかり準備・構築をすると精度の高い計画を立てる事ができますが、ツールだけではダメです。ツールと合わせて現場が活用できる体制が重要となります。

最後の攻略法は組織です。ツールと組織が一緒になって動いていくとプロジェクト管理がより成功に近づいていきます。

プロジェクト管理ツール:OBPM基本ガイドブック

プロジェクト管理ツール:OBPM基本ガイドブック