プロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーの役割 ~新人プロジェクトリーダー奮闘記~(Vol.21)

 2018.01.22  株式会社システムインテグレータ

プロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーの役割の違いって?

先日、プロジェクトリーダーに抜擢された、新人プロジェクトリーダー『新米太郎』。
今日はどんな悩みを先輩に相談するのだろうか。

太郎:センパーイ!今お時間よろしいでしょうか。今日もお聞きしたいことがあるんです。

先輩:お、太郎か、今日も来たな!?

太郎:実は、これからプロジェクトの体制図を作ろうと思っているんです。そこで、ふと思ったんですけど、そういえばプロジェクトマネージャー(PM)とプロジェクトリーダー(PL)の役割の違いって何なんだろう?と疑問に思えてきました。

自分は、今回PLという役割であることは理解しているんですが、それは、前回教わったように『プロジェクトの目的を達成するために活動・管理』をするのが役割ですよね?

そうなると、PMは、プロジェクトの何を管理する人になるのでしょうか?自分(PL)との役割の違いってなんなんでしょうか?

今日は、プロジェクト管理において、PMとPLの役割の違いについて教えて頂きと思い参上いたしました。

先輩:なるほど、PMとPLの役割の違いについて知りたいわけだね。確かに、これから体制図を作るのであれば、それぞれの具体的な役割や権限を理解しておくことは大切なことだね。

先輩:よし、今日はプロジェクトマネージャー(PM)とプロジェクトリーダー(PL)の役割について、話をするとしよう。

太郎:はい、今日もよろしくお願いしま~す!

プロジェクトチームのメンバには、自分の役割を理解させる

先輩:まずは、基本的なプロジェクトチームの考え方から話をしていこうか。

太郎:はい。

先輩:例えば、ある製品を開発する場合、複数の技術者が集まってチームを構成し、プロジェクトとして活動していくわけだよね。

太郎:はい。

先輩:チームに集まる技術者は、考え方もスキルもバラバラなことが多い。
そのような人達が、自分たちの役割や権限、責任を理解せずに、それぞれ好き勝手に活動(開発)をしてしまっては、仕様(品質)もバラバラになるだろうし、連携ができていなければ同じものを作ってしまうこともあるだろう。

それに、プロジェクト活動において重要な、スケジュール(納期)、予算(コスト)も、きっとコントロールすることはできないと思う。すなわち、プロジェクトチームでは、各メンバの役割を決めないと、非常に効率の悪い進め方になってしまい、プロジェクトを成功させることが困難になるんだ。

太郎:はい、自分もそう思います。

先輩:そこで、プロジェクトチームは、構成した時点で、参加メンバの役割を明確にするとともに、指示・命令系統をきちんと決めて、それぞれの役割における責任、権限を理解する(させる)ことが大切になるんだ。

そして、このプロジェクトチームを統制し、指示・命令する人、また、プロジェクトを成功に導くために、計画を立て、遂行する人を『プロジェクトリーダー(PL)』と呼ぶことが多いよね。

太郎:はい、自分もそんなイメージなんです。ただ、そうなるとPMってどんな役割?っていうことなんです。

先輩:そのようだね。では、PMとPLって、具体的にどういう役割分担になるの?っていう太郎君の質問に戻ろうか。

太郎:はい、よろしくお願いします。

PM、PLって、呼び名に騙されるな、本質を理解しろ

先輩:ところで、PMとPLって、どっちが偉いかわかる?

太郎:え?それは、、、PMの方が偉いんですよね?

先輩:うん、なるほどね、やっぱりそう思ってるんだね?

太郎:え?え?違うんですか?だって、うちの会社では、ほとんどがそういう関係ですよぉ?

先輩:うーん、そうだよねぇ。だから、間違いとは言わないよ。実際うちはそうだから。整理して説明すると、まず、日本の文化として、PM≒偉い人(責任者)、PL≒プロジェクトの管理者、言い換えると、PM≒部長、PL≒課長みたいな考え方がよくあるんだ。

要は、『役職』を意識した分け方ってことだよね。この考え方の場合、PMの役割は、プロジェクト全体の責任を負うことであって、具体的に現場でプロジェクト管理まですることはあまりないだろうね。極端な言い方をすると、プロジェクトの体制上、肩書のある人をPM(プロジェクトの責任者)に入れておかないと、体裁的にまずいから、名前だけは据えているということも、少なからずあることなんだ。

こういう場合、プロジェクトの管理全てをPLが行っている場合がほとんどだと思う。もしくは、PM、PLとは別な呼び名で、同等の役割を担う人がいるか、だね。

太郎:名前だけってことですか?実際には何にもしないのにPM?

先輩:うん、まぁ極端な例だけど、そういう考え方もあるってこと。勘違いしないでほしいんだけど、こういう場合のPMでも、何にもしないわけではないからね、きちんと別な役割を担っているものだよ。

これから説明するプロジェクトマネージャー(PM)の業務をするわけではないけれど、PMと呼ばれている場合もあるということを理解してもらうための例だからね。

太郎:ああ、そういうことなんですね。PMと呼ばれたからといって、必ずしもプロジェクトマネジメント(管理業務)をするとは限らない、別な役割でもPMと呼ばれることがあるってことですね。

先輩:そう。日本の多くの会社では、役職的な考え方でPM、PLを決めているところがあるのも事実だし、その考え方からすれば、PM(偉い)>PLという関係もあながち間違っていないと思う。

それから、会社のルールや文化によっても呼び方が変わることもよくあることなんだ。グループリーダー(GL)やチームリーダー(TL)と呼ぶところもあるね。

だからこそ、PM、PLという本来の役割を理解して、プロジェクトを遂行するためにその役割を担う人を誰にするのか、ということが重要になるんだ。

プロジェクト管理に関するお役立ち資料

太郎:そういうことですかぁ、プロジェクトマネジメント自体を目的としない人を仮にPMと呼んだとしても、プロジェクトを遂行していくうえで、本来のPM業務を担う人、PL業務を担う人が重要になるっていうことですね、呼び名はともかくとして。

先輩:そういうこと。

プロジェクトマネージャー(PM)とプロジェクトリーダー(PL)の役割

先輩:では、呼び方に惑わされないことを理解したうえで、本来のPM、PLの役割の話に移るよ。

まず、簡単に言うと、

✔プロジェクトマネージャー(PM):プロジェクトを管理する人

✔プロジェクトリーダー(PL):プロジェクトを計画通り実行し、ゴールに導く人

っていう役割分担と言えるね。

私は、PMの役割を、「プロジェクト責任者」、PLの役割を「プロジェクトの実行責任者」と言うこともあるかな。

太郎:は、はい、そうですね、呼び方通りの役割ですよね。

先輩:さっき話をした、日本の文化とか、役職という考え方を排除して考えてほしいんだけど、PMとPLというのは、実はそれぞれの役割が違うということだけであって、どちらが偉いということとは全く無関係であることがわからないかい?

太郎:な、なるほど!なんとなくPMは上位管理職が、PLはその部下がっていう固定観念があったかもしれません。確かに、担当する役割が違うだけであって、ここに上下関係ってないですね。

先輩:そういうこと。

例えば、入社3年程で、プログラミングスキルは全然ないけれど、スケジュールを立てたり、リソースの調整をしたり、計画通りに物事が進捗しているかなど、管理スキルに長けた人(PM向き)もいれば、経歴15年の伝説的なスーパープログラマーで、業務知識も豊富、カリスマ性も持っているような人(PL向き)だけど、スケジュール管理やコスト管理は苦手だなぁって人だっているわけだよ。ならば、適材適所で、それぞれの得意分野を担当すれば、効率よくプロジェクトを進めていくことができるよね。

太郎:役職や、どっちが偉いとかではなく、それぞれの役割っていう考え方ですか。クールっすね!

先輩:So、Coolね!プロジェクトマネージャー(PM)の具体的な役割というのは、基本的には、プロジェクトのメンバと一緒に活動をするものであって、主にプロジェクトの予算管理、スケジュール管理、リソースの調整・調達、リスク管理などを行いながら、プロジェクトが予定通りに進行しているかを常にチェックして、問題があれば、何かしらの手を打つことだね。

決して偉そうに座ってるのが役割ではないのだよ。

常にスケジュールとにらめっこして、ああでもないこうでもない、って調整事で悩んでる姿を思い浮かべるとイメージ付きやすいかな?

一方でプロジェクトリーダー(PL)の具体的な役割とは、プロジェクトチームのメンバをまとめ、的確な指示をしたり、いろんな関係者への説明や説得、提案をすること。実際に自分自身は成果物を製造することはないかもしれないけれど、チームのメンバにやるべきことをやってもらいながら、目的の成果を達成させることが主な役割だ。そのためには、業務知識も必要だろうし、計画を守り成果を達成させるために様々な工夫や努力、コミュニケーション力などが求められる。どちらかと言えば、マネジメントスキルよりも、行動力やリーダーシップの方が求められる場合が多いね。

太郎:こんな風に具体的に役割分担を聞くと、プロジェクトマネージャー(PM)よりも、プロジェクトリーダー(PL)の方が難しく聞こえますけど、それは合ってますか?

先輩:まぁ、一概にそうとは言えないけどね。だって、そもそも業務の性質が異なるからね。

PMのマネジメントという業務自体、様々なスキルを必要とする専門職だから、やっぱり、優秀なPMはほんとうに少ない貴重な人材であることは間違いないと思うよ。ただし、マネジメントのノウハウ自体はある程度確立している部分もあるから、プロジェクトの内容に係わらず、マネジメント専門の人とか、そういうサービスを提供している外注ベンダを利用することができるのもPM業務の特徴だね。

太郎:へ~、PMを社外から雇うなんていうやり方もあるんですね!?知らなかった。

先輩:一方で、プロジェクトリーダー(PL)の場合はそうもいかない。

プロジェクトをゴールに導くためには、深い業務知識や、提案力、設計スキル、プログラムスキルなども必要だし、常に変化する問題をクリアして、メンバに適切な指示を出し、プロジェクトを計画通りに遂行していかなければならない。そのためには、社内の関係者を巻き込んで調整をするとか、経営者の代わりに会社としての意識決定をすることもあるだろ。こういった社内調整事に密に関わる業務においては、立場的に社外の人がやるのは難しいだろうからね。

私の考え方は、社内でしか調達することができないプロジェクトリーダー(PL)を育成することが、とても大切だと思っているんだ。太郎君はその入り口に立ったっていうことだね。

太郎:ぐは、急にプレッシャーが。。。

太郎:PMとPLのそれぞれの役割については、ある程度理解してきました。

ところで、役割分担は理解したのですが、実際、スケジュール管理とか、リソース管理とか、コスト管理って、うちの会社ではPLがやってますよね?これがうちの会社の文化っていうことになるんですか?私はPLなんですよね?でもPMの業務であるはずのマネジメント(管理)も同時にやらないといけないんですよね?これはどう理解したらいいんでしょうか?

先輩:まぁ、焦るな。

今話したPMとPLの役割分担については、あくまでも、「プロジェクトを管理する人をPM」、「プロジェクトを計画通りに実行し、ゴールに導く人をPL」という前提で説明したに過ぎない。実際の業務においては、そんな綺麗に役割分担なんてできないんだよ。大規模プロジェクトであれば、説明の通り管理業務を専門に行うPMを据えることも当然あるし、それを第三者的にサポートするPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)という組織を配置することだってある。PLの配下にサブPLを複数名配置することだってある。

逆に、小規模のプロジェクトでは、そんな管理専任者など、コスト的に据えられない。だから、呼び名はPLであっても、やってる業務はPM業務とPL業務を一人で兼務する場合だってあるんだ。大事なことは、管理業務も実行業務もその責任を負った担当者が必ずいるということ。そして、指示系統を混乱させないためにも、TOPリーダー(指示者)は一人であるということが重要なんだ。

太郎:ふむふむ、ということは、私はPM兼PLということになるわけですね。

先輩:まぁ、焦るな。焦るな。最後まで聞け。

先輩:もう一つ重要なことは、それぞれの会社にはルールってものがあるんだ。うちの会社を例にすると、プロジェクト管理において以下のルールを適用している。

【プロジェクトの要員構成】

・各プロジェクトは、プロジェクトマネージャー(PM)1名、プロジェクトリーダー(PL)1名以上および、プロジェクトメンバで構成するものとする。

・PMは、管理職または専門職以上の職掌の者が行う。

【PMの任務】

・プロジェクトの企画提案、立上、計画策定、実行、監視コントロール、終結の全プロセスにおいてプロジェクト全体をマネジメントすること。

・計画されたソフトウェア製品について、要求・品質・コスト(予算)・納期を満たしプロジェクトを完了させること。

【PLの任務】

・PMの指示に従い、プロジェクト全体をコントロールすること。(スケジュール管理、要員管理、コスト管理、リスク管理、外注管理等)

・プロジェクト計画の策定および実行・推進

・計画されたソフトウェア製品について、要求・品質・コスト(予算)・納期を満たしプロジェクトを完了させること。

太郎:な、なんと!こんなルールがあったとは!

先輩:上記のルールにプラスして、PLがやるべきプロジェクトの計画と管理についても取り決めている。例えば、

・プロジェクト全体の開発工数見積

・外注含む要員計画

・個々のメンバに対する業務分担範囲の明確化

・実行予算作成と目標利益の算出

・開発スケジュールの作成と、期間内にプロジェクトを完成できるよう管理する

・進捗管理と必要に応じた対策

・プロジェクトメンバの管理(進捗把握、健康把握、士気向上など)

・予算管理(予算内にプロジェクトを完成させる)

・品質管理(成果物を可能な限り品質の高いものにするため、品質管理を行う)

・報告(PLはPMに対してプロジェクト状況の報告をしなければならない)

という役割だ。

だから、うちの会社においては、PMの指示のもと、基本的にはPLがプロジェクト管理の計画も遂行も行うことになっているんだ。

分かったかい?

太郎:なるほど、一般論としてのPM、PLの役割を理解したうえで会社の管理規定(ルール)などの決め事に従って、役割と責任を負うっていうことなんですね。

今回のプロジェクトにおける自分自身の役割というものが理解できました。

先輩:最後にもう一つ、大切なことを教えるよ。

太郎:はい、お願いします。

先輩:それは、「報告」の大切さをしっかりと理解するということだ。

太郎:「報告」ですか、は、はい。

先輩:順調に行っている時の報告は、何も問題ないんだけど、プロジェクトが遅れだしたり、大きな問題が発生したにも拘わらず、PMに対して「順調です」って、『嘘の報告』をするPLがいる。これは、絶対にしてはいけないことだからね。PLの心理としては、PMに怒られたくないとか、責任感やプライド、何とか盛り返そう、まだ大丈夫だ(楽観視)、と、色んなことを考えてしまうのは分からなくもないのだけど、それでも、決して嘘を報告してはいけない。隠してもいけない。PMはPLにとって敵ではないのだから、きちんと状況を報告し、事態を共有して、PL一人で責任を背負わず、PMに相談し、指示を仰ぐことがとても大切なことだよ。PM側も、PLがきちんと報告をしてくれる健全な環境を作ることは大切な役割と言えるね。

太郎:う、う、う(涙)プロジェクトにおいてPLは一人だけど、心は一人じゃないってことですね。泣けるぜぃ!

先輩: ...(ほんとにわかっただろうか?)ただし、報告は簡潔に正確にだからね。

太郎:はい、よくわかりました!なんでもきちんと報告するようにします。

ありがとうございました。

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