エンジニアリングマネージャーとは?役割や業務内容を解説

 2022.12.07  株式会社システムインテグレータ

近年、デジタル化を推進する企業が増え、IT人材の需要が増加し続けています。

その中で誕生したエンジニアリングマネージャーという役職はご存じでしょうか。

エンジニアリングマネージャーは主に、エンジニアのマネジメントを行う役職で、エンジニアの新たなキャリアとしても注目を集めています。この記事では、エンジニアリングマネージャーの役割や業務内容、必要とされるスキルなどを詳しく解説します。

エンジニアリングマネージャーとは

Candid image of a group with succesful business people caught in an animated brainstorming meeting

エンジニアリングマネージャー(EM)とは、エンジニアのマネジメントを行う役職です。主な業務は、エンジニアの採用から教育・配属、技術に関する意思決定、ビジネスモデルの設計、マーケティングと多岐にわたります。

エンジニアリングマネージャーには、専門性の高いチームを管理してプロジェクトを成功へと導く能力が求められます。そのため、マネージャーに必要な人事採用や教育はもちろん、開発技術に関する深い知識も必要となります。また、エンジニアリングマネージャーは、企業によって求められる役割は変化するため、柔軟性や向上心がないと務まらないポジションです。

ここまで紹介してきたエンジニアリングマネージャーと混同したり、間違われたりする役職として「プロジェクトマネージャー」「テックリード」の2つが挙げられます。ここでは、エンジニアリングマネージャーとの違いをそれぞれ紹介します。

プロジェクトマネージャーとの違い

両者の違いは業務範囲です。

エンジニアリングマネージャーはエンジニア経験者が担うため、プロジェクトを含めた「エンジニア組織」のマネジメントまで行います。両者の違いはマネジメントの領域である点だと覚えておきましょう。

このプロジェクトマネージャーとよく似た役職に「プロダクトマネージャー」があります。両者に関しては以下に詳しい記載があるので、ぜひこちらもご確認ください。

プロジェクトマネージャーとは?仕事内容や役割、必要なスキルを解説

プロダクトマネージャーとは?役割や業務内容、プロジェクトマネージャーとの違いを解説

テックリードとの違い

両者の企業における役割は根本的に異なります。テックリードは主にプロジェクトやプロダクトの技術的なリードを最前線で担うのが役割です。「リードエンジニア」や「テクニカルリード」と呼ばれる場合もあり、企業の技術を支える屋台骨のような存在といえます。

なお、エンジニアリングマネージャーには技術担当者のチームの働きやキャリアを支援する役割があり、両者は企業内で別の役割を担っている点を理解しましょう。

開発技術にはさまざまな手法が用いられています。代表的な開発手法は「アジャイル開発」と「DevOps」の2つです。詳しくはこちらもご覧ください。

アジャイル開発とは?特徴やウォーターフォールとの違いなど徹底解説

DevOpsとは?目的や重要性、導入メリットを解説

エンジニアリングマネージャーの役割

エンジニアリングマネージャーには、主に3つの役割があります。エンジニアリングマネージャーが担う役割は以下の通りです。

エンジニアの生産性およびスキル向上を図る

エンジニアの生産性を高めるには相談体制の整備も必要です。きめ細かなケアや技術的なフィードバックも行えば、より高い効果が期待できます。スキル向上を図るには、高性能なハードウェアを導入したり、スキル取得を目的とした勉強会を開いたりするのも効果的です。追加で費用がかかる際は、まずプロジェクトマネージャーに相談しましょう。経理や総務との連携で問題が解決するケースもあります。社内の他部署との連携も忘れずに行うことが大切です。

技術的負債の受け入れと解消の判断を行う

技術的負債(コード負債)とは、コーディングや設計といった技術面で継続的な開発を行う理想からかけ離れた状態のことです。クライアントの利用環境と異なる環境開発や不必要なコード、バージョンが古いツールや言語が該当します。

技術的負債を現場から完全に取り除くのは難しいものの、放っておくとプログラムエラーやトラブルの原因にもなりかねません。また、エンジニアに負担がかかればモチベーションの低下にもつながります。エンジニアリングマネージャーは、既存の技術的負荷をどこまで受け入れ、どのように解消するかを判断する役割も担います。

営業と現場で生じやすい摩擦を減らす

エンジニアリングマネージャーには、営業と現場をつなぐ役割もあります。営業部門は一般的に自社・クライアント問わず、専門的な知識やスキルを習得していません。技術的な知見がないと、無理な納期や仕様の変更が起こりやすくなります。エンジニアリングマネージャーが技術的なアドバイスをすれば、営業とエンジニア間で生じやすい摩擦も抑えられます。営業に無理のない条件を伝え、エンジニアの仕事効率を高めるのが重要です。

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エンジニアリングマネージャーの主な業務

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エンジニアリングマネージャーの業務には一般的な管理業務だけでなく、技術的なアプローチが必要なものまで含まれます。エンジニアリングマネージャーの主な業務は以下の通りです。

採用活動

エンジニアリングマネージャーが開発チームを管理するには、優れたエンジニアの採用が欠かせません。自社に適任者がいない場合は、新規採用するのが一般的です。ITスキルや実績はもちろん、コミュニケーション能力が高く、協調性のある人材が求められます。自社の風土やプロジェクトの要件に合った人材が見つかれば、マネジメントの負担も軽減できます。

新規で適任者が見つからない時は外注という選択肢もあります。外注する際は人事と掛け合う場合もあるので、普段からコミュニケーションを取っておくことも重要です。開発現場の環境やビジョンが共有できていれば、採用活動も滞りなく行えます。

職場の環境整備

プロジェクトにふさわしい開発メンバーがそろっても、職場環境に問題があればエンジニアの生産性も向上しません。普段使っているツールを最新のものやより機能的なものに交換すると、作業能率が上がる場合があります。他にも不要な社内ルールや風習の改正や撤廃、福利厚生の整備も可能です。

エンジニアがのびのびと働けるように職場環境を整えるのも、エンジニアリングマネージャーの重要な業務といえます。

メンバーの目標管理および評価

働く環境が整ったら、次は開発メンバーの目標管理と評価に移りましょう。エンジニアチーム全体のパフォーマンスを向上させるには、個人単位のマネジメントも大事です。定期面談ではメンバーの目標を共有し、達成状況を評価します。仮に目標が見つからないメンバーがいる時は、目標や課題を一緒に考えましょう。他にも、キャリアプランのアドバイスが効果的です。

エンジニアリングマネージャーは高いコミュニケーション能力と、エンジニアのキャリアに対する広い知見を併せ持つ必要があります。

開発現場で発生する課題への対処

開発現場ではさまざまな問題が発生します。例えば、納期の前倒しや開発メンバーの変更はIT業界に付き物です。納期が早まる場合は、プロジェクトの各工程に優先順位付けを行う必要があります。また、人員配置が変わった時は後任選びやメンバーの配置換えも検討する必要があります。新しく実装される機能があれば、システムへの影響を確かめ、修正箇所を洗い出す必要もでてきます。

エンジニアリングマネージャーにはイレギュラー対応にも動じず、プロジェクトを円滑に進める役割も求められています。現場で発生する課題とクライアントから要求されるクオリティとの折り合いを早めに付けられれば、課題への対処もスムーズに行えます。

技術投資計画の策定

システム開発の現場では技術投資の計画を立てるのも重要です。開発環境のバージョンアップやプログラミング言語、ツールおよびインフラ構成の整備は経営者のビジネススキルでは判断できません。エンジニアリングマネージャーのIT技術に関する専門的知見があれば、適切な投資計画の策定が可能です。技術投資計画を策定する際は、世界情勢や社内の状況を考慮し、先を見通した計画を提案しましょう。

エンジニアリングマネージャーに必要とされるスキル

エンジニアリングマネージャーに必要とされるスキルは多岐にわたります。あらゆる職種で必要とされるコミュニケーション能力や、より専門的な能力も含まれています。エンジニアリングマネージャーに必要とされるスキルは主に以下の6つに分けられます。

言語化能力

エンジニアリングマネージャーには、現場とクライアントの意見を分かりやすく言語化する能力が求められます。クライアントは技術的な知識が少ないケースが多く、現場の話や専門用語が伝わりづらい場合があるのです。エンジニアリングマネージャーが両者の橋渡しとなり、双方の伝えたい内容を共有できれば、エンジニアとクライアントの意思疎通もスムーズに行えます。

プロダクトマネジメント能力

プロダクトマネジメント能力とは、どのような製品を作るかを管理するスキルのことです。クライアントのニーズを突き止め、課題解決につながる製品機能やインターフェースを考えます。自社のリソースとビジョンを元に、実現性の高い製品を設計するのが重要です。マーケティングやビジネスモデル、顧客心理への理解だけでなく、ビジネス的な思考もあればなお良いでしょう。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力はあらゆる仕事で必要とされるスキルです。エンジニアリングマネージャーの場合は、技術的な知識が不足している他部署のメンバーやクライアントとも関わる機会が多くあります。周囲からの信頼を獲得するのに近道はなく、日頃からコミュニケーションを大切にすることが大事です。エンジニアが困った時に相談しやすい環境も整えておけば、トラブルや課題も未然に防ぎやすくなります。

ピープルマネジメント能力

ピープルマネジメント能力とは、開発チームのメンバーのやる気や能力を引き出すスキルのことです。各メンバーとの面談で目標を明確化し、会議形式の「ファシリテーション」やメンバー間の信頼関係を構築する「チーミング」を行います。ピープルマネジメントは、エンジニア個人やチームの力を最大限引き出すのに効果的な方法です。エンジニアリングマネージャーの基礎的なスキルとして理解しましょう。

テクノロジーマネジメント能力

テクノロジーマネジメント能力は、生産性を技術的な視点から最大化するのに不可欠なスキルです。テクノロジーマネジメント能力があれば開発効率を最大化するのに必要なものが分かり、安心してシステムを運用できます。テクノロジーマネジメントは、全てのプロジェクトマネージャーが持っているスキルではありません。プロジェクトマネージャーとエンジニアリングマネージャーを区別する要素の一つとなると覚えておきましょう。

エンジニアリングマネージャーについて学ぶ

エンジニアリングマネージャーへの理解を深めるには、関連書籍を活用する方法もあります。基礎から応用まで、技術系マネージャーに必要な情報が体系的に学べます。おすすめのエンジニアリングマネージャーに関する書籍をいくつかご紹介します。

おすすめ書籍1

『エンジニアのためのマネジメントキャリアパス ―テックリードからCTOまでマネジメントスキル向上ガイド』

著者:Camille Fournier
訳:武舎 広幸、武舎 るみ
まえがき:及川 卓也
出版社:オライリー・ジャパン

https://www.oreilly.co.jp/books/9784873118482/

こちらの本は、IT業界の管理職に求められるスキルが学べる内容になっています。インターンのメンターからテックリード、チームを統括するエンジニアリングリードなど、さまざまな立場で必要とされる役割の違いも理解できはずです。技術系の管理職としての課題との向き合い方や、解決につながるテクニックに触れているのも特徴です。

おすすめ書籍2

『エンジニアリングマネージャーのしごと ―チームが必要とするマネージャーになる方法 』

著者:James Stanier
訳:吉羽 龍太郎、永瀬 美穂、原田 騎郎、竹葉 美沙
出版社:オライリー・ジャパン

https://www.oreilly.co.jp/books/9784873119946/

2冊目に紹介するのは『エンジニアリングマネージャーのしごと』です。エンジニアリングマネージャーに必要な考え方やスキルが1冊に集約されています。

おすすめ書籍3

『改訂 エンジニアリングマネージャー強き技術系管理者への道』

著者:M・K・バダウィ
訳:角 忠夫
出版社:日科技連

https://www.juse-p.co.jp/products/view/212

最後に紹介するのは『改訂 エンジニアリングマネジャー』です。この本は、MOT(技術経営)大学院で技術管理を学ぶ人や技術系管理職に昇格した人向けの書籍ですが、エンジニアから管理者にステップアップする際に必要な内容が網羅されています。実際に役立つ手法や管理基準がまとめられていて、留意点も学べるまさに技術管理者のバイブルと呼べる1冊です。

まとめ

エンジニアリングマネージャーはエンジニアのマネジメント全般を行う役職です。プロジェクトマネージャーやテックリードと混同されやすい印象ですが、マネジメント領域や役割に明確な違いがあります。エンジニアリングマネージャーの主な役割や業務、スキルを紹介しましたが、より深く知りたい場合は記事の後半で紹介した書籍も参考にしてみてください。

エンジニアリングマネージャーの役割としては、エンジニアの価値を最大限に引き出すことと同様にプロジェクト全体の管理も重要です。

プロジェクト管理に関する詳しい資料もご用意していますので、ぜひご活用ください。


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