社員のモチベーションを向上させる効果的な施策とは?低下の要因と対策を解説

 2023.02.01  株式会社システムインテグレータ

企業が成果を出し続けるには、あらゆる社員が日々の業務を着実に、効果的に遂行していく必要があります。しかし、社員一人ひとりには個々のライフスタイルや抱える事情があるため、常に100%の成果を求めるのは現実的ではありません。

企業として、社員個々人が持つ背景を無視し、業務の遂行を強いる姿勢は褒められたものではありません。労働環境の悪化は社員のモチベーション低下を招き、社員のモチベーションが低下すれば生産効率が下がり、会社の業績悪化につながる恐れがあります。そこで企業には、「利益を出して社会に貢献する」という役割を果たすために、「自社社員のモチベーション維持・向上に努める」責任があるのです。

この記事では、社員のモチベーションを上げるためにはどうすればよいのか、モチベーションを上げるべき理由やモチベーション低下の要因とともに解説します。

モチベーションとは何か

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モチベーション(Motivation)とは、直訳すると「(何らかの目標などに対する)動機」となり、「意欲」や「やる気」の意味で使用されることが多い言葉です。モチベーションは日々の生活におけるあらゆる場面に存在する概念といえます。日常生活だけではなく、ビジネスシーンにおいてもモチベーションは存在しており、この場合は「業務意欲」の意味合いで使われます。

モチベーションには2種類ある

ビジネスシーンにおけるモチベーションは「業務意欲」ですが、もう少し深掘りしてみるとその実態は2種類に分かれます。これは「内発的動機づけ」および「外発的動機づけ」と呼ばれます。

内発的動機

個人の内的欲求から発生するモチベーションのことで、ビジネスシーンでは「仕事へのやりがい」や「楽しさ、充実感」などが挙げられます。外的な報酬を必要とせず、自分の中から湧き上がる「動機や意欲」に基づくため、外発的動機づけよりもモチベーションの維持が容易であるという側面があります。

外発的動機

外的な刺激や干渉によって発生するモチベーションを指します。ビジネスシーンに置き換えてみると、「昇給」や「昇進」などが代表的な例といえるでしょう。モチベーションの向上に効果的ではありますが、その効果が一時的なものにとどまる点が外発的動機づけのデメリットです。そのため、何らかの外発的動機づけをきっかけとして内発的動機づけにつなげていくことが、向上したモチベーションの維持に効果があるとされています。

社員のモチベーションを上げるべき理由

では、なぜ社員のモチベーションを上げることが重要なのでしょうか。ここでは、大きく「生産性の向上」「離職率の低下」「主体性の向上」という3つの側面に焦点を当てて解説します。

生産性の向上につながる

「生産性が高い」状態とは、「実働時間に対して成果率が高い状態」です。少ない時間で多くの成果を上げられる状態を維持するためには、社員のモチベーションを上げることが不可欠です。「業務意欲」の高い社員は一つの業務に注ぐ熱量が高く、質とスピードともにモチベーションが低い社員よりも優秀な成果を残せる可能性が高まります。

一方モチベーションが低い社員は、業務に臨む意欲そのものが低下している状態にあり、モチベーションの高い社員に比べると一つの仕事を完了させるにも時間がかかってしまうかもしれません

生産性の高さは企業の利益獲得に直結する要素でもあるため、社員のモチベーションを高め、生産性の向上につなげることは非常に重要といえます。

離職率の低下につながる

モチベーションが低い状態というのは、何らかの要因で現在の仕事に「やりがい」や「楽しさ」を感じられていないということです。この状態が続けば、「今の職場に居続ける意味があるのか」と考え、離職につながります。

モチベーションが高い社員であれば、属している会社で働くことに何かしらの意味を見いだしている可能性が高いです。そのような状況で離職することは、キャリアアップを目指している場合などを除き、考えづらいといえます。

つまり離職率の低下は、社員の定着率向上とほぼ同義であり、企業イメージの向上に大きく関わります。また、採用・教育コストを抑えることにもつながるため、「社員が働き続けたいと思える」企業づくりでモチベーションを上げることが大切です。

主体性の向上につながる

自らが業務に関与している感覚が明確になればなるほど、仕事に臨む姿勢は真剣で熱量の高いものになります。そうなれば、生産性の向上につながることはもちろん、「内発的動機づけ」を維持できます。

また、主体性を持って業務に臨む社員の姿は、周囲の社員に良い影響を与えることも可能です。「あの人はあれほど積極的に仕事をしているのだから、自分も頑張らないと」と周囲の社員が思えれば、労働環境の向上にもつながるかもしれません。

主体性の向上につなげるためにも、社員のモチベーションを上げることは重要です。

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社員のモチベーションが上がらない要因とは

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続いて、社員のモチベーションが上がらない理由について、3つの観点から考えてみましょう。ビジネスシーンにおけるモチベーション低下の要因は、大きく「人間関係」「待遇」「業務上の問題」の3つに分けられます。

人間関係の問題

ほとんどの仕事は一人の力で完結するものではありません。自分以外の誰かとの協力関係があってこそ、成立するものです。それゆえに、人間関係の悪化が原因で仕事のモチベーションが低下してしまう事例は数多く存在します。

上司との折り合いが悪ければ、建設的な内容を含む指摘をされても“小言”や“意地悪”に聞こえてしまい、前向きに上司の言葉を取り入れられないでしょう。また、チームメンバーとの間に壁や溝がある場合、プロジェクトを進める上で円滑なコミュニケーションを取ることができない恐れもあります。

こうした人間関係上の問題があると、意欲を持って業務に臨むことは非常に難しくなり、結果としてモチベーションの低下につながります。

待遇の問題

給与や福利厚生の面で不満がある場合にも、社員のモチベーションは低下してしまうでしょう。待遇は外発的動機づけの代表的な例ですが、内発的動機づけの維持・向上のきっかけとして待遇面が充実していることは重要です。

給与面での不満は「正当に評価されていない」という感覚、福利厚生面での不満は「会社から大切に扱われていない」という感覚につながる恐れがあります。残業が多く少ない休日の場合も、社員の心身に悪影響を及ぼし、モチベーションの低下だけでなく離職の原因となり得るでしょう。

正当な評価と法令遵守が前提条件ですが、社員の頑張りに見合わない、または「業務意欲」を低下させるような待遇を設定しているのであれば、いち早く改善しなければなりません。

業務の問題

課される業務が社員の能力を超えている、または能力に見合わないほどレベルの低い内容である場合も、社員のモチベーション低下につながる恐れがあります。

能力以上の業務を課されると、成果を出しづらいため焦りが生じ、成果を出せないことに対して叱責されれば業務への意欲は減退するでしょう。反対に、自らの能力と照らし合わせて明らかに簡単すぎる業務を任されても、会社への不信感が増すだけです。

適切に業務を割り振れないということは、社員の能力や実績を把握していないとも捉えられます。会社への信頼喪失、やがては離職の原因となる恐れが高いため、社員個々人の能力やスキルに合わせた割り振りを心がけましょう。

社員のモチベーションを上げる施策

それでは、具体的にどうすれば社員のモチベーションを向上させることができるのでしょうか。ここからは、社員のモチベーションを上げられる施策を5つに分けて解説します。

適切な目標設定

社員が「何のために働いているのか分からない」状態では、モチベーションの維持・向上は図れません。そのため、企業として何を目標にしているのか、そのために社員が遂行しなければならないことは何なのかを明示することが重要です。

その際、社員それぞれの能力や実績をもれなく把握した上で、個々人に対してどのような役割を担ってほしいのかを確実に伝え、適切な目標設定ができるように助力すると良いでしょう。これは、社員の能力を無視した単なる数値目標などではありません。社員が遂行できるであろう目標、あるいは能力を超えていても遂行することによりステップアップが見込める目標を設定し、その理由も併せて伝えることがポイントです。

相談ができる環境づくり

業務を遂行する上で困ったことが起きた際に、気軽に相談できる環境があれば社員のモチベーション維持につながります。相談できず、一人で問題を抱え込むような環境下では成果を出しづらく、社員の自己肯定感が下がる要因になるでしょう。また、仕事への意欲や会社への信頼も減退する恐れがあります。

部下が上司に何でも気軽に相談できる環境の構築は、社員のモチベーション維持・向上のためには不可欠です。代表的な施策としては「1on1」が挙げられます。1on1は部下を軸として行われ、定期的な実施によって効果を発揮します。

1on1の詳細については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

1on1ミーティングの効果的なやり方・効果・ポイント、実施手順を詳しく解説

企業の理念や方針への共感を得る

「なぜこの会社が存在しているのか」という根本的な理由について、全社的に認識してもらうことも非常に重要です。企業理念・方針を確実に伝え、自らが属している会社が社会的にどのような役割を担っているのか、その役割を全うするために社員個々人は何をすればよいのか、分かりやすく伝えるようにしましょう。「誰かの、何かの役に立っている」という実感は、あらゆる人間にとってとても重要です。

この際、全社員が理解できるように伝えることがポイントなので、難解な言い回しや専門的な用語については言い換えるといった工夫が必要です。また、立派な企業理念を掲げていても、実態がそれに伴わないような環境ではむしろ不信につながります。企業理念・方針と実態に一貫性を持たせましょう。

評価制度を明確にする

昇給・昇格の理由や、プロジェクトを達成した際のフィードバック、あるいは成果を出せなかった際の指摘など、社員が業務を遂行する上で評価は必ず付いて回るものです。「なぜそのような評価になったのか」が明確ではないと、それが良い評価であっても疑問点が残ってしまいます。

そのため、どのような基準で評価するのかを明確に伝え、評価は公平に実施されることも併せて伝えるように気を配りましょう。また、成果を出すまでの経緯についても同様に、評価基準に入れることが重要です。

働きやすい環境を整える

「働きやすい環境」とは、さまざまな要素が組み合わさって初めて成立します。ワークライフバランスが充実している、日々の業務をルーティンワーク的にこなすだけではなく新しいことに挑戦できる機会が用意されている、社員それぞれが意欲を持って業務に取り組んでいるなど、複数の要素が重なり合ってこそ働きやすい環境になるのです。

また、日々の業務が効率的に回転する状態も働きやすい環境の構築に一役買います。業務の中に無駄な作業があると、社員のモチベーションは低下してしまうでしょう。

このように、複数の観点から「働きやすさ」とは何かを考え、環境整備に取り組むことが重要です。

働きやすさの実現にツールを活用する

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全社的にモチベーションを維持・向上させた状態で企業運営を続けていくためにはいくつかの対策が必要になり、その一つである「プロジェクト管理を適切に行い、作業効率を改善させること」は非常に重要です。

弊社では、この対策に効果的なプロジェクト管理ツール「OBPM Neo」を展開しています。当ツールを活用すれば、プロジェクトの標準化・見える化が可能となり、プロジェクト管理における“無駄”を排除できます。これにより、全社的なモチベーションアップと生産性向上に効果を発揮します。

まとめ

社員のモチベーションを向上させ、その状態を維持することは利益の獲得と企業イメージの向上につながります。モチベーションアップのためにはさまざまな施策を実施する必要がありますが、全てを自社内で完結させようとした場合、想定外の時間と労力がかかるでしょう。

まず着目すべきは「モチベーションを上げる施策」ではなく「モチベーションを下げる原因」かもしれません、そもそもの原因や課題が解決されない状態で、その他の施策を打ってもうまくいかないかもしれません。

モチベーションを下げる大きな原因のひとつが、ムダな作業です。モチベーションだけでなく、生産性も大きく下がってしまいます。社員全員の生産性を効率的に可視化するプロジェクト管理ツールを導入することで、モチベーション向上の成果も計測することもできます。

プロジェクト管理を強化することで、効率化と無駄の排除が実現し、社員のモチベーション向上につなげることが可能です。

プロジェクト管理に関する詳しい資料もご用意していますので、ぜひご活用ください。


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