プロダクトマネージャーとは?役割や業務内容、プロジェクトマネージャーとの違いを解説

 2022.05.13  株式会社システムインテグレータ

セールス、マーケティング、エンジニアなどさまざま分野でマネジメント職が活躍していますが、近年特に大きな注目を集めている職種が、プロダクトマネージャーです。

当記事では、プロダクトマネージャーの概要、ニーズが高まってきた背景、主な業務、求められるスキルについて解説します。プロダクトマネージャーに興味がある方や、自社で採用を検討している方は、ぜひ参考にしてみて下さい。

プロダクトマネージャーとは

プロダクトマネージャーとは?役割や業務内容、プロジェクトマネージャーとの違いを解説 1

プロダクトマネージャー(Product Manager)とは、企業のプロダクトに対して全責任を負い、決定権を有する職種のことです。頭文字を取るとPMとなりますが、後述するプロジェクトマネージャーもPMとなるため、分けるためにPdMと略されます。

PdMの主な役割は、プロダクトの企画・開発・販売・改善など全般に携わり、プロダクトの成長・事業の成功・売上目標達成を目指すことです。

開発職のマネージャーだと開発工程にフォーカスした職種のイメージがありますが、実際にはプロダクト全般に携わり企業活動の舵取りを行うという、経営的視点が求められる経営者に近しい職種です。

プロダクトとは

プロダクトとは、企業が生産する製品・商品のことです。本来は工業製品のことを指す用語として用いられていましたが、現在のビジネスシーンでは有形・無形を問わずあらゆる製作物・生産物・制作物に対して使用されています。

例えば、システム開発会社であればシステム・ソフトウェアがプロダクトとなり、自動車メーカーであれば自動車がプロダクトとなります。

プロダクトマネジメントとは

プロダクトとは上述の通り「製品・商品」という意味を指すワードであるため、プロダクトマネジメントを直訳すると「製品管理」という意味になります。しかし、現代のビジネスシーンにおけるプロダクトマネジメントは、単に製品管理を行うだけに留まらず、製品と顧客の間に立って顧客満足を追求していくビジネスマネジメントにまで業務範囲が広がっている点に留意しておく必要があります。

プロダクトマネジメントにはさまざまな手法がありますが、その工程は大きく分けて上流工程・下流工程に分かれます。

■上流工程

  • 市場分析、ターゲット設定、コンセプト設計
  • 戦略策定
  • 製品の企画、開発、リリース

■下流工程

  • 製品管理、マーケティング、販売
  • 効果測定、改善施策、ライフサイクル管理

このように現代のプロダクトマネジメントでは、製品のリリースから終売までのライフサイクル全般に携わることが一般的となっています。

プロダクトマネジメントの広範囲化に伴い、実務にはビジネスフレームワークや統計解析、分析手法、戦略的思考などのスキルが必要となるシーンも多くあります。

プロダクトマネジメントの概要、役割等については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご参考下さい。

プロダクトマネジメントとは?全体像とその役割・必要なスキルついて

プロダクトマネージャーが必要とされる背景

プロダクトマネージャーが近年大きな注目を集めニーズが高まっている背景には、IT・Webを活用したプロダクトの急増が理由として挙げられます。IT・Web系の事業会社はもちろん、そうではない業界の企業に関しても、ビジネスを成長させるためにIT・Webを活用したプロダクトを積極的に提供するようになってきています。

IT・Web系のプロダクトは、製品・サービスのクオリティが優れているだけでなく、いかに顧客を増やして長く利用してもらうかが成功のポイントです。プロダクトのグロース・マーケティング・カスタマーサポート・UI・UXなどあらゆる角度から施策を実施する必要があるため、多くの企業がその役割を担えるプロダクトマネージャーを強く欲している事情があります。

IT・Web系のプロダクトの競争は非常に激しく、今後も続々と新しいプロダクトがリリースされることは明らかであるため、プロダクトマネージャーに対するニーズは今後も高まり続けるでしょう。

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プロダクトマネージャーの主な業務内容

プロダクトマネージャーとは?役割や業務内容、プロジェクトマネージャーとの違いを解説 2

ここでは、プロダクトマネージャーの主な業務内容について解説します。

プロダクトの企画立案

プロダクトマネージャーの業務の中心が、プロダクトの企画・立案です。ターゲット選定・市場分析・開発計画策定を行い、顧客に支持されるプロダクトをリリースして、経営上の目標を達成する具体的な方法を考えます。

リリース後もプロダクトを成長させていく必要があるため、KGI・KPI・KSF等のビジネス指標を用いたロードマップの作成も行います。

戦略の策定

プロダクトマネージャーは、プロダクトの成長に全ての責任を負う職種であるため、各種戦略の策定も重要な業務となります。具体的には、以下のような戦略の策定を行います。

  • プロダクト戦略

プロダクトのターゲット・コンセプト・価値・優位性等について検討を行い、プロダクトを成長させていく方法を考える。

  • マーケティング戦略・販売戦略

ターゲットに対してプロダクトの販売・価値の提供を行い、売上をあげていく方法について考える。

プロダクトマネージャーが策定する戦略は幅広いため、生産部門・営業部門・販売部門・マーケティング部門等とも連携・協業しながら、ベストな戦略を模索していく姿勢が求められます。

リリース後の効果測定

プロダクトマネージャーは、プロダクトをリリースするのが最終目的ではなく、リリース後も継続的にプロダクトを成長させ続け、成功へと導くのが本来の目的です。そのため、プロダクトのリリース後には効果測定・分析を行い、改善点を見いだすことも重要な役割となります。

改善点を洗い出したら、販売戦略や製造プロセスに修正を加えるなど具体的なアクションへと繋げ、プロダクトを成長させていきます。

プロジェクトマネージャーとの違い

プロダクトマネージャーとよく混同されやすい職種には、プロジェクトマネージャーがあります。名称は類似していますが、マネジメントを行う対象が異なることから、両者の役割は大きく異なります。

以下は、プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーの主な違いについて比較した表です。

 

プロダクトマネージャー

プロジェクトマネージャー

目的

製品価値の最大化

目標達成(プロジェクトの成功)

主な役割

製品に関する全てを監督

製品開発プロジェクト全体を監督

業務内容

製品の企画・開発・販売

工程・品質・コスト・リソースの管理

簡単にまとめると、プロダクトマネージャーは製品開発の一連の流れを管理する職種で、プロジェクトマネージャーは開発プロジェクトを完遂できるように管理する職種と言えるでしょう。両者とも製品の開発に携わることから、役割が重複する部分もあります。

プロジェクトマネージャーの概要については、以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご参考下さい。

プロジェクトマネージャーとは?仕事内容や役割、必要なスキルを解説

プロダクトマネージャーに必要なスキル

プロダクトマネージャーには、プロダクトの責任者としてあらゆる業務に携わるため、幅広いスキルが求められます。ここでは、プロダクトマネージャーに必要となるスキルについて解説します。

課題解決能力

プロダクトマネージャーの仕事は、課題解決の連続です。プロダクトでどのように顧客の課題を解決するのかを考えるところからはじまり、開発・販売・改善のプロセスにおいて生じる膨大な課題も都度解決していく必要があります。

プロダクトの成功はプロダクトマネージャーの課題解決に左右されると言っても過言ではないため、課題解決能力はプロダクトマネージャーとして活躍するためのベースであり必須となるスキルです。

コミュニケーション能力

プロダクトを成功させるためには、社内の各部門・社外の関係者や協力者といったさまざまなステークホルダーと円滑なコミュニケーションを取り、滞りなく連携・調整を行うことが重要です。

そのため、プロダクトマネージャーにとってコミュニケーション能力は業務遂行上欠かせないスキルとなります。誰とでも円滑かつ確実に情報交換や意見のやり取りができることはもちろん、意見の対立を解消したり交渉をとりまとめたりといった、高度なコミュニケーション能力が求められます。

プロダクトマネージャーの業務の大半はステークホルダーとのコミュニケーションが占めているとも言われているため、コミュニケーション能力は同職種に求められるスキルのなかでも特に重要度の高いスキルです。

マネジメント能力

プロダクトマネージャーは、プロダクトの責任者として製品の開発・販売に携わる複数のメンバーを統率する必要があるため、高いマネジメント能力が求められます。

メンバーの特性を把握した目標設定・進捗管理・フォロー・サポートを行い、各メンバーがスムーズに作業を進められるようなマネジメントを行う必要があります。

プロダクトの開発・販売は社内のメンバーが能力を発揮して上手く協業してこそ成功を収めることができます。マネジメント能力が高いプロダクトマネージャーであれば、成功確率を高めることができるでしょう。

幅広い知識

プロダクトマネージャーは、自社が開発・販売するプロダクトに関連する専門的な知識・詳細な知識はもちろん、企画・開発・販売まで全てに携わるための幅広い知識が求められます。

各部門の担当者や責任者と打ち合わせや議論を交わすことも当たり前のように行う必要があるため、単に幅広く概要を知っているだけでなく、各分野についての高度な知識を有していなければなりません。

知識量が少ないとプロダクト全体を管理して指揮を執ることはまず不可能であるため、プロダクトマネージャーを務めるのであれば、常に学んで幅広く知識を身に付ける姿勢が重要です。

まとめ

プロダクトマネージャーは、近年多くの企業から注目されているニーズの高い職種です。興味がある方や自社に採用したいという方は、主な役割・業務内容・必要なスキルを把握して、同職種について幅広く情報を集めて理解を深めることが重要となります。

プロダクトマネージャーは、プロダクトの開発・販売といったプロジェクトを管理する能力も求められます。

プロジェクト管理に関する詳しい資料もご用意しています。ぜひご活用ください。


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