皆さんこんにちは。プロジェクト管理を実施していると、さまざまな問題と直面することがあるかと思います。今、この記事を読んでいる方の中にも「確かにトラブル続きだなぁ」と共感できた方もいたのはないでしょうか。
プロジェクトで起こる問題は、さまざまな要素で引き起こされますが、見えている問題と、公にはなっていない隠れている問題があります。見えている問題については解決策を検討して、是正を行うことで解消に向かうことかと思いますが、隠れている問題については厄介です。ここで言う隠れている問題とは、「人間関係のトラブル」「体調面や精神的な不安がある」「本音を言うとプロジェクトから抜けたい」など目には見えない部分のことです。
この内容については、プロジェクトデータ、いわゆるQCDの観点で図ることは非常に困難となります。
じゃあどこで気が付くの?と疑問に思われた方もいるかと思いますが、それは普段何気なく書いている「日報」の中にあります。
今回記事は、普段プロジェクト管理を実施している方の中でも、部門メンバーや部下の日報をチェックしている方に向けて、日報に隠された重要ポイント3点をお伝えします。
※以下日報は、弊社のプロジェクト管理ツール「SI Object Browser PM(以下OBPM)」の機能の一部になります。
プロジェクトの日報に隠された重要ポイント3点
その1:日報に書かれた内容から、データでは表現できない感情の部分を把握することができる!
例えば、プロジェクトメンバーでありかつ自分の部下のA太郎から、以下のような日報が投稿されました。
注目すべきは赤枠の部分です。
ここでは「体調がすぐれない」という情報が分かるかと思います。体調が悪い状況でプロジェクトの作業をさせたとしても、生産性は上がらないばかりです。そのためこのような記事を確認した場合は、状況をヒアリングし「辛そう!無理をしている!」と少しでも感じたら、早退させる、休暇を取らせるなどの配慮をすることが必要です。
では、同じく投稿されたB太郎の日報の内容はどのような状態でしょうか?
少し、見てみます。
この内容は「ツラい」ということは、わかりますが、何がどのように「ツラい」ということまではわかりません。しかし日報に、このような内容が投稿されていたとしたらビックリしますよね。
そのためこのような内容が投稿された際には、状況をヒアリングし適宜フォローしていく必要があります。もしかしたら、明らかになっていない事実があるのかもしれません。。。
どんな事実が明らかになっていないのか、私なりに色々と想像してみましたが、以下のようにプロジェクトに纏わる要素が挙げられます。そのため書かれた内容を軽視せず解消に努めていくことが大切なのではないかと考えます。
- 技術的なスキルが足りなく、プロジェクトの作業についていくことがツラい
- プロジェクト内での上司との馬が合わずにツラい
- 単純に残業が多くツラい(プロジェクトの作業量が多い)
その2:プロジェクトの日報に書かれた内容から、書いた人の変化に気づくことができる!
以下、ストーリーにして例を記載していきます。
月曜日
C太郎 から以下のような日報が投稿されました。
作業がとても順調に進んでいるように思えますね。
このような投稿の内容だと確認する側も安心することかと思います。
C太郎のこのような内容は2、3日投稿されていたのですが、ある日のことです。
木曜日
以下のように、突然薄い内容の日報が投稿されていました。
これをご覧になっていかがでしょうか。確認する側は「えっ、急にどうした?」と感じるはずです。
この投稿がされた直後に、フォローや投稿内容が薄い理由を聞く必要はないかと思いますが、何が原因でこのような状態に変化したのか分からないため、C太郎を観察していく必要はあるかと思います。
もし仮に次週に【月曜日】のような投稿がされていた場合は、問題がないかと思いますが、【木曜日】の投稿が続くようなら危険です。その場合は、参考にですが以下のようなことが考えられます。
- 日報に手が回らないほど忙しい
- 報告したくない隠し事がある
- 仕事(プロジェクト)へのモチベーションがなくなってきた
その3:プロジェクトの日報に書かれた内容から、データ上からは確認できない、作業者の負荷状況をチェックすることができる!
ある日D太郎から以下のような日報が投稿されました。
ここで注目いただきたいのは、上記青枠の部分と赤枠の部分です。
まず青枠の部分ですが、工数実績に12.50と記載があります。明らかに稼働時間が長いです。
次に赤枠の部分ですが、青枠の工数実績が物語るように多くのタスクを抱えている状態というのが分かります。また多くのタスクを抱えていることで、各タスクが中途半端な作業実績であることもわかります。このような状況では、どのタスクも中途半端な状態になり、D太郎本人は各プロジェクトリーダから、それぞれお叱り受けることになるかもしれません(苦)
上記のような内容は、プロジェクト単体ではなかなか知ることができません。多くのプロジェクトリーダは自分のプロジェクト配下の作業状況や作業不可ばかりを見ていることがほとんどです。日本特有の考えかもしれませんが「自分のプロジェクト配下の作業負荷が大したことない=そんなに忙しくない・問題ない」と思われがちです。
そのためこのような日報の内容を確認したら、何かフォローしていく必要があるかもしれません。もちろん日報上では詳細な内容を知ることができないため、今の状況を各プロジェクトリーダに伝え調整する、あるいはD太郎本人からヒアリングすることが必要になるかと思います。
プロジェクトで起きている問題は、3つのポイントで日報を探ることでわかる
以上、日報に隠された重要ポイント3点です。いかがだったでしょうか。
プロジェクトについて、データのように目に見える形で管理することはもちろん重要ですが、人は感情で動く生き物ですので、その感情的な部分を上手くコントロールすることも重要になってきます。
よく耳にするのがプロジェクトの問題は「スケジュール遅延、プロジェクト(作業)の優先順位がわからない、資源(人・モノ・金・情報)」がもとになり発生すると言われています。しかしその大本をたどると、コミュニケーションや人の気持ち的な部分が大きく左右し発生すると言われております。※以下が例です。
(例)他に優先すべき作業があるのに、怒られるのを恐れて上司にそのことを報告できなかった、その影響で他の優先すべき作業が遅延した。
(例)本当はやりたくない作業なのに、仕方なくやっている。
(例)プロジェクトメンバー同士で仲が悪く作業がやりづらいため、上手く作業が進まない。
かと言って「プロジェクトの問題=日報の問題」ではないため、上記の内容を日報で直接的に知ることはできないかもしれません。しかしながら日報に書かれている内容は、プロジェクトという1つのくくりを超えた大きな情報が書かれている可能性があります。そのため日々更新された日報を見逃さず確認することで、プロジェクトで起きている問題を見つけるためのヒントを得ることができるでしょう!
日報に記載すべき内容を運用ルール等で定義づけると、より効果が生まれるかもしれません。
今回の考察は以上となります。最後になりますが、以下も合わせてご確認いただけたら幸いです。
プロジェクト管理ツール:OBPMで日報を実現する
OBPMの日報(週報機能)は、日報の内容を投稿して、その内容を確認するという単純な仕組みだけでなく、以下1、2のような用途にも使用できます。
1.日付ベースの作業管理
今週いつどのような作業をしなければならないのかを管理することが可能です。またアサインされたプロジェクト以外の作業管理も可能になるため、自分自身のタスク管理に非常に有効です。
2.コメントの追記
日報を書いた人に対して、コメントを追記することが可能です。コメントを貰えることで、日報を記載するモチベーション、あるいはコミュニケーションの活性化にも繋がります。
参考に頂けたら幸いです。
また、プロジェクト力強化につながるポイントをまとめた資料もご用意していますので、こちらもぜひご活用ください。
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