プロジェクト管理に必要な能力とは

 2017.07.24  株式会社システムインテグレータ

プロジェクトリーダーに任命されたけど、初めてのことで何をして良いか分からない。プロジェクトリーダーとして必要な能力や心得は何なのかわからない。プロジェクト管理で悩みを抱えていませんか?

プロジェクトリーダーに任命されることは素晴らしいことである反面、非常に大きなプレッシャーがかかり、そのせいで潰れてしまう新任プロジェクトリーダーを数多く見てきました。必要な能力を心得、そしてそこに向けて前進する姿勢があれば、プロジェクトを成功に導けたリーダーもまた多かったことでしょう。

今回は、プロジェクト管理に必要な能力、プロジェクトリーダーが持つべき心得について紹介していきます。

プロジェクトリーダーとして必要な能力

スケジュール管理

第一に必要な能力とは“スケジュール管理”です。優れたプロジェクトリーダーは得てして「時間の管理が上手い」という特徴がありますが、時間管理の成否はスケジュール管理で決まります。

具体的にはプロジェクトを完了するためのタスクを可能な限り細かく切り分けて、各タスクの作業時間を正確に割り出し、自らの、そしてチームメンバーの時間をどう割くかを考えます。スケジュール管理能力の高い低いは、こうした時間管理を如何に高い精度で出来るかで判断されるのです。

ここで大切な管理手法がCCPM(Critical Chain Project Management)です。CCPMとはプロジェクトや各予算をギリギリに抑えて「プロジェクト・バッファ」と呼ばれる余裕を持っておくことで、円滑なプロジェクト促進を目指します。

CCPMの詳しい解説については「大型プロジェクトにはCCPMを取り入れようCCPM とは」をご覧ください。

リスクマネジメント

“リスク”とは将来発生する可能性のある問題を指し、リスクマネジメントはこれを回避するための管理手法です。大切なポイントは、過去の事例から発生し得るリスクを想定し、予め対処することにあります。

このため、新米プロジェクトマネージャーが独自にリスクマネジメントを行うのは難しく、先輩や上司の言及をあおぐことが最も大切です。

リスクを正確に予測し回避することができれば、円滑なプロジェクト推進が可能になります。最も発生しやすいリスクは計画変更によるプロジェクト遅延です。

プロジェクト規模が大きくなるほど初期計画通りにいくことはまず無いので、計画変更時に柔軟に対応するための管理が必要になります。ここでのリスクマネジメントは、予め計画変更を予測して複数のシナリオを用意しておくことです。

リスクマネジメントを徹底できるようになれば、プロジェクトをスムーズに進行できます。

伝える力

“伝える力”とはチームメンバーやプロジェクトリーダー同士でコミュニケーションを取る上で最も大切な能力であり、身に付けることが最も難しい能力でもあります。伝える力と言えばジャーナリスト池上彰氏のベストセラー著書「伝える力」で有名になりましたが、同書ではビジネスパーソンにとって必要なコミュニケーション能力を、伝える力として体系立てて解説しています。

伝える力があるということは、チームメンバーに自身の言葉を納得させる力があるということです。今や力で動かす時代ではなくなってきています。権力や権威で人が動いたり、恐怖感でプロジェクトがうまくいくことは、これからはないと言っていいでしょう。つまり、自身の言葉によって人を動かし、共感によってプロジェクトを推進していくことができます。プロジェクトリーダーにとっては必須能力と言えるでしょう。

メンバー育成力

プロジェクトリーダーにはチームを導くという使命があり、同時にチームメンバーを育成することも大切です。チームメンバーを育成してスキルが伸びれば、結果的にプロジェクト成功につながります。具体的な例を一つ上げると“褒め方”と“叱り方”があります。

チームとして仕事をしていると、プロジェクトリーダーは時にメンバーを褒めること、そして叱ることがあります。この2つはチームメンバーのモチベーションを高めたり、課題解決を促すために重要な要素です。

上手な褒め方とは、メンバー全体の前で褒めることです。そうすることで褒めたメンバーのモチベーションを高めるたけでなく、チーム内に競争意識を生ませ、モチベーションを高めることもできます。

上手な叱り方とは、メンバー全体の前で叱らないことです。チーム内で叱られたメンバーは自尊心が傷つけられ、プロジェクトリーダーの話がすっと頭に入らなくなくなります。加えてモチベーションも下がるどころか、チーム全体も人前で叱られたくないという思いから、思い切った行動ができなくなるという問題もあるのです。従って、人前で叱るというのはやってはならないタブーなのです。

日本人の特長として99%はうまくいっているのに、1%がうまくいっていないため、99%を褒めず、1%ばかりを叱る傾向があります。もっと99%の方に目を向けてあげるべきではないでしょうか。

プロジェクトリーダーが持つべき4つの心得

心得1.明確な目標を持つ

プロジェクトリーダーは常に、明確な目標を持っていなければなりません。プロジェクトとしてゴールとなる収益などは設定されているのが基本ですが、それとは他に、プロジェクトリーダーとして持つ目標が必要です。そのためにはプロジェクト憲章を書いてみてはどうでしょうか?プロジェクト憲章とはプロジェクトの目的や要件、プロジェクトに関わるステークホルダーをまとめ、そのプロジェクトの範囲を顧客とベンダーの責任者が承認した明確な目標になるものです。

明確な目標を持てば、一貫した行動でプロジェクトを推進することができます。また、目標がある人とない人では、チームからの信頼もまったく違います。プロジェクトが始動する前に、独自の目標を必ず持ちましょう。

心得2.円滑なコミュニケーションを意識すること

キーマンズネットのアンケート調査によると、プロジェクト失敗経験があるプロジェクトリーダーの中で、「コミュニケーション不足」を挙げた人は全体の46.8にものぼります。つまり、円滑なコミュニケーションがプロジェクトの成否を決定すると言ってもいいでしょう。プロジェクトリーダーはチームメンバーに対し、好意を持っていることを示し、繰り返しメッセージを発信してもらうための同調性がコミュニケーションには重要だと言えます。

先ほどコミュニケーションには伝える力が大切と説明しましたが、他にもチームメンバーとコミュニケーションを取る上で大切なスキルは様々なものがあるので、常に円滑なコミュニケーションを取れるよう心がけましょう。

心得3.誰よりもプロジェクトを理解していること

プロジェクトリーダーとして、誰よりもプロジェクトを理解していることは必須です。何のためのプロジェクトで、何をすればいいのか。プロジェクトリーダーが明確に理解していなければ、チームメンバーを統率することもできません。チームメンバーに対しては一貫性を持ってプロジェクトを進め、変更があればすぐに連絡をすることが理解につながっていきます。

心得4.感情に流されず冷静に判断すること

人の上に立つ身として、感情に流されないことは大切です。感情に流されないためには、返報性を意識しましょう。返報性とはプロジェクトリーダーが一人一人にサービスをする気持ちで、チームメンバーが「プロジェクトリーダーはこんな事をしてくれた。嬉しい!」と感じてもらうことを言います。決して権威・権力を振りかざしてチームメンバーと接するのはありません。理屈ではない感情もあるかもしれませんが、サービスをする精神、返報性を大切にし、冷静に判断し、プロジェクトを成功に導かなければならないのです。

まとめ

いかがでしたか?今回はプロジェクトリーダーとして必要な能力の心得を紹介しました。他にも多数必要な能力がありますが、今回はひとまず、新米プロジェクトリーダーに必要な能力とさせていただきます。初めてプロジェクトリーダーに任命されて重いプレッシャーを感じていることでしょうが、現状を冷静に判断し、必要な能力とスキルを意識すれば、初めてでもプロジェクトを成功させることはできます。

また、プロジェクト管理ツールという心強い味方もいるので、導入を検討するのも一つの手でしょう。今回紹介した能力、心得、そしてプロジェクト管理ツールで、プロジェクトを成功させていただければと思います。

プロジェクト管理全般に関する資料もご用意していますので、ぜひご活用ください。


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