プロジェクト管理ソフトの導入ステップ

 2017.07.18  株式会社システムインテグレータ

キーマンズネットが行った「2015年版 プロジェクト管理ツールの導入状況」のアンケート調査結果によると、プロジェクト管理ソフトを導入していない企業の16.9%が、導入しない理由について「表計算ソフトで十分」と回答しています。

ちなみに最も多い回答が「対象となるプロジェクトがない」で、39.8%をマークしています。

表計算ソフトで十分としている背景には、予算が少なく専用ツールの導入効果がわからないという理由が主に考えられます。しかし中には、「適切な導入方法がわからない」という理由で導入を断念している企業も多いのではないでしょうか。

プロジェクト管理ソフトは会計システムや営業システムと違って、あまり身近なツールではないと感じている企業も少なくないので、適切な導入方法がわからないというのも、仕方のない部分ではあります。

また、プロジェクト管理ソフトはまだこれから導入する企業も多いからか、導入ノウハウに関する情報が少ない分野といえます。

そこで今回は、プロジェクト管理ソフトの、導入ステップについて紹介します。各ステップにおいて重要なポイントも紹介していくので、プロジェクト管理ソフト導入を現在検討している企業は、ぜひ参考にしてください。

ステップ1.現状のプロジェクト管理実態を捉え、問題点を洗い出す

第一のステップでは現状課題を見つけ出すことが大切です。プロジェクトを進行するにあたって現状の問題点を薄々感じているプロジェクトリーダーやメンバーは多いでしょうが、これをしっかりと明文化し、組織の課題として認識しなければなりません。

まず、プロジェクト管理の実態を整理しましょう。管理体制、主な組織構成、管理方法、コミュニケーション方法、作業手順など、プロジェクト管理における様々な実態を整理していくことで、自然と問題点が見えてきます。

第一ステップは最も時間のかかる作業になるかもしれません。現場社員へのヒアリングなども行い、プロジェクト管理実態と問題点をすべて洗い出す気概で臨む必要があります。また、経営者はプロジェクト収支状況をリアルタイムで確認したい、マネジメント層は複数のプロジェクトの進捗を確認したいなどの要望があるかもしれません。そのようなことも鑑みながら課題や要望をまとめていくことが重要になります。

ただし、それさえ完璧にこなすことができれば、今後のステップは大方スムーズに進むでしょう。

ステップ2.問題の優先度を考慮しつつ機能要件を定義していく

ソフトウェア開発の現場では「銀の弾丸は存在しない」という有名な言葉があります。これは西洋の信仰において狼男や悪魔などを撃退できるとされる、銀の弾丸の伝説になぞらえ、「すべての問題を解決するソフトウェアは存在しない」という意味で使用されています。

プロジェクト管理ソフトにおいても例外ではなく、どんなにプロジェクト管理に特化したツールでも、如何なる課題も解決する製品はないのかもしれません。 (運用次第によっては可能です)。

従って企業は、洗い出した問題点に対し優先度を付けることを実施しなければなりません。プロジェクト管理における問題点は何で、プロジェクト推進を最も阻害している原因は何なのかを考え、問題点に優先度をつけ、それに応じて機能要件を定義していくのです。

また、ここでのポイントは“必要な機能”だけを定義するのではなく、“必要のない機能”を定義することも重要です。

機能要件は十分に満たしているが、それ以上に機能が多すぎてツールを使いこなせないという失敗は往々にしてあります。

ステップ3.関係者各位とのスケジュール調整を行う

機能要件が固まったら、関係者各位とのスケジュール調整を行い、本格的な導入プロジェクトを始動しましょう。ここでのスケジュール調整もポイント1と同様に苦労する部分かもしれませんが、慎重に、手を抜かず行うことが大切です。

ちなみに“関係者”とは導入担当者や情報システム、経営者だけを指すものではありません。プロジェクト管理ソフトを導入後に使用するユーザーなどを考えると、各部門の責任者やプロジェクトリーダークラスの人材も含まれます。

つまり、導入プロジェクトにはこうした実際のプロジェクト管理ソフトのユーザーを巻き込み、推進していかなければなりません。

導入担当者や情報システム、または経営者の独断によって導入した場合、現場にフィットせず失敗となるケースが少なくありません。現場の実態を理解しているのは、やはり現場の責任者や人材です。

従って必ずそうした人材を導入プロジェクトに巻き込んで、スケジュール調整を行っていきましょう。

ステップ4.機能要件に従い、ポイントを押さえつつ製品選定を行う

いよいよ製品選定です。ここでは、いくつかの選定ポイントを押さえる必要があります。ちなみにそのポイントとは次のようなものです。

  • PMBOK対応
  • クラウド対応
  • ERP連携
  • 複数プロジェクト管理
  • システムの使いやすさ
  • 容易な進捗管理
  • スムーズなコミュニケーション管理

 

詳しい内容については「プロジェクト管理ツール選定のポイントとは」で解説しているので、一度ご確認ください。

ステップ5.ベンダーとのスケジュール調整を行い導入へと移行する

製品選定が完了したら、ベンダーとスケジュール調整を行います。このとき、予め関係者各位と調整したスケジュールを反映させて進めていくと良いでしょう。

プロジェクト管理ソフトの導入時は、ベンダーと協力しながら導入するという姿勢が大切です。導入ノウハウが整っていない場合には失敗するリスクが高まりますし、かといってベンダーに丸投げでも問題が生じます。ベンダーも、そうした導入担当者の協力無くして、適切なアドバイスやプロジェクト管理ソフト導入を行うことはできないのです。

ステップ6.導入後すぐは使用する機能を限定し、徐々に拡大していく

最後に導入後すぐのステップについてですが、最初は使用する機能を限定してプロジェクト管理ソフトを利用することも検討すると良いでしょう。一気に全機能を解放するとユーザーは戸惑い「プロジェクト管理ソフトは使いにくい」という先入観を植え付けてしまいかねません。まずは工数入力やリソースの山積みから始め、段階的にガントチャートを活用していくというように、徐々に利用機能拡大していくことをおすすめします。またベンダーが定着化支援のサービスなどを提供している場合には、そのサービスを検討することもお勧めします。

まとめ

プロジェクト管理ソフトの導入ステップは、他のソフトウェア導入と同様に進め方が重要です。導入前のコンサルティングサービス、導入後の定着支援や活用支援をしっかりと提供してくれるベンダーを選びましょう。プロジェクトに関わる全員が満足できるように正しいステップを踏んでいくことをお勧めいたします。

統合型プロジェクト管理ツール「OBPM Neo」の事例集もご用意していますので、取り組みの詳細にご興味をお持ちでしたら、こちらもぜひご覧ください。


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