プロジェクト管理ツールは業務アプリケーションであるべき【プロジェクトは現場で起きているんだ!第53章】

 2019.06.04  株式会社システムインテグレータ

プロジェクト管理ツールは業務アプリケーションであるべきとは?

昨今、「プロジェクト管理ツール」というとチケット駆動型の進捗管理や、課題管理や障害管理を中心に見ていく品質管理が主体のアプリケーションのことを指します。フリーのツールで安価に導入しやすいので、これはこれでいいのかもしれません。

しかし我々が考えるプロジェクト管理ツールは違います。我々が重要だと思っているプロジェクト管理ツールの姿は「統合型であること」「業務視点で構築されているアプリケーションである」という点です。進捗管理や品質管理を強化していくことはとても大事です。ただしプロジェクトを成功に導くプロジェクトマネジメントは、進捗や品質だけを見ているだけでは、その目的を達成しません。「進捗」「品質」に加え、「工数・原価」「リソース/要員」を統合的に見ていかなければ、プロジェクトを成功に導いていくことはできないのではないでしょうか?
つまりプロジェクト管理業務の視点で構成されている業務アプリケーションであることが、プロジェクト管理ツールとして重要であると我々は考えています。

プロジェクト管理ツールを業務アプリケーションの視点で考える

では業務アプリケーションとは何でしょうか?業務アプリケーションとは「特定の業務に合わせて開発されているもの」だと我々は考えます。

特定の業務、つまりプロジェクト管理業務に合っていなければならないということです。冒頭に述べたように、チケット管理やガントチャートでプロジェクトの進捗計画や各工程・各メンバーのタスクを見ていくプロジェクトリーダーの方は多いと思います。進捗状況を見て、成果物作成やタスク作業が順調に推移しているように見えても、進捗だけ見ていてはプロジェクトが成功に向かっているかどうかはわかりません。もしかすると、進捗は順調だけど、コストがものすごくオーバーしているかもしれないからです。進捗状況は良好だが、コストが大幅に超過していては問題プロジェクトと言えるでしょう。

このようにプロジェクト管理業務に合った業務アプリケーションは「進捗」「コスト」を双方で見ていけるものでなければなりません。コストとは実行予算で立てた原価であり、要員別の工数とその原価がベースになります。進捗管理では成果物やタスクのスケジュールを引くだけでなく、タスク別に計画工数を計画しなければなりません。この計画工数と実行予算の原価は一致するべきであり、そのコスト管理に加え進捗状況(メンバーの作業状況、つまり進捗率を集める)を把握し、「進捗」と「コスト」を一緒に見ていかなければならないのです。これが本当に正しいプロジェクト管理業務の視点であり、業務アプリケーションとして、特定の業務に合っている状態と言えます。

プロジェクト管理の「進捗」と「コスト」を一緒に見ていくためのアプリケーションとは?

これはズバリ、EVM(アーンドバリューマネジメント)を取りいれたプロジェクトマネジメントが最も一般的です。EVMとは、プロジェクトが計画した通りに進んでいるかを期間ごとの計画値(PV)、出来高(EV)、実績値(AC)の積み上げ折れ線グラフ表示によって管理する手法で、プロジェクト終了時点の最終コスト予測を見ることができます。

毎月のコスト計画/実績、および出来高の実績との乖離を見て、実行予算やスケジュールの見直しをします。 つまり、「将来の予測が見える」ということと「予測が見えるから正確な計画の見直しができる」ということが利点になります。しかしこのようなEVMが簡単に実現できる業務アプリケーションはなかなか存在していないため、IT業界やシステム開発では、Excel VBAマクロでEVMを見れるように開発しています。しかしかなり高度なExcel VBAマクロであることと、Excelがゆえにメンバーから正しい進捗率や工数が集まりにくいことが問題です。
弊社の統合型プロジェクト管理ツール:OBPMはEVMに対応しており、金額別や工数別に細かく予測することができます。詳しくは資料ダウンロードページから「プロジェクト管理ツール:OBPM イラスト図解でよくわかるガイド」をダウンロードし、ご覧ください。

※PV(予算コスト)= 実行予算の計画コスト
※EV(アーンドバリュー)= 出来高のコスト(進捗率入力から)
※AC(実コスト)= 報告工数のコスト(プロジェクト別工数入力から)

プロジェクト管理ツールは業務アプリケーションであるべき

業務アプリケーションとは「特定の業務に合わせて開発されているもの」でなければなりません。つまりプロジェクト管理業務で使用されるプロジェクト管理ツールは、進捗管理や品質管理だけのような局地的な捉え方では、プロジェクトマネジメントに合っているとは言えません。
工数・原価管理と進捗管理の2軸を中心に、要員管理や品質管理を統合的に見ることができるしくみこそ、最も適した業務アプリケーションであり、社内のプロジェクトマネジメントのしくみづくりに重要なのです。もう一度、みなさまのプロジェクト管理業務を見直し、業務視点で理想のプロジェクトマネジメントを議論されてみてはいかがでしょうか?

<付録>プロジェクト管理ツール:OBPMのスマホアプリ

統合型プロジェクト管理ツール:OBPMはスマートフォンからプロジェクト情報を入力することができるアプリケーションがあります。これは外出先、つまり「客先常駐でシステム開発をおこなっているチーム」を対象にしたオプションになります。お客様事情で持ち帰れないプロジェクトはたくさんあります。客先常駐や構内請負で開発しているプロジェクトは、一般的には持ち込みの自社パソコンで報告や管理をすることはできませんので、プロジェクトリーダーが週に一度、会社に戻り報告します。つまり会社はプロジェクトリーダーの報告を信じるしかないということです。それでは問題プロジェクトになるリスクがあります。そこでメンバーが担当しているタスクや成果物に対し、工数入力や進捗率入力をすることで、遠隔地でもプロジェクト状況を把握するための情報を集めるために開発された業務アプリケーションが、統合型プロジェクト管理ツール:OBPM Webスマートフォンオプションなのです。

使用用途

  1. 外にいる社員(客先常駐や持ち帰れないプロジェクトなど)は勤怠・工数・進捗率入力ができる。
  2. スマートフォン入力だけでなく、Webブラウザーで使うことも可能。
  3. 進捗率入力、計画工数・実績・予定残が見えることで、客先常駐型:請負開発の、計画と実績管理の意識アップにつながる。EVMを取り入れると、毎月のコスト計画/実績、および出来高の実績との乖離を見て、実行予算やスケジュールの見直しができる。

入力画面イメージ

プロジェクト管理ツールは業務アプリケーションであるべき(Vol.53) 1


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