多くの企業は大小問わず多くのプロジェクトを抱えています。企業や部門によってプロジェクトはさまざまな方法で管理されていますが、現場によってはいまだにExcelを使っていて課題や限界を感じているケースもあるでしょう。
では、プロジェクト管理を徹底して行い、プロジェクトを成功へと導くためには、どのようなツールを使えばいいのでしょうか。その答えがプロジェクト管理アプリです。
今回は、おすすめのプロジェクト管理アプリをご紹介するともに、導入メリットや選定のポイントを解説します。
プロジェクト管理アプリとは
プロジェクト管理アプリとは、その名の通りプロジェクト管理に特化した専用のアプリケーションです。プロジェクトごと、プロジェクトリーダーやチームメンバーごとに管理業務を円滑に行うための機能が備わっています。
アプリによって管理の対象範囲や機能は異なりますが、主にタスク管理、進捗管理、工数管理、スケジュール管理などが行えるものがほとんどです。多くの場合パソコンとスマートフォンの両方に対応しており、いつでもどこでも必要な情報にアクセスできるようになっています。
プロジェクト管理アプリ導入のメリット
1.プロジェクト計画の立案、計画変更に対して柔軟な対応ができる
プロジェクト管理の前提として、計画変更に対して柔軟に対応できる体制が必要になります。なぜなら、ほとんどのプロジェクトが初期計画通りにはいかず、頻繁な計画変更が起きることは往々にしてあるからです。
では、エクセルでこうした計画変更には対応できないのか。答えは「イエス」で、エクセルでは度々起こる計画変更に対し、柔軟に対応することができません。
エクセルでは計画変更が発生したとき、手作業によって一つ一つの変更を反映していって、かつ全体のスケジュール調整も見直さなければなりません。マクロを使用して自動調整するスケジュールを作成するのも現実的ではないでしょう。
そのせいもあり、エクセルでのプロジェクト管理は初期計画の立案はまだ良いものの、計画変更が正しく反映されずに、最終的に置き去りにされているといったケースも少なくないのです。
プロジェクト管理は正しいスケジュール管理あってのものなので、計画変更に対して柔軟に対応することはやはり必須です。
その点プロジェクト管理アプリではドラッグドロップで計画変更を簡単にできたり、全体のスケジュール調整などを自動で行ってくれるので、計画変更への対応もシンプルで簡単です。
プロジェクトの最後までスケジュールを正しく管理できるので、計画と実績の管理が行いやすくなります。
2.レベルの高いガントチャートを使用して進捗管理ができる
エクセルでガントチャートを作成している方も多いでしょう。特に新入社員などは、ガントチャートを作成したこと自体に満足しているケースも少なくありません。しかしそのガントチャートを使用するごとに気付くはずです。「これ、正しくスケジュール管理できてるのか」と。
前述のようにエクセルは計画変更に対して弱い傾向にあります。すなわち、ガントチャートにおいても変更に弱いということです。
ガントチャートはそもそもプロジェクトの進捗を直感で管理するためのものなので、計画変更やタスク変更は、正しく反映されていなければなりません。エクセルではそれが難しいので、チャートを作成して終わり、ということが非常に多いのです。
プロジェクト管理アプリで作成するガントチャートは見やすさ、柔軟さ、そして操作のしやすさなどエクセルに比べて細かい部分まで設計が行き届いています。そもそもプロジェクト管理専用ツールなのでそれも当たり前のことなのですが、その当たり前が円滑なプロジェクト管理において大切なことなのです。
3.タスク間の作業順序を設定し、正しいプロジェクト推進をサポートする
プロジェクトを正しく進行していくためには、タスク間の作業順序を整理して、正しく進めていくことが大切です。また、作業順序を体系立てて管理できれば、プロジェクトの進行を阻害しているボトルネックを洗い出すこともできます。
そうした意味でも、プロジェクト管理アプリによる作業順序管理は、円滑なプロジェクト推進をサポートしてくれるメリットです。
4.プロジェクトリーダーはチームメンバーごとの負荷状況が見える
プロジェクトチームには多数のメンバーが関わっていますが、作業負荷は常に一定ではありません。タスクごとの作業量を正確に把握できないこともあってか、初期計画ではうまくタスクを分散していたとしても、結果的に特定のメンバーに負荷が集中してしまうことは少なくないのです。
プロジェクトリーダーとしては、チームメンバーごとの負荷状況を正確に把握し、必要の応じて負荷を調整しなければなりません。しかし、メンバーの中には多大な負荷がかかっていたとしても、それを報告しない者もいます。
そうなるとプロジェクト全体が遅延してしまったり、間接費が増加して利益率が下がってしまうといった問題が生じます。
プロジェクト管理アプリではチームメンバーごとの負荷状況をグラフによって表すことができるので、プロジェクトリーダーは負荷状況を正確に把握することができます。
5.複数のプロジェクトを統合して管理し、全体の計画調整を行える
組織規模が大きくなると、複数のプロジェクトが同時進行することも少なくありません。また、一つ一つのプロジェクトが独立しているのではなく、最終的に一大プロジェクトとして統合される、というケースもあるでしょう。
このとき、複数プロジェクトを統合して管理することができれば、全体の計画調整も可能になります。
例えば複数の部品を寄せ集めてひとつの製品を作る場合、個々の部品開発が独立したプロジェクトとして動いていると、最終的な組立時に問題が生じます。こうした問題を避けるためには、複数のプロジェクトを統合して管理し、全体の計画調整を常に行うことが必要です。
プロジェクト管理アプリの中にはこうした統合管理を実現するツールもあり、統括マネージャーや経営者のプロジェクト管理を支援します。
6.システム上で円滑なコミュニケーションを促進する
プロジェクトが失敗する原因として、コミュニケーションが円滑に行われなかったという問題が往々にしてあります。複数のプロジェクト、部門間、プロジェクトリーダー同士、チーム内など、様々な場面でコミュニケーションを円滑に運ぶための仕組みが必要です。
プロジェクト管理アプリの多くは、システム上でのコミュニケーション管理をサポートしています。メールではなくデータベースでQ&Aを管理したり、チャットツールを使用して迅速なやり取りを行えば、組織全体のコミュニケーションを活発にすることができるでしょう。
プロジェクト管理アプリの選定ポイント
今はさまざまなプロジェクト管理アプリがリリースされていますが、プロジェクト管理を改善するためには、そのなかで自社にあったアプリを選ぶ必要があります。ここではプロジェクト管理アプリを選ぶ際のポイントをご紹介します。
1.機能
まずはプロジェクト管理アプリを導入する目的・ゴールに必要な機能が揃っていることが前提となります。
プロジェクト管理のなかでも進捗管理やタスク管理、工数管理など各管理業務に特化したものもあれば、統合的にすべての管理業務を行えるものもあります。導入の目的を明確にしたうえで、必要な機能が備わっているアプリを選びましょう。
2.使いやすさ
プロジェクト管理アプリは、プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーだけでなく、チームメンバーも利用します。使いにくいアプリを導入して業務の負担やストレスが増えてしまってはツール活用の浸透も困難になり、元も子もありません。
そのため、UIはだれでも直感的に操作できるものになっているか、日々の進捗報告などがメンバーの負担にならず簡単に行えるか、モバイル版でも不便なく使用できるかなど、利用するメンバーやシーンを想定した使いやすさを配慮することも重要です。
3.拡張性
プロジェクト管理に関わる業務で、導入するプロジェクト管理アプリ以外のツールを使うケースは珍しくありません。連携が必要なほかのシステムがあれば、インテグレーションの可否も確認する必要があります。
また、プロジェクトの規模が拡大した場合にユーザー数の増加や機能の追加などに対応できるか、といった点も確認しておくとよいでしょう。
4.セキュリティ
プロジェクトに関するデータには機密情報も含まれます。ユーザーごとにアクセス権限を設定できるか、といったセキュリティ面も重要です。また、重要なプロジェクトのデータを守るために、バックアップや復元など障害発生時の対応も想定した機能が備わっているか確認しましょう。
5.クラウド型・オンプレミス型
プロジェクト管理アプリには、クラウド型のものとオンプレミス型のものがあります。いまはクラウド型が主流ですが、セキュリティの観点でオンプレミス型を選ぶ必要がある場合も考えられます。
6.コスト
小規模プロジェクトの管理では、求められる機能やデータ容量などが少ないこともあります。その場合は無料で使えるアプリで十分かもしれません。また、有料のアプリでも無料で使えるプランやトライアル期間を設けているものもあります。
有料プランはコストがかかる反面、無制限の機能利用だけでなく、充実したサポートを受けられることが多いため、より安心して利用できます。
想定される利用状況などにあわせてコストと機能やサービス内容のバランスを見ながら、まずは無料版で試して本格導入を検討するのもよいでしょう。
おすすめのプロジェクト管理アプリ9選
Asana
Asanaは、日々のタスクからビジネスの全体像まで、仕事のすべてを整理し可視化できるプロジェクト管理アプリです。Web、iOS、Androidに対応しています。
視覚的なガントチャートやかんばんボード、リストビューを通じてプロジェクトの進行状況を簡単に管理できます。タスクの作成や割り当て、期限設定、依存関係の管理、サブタスクの作成といった基本的なタスク管理機能のほか、進捗レポートやカレンダービュー、マイルストーン機能も備わっています。また、Google Chromeの拡張機能で外部サービスと連携させることも可能です。
無料プランからエンタプライズプランまで用意されており、有料プランは無料トライアルも可能です。
Backlog
Backlogは、特にソフトウェア開発チーム向けに設計されたプロジェクト管理アプリです。Web、iOS、Androidに対応しています。
バックログ管理、バグトラッキング、ガントチャート、Wiki機能など、多機能なツールセットが充実しています。タスクの詳細な管理やコミュニケーションを円滑にする機能が豊富で、カスタマイズ可能なワークフロー機能も備わっています。シンプルな操作性と親しみやすい見た目で、誰でも直感的に使うことができるアプリです。
有料プランではそれぞれ無料トライアルも提供されており、個人や少人数での利用向けの無料プランもあります。
jooto
jootoは、カンバン方式のボードを使ってタスク・プロジェクト管理ができるタスク管理アプリです。Web、iOS、Androidに対応しています。
タスクの作成・管理、コラボレーション、チェックリスト機能など、基本的な機能が充実しています。ドラッグアンドドロップで直感的に操作できる、シンプルで使いやすいユーザーインターフェースで、初心者でも簡単に使いこなすことができます。
基本的には有料プランでの利用になりますが、31日間の無料トライアルも提供されています。
Microsoft Project
Microsoft Projectは大企業や複雑なプロジェクト向けのプロジェクト管理ツールです。クラウド型とオンプレミス型の2種類が提供されており、Windows、Web、iOS、Androidに対応しています。
詳細なガントチャートやリソース管理機能が充実しています。タスクの依存関係やマイルストーンの管理、予算管理、リソースのスケジューリングなど、高度な機能を備えており、プロジェクト全体の進行を細かく管理できます。
Microsoft 365に含まれており、単独で使う場合は有料で使用できるプランが中心ですが、30日間は無料トライアルとしての利用も可能です。
参考:https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/project/project-management-software
Notion
Notionはオールインワンのワークスペースツールとして、高いカスタマイズ性と柔軟性を持つツールです。Web、Windows、macOS、iOS、Androidに対応しています。
プロジェクト管理、ノート、データベース、Wiki機能を一元化でき、タスクリストやカンバンボード、タイムライン、カレンダーなどさまざまな方法でプロジェクトの進行を視覚化することができます。AIも搭載されているため作業効率の向上も期待できます。
有料プランは無料トライアルとしての利用も可能で、フリープランも用意されています。
参考:https://www.notion.so/ja-jp
Redmine
Redmineは、無料で利用できるオープンソースのプロジェクト管理ツールです。Web、macOS、Windowsなどに対応しており、クラウド型とオンプレミス型が提供されています。
ガントチャートやカレンダー機能、Wiki、文書管理、ファイル管理など、プロジェクト管理に必要な機能を豊富に備えています。またプラグインによって拡張が可能で、企業や個人のニーズに合わせて柔軟にカスタマイズすることができます。
Stock
Stockはドキュメント管理とタスク管理を統合したクラウドベースのプロジェクト管理アプリです。Web、iOS、Androidに対応しています。
メモ機能やタスク管理機能を使って情報を整理し、チーム全体で共有できます。シンプルで直感的なインターフェースになっているため誰にでも使いやすく、シンプルに情報をストックできる機能が特徴です。
有料のビジネスプランとエンタープライズプランのほか、フリープランで手軽に始めることもできます。
参考:https://www.stock-app.info/
Trello
Trelloはカンバン方式でのタスク管理に特化したアプリです。Web、Windows、macOS、iOS、Androidに対応しています。
タスクカードをドラッグ&ドロップで自由にカスタマイズできる、シンプルかつ柔軟なツールです。チェックリスト、期限設定、ラベル、添付ファイルなどの機能も豊富で、視覚的にわかりやすく進捗を管理できます。
有料プランは無料トライアルでの利用が可能で、個人や小規模チーム向けのフリープランも提供されています。
Wrike
Wrikeは幅広い機能を備えたプロジェクト管理アプリです。Web、Windows、macOS、iOS、Androidに対応しています。
タスク管理、進捗追跡、リソース管理、ガントチャートなど幅広いプロジェクトの管理に対応できる機能が揃っており、外部ツールとの連携も可能です。リアルタイムのチームコラボレーション、タスクの依存関係、カスタマイズ可能なワークフローなどが特徴で、大規模なプロジェクトにも対応できます。
チーム単位のタスク管理を目的としたフリープランが提供されており、有料プランは14日間の無料トライアル利用も可能です。
まとめ
プロジェクト管理アプリは様々な製品が提供されているので、導入することでのメリットはこの限りではありません。例えばOBPM Neoであれば、PMBOK 10の知識エリアに対応した質の高いプロジェクト管理を実施することが可能です。
現在プロジェクト管理を専用のアプリケーションで行なっていない場合には、ぜひプロジェクト管理アプリの導入を検討してみてはいかがでしょうか?
統合型プロジェクト管理OBPM Neoにご興味をお持ちいただけましたら、わかりやすくご紹介する資料もご用意していますので、こちらもぜひご活用ください。
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