オープンソースソフトウェア(以下OSS)とは、無償で一般公開されているソフトウェアのことであり、誰でも自由に使用・改良・配布することができます。
無償で導入できるのでコストメリットが高く、運用次第ではシステムベンダーから提供されているソフトウェアと同等か、それに近い環境を整えることができます。
そんなOSSですが、プロジェクト管理ツールでもいくつかのOSSが存在します。スケジュール管理やチーム内コミュニケーションなど、プロジェクトを円滑に進行するための機能が備わっています。今やプロジェクト成功のためにはプロジェクト管理ツールが欠かせないという認識が強まってきているので、OSSで無償導入できれば、低コストで快適な管理環境を整えることができるかもしれません。
今回はこの、OSSのプロジェクト管理ツールを3つ紹介します。また、OSS導入時の注意点についても説明しますので、ご一読ください。
Redmine
Redmineはタスク管理、進捗管理、情報共有を中心としたOSSプロジェクト管理ツールで、汎用さに富んだ製品です。
≪Redmineのおすすめポイント≫
- ガントチャートのようなもので計画全体を俯瞰できる
- チケット(タスク)一覧で「誰が」「何を」行っているかが見える
- フィルタ機能で特定のチケットのみを抽出できる
Redmineではタスクのことを“チケット”と呼び、一覧で管理できるのが特徴です。また、地味に活躍する機能がフィルタ機能です。進捗度〇〇、優先度、完了済み、未完などなど様々なフィルタによって特定のチケットを抽出でき、円滑なプロジェクト進行に貢献します。
RedmineはOSSプロジェクト管理ツールとして最も人気の高い製品と言えますが、その理由が豊富なプラグインとテーマです。この点はWordPressで、やはり手間をかけずに幅広くカスタマイズできるという点が好まれているようです。
OpenProj
OpenProはMicrosoft Projectの代替となるOSSプロジェクト管理ソフトで、Microsoft Projectと互換して利用できるのが特徴です。
≪OpenProのおすすめポイント≫
- Java製で数種類のOS上で稼働できる
- Microsoft Projectのビューアとしても活用できる
- 複数のプロジェクトファイルを組み合わせられる
プロジェクトの立案と進捗管理を行うためのソフトウェアとして人気の高いMicrosoft Projectは、Office製品とは別で提供されています。従って、一定のコストをかけなけば導入できないため、断念する企業も多いようです。
対してOpenProはMicrosoft Projectに類似したインターフェースと機能を持ち、クローンと言っても差し支えないほどの互換があります。また、Java製なのでMicrosfot・Linux・Macなど複数のOS上で稼働します。
Microsoft Projectの代替として活用したい企業におすすめです。
https://ja.osdn.net/projects/sfnet_openproj/
GanttProject
GanttProjectはガントチャート作成に特化したOSSプロジェクト管理ツールで、OpenProj同様にJava製という特徴を持ちます。
≪GanttProjectのおすすめポイント≫
- Java製で数種類のOS上で稼働できる
- タスク管理やスケジュール管理も充実
- 複数人でのプロジェクト管理に向いている
主にExcelで作成されることの多いガントチャートですが、チーム内で共有するのや容易ではありません。共有ファイル上で保管してもどれが最新版なのかわからなくなってしまったり、ルールの定義も難しいので、各メンバーが独自の更新方法でごちゃごちゃとしてしまうことが少なくないでしょう。
次第に更新されなくなり、最後には誰も確認しないガントチャートが出来上がってしまいます。
GanttProjectではシステム上でルールが定義されたガントチャートを作成できるので、メンバーによって操作方法が変わることはありません。統一感のあるガントチャートは、ストレスなく進捗を確認することができます。
また、GanttProjectは複数人での共有に向いているOSSプロジェト管理ツールなので、チーム全体でプロジェクト管理に取り組んでいるような環境におすすめです。
導入前に必ず知っておきたいOSSの注意点
プロジェクト管理ツールに限らず、OSSを導入する際はいくつか注意点があります。OSSプロジェクト管理ツールの導入を検討している企業は、忘れずに確認してください。
OSSにも“ライセンス”がある
無償で提供されているとはいっても、OSSにも実はライセンスがあります。“OSSライセンス”と呼ばれ主に3種類のOSSライセンスがあります。
要件の厳しいGPLライセンス、要件の緩いBSDライセンス、その中間に位置するMPLライセンス。それぞれの要件の違いを明確に把握しておきましょう。
OSSにも“ランニングコスト”がある
OSSは製品自体は無償ですが、システム運用や管理のためには人件費やサーバ電力代などがかかります。これらは立派なランニングコストなので、OSSはまったく費用がかからないと誤解しないようにしましょう。また、バージョンアップやパッチのアップデートなどは全て自己責任になりますのでそこも注意するべきポイントです。
緊急時にサポートが受けられない
OSSの基本は“無保証”です。ソフトウェアに関するトラブルが生じても、開発ベンダーや開発者からのサポートは受けられません。サポートを受けたい場合はOSS導入に対応したシステムベンダーに依頼する必要があります。
セキュリティに不安がある
無保証であるOSSは当然ながらセキュリティリスクも多いソフトウェアです。最近ではWordPressで重大な脆弱性が見つかり、大きな問題となりました。OSSを導入するならば、自社のセキュリティ体制も強めなければなりません。
まとめ
無償、高機能などメリットの多いOSSですが、それ以上に注意しなければならない点も多く存在します。基本的に自己責任ということを理解して導入することになります。それを知らずにOSSプロジェクト管理ツールを導入すると、様々なトラブルが発生する可能性があるので、慎重に検討しましょう。
自社に情報システムリソースやサポート体制があり、OSSプロジェクト管理ツールを導入できる場合には一度検討してみるのも良いでしょう。
ツール比較の詳しい資料もご用意していますので、こちらもぜひご活用ください。
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