プロジェクト管理は、企業に従事するものであれば、その規模や内容はさまざまなですが、誰でも身近に発生し、求められる能力です。そのプロジェクトの規模が大きくなればなるほど、そして、プロジェクトの品質が求められれば求められるほど、洗練されたプロジェクト管理が必要になります。
もし、あなたがそのような洗練されたプロジェクト管理を行う立場になった時には、難しいプロジェクト管理用語が飛び交っているかもしれません。
今回は、洗練されたプロジェクト管理の現場で頻出する用語を解説いたします。また、その用語の詳細を説明するブログも用意されていますのであわせてご確認ください。
CMMI(Capability Maturity Model Integration)
CMMIは、1980年に発表されたソフトウェア開発のプロジェクト管理を対象にしたCMM(能力成熟度モデル)で、組織のプロジェクトマネジメント力を5段階評価で表します。人材開発、ソフトウェア調達、エンジニアリングなど複数の分野に派生したものを統合したのがCMMIなので、CMMに「I(Integration 統合)」がプラスされています。
CMMIについて詳しく解説した記事:CMMI とは
CCPM(Critical Chain Project Management)
プロジェクトや各予算をギリギリに抑えて「プロジェクト・バッファ」と呼ばれる余裕を持っておくことで、円滑なプロジェクト促進を行うたまの管理手法です。人は余裕を持った計画値を目の前にすると、それをギリギリで完了させようとします。CCPMでは計画や予算をギリギリに設定し、余力を残しておくことでプロジェクト完遂を目指すのです。
CCPMについて詳しく解説した記事:CCPM とは
EPM(Enterprise Project Management)
組織内の活動をすべて一つのプロジェクトと捉え、管理するための手法です。例えば人事部門ならば新卒採用、中途採用、給与計算、目標管理など様々な業務をプロジェクトとして管理します。
EPMについて詳しく解説した記事:EPM とは
EVM(Earned Value Management)
予実及び予定の観点からプロジェクトのがどのように遂行されているかを定量的に評価し、進捗管理を行うための手法です。主にEV(実際に完成している実績値)、PV(計画上の出来高)、AC(実際に掛った実績値)、BAC(完成時総予算)という4つの指標で評価します。
EVMについて詳しく解説した記事:EVMとは
P2M(Project & Program Management)
P2Mは日本発祥のプロジェクト管理手法であり、PMBOKなどの整理されたプロジェクト管理の仕組みに、“プログラム管理”を加えたものです。ちなみにプログラム管理とは、複数のプロジェクトを連携・統括して管理することを指します。
P2Mについて詳しく解説した記事:P2M とは
PMBOK(Project Management Body of Knowledge)
プロジェクト管理におけるノウハウや手法などを、体系立ててまとめたものです。1887年にガイドブックが発表されたから、徐々に世界中に浸透し、現在では日本国内においてもプロジェクト管理手法の“基準”として多くの企業が取り入れています。
PMBOKについて詳しく解説した記事:PMBOK とは
PMI(Project Management Institute)
「プロジェクト管理協会」の意であり、PMBOKは同協会によって作られました。主に世界でプロジェクトマネジメントの標準策定、資格認定、交流などを行っています。1969年に設立し、1998年にはPMI日本支部であるPMIJが設置されています。
PPM(Project Portfolio Management)
ポートフォリオという言葉は主に、金融機関や投資家などが所有する「金融資産の一覧表」の意味で使われます。プロジェクト管理の分野では、PPMは組織内で実行されている複数のプロジェクトを総括し、全体の状況管理やさまざまな分析を行い組織全体の効率化を行います。
PPMについて詳しく解説した記事:PPM とは
TOC(Theory of Constraints)
「制約理論」または「制約条件の理論」と訳され、どんなシステムであれば常にごく少数の要因によってパフォーマンスが制限される、という仮定から発祥した経営改善の手法です。プロジェクトの促進を阻害している“制約条件”にフォーカスして問題解決を行うことで、スムーズなプロジェクト完遂を目指します。
WBS(Work Breakdown Structure)
「作業分解構成図」とも呼ばれ、プロジェクト全体の作業を分解し、構成図として体系立てたものです。プロジェクト全体でやるべきことを決定する際に役立ち、問題点を発見するためにも活用されています。
WBSについて詳しく解説した記事:WBS とは
ガントチャート
100年以上も前から存在するプロジェクト管理手法であり、プロジェクト全体や分解した各作業、あるいは個人のスケジュールを、横軸を中心にして表します。予実と進捗を一目で管理することができるので、プロジェクト管理現場において広く活用されているチャートです。
ガントチャートについて詳しく解説した記事:ガントチャートの理想的な使い方
スコープ
PMBOK内で紹介している管理要素で、プロジェクトスコープと成果スコープの2つを指標に管理します。簡単に言うとプロジェクトスコープは「何をするか」、成果スコープは「何を作るか」を明確にし、チーム全体で同じ方向を見るために活用します。
スコープについて詳しく解説した記事:作業スコープと成果物スコープ
ステークホルダーマネジメント
2012年12月に発表されたPMBOKの最新版(第5版)にて、10個目の知識エリアとして登場しました。ステークホルダーとは一般的に株主や投資家など外部の利害関係者を指しますが、経営者や社員などもステークホルダーの一人として捉え、良好な関係を気付いていくことで円滑なプロジェクト促進を目指します。
ステークホルダーマネジメントについて詳しく解説した記事:ステークホルダーマネジメント
マイルストーン
直訳では「道標」という意味がありますが、プロジェクト管理の現場においてはリリース日やレビュー、工程完了時チェックなど、チェックポイントとなるイベントを指します。
マイルストーンについて詳しく解説した記事:マイルストーンを単なる置物にしない
リソースヒストグラム
X軸に時間、Y軸に必要なリソースの量を示すことで、人というリソースどのようにプロジェクトへ導入していくか、という計画を立てるのに用いられているのがリソースヒストグラムです。プロジェクトの時間推移に伴って、どのくらいのリソースが必要なのかを直感で把握できます。
リソースヒストグラム:リソースヒストグラムはコスト管理の要
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