“プロジェクトが成功した”とはどういう状態でしょうか?顧客が要望するQCD(品質、コスト、納期)をクリアすることが大前提です。どんなプロジェクトにしても顧客が望む品質基準以上のモノでなければいけませんし、予算内でプロジェクトを完了し、決まった納期を守ることでひとまずは成功といえるでしょう。
さらにその先には、顧客が想定したもの以上の製品を提供し、それによって顧客が大きなベネフィットを得られるならばプロジェクトは“大成功”でしょう。
日経コンピューターが実施した独自調査(ITプロジェクト実態調査 2018)によりますと、1,745件に上るシステム導入orシステム刷新プロジェクトのうち、約半数となる47.2%が「失敗した」と回答しています。2008年に実施した独自調査([プロジェクト実態調査800社 1]測る企業は成功率が2倍に)では失敗率が78.9%もあったので、10年前と比べると成功するプロジェクトは格段に増えています。
しかし、十分な数値化といえばまだまだでしょう。プロジェクトに成功したという割合が少なくとも70%以上にはなってほしいものです。
そこで今回は“成功するプロジェクトの秘訣”と題しまして、組織、人、マネジメントという3つの観点からプロジェクトを成功させるためのポイントをご紹介します。
[組織]政治要因に左右されず、互いを尊重する組織文化を作る
システム導入やシステム刷新といったプロジェクトに限らず、企業が日々走らせているプロジェクトには政治要因がよく絡んでいます。たとえば役員同士で手柄の取り合いをしていたり、責任のなすりつけ合いをしたり、部門ごとに対立してしまっている企業もあるでしょう。
そうした組織が実行するプロジェクトの大半は失敗します。それも当然、会社が持つ経営課題を解決して、顧客の悩みを解消するためのプロジェクトに利己的な感情が入ってしまうと、本来の目的を見失ってしまいます。対立関係からイノベーションが生まれることも非常に少ないので、プロジェクトから何か成長に繋がるようなものを得ることもできません。
成功するプロジェクトを量産するためにはまず“組織文化”から変えていくことがあります。これは規模が小さい企業ほど容易に行えるポイントですが、大企業でも地道に組織文化を変えていくことができます。
では、どういった組織文化が望ましいのでしょうか?
お互いを尊重する
プロジェクトには色々な人材や部門が関わります。たとえばシステム導入なら情報システム、ユーザー部門、システムエンジニア、プログラマー、統括責任者、部門長、導入担当者、導入パートナー会社などがプロジェクトに参画します。すべての人が同じ目的を持ち、関係者一人ひとりを尊重してその能力や功績を評価し、優秀な人間なんだと認めることが大切です。
お互いを信頼する
信頼関係を築くことは簡単ではありません。しかしお互いを尊重する気持ちがあればそれは自然と築かれていきます。プロジェクトの関係者がお互いを信頼すれば、安心して仕事を任せ、問題を一人で抱え込まないといったプラスの環境を創り出します。
お互いを責めない
何事も挑戦しなければ成功はしません。ただし挑戦すれば失敗することもあります。プロジェクトを遂行するにあたって関係者が起こした失敗は「挑戦した結果なんだ」と受け止めて、その挑戦を称えましょう。これはお互いを否定しないための文化ではなく、失敗を恐れないための文化です。組織としてチャレンジ精神を育てていくことは将来にわたって大きな資産になります。
一丸になり考える
関係者の誰かが失敗をしたときは当事者を責めて「失敗したのはアイツ」と切り捨てるのではなく問題に対して一丸になって考える姿勢を持ちましょう。失敗は挑戦の結果であり、当事者を責めても負の感情しか生まれません。それよりも一丸となって何かを考えることで、チームとして団結しより深い信頼関係を築くことができます。
[人]コミュニケーションが円滑に進む基盤を整え情報共有を強化する
インターネット環境やクラウド技術が発展したことでコミュニケーションは非常に簡単に取れる時代になりました。しかし、プロジェクトにおいて関係者同士のコミュニケーションが不足している事態は少なくありません。大まかな原因はコミュニケーション基盤が整えられていないからと考えられます。
関係者同士がコミュニケーションを積極的に取って、情報共有を活発にするためには組織全体が使用できる基盤を整えることが大切です。たとえば気軽にファイル共有できる環境を整えたり、外出先からでもWeb会議が可能なツールを導入したりと色々と方法はあります。
では具体的にどういったコミュニケーションが大切か?
まず欠かせないのがプロジェクトに関する基本情報やリアルタイムなニュースを簡単に共有できるようにすることです。多くのプロジェクトの中には製品の仕様変更が起こっても、それをプロジェクトメンバーに即座に共有しない場合があります。こうした情報共有の遅延はプロジェクトに悪影響をもたらすだけでなく、関係者同士の不信感にも繋がります。
もう一つ大切なのが、関係者同士が議論を交わせる場所を定期的に設けることです。ただ情報共有を強化するだけでは教科書通りにプロジェクトが進むだけで、顧客の期待を越えるようなものは完成しません。そのためには関係者全員が積極的に議論を交わし、プロジェクトをより良い方向へと改善していく姿勢が要ります。
ただし、プロジェクトに発生した問題に対して長々と議論しているようなコミュニケーションは、むしろプロジェクト失敗の原因なので注意しましょう。
[マネジメント]ITソリューションの力でプロジェクト管理を成功させる
プロジェクトを成功させるための組織文化を作り、浸透させ、関係者全員が密なコミュニケーションを取れる環境を整備したとしても、プロジェクトが成功するとは限りません。最終的に大切な事は“マネジメント”、如何にプロジェクト管理し成功へと導くかというところです。これに関しては迷わずITソリューションの力に頼っていただきたいと思います。
10年以上も前の、QCDさえ遵守していればビジネスが成り立った時代とは違い、顧客のニーズは非常に多様化し、常に期待以上のものが求められています。そうした中で従来通りのプロジェクト管理方法で顧客の期待を越えるものができるでしょうか?答えは「No」です。期待値を満たすだけのリソースは決められていますが、それを越えるためには自ら新しいリソースを生まなくてはなりません。
そのために必要なのが“プロジェト管理ソリューション”です。人手では不可能なレベルでプロジェクトのあらゆる要素を管理し、作業を効率化して、新しいリソースを生み出します。そうすることでプロジェクトに付加価値を生むためのコア業務に集中でき、顧客の期待を越えた上でプロジェクトを“大成功”に収めることができるでしょう。
当社システムインテグレータが提供する“SI Object Browser PM”は、日本で唯一“PMBOK(プロジェクト管理のための知識体系ガイド)”に準拠しています。そのためプロジェクト管理に欠かせないあらゆる要素を管理でき、今までに無いリソースを生み出せるITソリューションです。
ここまでプロジェクトを成功させるための秘訣についてご紹介しましたが、プロジェクト管理領域だけはITソリューションの力が欠かせない時代になっていますので、プロジェクト成功のために導入をご検討ください。
また、プロジェクト力強化につながるポイントをまとめた資料もご用意していますので、こちらもぜひご活用ください。
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