プロジェクトが炎上する要因とは?火消しのポイントや炎上を防ぐコツ

 2022.10.12  株式会社システムインテグレータ

炎上と聞くと、一般的に火が燃え盛っている状況を思い浮かべる方も多いでしょう。あるいは、ネットで炎上したという文脈で使えば、問題を起こした当人に批判が集中している様子が想像できるはずです。では、プロジェクトが炎上するとは何を意味するのでしょうか。

本記事ではプロジェクトの炎上について概要から発生する原因、そして万が一プロジェクトが炎上した際の火消しのポイントについて解説します。また、炎上自体を防ぐコツも紹介するので、ITプロジェクトを成功させたい方はぜひ最後までご確認ください。

プロジェクトが炎上する要因とは?火消しのポイントや炎上を防ぐコツ 1

プロジェクトの「炎上」とは

ITシステムの開発における炎上とは、プロジェクトの計画時に想定していた予算や期間内での開発が不可能な状態を表す言葉です。主に納期が差し迫る状況で、開発困難な状況に陥っているプロジェクトを指すケースが多くなっています。

なぜプロジェクトは炎上してしまうのか

なぜプロジェクトの炎上が発生してしまうのでしょうか。以下では、ITプロジェクトの炎上が起こる3つの要因について解説します。

スケジュールの問題

プロジェクトの炎上が起こりやすくなる要因の1つ目は、スケジュールの問題です。特にスケジュールの見積もりに粗があれば、炎上につながる可能性が高まります。

最初からもとのスケジュールに無理がある場合、余裕がない場合、万が一タスクの抜けが発覚した際に柔軟な対応が取れなくなります。他の工程にも影響すれば開発期間の遅れにもつながり、やがてプロジェクトが炎上してしまうのです。

スケジュールの見積もりの精度を上げるには、タスクの洗い出しや要員の調整、意思決定をしっかり行いましょう。特にタスクごとの作業時間も見積もりを取っておけば、より正確なプロジェクトの進捗管理が行えるようになります。また、ITシステムの開発では予期せぬ事態が起こる可能性もあります。このようなリスクも考慮して、各スケジュールの前後には余裕を持たせることも重要です。

要件定義の問題

プロジェクトの炎上が起こりやすくなる要因の2つ目は、要件定義の問題です。要件定義は顧客とプロジェクトを立ち上げる段階に行う作業ですが、問題の起きるプロジェクトでは要件が十分に定義されないまま開始してしまうケースがよく見られます。あらかじめプロジェクトの目的やゴールが明確になっていないと、顧客から方針変更を依頼される確率も高くなります。

顧客からの急な変更依頼が舞い込めば、スケジュールの変更も余儀なくされるだけでなく、追加のタスクや認識の齟齬も発生します。作業工数が増える関係で追加のコストがかかったり、新たなタスクの発生により開発期間に余裕がなくなったりするリスクが伴います。

要件定義の問題を回避するには、何度も議論を重ね、顧客とプロジェクトの目的やゴールを共有することが大切です。スケジュールの見積もりと同様に、プロジェクトの立ち上げからしっかりと準備を行いましょう。

進捗管理の問題

プロジェクトの炎上が起こりやすくなる要因の3つ目は、進捗管理の問題です。現場の進捗状況を管理者が適切に管理できていない場合、遅延しているのに気付けない、順調に進んでいるかどうかがわからないために炎上に陥りやすくなっています。現場と管理者間で情報共有が不足していると、メンバーが抱えている業務の進捗もわからず、追加タスクの割り振りも効率的に行えません。仮に特定のメンバーにタスクが偏ってしまえば、納期までに開発できなくなる恐れがあります。

進捗管理の問題を解決するには、現場と管理者間におけるプロジェクトの進捗状況のすり合わせが肝心といえます。また、進捗管理が行いやすくなるツールを導入して解決する方法もおすすめです。

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炎上プロジェクトの火消しに必要なこと

炎上プロジェクトとなってしまった際は、早急に火消しを行いましょう。ここでは、炎上プロジェクトに行える火消しについて3点紹介します。

進捗・納期遅延の要因を突き止める

まずは、進捗・納期遅延になってしまった要因を突き止めましょう。スケジュールの問題や要件定義の問題、そして進捗管理の問題など、原因が特定できれば対策も立てやすくなります。

しかし、プロジェクトの炎上では複数の要因が絡み合っているケースもありえます。たとえば、単に人員不足や開発期間の短さなどが要因で、炎上プロジェクトとなっている場合もあります。人員不足であればメンバーの増員を検討する必要があります。また、開発期間が足りないと判断した場合は、顧客に納期の延長を依頼する方法もあります。

いずれにしても、プロジェクトが炎上した原因を特定できれば、次に自社が取るべき行動も決まるのです。プロジェクトが炎上した場合はまず、プロジェクトメンバーと炎上した要因についての調査や議論に時間をかけてみてください。

火消しに向けたタスクの明確化

炎上プロジェクトの要因が特定できたら、その「火消し」に向けたタスクの明確化を行いましょう。タスクを明確化する際のポイントは、タスクの洗い出しと優先順位付けの2つです。前者を行えばタスクの抜け漏れを防ぐことができ、後者を行えば火消しに直結するタスクの把握ができるようになります。

火消し作業には一定のスピード感も求められます。効率よくタスクを整理できるように意識してみましょう。

タスク処理のスケジュール設定

火消しに向けたタスクの明確化が完了したら、タスク処理に向けたスケジュールの設定を行いましょう。追加のタスクが発生することになるため、既存業務に対するケアも必要です。スケジュールの調整が必要な場合は、なるべく早く顧客に納期の延長を相談しておきましょう。また、人員不足のまま追加タスクをこなすと、火消しが進まなくなるおそれがあるので、人員追加などの対策も検討してみましょう。

また、実際にタスクの振り分けを行う際は、プロジェクトメンバーの特性や経歴も考慮しましょう。各メンバーの得意・不得意が把握できていれば、適切なタスクの振り分けも行えます。火消しの作業効率を最大化したい方は、タスクの振り分け方にも注意してみてください。

プロジェクトの炎上を早急に察知するには

プロジェクトが炎上する要因とは?火消しのポイントや炎上を防ぐコツ 2

プロジェクトの炎上にいち早く気付くポイントは、炎上の原因となる「火種」を発見することです。火種を放置していると、その火種は瞬く間に広がり、プロジェクトの炎上を引き起こします。そして気付いた時には手遅れになってしまうのです。

ITプロジェクトが炎上する火種は、過去の事例からある程度パターン化されています。以下では炎上の火種になりやすい要因の代表例について、プロジェクトに関する要因・外部要因の2つにわけて紹介します。

プロジェクトに関する要因

・実現可能なスケジュールが設定できていない

・定期的にプロジェクトの進捗管理ができていない

・プロジェクトに不要な政治的要因が多く絡んでいる

・分散しているプロジェクト情報が一元化できていない

・関係者間の横のつながりが弱く、情報共有が不足している

・チーム全体のリスクマネジメントへの意識が極端に低い

・情報共有に必要なツールが揃っていない

外部要因

・外部コンサルタントが利己的な感情を持ち込んでいる

・自社以外(クライアント)の業務をうまくコントロールできていない

・クライアントがプロジェクトに参加していない


上記で紹介した要因の影響で、炎上プロジェクトになったケースも多くなっています。ただし、各要因を全て排除するのは不可能です。従って、自社プロジェクトで火種になりそうな要因をあらかじめ検討し、プロジェクトの炎上防止に活用するのがおすすめです。

なお、以下の記事ではITプロジェクトの失敗要因をもとに成功のポイントを解説しています。こちらもぜひチェックしてみてください。

失敗しないプロジェクトのためにできることは
ITプロジェクト、よくある失敗の原因と対策を考える

プロジェクトの炎上を防ぐポイント

ここでは、プロジェクトの炎上を未然に防ぐポイントについて紹介します。

適切なタスクの振り分け

プロジェクトの炎上を防ぐには、十分な要員を確保することが前提で、それに加えプロジェクトメンバーに適切なタスクの振り分けを行う必要があります。メンバー間の作業量に偏りが見られれば作業効率が悪化するだけでなく、スケジュールに影響する恐れもあるためです。タスクをメンバーに振り分ける際は、特に作業量が均一になるように意識することが重要となります。

追加で発生したタスクを適切に振り分けるには、定例でプロジェクトの進捗管理の会議を行うと良いでしょう。プロジェクトメンバーの作業進捗が正確に把握できれば、追加タスクの振り分けもスムーズに行えるようになります。ぜひタスクの振り分けも意識してみましょう。

適切なスケジュール設定

プロジェクトの炎上を防ぐには、適切なスケジュール設定が大切です。プロジェクトのスケジュール決めのポイントは、各作業の前後にゆとりを持たせることです。綿密にスケジュールを練っても、開発中に予想外な出来事が起こることは珍しくありません。あらかじめイレギュラーが発生する前提で計画を考えると良いでしょう。また、スケジュールを決めたあとは、後からイレギュラーが発生しないよう、定期的なチェック作業も忘れずに行いましょう。

スケジュール管理を円滑に進めるコツは、細かな報告・把握とタスクに遅延が発生したときの報告方法を決めることです。特に作業が停滞している要因や何時間の遅れがあるかについては重要な情報といえます。また、プロジェクトの遅延を事前にメンバー間で共有できていれば、予定変更などの柔軟な対応も可能です。プロジェクトをスムーズに進めたい方は、作業報告のルール決めまでしっかり行いましょう。

プロジェクトマネジメントの見直し

プロジェクトの炎上防止には適切なプロジェクトマネジメントも大切です。常にプロジェクトメンバー間のコミュニケーションは取りやすいようにしておきましょう。具体的には、連絡フローの明確化が挙げられます。タスクごとの報連相を行う先が明確であれば、情報共有のスピードも高められます。また、プロジェクトメンバーが別々の場所で作業する際には、ITツールを活用しましょう。場所や時間にとらわれずに連絡が取れるようになり、情報共有もタイムリーに行えます。ITツールを未導入の方は、ぜひ検討してみてください。

顧客とのすり合わせ

顧客とのすり合わせが不十分なためにプロジェクトが炎上する場合もあります。顧客とのすり合わせが足りないと方針転換の依頼が増えやすく、炎上の原因になるのです。本来、顧客とのゴールや目的の設定はプロジェクト発足時に行う作業です。プロジェクトを始める前にお互いの考えや意見を納得できるまですり合わせる必要があるのです。

プロジェクトのゴールや目的に認識の齟齬がないように顧客とすり合わせるには、繰り返し議論を重ねるしかありません。適切に議論ができていれば、お互いの認識のずれを修正でき、プロジェクトの向かう道筋も定まってくるでしょう。ただし、顧客とのすり合わせにはある程度の時間や手間もかかります。根気強さも必要となりますが、プロジェクトを炎上させないためには大事な工程です。お互いが納得できる結論が出るまで、議論を行いましょう。

コミュニケーション

プロジェクトメンバー同士のコミュニケーションミスやコミュニケーション不足が原因で、プロジェクトが炎上するケースも多くなっています。コミュニケーションに関する課題を解決するには、「コミュニケーションマネジメント」の活用も有効です。コミュニケーションマネジメントとは、実際のプロジェクトの情報収集から共有・管理、そして進捗報告書などの情報管理を行う手法のことをいいます。

他にもステークホルダーや、プロジェクトの関係者とのコミュニケーションのタイミングを計画にする「コミュニケーションマネジメント計画」も、外部とのやり取りに役立ちます。また、プロジェクト内でのコミュニケーションが円滑に取れているか監視する「コミュニケーションコントロール」の活用も効果的です。コミュニケーション不足から招く炎上を防ぎたい方は、上記の手法も活用してみてください。

まとめ

IT業界では、予算や納期内で開発が難しくなったプロジェクトのことを、炎上プロジェクトといいます。炎上する原因として主に、スケジュール・要件定義・進捗管理の3つが挙げられます。

仮にプロジェクトが炎上してしまっても、火消しで対応できる場合もあります。炎上につながる火種をすぐに見つけられれば、うまくプロジェクトを立て直せるケースもあるのです。プロジェクトの炎上を未然に防ぐ方法もあるので、ぜひ本記事を参考にして取り組んでみてください。

また、プロジェクト管理全般に関する資料もご用意していますので、こちらもぜひご活用ください。

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