皆さんにとって、プロジェクトにおける計画の優先度はどれくらいですか?
ITリサーチ会社のStandish Groupが行った調査によると、実に83.6%ものプロジェクトが失敗しているといいます。その理由としては主に次のような原因が挙げられています。
- 不十分な要件定義 13.1%
- ユーザーの協力不足 12.4%
- 資金や人材、時間の不足 10.6%
- 非現実的期待 9.9%
- 経営層の協力が足りない 9.3%
- 要件や仕様の変更 8.7%
- 計画の欠如 8.1%
- プロジェクトのキャンセル 7.5%
- ITマネジメントの欠如 6.2%
- 技術リテラシーの欠如 4.3%
- その他 9.9%
これらの原因の中で、自分でコントロールできるポイントはどれでしょうか?それは「計画の欠如」です。もしも皆さんにとってプロジェクト計画の優先度が低かったら、この機会にその考えを改めていただきたいと思います。
本稿では、プロジェクトにおける計画の重要性を考え、計画方法までご紹介します。
プロジェクト計画はなぜ必要?
システム開発などのプロジェクトの中にはまったく計画が無い状態で進むケースもあります。なかにはうまくいくケースもあるかもしれませんが、そのようなプロジェクトが失敗するとなるとやはり計画の欠如が原因でしょう。では、プロジェクト計画はなぜ必要なのでしょうか?その理由は3つあります。
①プロジェクトの進捗把握
システム開発などのプロジェクトは基本的に「〇〇までに開発し納品する」という納期が定められています。この納期を守るためにはプロジェクトの進行度合いを常にチェックして、それによって対応を変える必要があります。
プロジェクト計画があれば、計画に従って効率良く仕事を進め、無駄なくプロジェクトを進めることができます。
②関係者の共通認識
プロジェクトの失敗としてよくあるパターンは、関係者間のコミュニケーション不足です。そのため関係者間でのプロジェクトへの認識やモチベーションが変わってしまったりします。そこにプロジェクト計画があれば、すべてのメンバーが同じ認識の上で仕事を行うため、認識の相違や齟齬によるトラブルが起きません。
③急な変更への対応
システム開発などのプロジェクトでは100%に近い確率で何かしらの変更が起きます。そのなかでも一番リスクがあるのは仕様設計の変更ですね。こうした急な変更に対応できるのもプロジェクト計画あってこそです。
プロジェクト計画があれば常に進捗を管理し、何か変更点があれば素早く方向展開できるため急な変化にも対応できます。
このようにプロジェクト計画は欠かせないものであり、これが不十分なプロジェクトのほとんどは失敗すると言っても過言ではないでしょう。
プロジェクト計画書の作り方
あなたがプロジェクトマネージャーとして、プロジェクトを動かすことになった際はまずプロジェクト計画書が必要です。その際にプロジェクト計画書を作るわけですが、計画書には次のようなことを記載しましょう。
プロジェクトの概要
この項目では主にプロジェジェクトの目的とゴールを決めることが大切です。目的では「何のためのプロジェクトなのか?」を記載して、QCDの目標を設定してゴールを決めます。
スコープ
スコープとは日本語で“範囲”という意味ですが、対象システムの範囲や成果物として使用されます。何をスコープにするかは非常に重要で、フェーズごとにスコープを設けることも重要です。
コスト
プロジェクトにかかる総額とその内訳を提供します。コストに関しては様々な観点からあらゆることを想定して書くことが大切です。経営層からの理解を得にくい場合もあるので、コストを常に明らかにすることが重要です。
スケジュール
スケジュールではプロジェクトの計画実行を管理するものです。前述のようにプロジェクトにおける計画は重要であり、まず取り組むべきものです。計画の期間もスケジュールとして取るべきでしょう。
プロジェクト体制
プロジェクトはチームで実行するものなので、プロジェクト体制を整える必要があります。プロジェクト体制図と役割表を作成することでプロジェクト体制をしっかり整えます。
品質マネジメント
ここでは開発する製品の価値と実現レベルの許容範囲を明確にするものであり、プロジェクトの規模によっては、「サービスレベル定義書」というものを別途作り詳細な基準を定義します。
コミュニケーション
プロジェクトの失敗要因としてコミュニケーションを挙げる企業は多いでしょう。互いに接触機会がないとコミュニケーションがうまく取れず、情報伝達が遅くなります
リスクと対策
プロジェクト中に発生し得るリスクをすべて洗い出して、さらに対策をたてていきます。この時大切なのはあらゆるリスクを可視化して、それに対してあらゆる対策を講じることです。
以上がプロジェクト計画を作成する際の項目です。これらの項目に沿ってプロジェクト計画書を作成すれば提案書は完成します。
SI Object Browser PMについて
いかがでしょうか?ここまでの内容でプロジェクト計画の重要性をご理解いただけたのなら幸いです。しかしながら、適切なプロジェクト計画を立ててくれと急に言われても、どういったフォーマットを使用するかなど分からないことは多々あります。
そうした際におすすめなのが“SI Object Browser PM”です。SI Object Browser PMは、統合型プロジェクト管理ツールです。日本で唯一、PMBOKに準拠しています。PMBOK(A Guide to the Project Management Body of Knowledge)とは世界基準になるほどマネジメントについてよく研究され、世界のプロジェクトの基本になっています。
プロジェクトではよく次のような問題が発生しやすいとされています。
現在の状況がわからない、予測ができない
報告業務や重複仕事が多すぎて生産性が損なわれる
80%からの進捗がやたら長い。ツールを共有して使っていない。
チームにプロジェクト管理の基準やルール形式がなく属人化が蔓延
共有できていないため、途中参加メンバーがプロジェクトの状況を把握できない
PJ会議で報告した翌週に突然、赤字になる
プロジェクト全体を見渡すツールが存在しない
いずれの問題も深刻かつ早急に解決すべき課題でしょう。ではSI Object Browser PMはどのように解決するのでしょうか?
それはプロジェクトの成功ポイントでもある、スケジュール(進捗)管理やコスト管理、工数・原価管理、要員管理、品質管理、障害管理、課題管理、報告書などを自社ツールやエクセルではなくSI Object Browser PM自体で管理しているからですね。管理がシステム化されれば一元的な管理が可能になり、運用負担は大幅に軽減されます。
さらにObject Browser PMでは、ガントチャートやEVMを活用して工程やタスクの予実を中心に、成果物管理や品質管理、原価・リソース管理を統合管理します。
まとめ
プロジェクトにおいて計画を重視しないことは、地図もコンパスも無しに旅を続けるようなものです。プロジェクトの成功率を上げるためにも、必ず計画を立てておきましょう。そして、その計画を適切に作成するためにも、ツールの活用も合わせてご検討ください。
プロジェクト管理に関する詳しい資料もご用意しています。ぜひご活用ください。
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