プロジェクト管理のシステム化で高収益モデルの企業体質へ

 2017.07.18  株式会社システムインテグレータ

企業には「継続して利益を生み出していく」使命があります。組織内で発生する多数のプロジェクトは、利益を生み出すためにあります。

つまり、プロジェクトを円滑に進め成功させることが、企業としての維持・成長を支える原動力であるのです。しかし、現実問題として円滑なプロジェクト進行を実現できている企業は、そう多くありません。赤字プロジェクトが発生したり、プロジェクトが頓挫したりということが少なからずあります。

プロジェクトを実施する企業にとって高収益体質を身に付ける答えの一つに、プロジェクト管理の“システム化”があげられます。

一般的にプロジェクト管理のシステム化は、プロジェクト管理ツールの導入により行われます。企業はプロジェクト管理ツールを導入することで、従来Excelやメールなどのコミュニケーションツールから洗練された管理に移行することが可能です。プロジェクト管理のスピードが増せば、そして、質が向上すれば、自然と収益に貢献するプロジェクトになるのです。

今回は、最初にプロジェクト管理現場の課題をご紹介させていただいた後に、プロジェクト管理をシステム化するメリットを具体的にご紹介します。

プロジェクト管理現場の課題

理想と現実のギャップが大きいプロジェクト管理現場では、どのような実態があるのでしょうか?

ここでは実際に現場で頻発するプロジェクト管理の代表的な課題をご紹介します。

プロジェクトの成功定義、各メンバーの役割が曖昧なままプロジェクトが進行する

プロジェクトとは、ある特定の目標や期限に向けて進行する計画と課題で構成されるのが一般的です。この計画と課題をプロジェクトチーム一丸となって処理していくことで、一つのプロジェクトが完成します。プロジェクトは成功することもあれば失敗することもあります。ただ、目の前にある課題を処理していけば良いというわけではありません。

そして大切なものの一つに「何をもって成功とするか」という目標があります。実は、プロジェクト管理の現場では、目標を設定せずに成功の定義やメンバーごとの役割が曖昧なままプロジェクトが進んでしまっていることが少なくありません。

例えばソフトウェア開発ならば、クライアントが要望する品質、コスト、納期を守れば良いというだけではなく、限られた時間と予算、人材といったリソースを最大限活用し、可能な限り高品質、低コスト、短納期でプロジェクトを完了させなければならないのです。

企業はプロジェクト一つ一つに対し、クライアントの要望とは別に品質、コスト、納期に対する目標を設定する必要があります。こうした成功定義が無ければ、プロジェクトが一体どこに向かって進んでいるのかもわからず、人員は右往左往し最後には赤字ギリギリもしくは赤字プロジェクトになってしまいます。

計画変更に対する“目的”や“優先度”が議論されない

プロジェクトが進行していくにつれ、往々にして変更が生じます。これは初期計画がずさんなものだったというのではなく、多数の関係者が参加しているというプロジェクトの性質上仕方のないことです。プロジェクトは常に変化し、それに応じて計画も変化していくものです。

そのような変更が発生した場合に、やみくもに処理していくことだけではプロジェクトは成功しません。一般的に変更が発生する場合には、計画変更の“目的”や“優先度”、“影響範囲”などを議論しなくてはなりません。なぜ計画変更するのか、何を優先するのか、他のプロジェクトやタスクに与える影響範囲は、このような項目を整理していないと、プロジェクトの進捗や利益に大きな差が出ます。

あらゆる計画変更に対して “目的”や“優先度”、“影響範囲”をしっかりと議論しなければなりません。

“手段”が“目的”に変わっている

例えばソフトウェア開発の現場において、組織内のシステム環境を統合しERPの導入を実現するとします。このとき注意しなければならないのが、“手段”が“目的”に変わってしまわないことです。ERPという統合ITソリューションは企業が持つ現状課題を解決する“手段”です。ERPを実現することで、全体最適化や情報資源の活用など、企業が抱える様々な課題を解決することができます。しかし、そのERPの実現自体が“目的”になってしまうことが少なくありません。本来は“手段”であるERPの実現自体が“目的”になってしまい、プロジェクト完了後の運用をまったく考慮しないシステム環境が出来上がってしまいます。

極端な例ではありましたが、プロジェクトの規模が大きければ大きいほど、“手段”と“目的”が入れ替わってしまう傾向にあります。

関係者間のコミュニケーションが十分に取れていない

ある調査では、プロジェクト失敗の原因として「コミュニケーション不足」を挙げたプロジェクトマネージャーが、調査対象全体の46.8%も存在します。コミュニケーション不足はプロジェクト管理において最も大きな課題の一つと言っていいでしょう。

引用:プロジェクト管理/プロジェクト管理ツールの導入状況2015年

プロジェクトの成否は関係者間の円滑なコミュニケーションで決まると言っても過言ではありません。プロジェクトマネージャーは関係者全員とコミュニケーションを取るということはもちろん、関係者同士がコミュニケーションを取れる環境を整えることが重要です。

プロジェクト管理のシステム化で得られるメリットとは

こうした実態を踏まえて、プロジェクト管理のシステム化で得られるメリットとは何でしょうか。

一般的にプロジェクト管理をシステム化するということはプロジェクト管理ツールを導入することになります。

プロジェクト管理ツールを導入することで関係者はプロジェクトの状態を可視化することが可能になります。可視化することにより問題発生時の対応が瞬時に行えるなど大きなメリットがあるでしょう。

また、タスクをWBSと呼ばれるツリー構造で定義したり、整理したり、そのタスクの順序や優先順位を設定してスケジュール管理なども行うことができます。

進捗具合やスケジュールはガントチャートなどを用いてビジュアルに表現できるため直感的にプロジェクトの状態を把握できるのです。

例えば統合プロジェクト管理ツールSI Object Browser PMを活用すれば、企業内の複数プロジェクトをPMBOKに準拠した質の高い管理手法で行うことが可能になるため企業全体のプロジェクト品質の向上を実現できます。プロジェクトを標準化することでベテランのプロジェクトリーダーだけでなく、若手も同じように計画立案ができて、過去の工数見積をナレッジ化することで、見積レベルを組織で上げることもできます。このような取り組みで赤字プロジェクトを減らし、利益率向上のプロジェクトを増やすことが、高収益モデルの企業体質を作るベースになるのではないでしょうか。

この他にもプロジェクト管理ツールには、多数のメリットがあり、プロジェクト管理の円滑な実行を支援します。

まとめ

高収益体質の企業へと変化するためには、プロジェクト管理のシステム化が必要不可欠と言っても過言ではありません。プロジェクト管理ツールは、効率的かつ質の高いプロジェクト遂行をバックアップするものです。そのためプロジェクトを多く抱える企業にとって、属人化を防ぎ利益をもたらしてくれるものとなるでしょう。それが全社規模に展開されれば、そのメリットが企業文化へと発展し企業成長へと大きく貢献します。

ただし、正しい製品選定が何よりも大切なので、自社にフィットしたプロジェクト管理システムの導入を心がけるようにしてください。

統合型プロジェクト管理ツール「OBPM Neo」の事例集もご用意していますので、取り組みの詳細にご興味をお持ちでしたら、こちらもぜひご覧ください。


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