プロジェクトとは、事業達成のための期間が限定されている業務のかたまりを指します。企業が新規のプロジェクトを立ち上げる際に必要となるのが「プロジェクトマネジメント」です。プロジェクトマネジメントには知識や能力が必要になるため、プロジェクトマネージャーを置く企業は少なくありません。しかし、プロジェクトマネージャーに任命されたものの、具体的に何をすればいいのか分からないという方もいるでしょう。
そこでおすすめなのがプロジェクトマネジメント研修です。この記事では、プロジェクトマネージャーの方やプロジェクトマネジメントの研修について興味がある方向けに、プロジェクトマネジメントの基本的な知識やおすすめの研修サービスを紹介します。
プロジェクトマネジメントとは
プロジェクトマネジメントとは、立ち上げたプロジェクトを決められた期日までに達成できるように管理する手法です。プロジェクトのやるべきことを明確にした上で、達成までのスケジュールを考え、目標を定めます。プロジェクトマネジメントでは目標達成のために、進捗やタスク管理、予算管理などを徹底して行わなければなりません。
主なプロジェクトマネジメントの流れは以下の通りです。
（1）プロジェクトの目的とゴールを決めてメンバーと共有する
目的やゴールを明確にした上で、情報をチームメンバーと共有します。「何を行うべきか」「チームに必要なものは何か」という点が分かり、業務を進めやすくなるります。業務の効率が上がれば、メンバーのモチベーションアップにつながります。
（2）円滑なコミュニケーションを取る
チームメンバーの帰属意識を高めるためにも、円滑なコミュニケーションは重要です。特にプロジェクトマネージャーはチームを率いる立場であるため、プロジェクト達成を目指す以上、メンバー同士のコミュニケーションをサポートする必要があります。
（3）リスク対策を行う
プロジェクトが順調に何の問題もなく進むとは限りません。不測のトラブルなどが発生し、納期に間に合わないなどの状況に備えておくことが大切です。
プロジェクトマネジメントを行う際は、プロジェクトマネージャーを配置するケースが多い傾向にあります。これは万全の体制でプロジェクトを効率良く進めるためです。
プロジェクトマネージャーの主な業務には、以下の9点が挙げられます。
- チームの結成と人材確保
- 進捗管理
- スケジュール管理
- タスク管理
- 予算の管理
- 課題管理
- 成果物管理
- リソース管理
- リスクヘッジ
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【基礎を解説】プロジェクトマネジメントとは？必要な資格やスキルもご紹介
プロジェクトマネジメントの基礎となる「PMBOK」
プロジェクトマネジメントに必要な知識やツールなどを定義したものが、「PMBOK（ピンボック/Project Management Body Of Knowledge）」です。1987年に、アメリカの非営利団体であるPMIによって策定されました。
プロジェクトマネジメントの世界標準となっているPMBOKは、おおよそ4年に1度のペースで改訂されており、2023年現在では第7版が最新です。PMBOKにはプロジェクトマネジメントの手法が体系的に表されており、10の知識エリアと5つのプロセス、3種類のパートに分類されています。
10の知識エリア
知識エリアにはプロジェクトのゴールである3つの項目と、ゴールに到達するまでの項目として7つ、合計で10個の項目があります。
（ゴール）
- 品質管理
- コスト管理
- スケジュール管理
（プロセス）
- コミュニケーション管理
- リスク管理
- 要員管理
- スコープ管理
- 調達管理
- ステークホルダー管理
- 統合管理
5つのプロセス
プロジェクトのスタートからゴールまでの流れを5つの段階に分けたものを指します。流れは「立ち上げ」→「計画」→「実行」→「管理と監視」→「終結」の順です。10の知識エリアとの組み合わせによって、作成や管理が段階ごとに分かりやすくなります。
3つのパート
「何を」「どのようなツールを使ってどんな風に」「何を作るか」を定義しています。
・入力
事業計画やプロジェクトの設計書など
・ツールと実践技法
使用するツールやソフトウェア、技法など
・出力
実際の成果物や計画書など
PMBOKに関して、こちらの記事も合わせてご覧ください。
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PMBOK7 変更点と第7版を読み解くポイントについて解説
プロジェクトマネジメントを学ぶ重要性
プロジェクトマネジメントには、業務の効率化実現や問題点/課題点を発見できるといったメリットがあります。具体的には、「作業の方向性を確認できる」「業務の優先順位が明確になる」「問題の早期発見が可能」が挙げられます。
・作業の方向性を確認できる
プロジェクトマネジメントによって作業工程や納期、成果が明確になり、チームが行うべき業務の方向性を確認できます。方向性を示すと効率良く業務を行えるようになるため、目標達成までスムーズにプロジェクトを進められます。
・業務の優先順位が明確になる
プロジェクトには達成期限があるため、やるべき業務を明確にして効率良く進めなくてはなりません。プロジェクトマネジメントを行うことで仕事の優先順位を認識でき、スケジュール管理が容易になります。優先度の高い作業から取り組み、無駄な作業を削減して仕事を進められれば、業務を効率的に行えるでしょう。
・問題の早期発見が可能になる
プロジェクトマネジメントでは、プロジェクト達成のため定期的な進捗確認と現状の把握が欠かせません。これにより、問題が起きた際の早期発見や対応が可能です。問題点を早期に発見できれば、決められたスケジュールも遅れることなく進められるでしょう。問題の早期発見のためには、プロジェクトマネージャーがプロジェクトの全体を見られるように業務に余裕を持たせる必要があります。
おすすめプロジェクトマネジメント研修まとめ
近年では働き方改革の実施や働き手の不足により、業務をいかに効率良く進めていくかが企業の課題となっています。そのためプロジェクト型の業務が増加傾向にあり、プロジェクトマネジメントに携わる機会も役職を問わず増えてきているのが現状です。プロジェクトマネジメント研修は業種や職種に関係なく役立つものとなっています。
しかし、プロジェクトマネジメント研修の種類や方法は数多く存在するため、どれを選ぶべきなのか迷う方もいるでしょう。ここでは、おすすめしたいプロジェクトマネジメント研修を10種紹介します。なお、ご紹介するコンテンツは状況により変更される場合があります。あらかじめご了承ください。
insource「プロジェクトマネジメント基礎研修」
「プロジェクトマネジメント基礎研修」は、プロジェクトマネージャーが初めての方や、プロジェクトの進行・管理が未経験の方に向けた研修です。プロジェクトマネージャーとしてプロジェクト進行の手順を学び、チームが高い成果を出すための方法を習得します。
研修は、プロジェクトの定義から目標の明確化、業務管理のスケジュール作成やリスクマネジメントなどについて学び、進捗管理やプロジェクト終結までの一連の流れを確認するといった内容です。研修の最終目標として、プロジェクトマネジメントによる現状把握、ガントチャートの作成やチームの意識強化などを掲げています。なお、この研修では講義やワークを行いますが、オンラインでの実施も可能であるため、日程の調整が難しい方にもおすすめです。
https://www.insource.co.jp/bup/promane.html
リクルートマネジメントスクール「プロジェクトマネジメント標準 １０のステップ」
株式会社リクルートマネジメントソリューションズが提供する「プロジェクトマネジメント標準 １０のステップ」は、2日間に渡って行われます。この研修は、プロジェクトマネージャーだけでなくプロジェクトに関わる全ての方が対象です。習得したマネジメントスキルを実務に活用できるようにし、業務の効率化や業務プロセスの透明化などに生かすことが研修の狙いです。
研修は受講者参加型のプログラムとなっており、講義や個人ワークだけでなく、グループワークや実践講習も用意されています。
https://www.recruit-ms.co.jp/open-course/dtl/K1029/
富士通ラーニングメディア「プロジェクトマネジメントの基礎」
「プロジェクトマネジメントの基礎」では、PMBOKを用いてプロジェクトの開始から終結までの流れを学べます。プロジェクトマネージャーが行う業務内容や、プロジェクトマネジメントの全体像を基礎から学べるため、人気の研修です。
なお、富士通ラーニングメディアが提供するプロジェクトマネジメント研修には、他にもさまざまな種類があります。基礎だけでなく応用的な研修まで催しており、プロジェクトマネジメントについてさらに理解を深めたい方におすすめです。
https://www.kcc.knowledgewing.com/icm/srv/course-application/init-detail?cd=FLM&pcd=FLMC&cscd=UAP47L
TRAINOCATE「プロジェクトマネジメント研修」
トレノケートの「プロジェクトマネジメント研修」は、PMBOKに準拠した研修で、内容は4つのステップに分かれています。まずは入門から基本項目を学び、次に基礎的な知識の習得に入る流れです。基礎が固まれば応用に入り、より専門的な内容を学習します。最後に実践力を鍛えるため、ディスカッションやロールプレイングを行うのです。
トレノケートでは4つのステップから学ぶ研修以外に、プロジェクトマネージャーのリーダーシップ強化を目的とした研修や、プロジェクトマネージャーの国際資格である「PMP®」の試験に対応した研修も行っています。
https://www.trainocate.co.jp/reference/pm/index.html
NECマネジメントパートナー「プロジェクトマネジメント研修（PM研修）・セミナー」
NECマネジメントパートナーが提供するプロジェクトマネジメント研修には、多数の種類があります。プロジェクトマネジメントについての基礎や実践的なスキルを学ぶコース、PMBOKの応用力を付けるコース、PMP®の試験対策コースなどさまざまです。それぞれのコースは遠隔ライブによる受講も可能となっており、日程調整の負担が少なく場所を選びません。
https://www.neclearning.jp/training/pm_training.html
SmileWay「プロジェクトマネジメント研修(PM研修)」
SmileWayの「プロジェクトマネジメント（PM研修）」は、座学講義とワークに加えてワークショップやQ&Aも実施しており、双方向でコミュニケーションが取れる研修です。研修は集合形式とオンライン形式が選べ、オンラインでも集合形式と同じ効果が得られるようにカリキュラムが組まれています。研修終了後には、Excel形式のプロジェクトマネジメント計画書一式のテンプレートを無償提供しているので、学んだ内容の早速実践が可能です。
https://www.smileway37.com/
i-Learning「プロジェクトマネジメント」
アイ・ラーニングの「プロジェクトマネジメント」は業務効率化やプロジェクト遂行など、さまざまな目的に対応した研修です。研修のコースが豊富な上に、エントリー講座・ベーシック講座・アドバンスド講座と、目標や経験に合わせて分類されています。また、実践講座やPMP®の試験対策コースも提供しており、プロジェクトマネージャーとしてよりスキルアップしたい方はさらに知識を増やせるでしょう。また、オンラインに対応しているコースもあるため、時間や場所を選ばずに研修を受けられる点が魅力です。
https://www.i-learning.jp/service/projectmngmnt.html
日本プロジェクトソリューションズ株式会社「実践型 プロジェクトマネジメント研修」
「実践型 プロジェクトマネジメント研修」では、知識やスキルをただ学ぶのではなく、現場で実践できる点に重きを置いています。研修の前半は座学で知識を付け、後半で実際のビジネスケースを用いてグループワークを行い、プロジェクトマネジメントを体感する流れです。研修終了後はExcel形式のプロジェクトマネジメントツールを提供しています。また、日本プロジェクトソリューションズ株式会社では、1日研修を要約したものを1時間の研修デモンストレーションとして無料で実施しているのが特徴です。
https://www.japan-project-solutions.com/training-3stage-pm
リスキル「プロジェクトマネジメント研修」
リスキルの「プロジェクトマネジメント研修」は、プロジェクトマネージャーや管理職向けに、プロジェクトマネジメントの一連の流れや必要な知識・スキルを学びます。研修は国際標準のPMBOKを基にした、6時間の短期集中タイプです。具体的には、プロジェクトマネジメントに必要なガントチャートや、コスト管理表などのツールについての使い方を学習できます。集合形式の他、オンラインでの研修に対応しているため安心です。
https://www.recurrent.jp/listings/manager-middle-project-management
パーソル総合研究所「プロジェクトマネジメント力強化」
パーソル総合研究所が提供する「プロジェクトマネジメント力強化」は、企業に多くの顧客を持つアメリカのStrategy Execution社のプログラムを利用している点が特徴です。研修実績は74,000人を超え、日本の有力企業750社以上がこの研修を活用しています。プロジェクトマネージャーのセミナーはテクニック・リーダーシップ・ストラテジーに分かれ、さらに基礎・初級・中級・上級に段階分けされています。
https://rc.persol-group.co.jp/learning/projectmgt/
まとめ
プロジェクト型の業務が増えている昨今、プロジェクトをスムーズに達成するためには必要な知識やスキルを持ったプロジェクトマネージャーの存在が欠かせません。スケジュールや進捗確認といったプロジェクト管理を徹底するためには、プロジェクトマネジメントに関する知識を得る必要があります。
プロジェクトマネジメントについて学習するなら、プロジェクトマネジメントがおすすめです。研修を提供する会社はさまざまで、研修内容や実施方法が異なるため、自分に合った研修を受講しましょう。
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