シングルタスクとは?概要・メリット・デメリット・やり方などを紹介

 2023.07.12  株式会社システムインテグレータ

仕事の効率性を考える場合、複数の仕事を並行するべきか、ひとつずつ集中してこなすべきかは難しい問題です。本記事では、シングルタスクとは何か、そのメリット・デメリット、マルチタスクを行う際のテクニックについて詳しく解説します。作業効率を向上させたい方やタスク管理に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

シングルタスクとは? 概要・メリット・デメリット・やり方などを紹介

シングルタスクとは?

シングルタスクとは、一度にひとつの業務に集中するという作業方法です。

たとえば、新製品の企画を行う場合、アイデアを練る作業、資料の作成、プレゼンテーションの準備など、さまざまなタスクが待ち受けています。シングルタスクを採用するのであれば、まずはアイデア出しのみに集中し、そのタスクが完了するまで他の作業には手を付けません。

こうすることで、各タスクに深く没頭し、高品質なアウトプットを生むことが可能となります。そのため、細かい作業や集中力を要する仕事などの生産性を高めるのに適しています。

シングルタスクとマルチタスクの違いとは?

シングルタスクとは対照的に、複数の仕事を同時に進める作業方法がマルチタスクです。

両者の違いや使い分けの方法をイメージしやすいように、料理の場面を考えてみましょう。パスタを作るというのであれば、麺が茹で上がるまでの時間を使って、ソースやサラダ、食器の準備などをマルチタスクでこなしたほうが効率的です。他方で、揚げ物を作るというならば、料理が焦げないように、あるいは火事が起きないように、シングルタスクで揚げ物だけに集中したほうが安全です。

このように、マルチタスクは同時並行的に多くの仕事をこなしたい場合に適しており、仕事の全体像をつかみやすいというメリットもあります。他方で、作業内容への深い集中が求められる場合はシングルタスクのほうが適切です。また、両者は全く異なる思考法を要するため、どちらが効率的かは個々人の向き不向きにも左右されます。

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シングルタスクによるメリット

シングルタスクには、主に生産性やタスク管理に絡んだメリットがあります。

生産性を最大化できる

メリットのひとつは、生産性を最大化しやすいことです。スタンフォード大学の研究では、マルチタスクによるタスクの切り替えは特定のテーマへの思考や集中をその都度断ち切ってしまうため、結果として総体的には生産性を損なうことが示されています。
(参照元:Why multitasking does more harm than good)

一方で、シングルタスクではそうしたロスがないため、ディープワークとも呼ばれる集中力を必要とする作業において、高品質なアウトプットが可能です。特に複雑な問題の解決や新しいスキルの習得、創造的な作業などをする際には優れた結果を期待できます。

タスク管理が簡単である

タスク管理が容易なのもメリットです。マルチタスクでは多くの業務を同時に進めるため、それぞれの業務の状況を常に把握するのが困難な場合があります。また、タスクの失念による作業の漏れなども起きがちです。

一方、シングルタスクではひとつの業務に集中するため、タスク管理が単純化され、仕事の進行状況の確認が簡単にできます。これにより、作業の漏れをなくしつつ、仕事に対するストレスを軽減可能です。

シングルタスクによるデメリット

他方で、シングルタスクにも以下のような難点があります。

単調な作業だと集中力が落ちやすい

まずは、単調な作業をシングルタスクで長時間こなしていると、集中力や注意力が散漫になりやすいことです。このような状況では、集中力が途切れがちとなり、モチベーションも上がりにくくなります。その結果、高い生産性も発揮できなくなります。

優先順位に注意する必要がある

これはどのような場合にも共通することですが、仕事の優先順位の管理にも注意が必要です。「ひとつのタスクを完了させてから他の仕事へ移る」という方法を徹底しようとすると、より緊急性を要する他のタスクが後回しになる可能性があります。これを防ぐためには、各タスクの重要性や緊急性に基づく優先順位付けをしっかりした上で、効率的なタスク管理をしなければなりません。

シングルタスクのやり方

上記のことからもわかるように、シングルタスクを効果的に行うためには、時間管理と優先順位設定の2つが重要です。

時間管理を徹底する

ひとつの仕事に時間をかけすぎて他の仕事へ悪影響をおよぼさないようにするには、時間管理が非常に重要です。作業内容などに応じて事前に目標時間を設定し、その時間内にタスクを完了することを目指すと、業務がスムーズに進みやすくなります。

集中力が持続しにくい方は、「ポモドーロ・テクニック」を活用するのも効果的です。これは、25分間の集中作業と5分間の休憩を交互に繰り返すタイムマネジメント手法を指します。この方法であれば、ひとつのタスクに集中する時間と、次のタスクに備えるためのリフレッシュ時間を確保可能です。

また、タスクにかかる時間を見積もり、スケジュール全体に余裕を持たせることも重要です。これにより、予期せぬ問題が発生した際の対応も可能となり、全体の作業スケジュールの遅れを防ぎやすくできます。

優先順位を決める

タスクの優先順位は明確に設定することが重要です。それぞれのタスクの重要度や緊急度を基に、優先順位を設定します。一般的には、重要かつ緊急なタスクが最優先です。あるいは、短時間でこなせる細々とした仕事を先に片付けることで、残りの作業に思う存分集中しやすくするという方針も考えられます。

優先順位が明確であれば、先に手をつけるべきタスクが明らかになり、効率的なタスク進行が可能となります。また、タスク全体の見通しが立ち、全体の進行状況を一目で把握できるのも利点です。これにより、重要な業務が後回しになることを避けやすくなります。タスクを手掛ける順位さえ先に決めてしまえば、より効率的かつ生産的に作業を進めることが可能です。

マルチタスクのテクニック

「シングルタスクは得意だけどマルチタスクは苦手」という方は多いのではないでしょうか。しかし、業務によってはマルチタスクを採用した方が効果的な場合もあります。そこで以下では、マルチタスクを効果的に行うためのテクニックを紹介します。

  • シングルタスクの積み重ね
    重要なのは、マルチタスクといえども、細かく見ればシングルタスクの積み重ねであるという事実です。すなわち、マルチタスクを行う場合でも、シングルタスクに近い感覚でこなせるように工夫することで、効果的な作業遂行が可能です。具体的には、タスクを小さな単位に分割し、あらかじめ区切った時間内でそれらを行うようにすることをおすすめします。
  • ツールの活用
    マルチタスクをスムーズに進めるためには、ITツールの活用が効果的です。プロジェクト管理ツールやタスク管理アプリなどのツールを使用することで、やるべきタスクの一覧や進捗状況を確認でき、スケジュールなども管理しやすくなります。これにより、複数の業務を同時に進めながらも、仕事状況の可視性を確保可能です。

また、カレンダーアプリやリマインダー機能を活用することで、重要なスケジュールや締切日を確実に把握できます。

プロジェクト管理ツールについては、以下の資料をご覧ください。

まとめ

シングルタスクとマルチタスクは、一長一短であり、人によって向き不向きもあるため、仕事内容や自分の特性を考慮して選ぶのがおすすめです。ただし、マルチタスクが苦手な方でも、本記事で紹介したコツやITツールを活用することで上手にこなせるようになる可能性はあるので、ぜひ試してみてください。

また、プロジェクト管理全般に関する資料もご用意しています。ぜひご活用ください。

プロジェクト管理ツール:OBPMイラスト図解でよくわかるガイド

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