製造業とは?プロジェクト進捗管理に取り組んだ機械メーカーの成功事例(Vol.32)

 2018.07.16  株式会社システムインテグレータ

製造業とは? プロジェクト管理について考える

製造業とは?どのようなプロジェクト管理をしているのでしょうか? 製造業では「プロジェクト管理」と言わず、「工程管理」と言うケースが多いと思います。しかし「工程管理」は生産管理向けの要素が強いため、あえて製造業の「プロジェクト管理」というメッセージで考えていきたいと思います。

企業によって様々ですが、何をプロジェクト管理していきたいかというと、「製品が完成していくまでのスケジュール管理・進捗管理」だとたくさんの現場を見て感じております。その範囲をプロジェクト管理としてお話をしていきたいと思いますが、まずは製造業の種類や生産パターン、IT・システム化の分野にはどんなものがあるのか整理してみたいと思います。

製造業の生産管理パターンとは?

製造業の生産管理パターンは、競争優位に立つために多様化・複雑化してきていると言えます。もちろん製造する製品によっても生産管理パターンやスタイルは違うのですが、下記のように分類されると言われます。

製造業とは?プロジェクト進捗管理に取り組んだ機械メーカーの成功事例(Vol.32) 1

ハイブリッド型が先端と言われてきましたが、最近ではパラメトリックBOMの生産管理パターンが最先端と言われています。顧客の高い要望に応え、市場で勝つために柔軟な体制を持つことがポイントなのでしょう。

プロジェクト管理手法入門ガイド
プロジェクト管理ツール 比較ガイド

製造業のIT・システム化とは?

製造業は長年の生産性向上の取り組みから、IT・システム化は進んでいます。

みなさまのオフィスにもたくさんのIT・システムがあると思いますが、一般的なITを整理してみました。

・CAD(二次元や三次元の図面作成ツール)

・生産管理システム(ERPや生産管理専用システム。製品の手配や発注・在庫管理と原価管理)

・BOM(部品表、所要量計算で使用する)

・PDM(CADとBOMを連携させ、図面・文書管理や変更履歴管理ができる)

・PLM(PDMと連携したタスク管理や、コンフィグレーションというリリース後の保守・メンテナンスなどの製品のライフサイクル管理)

・PSI(生産スケジューラと呼ばれる。営業からの受注情報や販売計画から在庫推移・生産計画を立案できる。能力所要量や資源ガントチャートを実現できる)

・SCM(PSIから需要計画を立て、複数工場で生産計画をする)

・Excel(スケジュール管理・進捗管理・工数入力など)

マクロが組まれたいろんなExcelがあり。最新版にバージョンアップするとマクロが動かないケースが多く、「Excel脱却」は最近のオフィスのキーワードと言えるでしょう。

みなさまの現場のプロジェクト管理が上記PLMやPSIで実現できているなら、それが一番良い方法だと思います。本ブログでお話するプロジェクト管理は、そこまではできない・・というお客様が対象で、「個別受注型で製品が設計→製作→設置という流れで進み、顧客に届くまでのスケジュール管理・進捗管理をしたい」という工場の生産設備向け機械メーカーのプロジェクト管理について、成功事例をご説明いたします。

製造業 機械メーカーのプロジェクト管理の課題とは?

各メーカーの工場(自動車や航空機、食品・飲料・製薬業など)の生産設備として、機械メーカーは自社製品の機械を納入しています。受注後の納品までのスタイルは、個別受注型で半製品やユニットを組み合わせて、まず設計部門が製品を設計します。その後、製作部門が組立や調整を行い、フィールド部門は搬入・設置をします。ここまでの工程をプロジェクト管理したい!ということが機械メーカーのご要望として非常に多かったのが昨年の傾向でした。機械メーカーのほとんどの課題が、設計→製作→設置のスケジュールが見えない、進捗がわからない・・というものでした。もっと詳細に記載すると下記の通りです。

<計画の課題>

・人のタスクや負荷状況、誰が空いているのかわからない

・材料の手配状況や計画原価はわかるが、製品の計画スケジュールと細かな工程・タスクはわからない

・メンバーの計画工数やスケジュール、作業時間の計画は見えない

<実績の課題>

・結果的に160時間におさまっているのか、長時間労働になってしまうのか、月末までわからない

・プロジェクトの状況把握はExcelの進捗報告を信じるしかない。ちゃんとやっている人、やれていない人の個人的バラツキが強い

・製番別工数を月末集中入力しているため、原価管理の精度は低い。経理:原価管理のための入力のため、現場のメリットはない。 

PLMやPSIを導入し使いこなせない・・という課題ではなく、このようなもっとシンプルな課題で困っていたのが、機械メーカーだったのです。

製造業向けプロジェクト管理ツールとは?

IT・システム開発業界で200社に迫る導入実績があるプロジェクト管理ツール:OBPMが、製造業向けに機能強化し、OBPMライト版製造業向けをリリースしたのは昨年のことです。これまでの10年間、製造業からの問合せはたくさんありました。しかし「IT・システム開発向けのツールなのですね・・」と具体的な商談になっていなかったのですが、多くの問い合わせにビジネスチャンスがあると判断し、製造業:特に機械メーカーのスケジュール管理・進捗管理、要員管理、工数管理ができる製造向けをリリースしました。

OBPM IT向けで好評であったドメイン機能で、機械メーカーの工程―タスクなどを標準化することができます。たとえば、下記イメージ図をご覧ください。

製造業とは?プロジェクト進捗管理に取り組んだ機械メーカーの成功事例(Vol.32) 2
このようにExcelではなかなか標準化できない設計→組立→据付の工程を決め、その下位タスクを定め、進捗率やユニットを標準化することができます。このドメイン機能により、熟練者・ベテラン・若手に至るまで、ある一定水準から計画をひいていくことができますので、組織全体の計画レベルを上げることができます。あらかじめガントチャートにスケジュールや計画工数、作業期間などが引かれた雛形プロジェクトを機械・機種別に作っておくことで、もっと簡単に計画スケジュールをひくことができます。

製造業とは?プロジェクト進捗管理に取り組んだ機械メーカーの成功事例(Vol.32) 3

ドメインで標準化された工程―タスクを定義し、雛形プロジェクトコピー機能により、簡単で効率化された計画を立てられます。利用シーン別に順番にご説明しますと、まずは製番別にプロジェクト登録し(製番連携可能)、メンバーの負荷状況の見ながらメンバー登録、リソース計画を行い、ガントチャートでスケジュールを立案していきます。

製造業 機械メーカーでは課長(又はリーダー)がスケジュールを立案し、社員(メンバー)が作業を行った後、その作業の進捗率や工数入力をします。既存の生産管理システムから採番された製番を連携し、製番別に計画 → 入力された工数を戻すことが標準機能でできますので、既存の工数入力Excelをなくすことが実現できます。社員(メンバー)にやっていただくことは、いたってシンプルです。

実績を見ていくシーンでは、部長や課長はガントチャートでプロジェクト進捗状況を見たり、遅れている工程・タスクに関係する社員(メンバー)に現状を確認したり、週次報告や日報も簡単に提出することができます。プロジェクト一覧機能で進捗遅延を検索し、画面検索でアラートを出せますので、危ないプロジェクトの予兆がわかります。またグループガントチャートで複数製番の状況をまとめて見ることもできます。

このように複数製番で進行していく機械メーカーのプロジェクトを簡単に見ていけますし、複数製番を兼任しているメンバーの作業状況も把握することができます。

機械メーカーが目指すべきプロジェクト進捗管理とは?

製造業 機械メーカーがやるべきプロジェクト管理とは、シンプルに言うと「個別受注した機械が、計画通りの顧客に納品されているか」のプロジェクト進捗を見ていくことが目標になります。これが製造業 機械メーカーで一番多く聞くのご要望です。この目標を実現していくために、具体的な課題解決やポイントが3つあります。

◆ポイント1 製品の進捗と人を中心で見ていく

機械メーカーの製品が顧客に届くまでの進捗と、人の作業で進めていく状況を中心に、マネジメントしていけるようにする

◆ポイント2 統合すること

Excelは必ず減らすことができる。できれば業務も見直し、システムと業務を統合させ、プロジェクトマネジメントを実現する。

◆ポイント3 連携させよう

生産管理・原価管理システムとの連携はIT部門の協力をもらい、実現することで、精度の高い製番別原価実績の把握が可能。工数入力精度が上がれば、リソース管理実現と生産性向上にもつながる。

製造業 機械メーカーの目指すべきプロジェクト管理とは? このようなポイントがを押さえるべきだと思います。スケジュール管理(進捗管理)で、各作業の進捗状況を見える化していき、リソース管理(要員管理)ではメンバーのタスク、負荷状況を見て、リソースの最適化を実現できます。つまり工数管理で労務費の予測が見れるので、新規商談時に、営業に受注してよいか迅速に回答ができるのです。

ぜひ弊社と一緒に機械メーカーのプロジェクト管理に取り組んでみませんか?統合型プロジェクト管理ツール「OBPM Neo」を製造業向けにご紹介する資料もご用意していますので、ご興味をお持ちいただけましたらぜひご覧ください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

OBPM ライト版 製造業向け基本ガイドブック

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