プロジェクトは現場で起きているんだ!

製造におけるプロジェクト管理(Vol.24)

  • 2018.02.13
  • 株式会社システムインテグレータ
製造におけるプロジェクト管理(Vol.24)

「製造」向けのプロジェクト管理ツールを

統合型プロジェクト管理ツール「SI Object Browser PMOBPM)」を販売して8年になります。元々弊社内のプロジェクト管理について、プロジェクトにより管理手法やツールがバラバラ、二重入力の発生、○さんに聞かないと状況がわからないなどといった課題が散見されていて、社内システムとして開発したことがきっかけであるので、現在150社以上ある導入企業のうちほとんどがIT企業になります。一方で、IT業界以外のお客様からもプロジェクト管理というキーワードで、弊社のツールを探して頂きお問い合わせをいただくことが多々ありました。しかし、実際にOBPMを見てみると、IT向けであることなどを理由に導入に至ることがありませんでした。そこで、IT向けで培ったノウハウを元に、製造、エンジニアリングの2業界向けに20173月に新たなOBPMシリーズをリリースしました。

特に製造については、製品開発や製造、設計など複数の作業工程があるため、プロジェクト管理に対する意識やニーズも高く、ここ数年多くのお問い合わせを受けていました。リリースから1年経っていませんが現在3社の製造のお客様(ペットボトルのシールを貼る機械メーカー、薬のカプセルの袋を作る機械メーカー、ポンプを作る機械メーカー)に導入いただくことができました。ここでは、導入の経緯やポイントなどは詳しく説明しませんが、設計から組立、設置といった一連の作業をプロジェクトと見立てて、ITのシステム開発と同じく、採算やスケジュール、要員の状況などをしっかりと管理する必要があることが重要な要因であることがわかりました。

今回は、製造のプロジェクト管理のポイントや流れをOBPMの製造向けを元にご紹介したいと思います。

製造向けプロジェクト管理ツールとは?

まず、OBPMの製造向けにはどのような機能が実装されているのかをご紹介したいと思います。元々OBPMIT向けは、原価管理、進捗管理、品質管理、要員管理、課題管理などプロジェクト管理に必要な機能を全て網羅していますが、OBPMの製造向けについては、進捗管理、要員管理、工数管理を中心としたシンプルな機能構成としています。原価管理や採算管理は生産管理システムで管理していたりすることがあるので、より現場でニーズの高い機能に特化して手軽に素早く導入して利用してもらえることをコンセプトにしています。

【OBPM製造向けの主な機能】

・進捗管理、ガントチャート、進捗報告

・マイルストーン(レビュー/品質チェック)

・要員管理

・工数管理

・ドメイン(テンプレート)機能

・プロジェクト一覧 

ここで製造向けのポイントになる機能として特に紹介したいのがドメイン(テンプレート)になります。少し詳しく説明したいと思います。

ドメインで製造プロジェクトの標準テンプレートを作る!

OBPMには、「ドメイン」という重要な機能があります。いわゆるテンプレート機能です。製造でいえば、このタイプの製品を作るときは決まったある工程や作業を実施する、ここのタイミングでは必ずこの品質チェックを実施するといったプロジェクトのタイプ(製品やお客様、製造方法など)に応じたWBS(工程、作業)や品質基準、進捗基準、レビューパターン等のテンプレートを作成して登録することが出来ます。

弊社でもテンプレートを用意していますが、製造の皆様も現場で利用しているEXCELを元にドメインを作成します。ドメインは、全社や部門毎にプロジェクト管理の内容に沿っていくつも作成することができます。

例えば、製造のある機械メーカーが、生産設備機械というドメインを作成しておけば、ドキュメントを作成して、組立して調整してといったやるべき工程や作業の抜け漏れがなくなりますし、製品開発というドメインを作成しておけば、ソフト開発工程で実施する品質レビューをガントチャートに登録して実施しているかしていないか、実施した評価内容はどうだったかということがわかります。進捗率も担当者の感覚で入力することも多いので、進捗基準をドメインで定めることが出来るので、どこまで作業が進んだので何パーセントの進捗率かということもわかります。ドメインを利用することで製造における工程作成を始めとする計画作業工数の短縮や、ベテランと新人の管理能力の差をなくす、ノウハウの共有といったプロジェクト管理の標準化を実現化することが出来ます。

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製造プロジェクトのスタート(立上げ)

それでは具体的にOBPMを利用した製造のプロジェクト管理についてご説明します。

まず、プロジェクトの基本情報の登録からスタートします。基本的な製番コード、部門、期間、金額などの情報を登録します。製番コードについては、OBPMでも発番することができますが、生産管理システムで発番したコードを連携する事も可能です。

ここでポイントを2つほどお伝えします。1つ目は、先程紹介したドメインを選択します。ドメインを選択することで、WBSを始めとする各計画機能にテンプレートがセットされます。下記の例では、製品開発ドメインを選択しているので、このプロジェクトには製品開発のテンプレートがセットされます。2つ目は、確度情報を持つことができるので、ある製造に関するプロジェクトの受注前から管理する事もできます。受注前の見込み案件から計画を立てていくことで、将来的な要員の空き状況も把握することができます。

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プロジェクト登録が終わると、WBSの基準がセットされているので、実施するプロジェクト毎にやる工程や作業、成果物などを修正します。それを元に、ガントチャートでスケジュールを調整、管理します。

ガントチャートは、チャートと表形式の切替、担当者での絞り込み、○日までに終わっていないといけない、始まっていないと行けない作業で絞り込むなどの検索条件も揃っています。また、作業単位に計画工数をセットすることで、実績工数との比較で作業単位の生産性などを算出することが出来ます。

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スケジュールが決まれば、プロジェクトに関わるメンバーを登録します。社員はもちろんですが、外注先の方やまだ誰が入るかわからないのであれば匿名で登録しておくこともできます。

メンバーが決まればリソース計画を立てます。製造プロジェクトで多い時間単位での計画を立てることもできますし、月や旬、細ければ日毎に作業時間の計画を立てていきます。ガントチャートとも連動しているので、どの工程に何時間作業させるなどの計画を立てることができます。計画を元にしたメンバーの空き状況については、後ほどご紹介します。

製造プロジェクトの実行

プロジェクトが開始すれば、各メンバーは大きく2つの作業を実施します。1つは、工数実績の登録です。自分が担当になっている製造プロジェクト(工程・作業単位)に対して、工数入力を行います。よく作業するプロジェクトのみ表示したり未完了のみ表示したり、当月の予定だけでの絞込みもできます。また、直接プロジェクトだけではなく、社内作業などの間接プロジェクトも登録しておくことで、しっかりと分けてどれだけかかったのかを管理することが出来ます。登録した工数実績データを生産管理システムに連携して原価計算の元データとして利用することも可能です。

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OBPMで入力した工数実績を元にOBPMでは、各メンバーのリソース計画(予定)と工数実績(実績)を並べて一覧で確認することができます。下記の図では、黄色は少し空いている、青は埋まっている、ピンクは忙しいといった状況がすぐに分かりますし、何故あの人は忙しいのかといった状況も、人別に切り替えることで、どの製造プロジェクトのどの工程に、何月に、何時間予定されているのかといったことがわかります。ここで見込み案件も登録しておくと、部門長など管理される方は、見込み案件が取れるとメンバーは足りるのかといったこともすぐに把握することができます。もちろん、プロジェクト別、日別、部門などでみることもできますし、社員以外の外注先の方の管理も可能です。

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2つ目は、ガントチャートに自分が作業した分の進捗率を入れてもらいます。進捗率は、曖昧に入れることのないようにドメインでマスタ化することが出来るので、どこまで進んでいるのかを把握しやすくなります。 

各製造プロジェクトの責任者は、進捗報告機能を使ってプロジェクトの状況を報告します。週次・月次報告が規定のフォーマットで作成できます。製造向けでは、原価や品質は対象外になるので進捗に関する状況を確認する事ができます。報告時点のガントチャートをスナップショットで保持しているので、先週や1ヶ月前、プロジェクト開始時とくらべてどのように変わったのかなど比較することもできます。

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また、製造の方は聞き慣れないかもしれませんが、OBPMでは、EVMグラフをみる事ができます。(詳しくは、プロジェクトマネジメント基礎講座 第10回【EVMとは】:プロジェクトマネージメント連載シリーズを参照ください。)下記の図を見ていただくと、工数の計画(ピンク線)に対して、どれだけ実績(緑線)があるのか、進捗率から見た場合の工数消化状況(青線)をみて、この製造プロジェクトの今後の予測を見ながら管理することもできます。

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製造プロジェクトの管理

各製造プロジェクトを管理していくことで、OBPMでは課長や部門長、経営層などの管理者が、プロジェクトを集計してチェックすることができます。

例えば、ある部門長の方が自部門で動いている製造プロジェクトを検索します。全てのプロジェクトをチェックすることはできないので、例えば、進捗遅延率がひどい、遅れ日数が激しいといった気になるプロジェクトからドリルダウンして、ガントチャートやメンバー、進捗報告をチェックすることができます。また、黄色、赤色の2段階アラートを出せるので危険なプロジェクトから状況を確認したりすることができます。いち早く気づくことができますし、現場からの報告を待たずに画面からプロジェクト状況の確認ができます。

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その他にも進捗報告も提出しているかどうかが一覧で確認することができるので、提出していない製造プロジェクトがあればすぐにわかりますし、要員状況をみてこの先の空きや負荷状況をチェックしたり、OBPMに蓄積されたデータを出力してレポートを作るなど2次利用したりすることが出来るので、管理面で効率化を図ることができます。

製造プロジェクトのコピー(応用)

OBPMのドメイン機能では、工程、作業などのテンプレートを作成する事ができますが、スケジュールについては、各製造プロジェクトの責任者が期間を引いていくことになります。製造では、生産するものにより期間が決まっていたりすることがあるので、OBPMのコピー機能を利用して効率的にプロジェクトをスタートすることができます。

例えば、機械メーカーであれば機種によって、組立に何日、調整に何日、据付に何日とある程度決まっているので、その機種毎のプロジェクトを作っておいてそれをコピーすることで、プロジェクトの開始日付を動かすだけで簡単に計画をたてることができます。

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製造現場の効率化を目指して

ご紹介したようにOBPM製造向けでは、スケジュールと要員の2つの管理を中心として製造プロジェクトの管理が実現できます。

スケジュールの変更もドラッグ操作で変更できたり、EXCELに出力してOBPM最新の見れないメンバーに共有したり、ドメインや雛形プロジェクトをコピーして、プロジェクトの標準化や計画作業を軽減させて、現場効率化を高めることができます。

要員についても、リソース計画を立てておけば、OBPMで工程、作業単位に細かく工数実績を入力することで、予定と実績を一覧で把握して、要員の負荷状況を瞬時に把握することができます。

製造の皆様は、生産管理システムでプロジェクト情報や原価、採算をしっかりと管理されているので、OBPMと連携させることで、より効果的にプロジェクトの管理を実現することができます。

もし、ここまで読んで頂き少しでも興味を持っていただき、下記の課題を持っている製造の方がいらっしゃれば、資料ダウンロードもできますし、デモやご紹介もできますので、お気軽にお問い合わせください。 

・複雑な製品開発や試作プロジェクトの作業進捗を管理したい。

・誰が何をやるべきか、タスク管理をしたい。

・経営者が「見える化」を求めている。

・「人間系」と「Excel管理」に限界を感じている。

・テンプレート(ドメイン機能)を使って、WBSや品質基準などプロジェクト管理の標準化したい。

・部門で進んでいる複数のプロジェクトの進捗状況を一覧ですぐに見たい。 

・企画立案、構想策定、試作、本作、図面出図、メカ・電気・ソフトの工程・タスク管理がしたい。 

製造プロジェクトの標準化、効率化、見える化を図り成功プロジェクトを増やして行きましょう。

プロジェクト管理ツール:OBPM ライト版 製造業向け基本ガイドブック

OBPM ライト版 製造業向け基本ガイドブック