プロジェクト管理と推進者【プロジェクトは現場で起きているんだ!第25章】

 2018.02.19  株式会社システムインテグレータ

小職は、プロジェクト管理ツール「OBPM」の営業を担当しております。日頃は、製造業やIT企業の皆様に提案の機会をいただいておりますが、訪問するお客様では、「プロジェクト管理ツールとはどんな機能があるの?」、「過去にプロジェクト管理を導入したけど活用できていません。」、「これから、プロジェクト管理のツール導入を検討しようと思っています。」と、検討フェーズは様々です。

本日は、プロジェクト管理ツールを導入するタイミングで重要な役割を担う、推進者(推進チーム)のお話をします。

推進者に送る! プロジェクト管理ツールとは?

Webで、「プロジェクト」と検索したら、次のように紹介されているサイトがありました。

・何らかの目標を達成するための計画を指す。

・大きな目標を集団で実行するものを指すこともある。

・計画の実現のための個々の作業の実行までを含めて指すこともある。

・組織から臨時に人を集めて実行する集団を指す事もある。
 
計画、実行、個人の作業、作業を実行するチームなど、様々な規模や範囲があるようです。私が訪問する企業の担当者様も、担当する業務の範囲や役割が皆さん違います。

プロジェクト管理ツールというと、皆さんはどのようなイメージを思い浮かべますか?

・人や設備をカレンダーに登録して予定を組んで行くスケジューラー

・業務をWBSに分解してガントチャートで計画を引いていくプロジェクト管理ツール

・原価管理ができるERP

など、皆さんは担当している業務が違うので、それぞれ違うツールをイメージされると思います。実際に、Webで「プロジェクト管理 進捗管理」と検索してみると、プロジェクト管理ツール、グループウェア、スケジューラーなど、非常に多くの製品がヒットします。また、「プロジェクト管理 原価管理」と検索してみると、進捗管理の検索では表示されなかったERPやプロジェクト原価管理ツールが上位に表示されてきます。

訪問するお客様から、「御社の競合する製品は何?」と聞かれることがよくあります。

進捗管理が検討テーマなら、進捗管理が得意なプロジェクト管理ツールを紹介しますし、原価管理の機能を探していたら、プロジェクト管理ツールを持ったERPの製品名を案内することもあります。しかし、詳しくお話を伺っていくと課題の原因が他にあることも多く、他社の製品では実現できないという結論になったりします。

弊社が提供する「OBPM」は、プロジェクトの進捗、原価・工数、要員、品質の4つの軸でプロジェクト管理ができる統合型の製品なので、幅広い要件を満たすことができます。

プロジェクト管理ツールの導入を推進する人は誰?

プロジェクト管理ツールを導入する際、業務のどの範囲でツールを使うかは、企業によって異なりますが、大きく分けると2つに分類されます。

一つは、一部の部門プロジェクトや、大規模プロジェクトを管理するための、部門導入(プロジェクト導入)です。部門導入では、組織の部門長やプロジェクトのPMOが中心となって導入がすすめられます。 

もう一つは、複数の部門で横断的に利用する全社導入です。全社導入の推進者は案件によって異なります。例えば、IT企業の基幹システム刷新プロジェクトであれば、推進者は1名ではなく、プロジェクトチームで進めることも少なくありません。

製造業の全社導入では、ひとつの製番は、設計、製造、設置と各工程で組織が分かれているため、推進者は複数部門をまとめる事業責任者や、社長直轄の経営企画部門が推進者になることが多いです。

プロジェクト管理 推進者の役割は何?

プロジェクト管理ツールを導入する組織の規模や適用範囲によって推進者は変わりますが、ここでは、部門導入と全社導入における推進者の役割の一例を紹介します。

<部門導入における推進者の役割>

部門導入の推進役となる部門長は、プロジェクト管理ツールを導入する前からプロジェクトを成功に近づけるために様々な改善や工夫をしています。業務フローやプロジェクト管理で課題が上がると現場の意見を吸い上げてすぐに改善が行われ、課題プロジェクトも状況が把握できるようにと報告のやり方なども工夫をしています。 

そんな部門長へOBPMのデモに伺うと、製品紹介を終えた後に、「各プロジェクトの管理は、OBPMとよく似たやり方をしています。」と返事が返ってきます。 

今のやり方でうまくいっている所と課題が明確なので、OBPMのデモで紹介する機能を、どう使って業務を改善するかが具体的にイメージされています。日頃から、メンバーとも課題共有が行われており、導入説明会では活発な意見交換が交わされメンバー合意のもと導入が進みます。

<導入を断念する推進者>

導入を断念する推進者は、OBPMが提供する各機能を使えば効果が見込める事はすぐに理解されます。しかし自社の管理の仕方やルールの整備が不十分だと判断し、一旦検討を中断するのです。OBPMは、最初に製品を紹介してから数年後に導入されるお客様も少なくありません。ある時、電話が鳴り準備が整ったので改めて提案に来てくださいと推進者から連絡が入ります。このような推進者に導入がされたOBPMは、非常に活用が進んでいくと思います。 

製品のデモに伺った時に、よく受ける質問があります。

「OBPMは、導入したらどの位で効果が出せますか?」

皆さんは、どの位で効果がでると思いますか?

私は、お客様の事例から、「だいたい、3年位で効果が出ると思います。」といつも回答しています。 

<導入がうまくいかないケース>

導入検討時に、プロジェクト管理ツールの機能比較や費用対効果に検討の軸足がある場合、ツールの導入が見送りになる事がよくあります。各社のツールの機能を比較して「マルバツ」評価を行い、ツール導入の費用対効果を数値化するように提案を求められます。

プロジェクト管理ツールを導入する際、製品の機能を比較検討する事は重要ですが、ツールはあくまでも道具なので、ツールだけでは課題を解決することはできません。道具をいかにうまく使うか、は使い手によって決まるので、導入検討のタイミングでは、使いこなすための準備を、推進者が同時に調整することが必要だと思います。 

<全社導入における推進者の役割>

全社でプロジェクト管理ツールを導入する案件、基幹システムの刷新タイミングか、経営目標達成のため、現状システムはそのままでプロジェクト管理ツールだけを検討するケースが多くあります。いずれの場合も、期初の計画に対する予実の進捗精度をあげたい、数か月先の需要予測の精度をあげたい、原価管理の精度をプロジェクト単位・工程単位まで把握したいなど、システム導入の目的が設定されています。 

基幹システムの刷新では、プロジェクト管理ツールはシステム全体の一つの要素でしかありません。検討段階では、全ての業務フローが見直されますので、プロジェクト管理ツールは、他システムとの連携がとても重要です。・プロジェクトコードをどのシステムで発番するのか、・プロジェクト管理ツールと販売管理システムはどこで連携するのか、原価の情報はどこで管理するのか、・各部門の業務をどのようなプロジェクトタイプで分類するのか、など様々な検討が行われます。 

基幹システムは現状のままで、プロジェクト管理ツールだけを全社導入する事例は、製造業で多くあります。経営目標を達成するために、計画策定の見直しや工程の管理粒度、実績収集の方法が見直されますが、各部門では、既存システムに対して最適化された管理方法がありますので、経営目標の達成と現場の管理負荷が上がらない仕組みの検討が必要です。

<全社導入における推進者の役割>

全社導入では、推進者(推進チーム)が、成功の鍵を握ります。

推進者は、経営目標を達成するために各部門の既存運用を変える提案が必要ですが、各部門では、試行錯誤のうえ今の運用を確立しているため、やり方を変えることによって余計な管理工数が取られる事をとても嫌がります。推進者は、各部門の業務のやり方や課題を理解しつつ、どの程度の運用変更なら業務がまわるかを見極め提案しないとコンクリフトが生じます。

またスクラッチでなくツールを選択した場合は、全ての部門のリクエストを盛り込むことができません。標準機能を利用して運用でカバーする範囲はどこか、カスタマイズしないと自社の業務が回らない機能は何かを、見極めなければなりません。 

システム間の連携など、検討する事が山のようにあるので推進者はとても大変です。

システム導入を担当する推進者は、各部門の業務に精通しており、全社システムの仕様を把握していないと上記の対応ができません。また、全部門で共通システムを使うので、共通化する範囲はどこまでか、現場に運用を委ねる範囲はどこかを見極めることが重要です。もうひとつ重要な事は、部門間で決定した方針は、よほどの理由がない限り変えない強い推進力です。そんな推進者と一緒に進めるプロジェクト管理ツールの導入はうまくいきます。

最後に ~プロジェクト管理と推進者~

プロジェクト管理ツール「OBPM」は、進捗、工数・要員管理に特化した「ライト版」と、原価、品質管理までできる「フル機能版」があります。これからプロジェクト管理ツールを導入しようと考えている企業は、一度OBPMをご覧になってください。

製品URL:https://products.sint.co.jp/obpm

また、プロジェクト管理全般に関する資料もご用意していますので、ぜひご活用ください。


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