個別受注生産で必要な工程管理と、効果的な工程表の使い方とは?
製造業において、効率的・効果的に生産を進めていくには、ITの導入が必要不可欠となってきています。生産を効率良く実行するためのITソリューションとして、生産管理システムがあります。
製造業では生産管理システムで管理するのが一般的ですが、なかなか生産管理システムにそぐわず悩まれているケースがあります。
それは、「個別受注生産」です。
個別受注生産とは、お客様からの受注によって個別に生産する生産形態です。
例として、エンジンや産業機械、特殊計測装置などがあります。
この個別受注生産には、次のような特徴があります。
- 製品仕様がお客様ごとに異なる
- 加工内容や工程手順が異なる
- 生産期間が異なる
- 使用する部品や機械・設備が異なる
在庫を持たず、受注してから生産します。
この個別受注生産の管理に必要なものとして、次のような点が考えられます。
- 手順・計画の標準化
- 工程・進捗の管理
- リソースと負荷の管理
- 実現可能な納期の設定
確実に生産し納品するためには、手順を明確にし、人や機械の生産能力と負荷を把握し、実現可能な工程を引いて、納期を設定し、進捗を管理することが重要となってきます。
そこでまず必要なのが、「工程管理表(工程表)」になります。
工程管理表(工程表)とは?
工程管理表とは、製造工程を計画し、進捗を管理するための表です。
作業の「スケジュール表」のことです。
工程管理表を使えば、作業の進み具合を見える化することができます。
製品の生産には多くの人や機械・設備が関わるため、個別の作業の進み具合がわかりづらいことがよくあります。
「今どこまで進んでいるのか」を把握して作業を進めることが、納期を守るための重要なポイントになります。
工程管理表があれば、作業が遅れていることを早い段階で気付くことができます。
もし、納期に間に合わない可能性がでてきたら、1日の稼働時間を一時的に増やしたり、追加の支援を入れたりなどの対策を打つこともできます。
では、実際に工程管理表を作るにはどうすれば良いのでしょうか?
Excelで一からつくることもできますが、インターネットで「工程管理表 テンプレート」などのキーワードで検索すれば、工程管理表のテンプレートがたくさん見つかります。この中からいくつかダウンロードして、使いやすそうなものを選んで使うと良いでしょう。
<<工程管理表のキャプチャ例>>
続いて、工程管理表を構成する一般的な項目と作成方法をご紹介します。
①作業項目洗い出し
まずは個別受注した製品を生産する作業手順を洗い出します。
洗い出したら、表の左側に作業の順番通りに縦に並べます。
②各作業期間の決定
続いて、洗い出した作業項目それぞれに必要な作業期間を決定します。
表の作業項目の右側に想定工数を記載すると、わかりやすいでしょう。
③工程を引く
作業内容と必要な期間が決定したら、次に工程を引きます。
作業項目の上から順番に作業期間を表す工程の線を表の中央部に引いていきます。
並行で作業できるものは重ねて線を引いて問題ないですが、前の作業が終わらないと作業できないものは前の作業と被らないように線を引きます。
④担当者ならびに機械・設備を割り当てる
線を引き終えたら、各作業の担当者を割り当てます。
表の作業項目と作業期間の間に記載すると、わかりやすいでしょう。
複数名で対応する作業は、担当者それぞれの予定工数を明記し、主担当者も明確にしておきます。
続いて、作業に必要な機械・設備も割り当てます。
⑤実現可能か確認
すべて割り当てられたら、まずは納期に間に合う計画になっているか確認します。
納期に間に合っていない場合は、どのようにして短縮するか検討して調整します。
次に、実行に無理がないか、実現できるかを確認します。
担当者が1日でこなせる量になっているか、機械・設備が同じ期間重複して設定されていないか、無理がある箇所があれば、線をずらすなど調整します。
担当者の病欠や機械の故障などトラブルが発生するリスクもあるので、バッファを見ておくことも重要です。
できるだけ無理がなく、無駄のないスケジュールで調整しましょう。
このように工程管理表を作成すると、一目で作業に関する情報がわかり、関係者で共有することができます。
また、この工程管理表をもとに、日々の進捗確認と管理をしていくことにより、納期通りの生産を進めることができます。
ただ実際には、複数の個別受注案件が立ち上がり、担当者も複数の個別受注案件をかけ持つケースが多いのが実状です。
1つの個別受注案件を管理するだけならExcelのテンプレートで十分事足りますが、複数の混在する個別受注案件を効率的に無駄なく対応していくには、システムの力を借りる必要があります。
個別受注生産に対応した管理ツールとして、「Object Browser PMライト 版製造業向け」があります。
Object Browser PM Light 製造業向け
⇒ https://products.sint.co.jp/obpm/products/lightmfi
Object Browser PM(OBPM)で、できることとは?
統合型プロジェクト管理ツール「Object Browser PM ライト版 製造業向け」では、次のように個別受注生産の工程管理を効率的に行うことができます。
①複数の個別受注案件を、一括で管理できる
②工程・手順計画を標準化できる
③各個別受注の作業進捗が、リアルタイムに確認できる
④リソース(担当者・機械・設備)と負荷状況が、統合して確認できる
⑤担当者が、自分の担当作業と進捗を俯瞰して確認できる
①複数の個別受注案件を、一括で管理できる
OBPMでは、複数の個別受注案件を一括で管理することができます。
「プロジェクト一覧」という機能で、個別受注案件を表形式で一覧表示することができます。
「遅れが発生していないか?」「工数を使いすぎていないか?」など一目で確認することができます。
また、製番(=PJコード)で管理でき、確認したい個別受注案件もすぐに検索することができます。
<<OBPMプロジェクト一覧のキャプチャ>>
②工程・手順計画を標準化できる
工程・手順計画とは、製品を生産するにあたり必要な作業や工程順序を決めることです。この工程・手順を、都度設定・登録するのはとても煩雑です。
また、属人的になり、工程や手順が抜ける恐れもあります。
そこで、この工程の作業や品質を安定させるために、工程・手順計画の標準化が必要になってきます。OBPMでは「ドメインマスタ」という機能で、事前に工程・手順計画をテンプレート化することができます。
生産する製品毎に、ドメインマスタを登録しておくととても便利です。
<<OBPMドメインマスタのキャプチャ>>
③各個別受注の作業進捗が、リアルタイムに確認できる
工程管理表で計画したら、工程が予定通りに進捗しているかどうか常に確認することが、納期通りの生産を進めるコツです。
進捗の遅れが確認できたら、状況を確認して問題をあきらかにし、対策を打つことができます。OBPMでは「ガントチャート」という機能で、工程管理表を作成でき、個別受注案件毎に各作業の進捗をリアルタイムで確認することができます。
また、チャートで視覚的に確認しつつ、表で定量的に把握するといった、表とチャートの二面で確認できるのも便利です。
<<OBPM PJガントチャートのキャプチャ>>
④リソース(担当者・機械・設備)と負荷状況が、統合して確認できる
リソースの負荷状況を確認しないと、高負荷なのに受注して納期遅延を起こしてしまったり、逆に人や機械・設備が遊んでしまって無駄に利益を圧迫したりなどのリスクがあります。そして、突発的な飛び込み受注・機械の故障・その他トラブルに対応するためにも余力管理も必要です。
このように、負荷や余力の状況確認は、個別受注生産にとってとても重要になります。
OBPMでは「開発メンバアサイン状況」という機能で、各メンバーならびに設備の負荷状況が一目で確認することができます。
また、アサインの予実も見ることができ、計画に対して実際どの程度の負荷実績だったかを確認して次の計画にフィードバックすることもできます。
<<OBPM開発メンバアサイン状況のキャプチャ>>
⑤担当者が、自分の担当作業と進捗を俯瞰して確認できる
担当者が複数の個別受注案件をかけ持つケースでは、各個別受注案件の自身の担当作業と期限を把握するのは煩雑になりがちです。
ある個別受注案件に注力するあまり、もう1つ担当している個別受注案件の作業を見落としてしまい、納期遅延を起こしてしまうといったことも起こりかねません。
OBPMでは、「個人ガントチャート」という機能で、案件横断で自身の担当作業と工程を俯瞰して確認することができます。
稲妻線により、作業の遅延を視覚的に把握することができるのも便利です。
<<OBPM個人ガントチャートのキャプチャ>>
また、OBPMでは、②のドメインマスタと③ガントチャートを事前に設定して、「モデルプロジェクト」を作っておくことができます。個別受注案件が入ってきたら、この「モデルプロジェクト」をコピーして使用することで、早期に工程管理表を作成することができます。
同じような個別受注案件がよく立ち上がるケースには、とても効果的な運用になります。
いかがでしょうか?
貴社の個別受注生産の工程管理に、OBPMは役立ちそうでしょうか?ご興味ございましたら、実際にデモをご覧いただけますので、まずはお問い合わせください。
統合型プロジェクト管理ツール「OBPM Neo」を製造業向けにご紹介する資料もご用意していますので、こちらもぜひご覧ください。
製造業にも、「工程管理とプロジェクト管理」。
個別受注案件を見える化し、無駄を省き、利益を上げていきましょう。
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