複数のプロジェクトを管理し会社標準の手法を確立するには

 2017.07.24  株式会社システムインテグレータ

組織を走るプロジェクトは一つではありません。常に複数のプロジェクトが存在し、単体として進行しているものもあれば、それぞれが同じ一つのプロジェクトを構成している場合があります。複数のプロジェクトが1部門であればまだ簡単ですが、複数部門に横断していくとプロジェクトはもっと複雑になります。またベンダーがプロジェクトに入る時、複数ベンダーになることもあります。「複数プロジェクト」「複数部門」「複数ベンダー」・・・プロジェクト管理の現実は非常に難しくなってきています。こうした複雑な環境の中で「最適なプロジェクト管理とは」と考えたとき、やはり複数のプロジェクトを統合管理して、全体を効率よく進行していくことが、最適なプロジェクト管理と言えるのではないでしょうか。

しかし実態として、そうしたプロジェクト管理を実現している企業は少ない状況にあります。「それどころか単体プロジェクトの管理だけで手いっぱいだ」という企業もあるでしょう。

プロジェクト一つ一つの利益率を上げ、高収益を実現するためには、それでもなお統合管理を実現する必要があります。他社にできているのですから、自社にできないわけはありません。

問題は、プロジェクトの統合管理を行う方法です。正しい管理手法とノウハウをしっかりと身に付ければ、複数プロジェクトの統合管理も難しいものではないのです。さらにもう一つ、システム化という大切な要素もあります。

まずは、複数プロジェクトの統合管理に必要な、手法について確認してきましょう。

P2Mというプロジェクト管理手法

P2Mというプロジェクト管理手法をご存知でしょうかこれはProject & Program Managementの略であり、プロジェクトとプログラムという2つの要素を管理するための手法です。ちなみにプロジェクトとはそのままの意味で、一つ一つのプロジェクトを指します。一方プログラムは、複数のプロジェクト全体を指し、すなわち複数プロジェクトの統合管理を実現するための手法です。

P2Mは、エンジニアリング振興協会が経済産業省の委託事業として3年間のリサーチを経て2001年に発行しました。米国生まれのPMBOKに対し、P2Mは日本発の「プロジェクト & プログラムマネジメント標準ガイドブック」として登場し、2002年以降は日本プロジェクトマネジメント協会PMAJが普及を担当しています。

プロジェクト単体の管理を想定したプロジェクト管理手法であるPMBOKに対し、P2Mは組織全体のプロジェクト管理を想定しています。その概要は、次のようなものです。

  1. 確実なプロジェクト完成に導くプロジェクトマネジメント体系を提供します。
  1. 個別プロジェクトの大型化・複雑化への対応に、必要な全体統合と部分のマネジメントの両方をプログラムマネジメントの考え方で包括し提示します。
  1. 組織戦略とプロジェクト群の整合性を考え、プログラムマネジメントを以って、組織戦略実現のための付加価値の高いプロジェクトの組成やイノベーションを加速する仕組みづくりの段階からプロジェクトマネジメントを機能させます。
  1. システムズアプローチを土台にしたマネジメント体系として、社会・経済の複雑な課題への対応、複合的なビジネス課題への対応、あるいは、開発-構築-運用-事業改革を、一つまたは複数のプログラムとして首尾一貫したサイクルで廻すことを可能としています。

参考:日本プロジェクトマネジメント協会「P2Mとは何か

プロジェクト管理に関するお役立ち資料

複数プロジェクトの統合管理を可能にするP2Mという管理手法ですが、この概念を実践に取り入れるのはシステム化が重要かつ必要不可欠です。後述しますが、プロジェクト管理ツールによって実現する部分が多いのです。

複数プロジェクトの統合管理を実現するために

P2Mという管理手法のことはいったん忘れ、複数プロジェクトとの統合管理に必要な要素を紹介していきます。P2Mを実践する以前に大切なことなので、確認しておきましょう。

WBSでタスクを構造化し、タスク間の依存関係を整理する

当然ではありますが、プロジェクト規模が巨大になるほど、プロジェクト数が多くなるほどタスクが増加し複雑になります。なおかつそれぞれのタスクは密接に絡み合っているので、この構造を理解することが大切です。

例えば「AさんのタスクはBさんのタスクが完了しないとできない」や「Cさんのタスクは〇〇部門からの情報提供がなければできない」など、各タスクは依存関係にあります。

「あれそれしなければこれができない」というタスクばかりであり、かつ複雑に絡み合っているので、目の前のタスクをただ処理していくだけではいけません。

WBS(Work Breakdown Structure)はプロジェクトに存在するタスクを分解して構造図を作成するためのツールです。プロジェクトの最終目標を起点にツリー構造で描かれていくので、タスク間の依存関係を見ることができます。WBSは必ず成果物を主軸に作成していきましょう。その成果物を作っていくためのタスクがタイムシートになります。複数プロジェクトの場合は、1プロジェクトを業務システム毎にとらえ、その業務システム毎の集まりが複数プロジェクト管理になっていくのです。その下に複数ベンダーを入れていくと管理しやすいでしょう。

プロジェクトチームの枠を超えたコミュニケーション

プロジェクト失敗で最も多い原因が「コミュニケーション不足」です。プロジェクトマネージャーとメンバーはもとより、プロジェクトチーㇺ同士のコミュニケーションも大切となります。

例えばAチームのメンバーがBチームとコミュニケーションを取りたいとき、チームマネージャー同士がまずコミュニケーションを取らなければならないとなると、非常に非効率な情報伝達の仕組みができてしまいます。AチームのメンバーもBチームのメンバーも直接、相互にコミュニケーションが取れる環境ならばコミュニケーションコストを大幅に削減可能です。もちろんプロジェクトマネージャーへの報告は必須であり、チームメンバーとプロジェクトマネージャーに必ず必要なことです。

現在のプロジェクトの状況が、1プロジェクトと複数プロジェクトで正しく把握できる仕組み作りが需要です。1プロジェクトの品質・コスト・進捗状況=QCDがわかるのはもちろんのこと、複数プロジェクトに集約した場合のQCDもリアルタイムに見えなければなりません。各プロジェクト同士が密接に関連していくる因果関係も見ていける環境も重要です。

全体としての進捗把握と細かい調整

各プロジェクトを単体で捉えるのではなく、全体として捉えた場合、各プロジェクトの進捗を見えるようにしなければなりません。特に複数プロジェクトが一つの大きなプロジェクトに繋がっている場合、常に細かいスケジュール調整などが必要です。

プロジェクトが大きいほど細かいKPIを設定する

Aプロジェクトの規模に対し、Bプロジェクトは倍の規模があったとします。このとき、Bプロジェクトで設定すべきKPIは、Aプロジェクトから単純に2倍するのでは管理が間に合いません。プロジェクト規模は大きければ大きいど、さらに細かいKPIを設定する必要があるのです。

つまり複数プロジェクトを統合管理するには、現状のKPIよりもさらに大きなKPIを設定しなければなりません。

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プロジェクト管理ツールの導入

ここまで紹介したP2Mというプロジェクト管理手法も、複数プロジェクトの統合管理を実現するための方法も、いずれもプロジェクト管理ツールの導入が実現の鍵となります。プロジェクト管理ツールとは、組織のプロジェクト進行を円滑に進め、高収益を確保するためのものです。

タスク管理やスケジュール管理などかなり基本として機能のみを備えているものから、要員管理やコミュニケーション管理など高度なプロジェクト管理を実現するものなど実に様々な製品があります。

複数プロジェクトの統合管理を実現したいのであれば、それをカバーした高性能なプロジェクト管理ツールが必要です。例えばSI Object Browser PMのように、多数の機能によってプロジェクト管理を支援するようなパフォーマンスが欠かせません。

グループプロジェクトとして複数プロジェクトを統合管理するだけでなく、組織別に横断的にプロジェクトを見ていくことで、悪いプロジェクトアラートを出したりする予兆管理も実現できます。

プロジェクト管理をシステム化したからといって必ずしも、統合管理が実現するわけではありません。大切なのはやはり、システム化した後の運用です。しかしプロジェクト管理ツール導入が、複数プロジェクトの統合管理におけるスタートラインだということは変わりませんので、慎重な検討で最適なプロジェクト管理ツールを導入していきましょう。

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プロジェクト管理ツール:OBPMイラスト図解でよくわかるガイド

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