プロジェクト管理の代表的な課題と解決策

 2017.07.24  株式会社システムインテグレータ

プロジェクト管理の現場では様々な問題があります。プロジェクトが成功するかどうかは、そうした問題をいかに解決するか、という部分にも大きく起因するでしょう。従ってプロジェクトマネージャーには、発生しうる問題を“課題”として捉え、解決策を練る必要があります。一種のリスクマネジメントです。

ちなみに課題という言葉の意味は「題や問題を与えること。その与えられた題・問題」です。プロジェクトマネージャーは自分自身に課題を与え、リスクマネジメントを行うことでプロジェクトを成功へと導かなければならないのです。

では、プロジェクト管理で発生する課題とは何でしょうか。

プロジェクト管理の代表的な課題

関係者とのコミュニケーション

プロジェクト管理が失敗する原因としても最も多いのが「関係者とのコミュニケーション不足」です。つまり、関係者とのコミュニケーションがプロジェクト管理第一の課題だと言ってもいいでしょう。

キーマンズネットのアンケート調査結果によると、プロジェクトが失敗した原因としてコミュニケーション不足をあげているプロジェクトマネージャーは全体の46.8%と、約半数に上ります。

引用:プロジェクト管理/プロジェクト管理ツールの導入状況2015年

ちなみに関係者とは、プロジェクトメンバーや経営者など社内の関係者はもちろん、顧客や委託先企業など、プロジェクトすべてに関わる関係者です。すべての関係者に等しくコミュニケーションを取らなければならないわけではありませんが、関係者によってコミュニケーションを方法と頻度を、十分考慮しなければなりません。

プロジェクト成功の定義が不明確

「何をおいてプロジェクト成功とするのか」という定義は、意外と不透明なことが多いです。初期計画を入念に立て、関係者間でのスケジュール調整を行い、万全な体制でプロジェクトを始動したはいいが、明確なゴールが決まっていません。

例えばECサイト構築プロジェクトで、納期6か月と予算1000万円が与えらえた場合、ただ納期と予算内に収まったECサイト構築ができれば成功なのでしょうか、もちろん違いますね。

ECサイト構築なら、Web上の消費者をターゲットにして利益をアップさせていくことが、本来の目的となるはずです。従って、この場合のプロジェクト成功の定義は、ECサイト構築後の集客数と収益に対し、具体的な数値や期間を設けることではないでしょうか。

ECサイトは利益を拡大するための“手段”でしかないのに、それ自体がプロジェクトの目的になってしまっていることが非常に多いのです。

リスクマネジメントへの関心度

リスクマネジメントというのはプロジェクトマネージャーのみが取り組んでも意味はありません。そもそもリスクマネジメントとは、今後発生しうる問題に対して対策を取っておくことです。つまり、その問題自体はまだ発生していない状態です。

このため実際に発生した問題に対処する場合よりも、周囲の理解を得づらい傾向にあります。まだ発生していない問題への対策を取るのにもコストはかかります。それは「見えないものにお金と時間をかける」ようなもので、こうしたリスクマネジメントをできる限り避けたいという、経営者もプロジェクトメンバーも少なくないでしょう

周囲にリスクマネジメントへの関心度を高める、というのもプロジェクトマネージャーの課題の一つですね。

コントロールできない項目もある

ソフトウェア開発や製造業ならば、プロジェクト管理は最終目標となる「QCD(品質、コスト、納期)」を達成するために、さらに細分化された管理項目をコントロールすることにあります。しかし、コントロールできない項目もあるということを、理解しなければなりません。

その項目とは、顧客や委託先企業です。

ECサイト構築プロジェクトならば、顧客がコンテンツ案を出したり、意思決定を下すまでには時間がかかります。これらの項目の主導権は完全に顧客が握っているため、開発側でコントロールすることはできません。

従ってプロジェクトマネージャーは、その点も考慮した上で計画立案やリスクマネジメントを行わなければならないのです。例えば基本設計の工程フェーズが終了したら、詳細設計以降の工程フェーズへの承認や決済期間も考えず、すぐに次のフェーズに進めるスケジュールを引いたことはありませんか?コントロールできない項目はリスクマネジメントとしてあげておき、影響度や発生確率、優先度を決めて、ウォッチしていきましょう。

プロジェクトメンバーの適材適所

プロジェクトを成功へと導くためには、メンバーを適材適所で、最適な場所へ配置しなければなりません。極端な話、ウェイターをいきなりキッチンに配置しても、役に立たないどころか料理の質まで落ちてしまいかねないということです。

適材適所を実現するためには、まずプロジェクトマネージャーがメンバー個々のキャリアやスキルを把握した上で、要員管理を徹底する必要があります。「任せらせるプロジェクトリーダー」のキャリアやスキルはわかっているかもしれませんが、組織はそんな人ばかりではありません。「不安なプロジェクトリーダー」の不安なキャリアやスキルを把握しておく必要がありますし、プロジェクトメンバーでも委託先でも同じことが言えます。プロジェクトリーダーや各プロジェクトメンバーや委託先の情報収集を行うことがまず課題となってくるでしょう。

計画変更への対応

初期計画通りにプロジェクトが進むことは非常に稀です。熟練したプロジェクトマネージャーでも、一生のうちに一度あるかないかというレベルでしょう。従ってプロジェクトが始動してからも、計画変更は必ず発生します。必ずプロジェクトは遅れる、という意識を持ち、計画・実行・管理のプロジェクトマネジメントサイクルをまわしていきましょう。

これもリスクマネジメントの一環として備えなければなりません。発生するかもしれない計画変更を予測し、それに応じてシナリオを描いておくことが大切です。

プロジェクト情報の一元管理

最後の課題はプロジェクトに関する情報を一元的に管理することです。情報とは常に分散しているものなので、それを集約して初めてプロジェクトに関する意思決定を下すことができます。しかし、分散しているバラバラな情報を集約するのにも時間がかかります。プロジェクトの規模が大きいほど、それに比例して情報収集の時間も増していくでしょう。

これはすなわち意思決定の遅れとなり、ひいてはプロジェクト進行の遅れとなります。従って、最初から情報収集を容易に収集できて、プロジェクト情報を一元化できる仕組みを整えておくということも、大切な課題なのです。

プロジェクト管理の課題を解決するためには

ここまで計7つの課題について説明しましたが、細分化すればもっと多くの課題があります。また、プロジェクトが始動してから発生する課題もあるでしょう。これらの課題を解決するためにはどうすればいいのか答えはシンプル、プロジェクト管理を“システム化”することです。

プロジェクト成功の定義やリスクマネジメントへの定義といった課題は、プロジェクトマネージャーのマネジメント力にかかっている部分が大きいでしょう。しかし、関係者とのコミュニケーションや適材適所といった課題は、エクセルで管理していると解決できません。プロジェクトメンバーが入力しているのかどうか、そのプロジェクト情報が最新なのかどうか、そもそも数字が合っているのかどうか、エクセル管理では問題は尽きません。これらの課題はバラバラのエクセルを一元化し、システム化によってクリアすることができます。

プロジェクト管理ツールでは、システム上でコミュニケーションができる環境や要因管理機能、変則的な計画変更にも対応する機能などが備えられており、プロジェクトマネージャー1人の力では難しい課題解決を支援します。つまり、状況把握が簡単に正確にできることが、正しい意思決定につながるのです。

様々な企業課題を解決するためのITソリューションが発展してきたように、プロジェクト管理の課題を解決する答えも、システム化だったのです。

プロジェクト管理手法入門ガイド
プロジェクト管理ツール 比較ガイド

まとめ

プロジェクト管理に関係する多くの課題は、SI Object Browser PMのようなプロジェクト管理ツールにより解決できます。オンプレミス版に加えてクラウド版に加え、簡単に安価に導入できるライト版も普及してきており、これまでプロジェクト管理ツールの導入を断念してきた企業でも、容易に導入できるようになったので、これらを導入することで様々な課題を解決していただきたいと思います。

また、プロジェクト力強化につながるポイントをまとめた資料もご用意していますので、こちらもぜひご活用ください。

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