プロジェクトタイムラインとは?作成ステップを解説!

 2023.07.12  株式会社システムインテグレータ

プロジェクトタイムラインはプロジェクトマネジメント手法のためのツールとして広く活用されています。この記事では、プロジェクトタイムラインの概要をはじめ、タイムラインの作成方法、プロジェクトを成功させるために確認しておきたい作成ステップなどを解説します。

 

プロジェクトタイムラインとは

プロジェクトタイムラインとは、プロジェクトの開始から完了までの全体的な流れを表示するためのツールのことです。プロジェクトマネジメントの手法のひとつとして用いられます。プロジェクトの開始から完了までのタスクの流れを時間軸で全て記載し、プロジェクトの全体像や進行状況を一目で確認できるよう一覧にまとめます。
タイムラインは、シンプルにプロジェクト全体のタスクの流れを確認できるツールであるため、タスク同士の依存関係や各タスクの現在の進捗状況といった細かい情報までは確認できません。

プロジェクトタイムラインの作成方法

プロジェクトタイムラインは、主にExcelや有料のツールなどを利用して作成します。Excelは基本的に表計算ソフトであるため、タイムラインの作成方法や機能に制限があります。ただし、Excelをすでに利用している場合は無料で気軽にタイムラインを作れることから、新しい費用は発生しません。

Excelを使用してプロジェクトタイムラインを手作業で新規作成する場合、完成までに手間や時間がかかります。Microsoft社が提供している無料テンプレートや、サードパーティーのサイトで配布されているテンプレートを入手して作ることも可能です。シンプルな機能が利用できる手軽なテンプレートを活用することで、最初から作るよりも手間をかけずにタイムラインを作成できます。

一方、有料のツールにはさまざまな種類があります。タスクの期限を知らせるリマインダーや、日付と時刻の自動調整機能、インポート・エクスポート機能など、プロジェクトマネージャーにとって便利な機能が多く搭載されているため、Excelで作成したツールよりも実務的に利用できます。
有料ツールを利用することで、開始から途中経過、完了に至るまで、リアルタイムの進捗状況や到達したマイルストーンを確認しながらプロジェクトの進行管理がスムーズに行えます。

プロジェクトタイムラインの作成ステップ

プロジェクトの全体の目標を設定する

プロジェクトタイムラインを作成する際は、最初にプロジェクト全体の目的・目標を設定する必要があります。プロジェクトの内容をまとめて関係者全員に周知するためにも、目標の作成は重要です。最終的な目標を設定してから、目標達成に向けたスケジュールを組んでいくと効率よくタイムラインが作成できます。
プロジェクト範囲記述書の作成も、タイムライン作成前にやっておきたい作業です。範囲記述書では、プロジェクトの範囲を設定してから取り組みが必要な成果物をまとめて記述します。プロジェクト・タスクの中間にある目標地点や、業務の節目になるマイルストーンを設定するなどの方法で、タイムラインの作成に備えることが可能です。

全体の目標を小さな単位に分割する

前ステップで設定した最終目標を確認し、達成のためには何が必要になるのかを考慮しながら、全体的な目標を細分化していきます。全体の目標を達成するため、適度に分割して必要となる目標を設定し、さらに細かく分割した期間ごとに小さな目標を設定します。
目標の分割は「作業分解構造(WBS)」を作成することで効率的に行えます。作業分解構造は、前述の範囲記述書に記載した成果物を基にして作成します。成果物を小さな単位まで分解し、各作業を達成するためにどのような副成果物が必要なのかを把握するためにそれらも書き出します。

各作業のタスクを洗い出す

作業分解構造の作成時に書き出した成果物や副成果物を基に、成果物などを作るために必要なタスクを洗い出し、ToDoリストを作成するステップです。最終的に完成させるべき成果物を作る目的や、その副産物・前段階の成果物を作る目的など、目的に向けてプロジェクト中に行わなければならないタスクを、段階ごとに全て洗い出していきます。
プロジェクト内のタスクを大きな作業から小さな作業へと細かく分割していくと、やるべきタスクを全て割り出せます。取り掛かるプロジェクトが大きく複雑になるほど目標達成は難しくなるため、タスク数が多い場合でも確実かつ丁寧に作業の細分化を行い、タスクを少しずつ完成させていかなければなりません。このステップでは、目標に欠かせないタスクを漏れなく洗い出すことが重要です。

それぞれのタスクの依存関係を確認する

前ステップで細分化したタスクは、適切な順序で行うとスムーズに作業を進められるはずです。タスクには独立して作業を進められるものと、別の作業が終わるまで始められないものがあるため、各タスクは先に相互の依存関係を確認した上で優先順位を明確にしておく必要があります。
他の作業が終わらないと始められなかったり、他のタスクと依存関係にあったりするタスクをスケジュールの初期の段階で設定してしまうと、作業が進められず滞ってしまうため注意が必要です。
依存関係があるタスクは、プロジェクト全体の流れを止めないためにも、他のタスクとの順番を考慮した上でスケジューリングしなければなりません。依存関係は、フローチャートを使ってタスクの流れを可視化すると把握しやすくなります。各タスクを矢印でつなぎ、依存関係のあるタスクの作業順を定めておくことで、スケジューリングに役立ちます。

各タスクに必要な時間を洗い出す

各タスクのToDoリストや依存関係を書き出したリストから、それぞれのタスクの完了までにかかる時間を見積もります。各タスクに詳しいチームリーダーなどに確認して、タスクごとの作業にかかる時間や人員などの必要なリソースをまとめていきます。各タスクの所要時間を明確にすることで、タイムラインを作成する際に時間配分をその都度確認することが可能です。

各タスクのリソースを確認する

各タスクの作業を進めるために、必要な時間と人員を割り当てる必要もあります。プロジェクトのチームメンバーとともに割り当てられたタスクの開始日や完了予定日など、タスクへのリソースの割り当てを詰めていきます。
担当者がプロジェクト以外の業務も受け持っている場合は、実際にかかる作業時間だけを考慮せずに、完了までの期間を数日、または状況に応じて数週間など、長めに確保しなければなりません。予備日などを設けることで無理のない作業が可能です。

各タスクのマイルストーンを設定する

前述のステップで洗い出した作業・タスクに対して、進捗の管理に役立てるため、節目ごとにマイルストーンを設定します。マイルストーンはプロジェクトが遅滞なく進行しているかを確認するためのものであり、基本的に企画・設計・実施・テスト・評価など、プロジェクトの節目ごとに定めます。
タスクの期限や中間発表、成果物の完成など、さまざまな内容がマイルストーンとしての役割を果たします。最終目的に向けてチェックしたい内容、終わらせなければならないタスクをマイルストーンごとに確認することで、プロジェクトをスムーズに進められます。

プロジェクトタイムラインを作成する

ここまで順を追って解説した全てのプロセスを達成した後でようやくタイムラインの作成が可能です。洗い出したタスクを作業順に全て並べていき、各タスクに割り当てた期間を設定して開始日・完了日を調節、マイルストーンを入れます。スケジュールは無理なく実現可能な日程にして、実現可能なプロジェクトタイムラインを作成します。

まとめ

プロジェクトタイムラインは、プロジェクトの開始から完了までの全体的なスケジュールや、プロジェクトの進行状況が一目で把握できるツールです。プロジェクトタイムラインはExcelでも作成できますが、有料ツールの方がさまざまな機能が利用できるため実務的です。
プロジェクトタイムラインの作成前には全体目標を設定して関係者に周知することが重要です。プロジェクトに必要なタスクを全て洗い出し、依存関係や時間、リソースなどを確認し、まとめた情報からプロジェクトタイムラインを作成します。

プロジェクト管理全般に関する資料もご用意していますので、ぜひご活用ください。


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