プロジェクトレビューのやり方【プロジェクトは現場で起きているんだ!第42章】

 2018.10.15  株式会社システムインテグレータ

プロジェクトがトラブルに陥った時にどのように舵を切るか。その為には実情を知る必要があります。プロジェクトの火消しをするには、やはりQCDを確認します。その他にスコープ、リスク、リソース、調達、コミュニケーションです。その中でも品質は、目標値の設定、管理・監視方法が適切に実施されている、目標との乖離がある場合に対策が実施されている、対策内容と結果などを確認します。
今回はプロジェクトレビューのやり方について弊社ツールOBPMを使ってご紹介したいと思います。

プロジェクトレビューのやり方とは? (成果物について)

請負契約のITプロジェクトでは、工程毎に成果物が発生します。
例えば以下のような工程で成果物が発生します。

要件定義

システム構成図、新業務フロー、カスタマイズ機能一覧

基本設計

基本設計書

詳細設計

詳細設計書

製造・単体テスト

カスタマイズ済みプログラム、単体テスト仕様書・報告書

仮に請負契約であれば、請負人は仕事を完成する義務を負います。成果物を引き渡し、業務を完了させたと認めてもらわないと債務不履行責任を負います。
そのため成果物が「顧客の要求通りに完成しているか」「品質を保てているか」はプロジェクトにおいて非常に重要になってきます。

成果物レビューの重要性

前述の通り、成果物はプロジェクトにおいて非常に重要なものです。通常、成果物は契約締結時にどのようなものを納めるかを決め、その成果物の完成に向けてプロジェクトを進めていきます。先ほど記述したもの以外にもレビュー対象となるのは以下のようなものです。

・機能
・画面と帳票
・ソースコード
・各種マニュアルや議事録
・処理能力

成果物の品質を向上させるためには、以下のようなステップを踏みます。
1:作業の実施
2:成果物のレビュー
3:成果物の修正

この3つのサイクルを回すことで、成果物の精度を上げていくことができます。
ここで重要になってくるのが2の成果物レビューです。実施した作業の結果できた成果物が、当初の予定と異なるものであった場合、素早くそれを検知して、修正することが重要です。
ミスの検知、修正はプロジェクトの後半のテスト工程においても実施します。しかし、基本設計など、プロジェクトの序盤の段階で行うレビューは、テスト工程よりも早く異常を検知できるため、プロジェクトのリスクを低減し、後工程への影響を少なくすることができます。

また成果物レビューの方法がレビューを行うプロジェクトメンバーによって異なっていては品質にバラつきが出て、プロジェクトの進捗に影響が出る可能性もあります。
我々はよく、お客様に「プロジェクト管理の標準化」をご提案しており、このレビューというプロジェクトにおける重要なタスクにもOBPMが有効活用できます。

プロジェクト管理ツールOBPMでの成果物レビュー

まず具体的なレビューの管理方法の前にOBPMの基本を確認しましょう。OBPMでは各工程、工程に紐づくタスクにマイルストーンを設定することができます。
マイルストーンの設定は以下のように行うことができます。

<マイルストーンの新規登録>

プロジェクトレビューのやり方(Vol.42) 1

OBPMに登録されているガントチャート上の工程やタスク上で右クリックをして、マイルストーンの登録画面に遷移します。

プロジェクトレビューのやり方(Vol.42) 2

右クリック後に遷移すると、上記のような画面が表示されます。ここでマイルストーンのタイプや、名称を設定します。
マイルストーンのタイプとはマイルストーンの種別です。マイルストーン名称とはマイルストーン毎に登録できる名称です。

またマイルストーンの予定日や、そのマイルストーンにおける成果物が何かというものを登録することができます。マイルストーンへの到達=成果物の完成と考えてもらえば良いと思います。
プロジェクトメンバーは各工程やタスクにおいて、このマイルストーン達成を目指して作業を進めていきます。これで成果物のレビューを行う準備が完了しました。

では、OBPMでこの成果物のレビューをどのように管理していくのでしょうか。

<品質基準の設定>

マイルストーンの登録が終われば、品質基準の設定を登録します。例えば「基本設計レビュー」というマイルストーンに求められる品質名「基本設計完了」を登録し、基本設計を完了させるために求められる品質の詳細をに記載していきます。

下の画像を見て頂ければ分かると思いますが、この基本設計フェーズにおいて「インターフェース」の項目には「仕様が完成していること」というのが、求められる品質(評価項目)となっています。

プロジェクトレビューのやり方(Vol.42) 3

プロジェクトの工程の各マイルストーンに達すれば、この評価項目に沿ってレビューを行っていきます。
この評価項目の内容を具体的に記載していけばいくほど、レビュー者によるレビューの基準の差が小さくなっていきます。
例えばテスト工程においても経験の浅い社員にも精度の高いテストを実施し、それがレビューに繋がります。
これらのレビューや品質チェックの基準はOBPM上でテンプレートとしての登録が可能となっており、組織単位やプロジェクト単位で基準を統一することができるようになっています。

またOBPMではレビューにかかるであろう予定工数も登録することができます。もちろんレビューを実施した作業者は、実際にレビューにかかった工数を登録することで予定と実績の差も確認することが可能です。

<レビューの実施>

プロジェクトレビューのやり方(Vol.42) 4

事前に登録しておいた品質基準の評価項目に沿ってレビュー者がレビューを実施していきます。レビュー者はOBPMの画面からそれらの評価項目を一覧表示することができます。
そしてレビューを実施後、各評価項目にコメント、どのように何を修正すべきかを記載していきます。またOBPMでは原因分類の区分を持っているので、その不具合の原因が何なのかを特定しやすくなっています。

また優先度を登録できることも特徴です。レビュー者がレビューの結果、早急に対応した方が良いと判断した場合は、優先度のフラグを使うことで、至急の対応を行うことが可能です。レビューの結果を確認したプロジェクトメンバーは、OBPMにレビュー者が登録した情報を確認し、修正作業を実施します。

プロジェクトレビューは品質強化につながる

このようにOBPMでは各工程における成果物のレビューを、レビューの内容や実施して欲しいことを登録し、レビュー者はその登録された情報を見ながらレビューを実施することができます。
前述の通り品質基準はテンプレート化できますので、プロジェクトの度に登録する必要はありません。テンプレート化することで、新たなプロジェクトでは別のレビュー項目を設けてみることで、より自社の品質向上も期待することができます。


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