第十一回目のテーマは「プロジェクトのコスト管理」です。いろいろなツールが世の中に出ていますが、プロジェクトのコスト管理のツールはかなり普及と感じています。当然ですが、各社がプロジェクトのコスト管理を強化しているためです。
プロジェクトでは、予算をベースに、進捗に合わせて予算の執行状況を管理していきます。世の中に出回っているのツールは、このような予算の予実管理を強化するためのツールが殆どだと思います。
プロジェクトで実行する予算の種類
具体的にプロジェクトではどのように予算の執行が実施されるでしょうか。ある程度の規模のプロジェクトを例に考えていきます。(各社会計基準や管理会計の考え方の違いがあると思います。弊社の例で説明させて頂きます)
予算は大きく「人月当たりの原価」と「経費」に分けることができます。「人月当たりの原価」は2つのケースが考えられます。社員と委託先のメンバーのケースです。社員の人月当たりの原価には、通常労務費、固定経費、部門共通費、販売管理費が含まれます。また、委託先の人月当たりの原価には、通常労務費、経費、部門共通費、販売管理費が含まれます。また、「経費」については、開発に必要なハードウェアやソフトウェアなどの物品から移動のための交通費、出張代が含まれます。
これらの合計を計算して、「プロジェクトの予定原価」を算出します。
経理はどうするの?
経理では、これらの情報をどのように処理するのでしょうか。プロジェクトマネージャが執行した予算の内容をもとに勘定科目毎に分類していく必要があります。
これらの作業は管理会計の基準ではなく、世の中で通用する会計基準に則って処理しなければなりません。
会計システムとの連携
複数のプロジェクトを並行して実施しながら、「プロジェクトの予定原価」をもとにプロジェクトを推進し最終的に経理で管理するのは、「プロジェクトの実際原価」です。
プロジェクトでは、いろいろなリスクが待っています。それを回避するために協力会社のメンバーを増やす場面が出てくる場合もあるでしょう。また、最終的なテストの段階になってサーバが不足することもあるでしょう。
このような事態を回避しながらプロジェクトを進めると「プロジェクトの予定原価」が「プロジェクトの実際原価」になって会計処理されます。会計処理する段階で仕訳の処理が必要なのですが、システム化されていないと経理泣かせの仕事になってしまいます。
これらのことを回避するには、プロジェクト管理ツールと会計システムの統合システムが不可欠です。仮に統合システムを導入しなくとも最低限プロジェクト管理ツールを導入する時には会計システムとの連携を検討しておかなければ、最終的には混乱を招くことでしょう。
原価管理のポイントをまとめた資料もご用意していますので、こちらもぜひご活用ください。
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