第6回【プロジェクト管理の標準化】:プロジェクトマネージメント連載シリーズ

 2015.06.04  株式会社システムインテグレータ

第六回のテーマは「プロジェクト管理の標準化」です。一般的には会社単位にプロジェクト管理の標準化を進めていると思います。でも、プロジェクト管理の標準化にある考え方を追加することで、プロジェクト管理の効果を上げることができます。その1つの方法として、適切なプロジェクト管理を遂行するための標準化の適用範囲についてお話します。

プロジェクト管理の標準化

プロジェクト管理が社内に浸透し管理方法が確立すると、ソリューション(フルスクラッチ開発とパッケージをベースにしたシステムの機能拡張)や見積り方法、開発局面での具体的な作業、リスクの評価、スケジュール、成果物、開発局面の完了基準などの各種のテンプレートの品質も高くなっていきます。

但し、それらのテンプレートも万能ではありません。例えばERPシステムの開発とECシステムの開発の場合、それぞれ開発するシステムに合ったテンプレートが存在し異なるものです。よって、ある程度開発するシステムを考慮してテンプレートを使用するべきです。

また、フルスクラッチ開発とパッケージをベースにしたシステムの機能拡張でも同様のことが発生します。このような場合も基本的には別のテンプレートを使用すべきです。

さて、企業としてプロジェクト管理の標準化を強化するためには、このような高度な課題に対してどのように対応したら良いでしょうか。

ドメインという考え方

ドメインという考え方を導入することをお勧めします。具体的には、開発業務に応じたドメインや開発内容に応じたドメインを社内で定めましょう。

例えば、ERPシステム、ECシステムなどと言った開発する業務システムに依存するもの。フルスクラッチ開発やパッケージのカスタマイズなど開発そのものに依存するもの。この4つの分類でドメインを分けるだけでかなりプロジェクト管理に沿った開発が容易になります。

例えば、開発1課は、ERPシステムのパッケージ開発を行っています。しかし、最近忙しい開発2課のECシステムのフルスクラッチ開発の仕事も手伝うことになりました。そうなると、今までのERPシステムのパッケージ開発のドメインに定義されているプロジェクト管理からECシステムのフルスクラッチ開発のドメインに定義されているプロジェクト管理に切り替えるだけでテンプレートが変わり、見積り方法、開発局面での具体的な作業、リスクの評価、スケジュール、成果物、開発局面の完了基準などは、ECシステムのプルスクラッチ開発に合ったものを利用できます。

第6回【プロジェクト管理の標準化】:プロジェクトマネージメント連載シリーズ 1

プロジェクト管理手法入門ガイド
プロジェクト管理ツール 比較ガイド

ドメインを利用すると…

では、ドメインを採用する本当のメリットは何でしょうか。プロジェクト管理の目的はいくつかあると思います。もっとも重要なことは、プロジェクトの成功でしょう。では、プロジェクトを成功のカギの1つとして重要なことは何でしょうか。

やはり、過去の類似したプロジェクトの結果を統計立てて管理し、それらをナレッジとして利用することではないでしょうか。

また、最近のプロジェクト管理はスティックホルダーが多数存在します。彼らに説明する時も、ドメインという考えで分類されたプロジェクトの統計情報を提供することで信頼関係も向上し最終的にはプロジェクトを成功裏に導くことができることでしょう。 

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