社会人の方なら誰しも「プロジェクト」や「タスク」といった言葉を知っていますし、日常的に使用しているでしょう。しかし中には、そもそもプロジェクトってなに?タスクってなに?とその意味と違いをあまり理解していない人もいるではないでしょうか。
今回は社会人として必要なプロジェクトの意味やタスクとの違いをご紹介します。
プロジェクトってなに
仕事をしていると「〇〇プロジェクト」といった文言をよく見聞きします。プロジェクトについてコトバンクで調べてみると、次のような説明があります。
“組織、業務本来の組織とは別に、目的を達成するために臨時で構成される組織やその業務のこと。コンピューターシステムの開発において、大規模な開発では、プロジェクトを組む場合が多い。(ASCII.jpデジタル用語辞典の解説)”
要約すると、所属している組織の内部あるいは外部にて構成されるある目標を達成するための業務のことです。そうした業務を遂行するために召集されたチームを「プロジェクトチーム」と呼び、その中の管理者を「プロジェクトマネージャー(PM)」と呼びます。
上記の説明にある「プロジェクトを組む」とはある目標を達成するための業務を整理し、その目標達成に欠かせない人材を招集することを意味します。
なんとなく、プロジェクトとはどういうものかを理解していただけたでしょうか?さらにプロジェクトとは次のような特徴を持ちます。
- 複数の業務の集合によって一つの目標を達成する
- 目標の規模が小さくても大きくてもプロジェクトには変わりない
- 人によって遂行される
- 社内だけではなく他社と協力して遂行させることも多い
- 目標達成の期限が決まっている
- 必ずスタート地点とゴール地点がある
- 中間地点を管理することで進捗を確認する
- ほとんどの場合集団で取り組む
タスクってなに?
次にタスク(Task)について説明します。タスクは英語で「骨の折れる仕事」や「課された務め」といったように、単体としてはあまり良い意味ではありません。たとえば「Task a person's brain」というフレーズは「人の頭を悩ませる」と訳されます。ただし、そうした意味に関係なく日本ではタスクという言葉を使用しますし、実際に海外でも同じように使用します。
具体的にどういった意味合いで使われるかと言うと主に「やるべきこと」というシンプルなものです。「タスクを割り当てる」と言えばいくつもある業務を人材ごとに振り分けることを意味し、「タスクが完了した」と言えば該当業務を完遂したという意味になります
ただし他にもタスクを使用するシーンがあります。それが情報システムにおいて、「一つのアプリケーションが稼働している状況」や「実行すべき処理」という使い方です。
皆さんが使用しているパソコンがWindows OSなら、「Ctrl+Shift+Esc」キーを同時に入力してみてください。すると「タスクマネージャー」が起動するはずです。タスクマネージャーはパソコンで現在稼働しているアプリケーションを管理するための機能であり、稼働しているアプリケーションをタスクと呼びます。このように、情報システムにおけるタスクはアプリケーションの稼働状況や実行すべき処理を指すのです。
ちなみにMac OSの場合、タスクマネージャーに相当する機能は「アクティビティモニター」です
プロジェクトとタスクの違いは?
ここまで説明すればプロジェクトとタスクの違いは明白ですね。では改めてその関係性を整理していきましょう。
プロジェクトはある目標を達成するために様々な業務を構成し、それに必要な人材を招集し計画するものです。このプロジェクトを達成するための業務の数々をタスクと呼び、無数のタスクを完了させることで一つの目標に到達します。以下に例を挙げてみましょう。
プロジェクト
統合基幹業務システム(ERP)の構築
タスク
- 業務実態調査
- 業務課題顕在化
- 定例ミーティング
- システム要件定義
- 運用計画立案
- システム外部設計
- システム内部設計
- プログラム開発
- 進捗会議
- 単体テスト
- 結合テスト
- 総合テスト
- 運用テスト
- システムリリース
簡単に例をあげたので実際はさらにたくさんのタスクがありますし、ERP構築ともなると1年以上の長期プロジェクトは100人以上の人材が関わる大規模プロジェクトになることが多いでしょう。このようにプロジェクトは全体としての計画である、タスクとは目標を達成するための存在する無数の業務のことを指すのです。
ちなみにプロジェクトとタスクは個人の行動の中にも存在します。
プロジェクト
夏休みに行く家族旅行計画
タスク
- 旅行先を選定
- インターネット検索で情報収集
- 宿泊するホテルや旅館を決める
- 宿泊先を予約する
- 宿泊代金を支払う
- 旅行での移動手段を選ぶ
- 車なら道順を事前に調べる
- ガソリンを入れておく
- 必要なものを揃える
- 周辺観光施設を調査する
- 雨天時のプランを考える
このようにプロジェクトとは必ずしも集団で遂行するものではありませんが、一般的にプロジェクトと言うと複数人の人材が寄り集まって達成する目標や計画を指します。
このように、タスクはプロジェクトの構成要素ではありますが、しかしプロジェクトはタスクだけで成り立っているわけではありません。同時に品質やコストなど、個々のタスクには表現できない要素が含まれているのです。
プロジェクトの成功にはマネジメントが欠かせない
一つのプロジェクトを成功させるためには多くの人材が招集され、無数の業務を遂行し、かつ期限通りに計画を進める必要があります。そこで欠かせないのが「プロジェクトマネジメント」です。これは何を管理するのでしょうか?当然ながらプロジェクトを管理します。では、どのように管理するのでしょうか?
一般的にはプロジェクトマネージャー(PM)がプロジェクトの指揮を執り、各人材にタスクを振り分けてそれらを期日までに遂行し、最終的な目標達成に向かっていきます。プロジェクトが大規模になると、PMの下にプロジェクトリーダー(PL)を置いたり、その他中間管理者を置くことがあります。
プロジェクト管理をしていないとどんな問題が発生するのでしょうか?第一に、プロジェクトは当初の目標や計画とは違った方向へと大きく逸れていくことがあります。それはコンパスも地図も無い状態で航海をするようなもので、目標としている島ヘはたどり着けないでしょう。
もう一つの問題がプロジェクトの遅延です。プロジェクトが計画通りに完了しないということは、その分プロジェクトにかかる費用が肥大化し、最終的に赤字プロジェクトになってしまう可能性があります。
プロジェクトを成功させるためにはやはりプロジェクトマネジメントが欠かせないのです。
プロジェクトマネジメントの方法は大まかに2通りあります。ExcelなどのOfficeドキュメントを駆使してタスク管理や進捗管理を行う方法と、プロジェクトマネジメント専用のツールを導入することです。
たとえば当社システムインテグレータが提供する「SI Object Browser PM」は、統合型のプロジェクトマネジメントツールです。PMBOKという世界基準のプロジェクトマネジメントに準拠し、成果物管理や品質管理、原価・リソース管理などを統合的に管理します。
プロジェクトマネジメントに課題を抱えている、というような企業はSI Object Browser PMによる、効率が良くかつ適切なプロジェクトマネジメントをご体感ください。
以上、プロジェクトの意味とタスクとの違いをご紹介しました。
プロジェクト管理全般に関する資料もご用意していますので、ぜひご活用ください。
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