プロジェクト管理をシステムとして考える
プロジェクト管理というと「システム」より「ツール」という表現をする事が多い。弊社の「SI Object Browser PM (OBPM)」もプロジェクト管理ツールとしてお客様へご提案をしています。
改めてツールとシステムのそれぞれの意味を調べてみたところ、ツールは、コンピュータ使用に際して補助的な利便性を提供するソフトウェア。システムは、相互に影響を及ぼしあう要素から構成される、まとまりや仕組みの全体。一般性の高い概念であるため、文脈に応じて系、体系、制度、方式、機構、組織といった多種の言葉に該当します。(共にWikipediaより引用)
プロジェクト管理がうまく行かずに納期が遅れたりすればお客様に迷惑がかかります。また、納期が間に合わないのでPMやPLの権限でどんどん人を投入していけばいつの間にか赤字になってしまい会社経営にも大きな影響を及ぼす可能性もあります。また、プロジェクト管理には原価や進捗、品質など様々な項目を管理する必要があります。そのように考えるとプロジェクト管理ツールを導入する際には、プロジェクト管理システムといったように考えて、基幹システムと同じように無くてはならないものとしてプロジェクト管理システム化を検討していく必要があるのではないでしょうか。
プロジェクト管理システムを導入する際の検討ポイント
プロジェクト管理ツールを導入してプロジェクト管理システムとして検討する際にどのような事をポイントにしているかは各社様々ですが、大きく2つをポイントとしていることが多いです。
原価管理がしっかりできるか
プロジェクト管理では、スタート前から終了時まで管理(もしかするとそれ以降も)するほど重要な管理項目です。納期優先で当初予算の見直しもせず社員や外注先を投入して月末迎えてみたら突然赤字プロジェクトになっていたということもあります。リアルタイムで採算状況がわかったり、見通しを把握できたりすることができることがとても重要になります。
・プロジェクト収支管理がリアルタイムで把握できるか。
・完成基準管理だけではなく、進行基準管理ができるか。
・EVMが見れるか。
・工数実績や、外注先管理ができるか。
・仕訳データなど経理システムとの連携はできるのか。
・関連するプロジェクトをまとめて採算状況を確認できるか。
・個別プロジェクトだけではなく、部門や全社で集計して状況が把握できるか。
進捗が把握できるか
進捗管理も重要な管理項目になります。現場に任せて任意のツールを使うということも多いので、管理者は状況の把握に苦慮しています。原価管理と同様、前回の報告では順調と報告があったのに、いきなり遅延が発生するといったことも多く聞きます。プロジェクト全体状況はもちろんですが、どのタスクが遅れているのか、どこがボトルネックになっているのかなど正確な状況を把握して、スケジュール見直しが容易にできるかがポイントになります。
・現時点、ある時点などで進捗状況がわかるか。
・人や期間で絞込ができるか。
・関連線や稲妻線、マイルストーンや予測線など表示ができるか。
・お客様とやり取りするために印刷やEXCELなどに出力できるか。
・関連するプロジェクトをまとめて進捗状況を確認できるか。
・個別プロジェクトだけではなく、部門や全社で集計して状況が把握できるか。
圧倒的に上記2つのポイントを挙げることが多ですが、次にプロジェクト管理システム検討時のポイントとしては要員管理となります。プロジェクト毎にリソース計画(予定)を立ててスタートするが、実績の工数入力(実績)は勤怠と一緒のシステムや切り離して自社システムやEXCEL、個人日報で報告してもらっているといったことが圧倒的に多いです。リソース計画(予定)と工数入力(実績)が別なので、部門長がそれぞれ確認しながら自分でEXCEL管理表を作成することになります。もちろん作成するにも手間になるが、変更があった際には修正の手間もかかり管理しきれなくなり、結局各メンバーに状況を聞きながらとなるために正確な状況が把握できなくなっています。正確に要員管理できれば外注先にきてもらわなくてもよかったといったことも考えられるので検討の際にはこちらも重要なポイントになります。
また、プロジェクト管理システムに集約されたデータを活用するために、会計、販売、経費などの基幹システムや勤怠・工数システム、社内マスタなどと連携がどの程度出来るのかも重要なポイントになります。
プロジェクト管理をシステム化するメリット
プロジェクト管理ツールを導入してシステム化をするメリットとしてはどのようなことでしょうか。いくつか代表的なものを挙げます。
プロジェクトの状況がわかる:見える化
部門、課、チーム、あるいはプロジェクトによって、プロジェクト管理に利用するツールがバラバラであれば管理者は瞬時に状況を把握することができません。またツールがばらばらなので各プロジェクトの報告内容を同じ指標で見ることが難しくなります。
プロジェクト管理ツールを導入してシステム化できれば、現場の方はそこにプロジェクトの状況を入力、PM/PLは現場からの報告を元に状況を把握、管理、報告できます。部門長やPMO、経営層は全社の各プロジェクトの状況を緊急度が高い、契約金額が大きいプロジェクトなど見たいプロジェクトを瞬時に同じ指標で見ることができます。今までわかりにくかった問題発生する前の予兆も把握することができるので先に手を打つことも可能になります。
プロジェクトの統合管理ができる
プロジェクト管理には、原価管理、進捗管理、要員管理、リスク管理、課題管理、品質管理、障害管理など細かく見ていけばもっと多くの管理項目が存在します。
提案先で実際に聞いた例としては、原価管理:自社開発システム、進捗管理:EXCEL、MSProject、要員管理:EXCEL、課題管理:EXCEL、Backlog、Redmainといったように管理項目ごとにツールがバラバラです。報告自体は全社フォーマットで統一管理しているから大丈夫ですと言っても、現場で管理しているツールや手法が違うので、状況の把握や集計のための時間や労力も無駄にかかってしまいます。
プロジェクト管理ツールを導入してシステム化できれば、先に述べた見える化と同じようにプロジェクト管理に必要な項目が統合的に管理できるので状況の把握もすぐにできますし、ツールが1つでシステム化されて管理項目の連携が取れているので、無駄な集計や二重入力、報告もなくなりプロジェクト管理の効率化が実現できます。
プロジェクト管理の標準化ができる
プロジェクト担当者が同じツールにプロジェクトを登録して、原価、進捗、課題や障害、人員を管理しているのでプロジェクトの状況やノウハウも全社で共有することができるので標準化を実現できます。
よくプロジェクト管理における課題としてあげられる事として、◯◯さんに聞かないとわからない、◯◯さんでないとできないといった、属人的になってしまうことが挙げられます。また、最近ではベテランと若手のスキルや情報共有がうまくできないといったことも聞いたりします。
このような課題を解決する方法の1つとして、プロジェクト管理をシステム化することができれば、プロジェクトに関する情報が集約されるので、◯◯さんしかわからないと言ったこともなくなります。
また、ノウハウも蓄積されてくるので、ベテランのPM/PLと若手も同じようなプロジェクト計画や、WBS、見積、リスクを共有することができます。もちろん、部門だけのノウハウ共有ではなく、全社でノウハウを共有して全社でプロジェクト管理レベルを上げ品質向上、赤字プロジェクトを減らし、成功プロジェクトを増やしていくことも可能になります。
システム化に合わせてプロジェクト管理の体制やルールも確立される
プロジェクト管理システムを導入したからといって全て上手く行くというわけではなく、そのシステムをどのような体制で運用管理していくかもとても大切になります。もちろん、システム化されていなくても体制や運用がうまくできている企業も多く存在すると思いますが、プロジェクト管理ツールを導入してシステム化しようといったことをきっかけに全社の体制やルールを大きく見直す企業がほとんどです。
運用面では、プロジェクト管理の勉強を実施して意識改革を行い、プロジェクトの立ち上げから終了までのチェック項目や報告や成果物などの見直しを実施。体制面では、品質管理やPMOの立ち上げ、各部門に品質管理担当者を立てるなど運用とツールをよりうまく活用するための施策を導入します。
プロジェクト管理をシステム化して全社として取り組みを進めることでより定着、活用され想定よりも大きな効果を上げることが期待されます。
プロジェクト管理システムを導入して成功プロジェクトを増やそう
属人的な手法や統一的ではないバラバラのツールを利用したプロジェクト管理では、必ず限界があります。企業として利益率向上、品質向上、生産性向上を実現して成長を目指していくためにも、プロジェクト管理ツールを導入してシステム化をしていくことは必要不可欠になります。
少しご紹介ですが、弊社のプロジェクト管理ツール「SI Object Browser PM」を導入すれば、プロジェクト管理標準のPMBOKに準拠し、原価管理・進捗管理・要員管理・課題管理・品質管理などプロジェクト管理に必要な機能を統合したプロジェクト管理ツールになっています。個別のプロジェクト管理はもちろん経営層や部門長などが全社や部門での採算や進捗状況を瞬時に確認できます。ドメインというWBSや品質項目などのテンプレート機能もあるので組織でノウハウを共有してプロジェクト管理の標準化を実現することができます。プロジェクト管理システム化を目指す企業にはお勧めのツールです。
イラストを交えてわかりやすくご紹介する資料もご用意していますので、ご興味をお持ちいただけましたらこちらもぜひご覧ください。
もちろん自社にあった製品を選定することが重要ですので、いろいろな製品と比較検討して、プロジェクト管理をシステム化して成功プロジェクトを増やしていきましょう。
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