クラウドが当たり前に
ご提案企業との商談の際に、「このプロジェクト管理ツールはクラウド対応していますか?」と最近よく質問されるようになりました。(もちろんクラウド対応しています。)
弊社で販売しているプロジェクト管理ツールSI Object Browser PM(OBPM)はIT・システム開発企業向けの実績が多いのですが、これらの企業は、自社でサーバを構築・保守できます。よってこれまではオンプレミス版(ライセンス買取)を選択される傾向が多かったのです。
クラウドという言葉が世の中に出始めた頃は、重要な情報を外部に出すことはできないといったお話も多く聞いていました。しかし、スマートフォンやタブレットの普及も進み、自宅、外出先などからいつでも写真や動画、電話帳などのデータをクラウドから閲覧、編集、保存するといったことが当たり前になり、法人企業の担当者の抵抗が少なくなったことが、企業へのクラウド普及の一つの要因であり、クラウドへの関心が高まっている理由ではないでしょうか。
そういえば以前、お客様から「なぜクラウドと呼ばれているか知っている?」と聞かれたことがありました。わからなかったので素直に聞いたところ、クラウドという言葉は、グーグル社CEOのエリック・シュミットにより命名されたが、クラウドという名の通りcloud(雲)を意味していて、システムネットワークを雲のような図(形)で表し、それが物理ではなくインターネット(雲)経由でやり取りをするからと自慢げに言われてなるほどと思った事を思い出しました。
クラウド導入に求めるメリット
プロジェクト管理ツールをクラウドにて導入検討される企業に理由を聞くと、大きく3つの理由が多いことがわかりました。
1:オンプレミス版に比べて初期導入コストが少ない。
オンプレミス版は自社の利用しなくなったサーバや仮想環境に乗っけて管理するなどの場合は別ですが、サーバやソフトウェアなどを新規に準備する必要があります。クラウドであれば、初期費用や毎月の定額利用料金でスタートできるので、小規模(特定プロジェクトや部門など)からプロジェクト管理ツールを利用する場合、初期導入コストも大幅に抑えることができます。
2:手軽に早く始められるし、万が一の時でもすぐにやめられる。
クラウドであればサービスの申込みをするだけで、利用環境の構築が整います。自社でサーバやソフトウェアの準備などをする必要がなくなるのでその分、早期に利用をスタートすることができます。万が一何かしらの理由でプロジェクト管理ツールの利用を停止せざるをえない場合でも、すぐにやめることができるため、リスクも軽減できます。
3:管理コスト、運用負荷の削減
自社でプロジェクト管理ツールを所有した場合、サーバもソフトウェアも継続的に利用していけば保守やバージョンアップ、リプレイス費用も必要であり長期的に見るとかなり高額になっていく可能性もあります。また、管理するためにリソースをあてがう必要があるためコストがその分必要になります。クラウドであれば、自社でアップデートやアプリケーションのバージョンアップ作業などする必要が無いので、管理コストの削減や運用負荷の削減も可能になります。
コスト削減や手軽さは導入の際には重要事項となります。導入の際には必ず経営層からは、費用を聞かれますし、導入が手軽に出来ることでリスク軽減も社内に伝えることができます。また、管理コストや運用負荷を軽減できることもコスト削減になりますし、部門や課、チームでプロジェクト管理ツールを導入する場合は、人数も限られていることが多いので、運用の手間がかからないこともクラウド導入のメリットと考えています。
クラウド導入の懸念点
プロジェクト管理にて扱うデータとしては、プロジェクトに関わる採算、進捗、課題、品質、メンバー情報など様々でありどれも重要なものばかりです。
クラウドをご提案する際に多く質問されることは、下記の4点が多いと感じます。
・データ漏洩は大丈夫か?
・サーバは止まらないか?
・アクセスや通信は遅くならないか?
・バックアップはしっかり取れているか?
クラウド導入に求めるメリットで上げた、3つの要件は満たしていても、このような質問がクリアにならないと導入検討外になってしまいます。日々プロジェクトが進んでいく中で、PM/PL、メンバーの方は、工数や進捗、課題などを管理して、それを部門長やPMOの方が採算や進捗状況など全体管理をしていますが、プロジェクト管理ツールが利用できなくなっては状況もわからず、また何らかの原因で情報が漏れてしまっては、プロジェクト管理どころではなくなってしまい大きな影響が出てしまいます。
自社内で管理しているサーバに置いていてれば安心、安全というわけではありませんが、クラウドサービスとなると一気にハードルが上がるように思われます。
クラウド導入における基準
クラウドのプロジェクト管理ツールを利用する場合、先程よく企業から質問される内容を挙げましたが、企業によって規定されている利用基準やセキュリティ基準を満たす必要があります。会社規模が大きくなればなるほどクラウドに求める基準も高くなっているように思われます。また、自社でクラウドを使ったサービスを展開している企業も細かい基準を設定されているように思います。(もちろん弊社もその1社ですが。)
弊社の規定やお客様にご質問を受けた内容も踏まえまして、企業がクラウドを導入する際に設定する基準を具体的に下記の様にカテゴリーに分けて記載してみました。
【クラウドサービスの品質や対応などの全般事項】
1:サービス稼働
過去のサービス稼働実績。過去発生した障害によるサービス停止状況。サービスを停止させないようにする対策や監視はしているか。
2:サービス停止
停止時に利用者への通知方法。所要時間。緊急メンテナンスの実施。
3:バックアップ
取得状況と世代管理数。リカバリー手順。
4:脆弱性診断
脆弱性診断を実施しているか。診断の対象や内容、頻度。対策が必要な場合の対応策。
5:その他
定期報告、事故発生時の対応、責任、補償範囲、機密保持、認証取得、ID・PW管理。
【クラウドサービスのサーバ、ネットワーク関連事項】
1:サーバ関連
利用サービスのサーバは他社と共有か専有かどうか。共有の場合、セキュリティの担保。サーバのOSやバージョン。
2:ウイルス関連
ウイルス対策をしているか。ウィルス対策ソフトの更新間隔や動作確認。
3:ログ
利用状況、異常処理などのログを取得しているか。保存期間。
4:権限管理
サーバ運用時の管理者権限に関するルール、ログインID、運用手順。
5:セキュリティ関連
ファイアウォールを設置しているか。なりすましや不正アクセス対策はしているか。セキュリティパッチ適用しているか。その他セキュリティ対策はしているか。
【その他確認事項】
1:設置場所
所在地や耐震、免震について。
2:設備関連
非常時の電源確保をしているか。消火設備。入退室管理や媒体保管、セキュリティについて。
3:その他
サービス利用端末、ネットワークが制限できるか。システム利用停止時のデータ削除や証明書の発行。
もう一度整理してわかったことは、日々のプロジェクト管理業務として重要なシステム、データなので突然利用できなくなり、情報漏洩しては困るので確認項目や基準を高く設けて、より安全で信頼性の高いクラウドを利用しようとする企業の思惑を改めて実感しました。クラウド導入基準をこれから検討するというお客様は確認項目の参考にしてください。
クラウドをプロジェクト管理に活用
プロジェクト管理の利用シーンも自社内だけではなく、お客様先や移動中、場合によっては自宅などで業務をするといったことも今後増えていき、これからさらにクラウドを活用してプロジェクト管理をしていく企業も増えていくもと思われます。また、開発も新たな技術が登場して難易度が高くなり、Excelなど従来の管理方法では限界になっている状況も散見されプロジェクト管理ツールのニーズも高まっているように思われます。
クラウドのプロジェクト管理ツールは世の中にいくつもあります。自社に適したプロジェクト管理ツールを導入したいけどなかなかどれが良いのか選択するのが難しいという企業も多いのではないでしょうか。
最後にご紹介ですが、弊社のプロジェクト管理ツール「OBPM Neo」は、PMBOKに準拠し、原価管理・進捗管理・要員管理・品質管理などプロジェクト管理に必要な機能を統合したプロジェクト管理ツールになっています。クラウド版は「Microsoft Azure」環境にあり、セキュリティや運用面でも実績は十分にあります。ご興味をお持ちいただけましたら、OBPM Neoをわかりやすくご紹介する資料もご用意していますので、こちらもぜひご覧ください。
これからはExcelの管理をやめて、プロジェクト管理ツールの導入をおこない、プロジェクトマネジメントの強化をして成功プロジェクトを増やしていきましょう。
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