プロジェクト管理を手帳で行うコツとは?メリット・課題についてご紹介

 2023.07.12  株式会社システムインテグレータ

プロジェクト管理やタスク管理において、手帳は依然としてその価値を保持しています。手帳というアナログな媒体ならではのメリット・デメリットを意識しておくことは非常に大切です。そこで本記事では、プロジェクト管理における手帳の活用法、メリット・デメリットなどについて、わかりやすく解説します。

 

プロジェクト管理を手帖で行うコツ

手帳はプロジェクト管理やタスク管理をするための古典的なツールのひとつです。以下で紹介するポイントを心得ておくことで、手帳でも効果的なプロジェクト管理を行えます。

タスクを具体的に記入する

プロジェクト管理を手帳で行う場合、タスクは大雑把に抽象的な仕方で書くのではなく、なるべく具体的な内容を細かく記入することが重要です。例えば「資料作成」と書くよりも、「○○で△△に関する情報を調べる」「△△に関するレポートを作成する」といったように具体的な記述を心掛けましょう。そうしておけば、時間が空いたときや記憶が薄れたときでも、自分が何をすべきかを明確に把握できます。

余裕を持たせたスケジューリングをする

タスクは必ずしも順調に進むとは限りません。予定よりも作業が難航することもありますし、予定外のタスクが急に発生する可能性もあります。そのため、スケジュールを組むときには、最初からぎっしり予定を詰め込むのではなく、ある程度の余裕を持たせることが重要です。具体的なタイムラインを設定する際には、各タスクのあいだに一定のリフレッシュ時間を設けることで、予期せぬ問題や遅延にも対応できます。

一冊にまとめておく

プライベート用と仕事用など、用途ごとに手帳を使い分けている人もいるかもしれません。しかし、基本的に手帳は一冊にまとめることが望ましいです。複数冊使っていると、情報が分散されてしまい、必要な情報を探す手間が多くなってしまいます。他の手帳に書かれている予定を失念してしまい、ダブルブッキングを起こしてしまうこともあるかもしれません。そのため、予定は一冊の手帳で一元管理することをおすすめします。

すぐ書く癖をつける

手帳は常に持ち歩き、新しいタスクやアイデアが生じたときには、すぐにそれを手帳に書き込む癖をつけましょう。後で書こうと思っていると、忘れてしまうことがあります。すぐに手帳へ記録する習慣をつけることで、そうした事態を避け、タスクの漏れなどを防ぐことが可能です。スマートフォンとは違い、手帳ならば取引先の前や会議中などに取り出したとしても、マナー違反として不快に思われる心配は少なく済みます。

1カ月後の予定を立てる

中長期的な業務を計画的に進めていくためにも、1カ月後ほどまでの予定を立てておくのがおすすめです。これにより、先の見通しを立てやすくなり、リソースの管理やタスクの優先順位付けも円滑になります。

タスクを書きだしてからスケジュールを入れる

スケジュールを組む前に、まずは必要なタスクを洗い出し、それに優先順位を付けることが大切です。その際は、手帳のメモ欄などを使うのをおすすめします。タスクの全体像を把握した上でスケジュールを組むことで、重要性や緊急性の高い仕事から片づけるなど、効率的なタスクの進め方が見えてきます。

移動時間や準備時間も記入する

タスクにはその実行に先立って、準備時間や移動時間が必要なこともあります。見落としがちですが、これらもタスクの一部として考慮し、手帳に記入することが重要です。メインタスクの前後の時間も確保しておくことで、予想外に時間が圧迫されることを避けられます。

プロジェクト管理に使用される手帳の種類

プロジェクト管理に適した手帳としては、主に「ガントチャート型」と「バーチカル型」の2種類があります。それぞれに特徴が異なるので、プロジェクトの特性や自分の作業スタイルにあわせて選ぶことが大切です。その参考のために、以下ではガントチャート型の手帳とバーチカル型の手帳それぞれの特徴を解説します。

ガントチャート型:開始日・期限を可視化できる

ガントチャート型の手帳は、各タスクの内容を縦軸に、それらの仕事の流れ(日程・進行度)を横軸に書きだしていくスタイルの手帳です。必要なタスクの一覧や、タスクの開始日・期限などを一目で確認できるので、複数のタスクをまとめてスケジュール管理したい場合に適しています。自分のタスクだけでなく、その他のプロジェクトメンバーのスケジュールを管理することも可能なので、管理職の方にもおすすめです。ただし、ガントチャート型の手帳はスケジュールの全体像を把握するのに向いている一方で、その日に何をすべきか詳細に確認するのには適していません。

バーチカル型:タイムスケジュールがひと目で分かる

バーチカル型の手帳は、1日の予定を30分や1時間ごとに縦軸に記載していくタイプの手帳です。通常の手帳よりも、1日の予定を詳細に書きだせるため、1日に何種類ものタスクをこなさなければいけない場合に適しています。その一方で、ガントチャート型の手帳と比べて、プロジェクト全体の把握をするのには向いていません。

まとめると、プロジェクト全体の流れや他のメンバーの管理を巨視的に行いたいならガントチャート型、1日の予定を個人レベルで詳細に管理したいならバーチカル型が適しています。

プロジェクト管理を手帖で行うメリット

手帳を使ったプロジェクト管理にはどのような利点があるのでしょうか。主なメリットをご紹介します。

オフラインでも管理が出来る

物理的な記録媒体である手帳は、オフライン環境でも問題なく管理が可能です。パソコンやスマートフォンが使えない環境でも、手帳とペンさえあればプロジェクトの進行管理ができます。会議中や商談中など、ビジネスマナーを考慮してスマートフォンを取り出しにくいシーンでも使いやすいこともメリットです。

書くことによって記憶に残りやすくなる

情報知識学会誌に掲載された論文によると、タイピングよりも手書きで記した情報の方が記憶の定着や深い理解を促進しやすいという調査結果が報告されています。そのため、手帳に書くことで情報をより深く理解し、忘れづらくすることが可能です。

参照元:情報記録手法と記憶定着・理解度の関係についての実験報告

愛着が湧くのでモチベーションが上がる

手帳はデザインや色、素材など、自分の好みを強く反映できます。長いあいだ使い続けることで、その愛着心をさらに深めていくことも可能です。お気に入りの手帳とペンを使って予定を管理することは、仕事に対するモチベーションの向上にも繋がります。

プロジェクト管理で手帳を使う課題

一方で、手帳にはいくつかの不便な点があるのも事実です。これらの課題を理解した上で、上手に利用していくことが求められます。

情報共有が難しい

第一の課題は情報共有の難しさです。他のメンバーと仕事のスケジュールなどを共有する必要がある場合、手帳だと口頭で長々と伝えたり、別の場所に記入したりしないといけません。また、テレワークが広がった昨今では、遠隔の相手との情報共有も重要ですが、手帳だとそれに対応するのも難しいです。

紛失する可能性がある

紙という物理媒体で管理する性質上、紛失のリスクも存在します。実際、MAMORIO株式会社が実施したアンケート調査によると、47.8%の人が手帳を紛失した経験があると回答しています。
参照元:【手帳と紛失に関する実態調査】はたらく人の85.2%が「手帳をなくしたくない」と回答 利用者のうち63.2%が仕事関連の情報も記載

重要な情報を記した手帳を紛失してしまえば、仕事に支障が出ることは避けられません。基本的に手帳は手に取った誰でも内容を確認できてしまえるので、情報漏洩などのセキュリティリスクもあります。これに対してデジタルツールは、クラウド上や自社のローカル環境に情報を保管するため、物理的な紛失リスクは低いです。

進捗を把握しにくい

情報共有の難しさとも関係しますが、手帳では他者の仕事の進捗状況をリアルタイムで把握しにくいというデメリットもあります。このデメリットは、プロジェクトリーダーなどがチーム全体の進捗管理をする場合などに、特に困難を生じさせる問題です。

プロジェクト管理はツールも利用してみよう

上記の課題を克服するためには、手帳だけでなく、ITツールもプロジェクト管理に活用することをおすすめします。プロジェクト管理ツールを活用することで、自分だけでなくチームメンバー各員のタスクや進捗状況を可視化し、プロジェクト管理をより効率的に行うことが可能です。手書きの手帳と違って、プロジェクトの変更があってもすぐにその情報を反映できるというメリットもあります。

さらに、場所を問わずにリアルタイムでの情報共有が可能、紛失のリスクも抑えられるなど、プロジェクト管理ツールは多くの利点を持っています。アナログな手帳とデジタルのプロジェクト管理ツール、それぞれの特性を理解し、使い分けることで、より効果的なプロジェクト管理を行うことが可能です。

まとめ

手帳でのプロジェクト管理は、いつでもすぐに書き込める、愛着が湧くことでモチベーションが向上するなど、アナログならではの利点があります。一方で、特に複数人でのリアルタイムな情報共有に難を抱えています。このデメリットを補うためには、プロジェクト管理ツールの活用が有効です。

プロジェクト管理について詳しくまとめた資料もご用意していますので、こちらもぜひご活用ください。


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