チームのタスク管理がうまくいかない、と悩む管理者は少なくありません。この悩みを解消するためには、課題をしっかりと把握し、適切な管理方法や重要なポイントを理解しておく必要があります。本記事では、よくあるチームのタスク管理の課題と、効率的に管理する方法を解説していきます。
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チームのタスク管理の課題1:個々の進捗状況がわからなくなる
チームでプロジェクトを進めている場合、管理者(プロジェクトマネージャー)が常に各メンバーの働きぶりをチェックできるわけではありません。管理者自身にも遂行すべき業務がありますし、一般的にメンバーよりも多くの並行タスクを抱えているため、比較的緊急度の低い個々の進捗状況まで把握できないという問題が生じます。
しかし、チームで取り組んでいるプロジェクトは、各メンバーの進捗が全体の進行に大きく影響します。それぞれの業務は独立していても、最終的な目的を達成するためには成果を共有しなければなりません。「Aの作業が終わらないと次のプロセスへ移行できない」といったケースも発生するため、各メンバーの進捗管理は重要です。
ただし、先述したように、管理者が自らの業務をこなしながら、個々の進捗を正確に把握することは容易ではありません。組織での業務においては「報連相」が大切といわれますが、あまりに進捗報告の頻度が増えても管理者にとっては負担になってしまいます。
進捗状況の管理方法とポイント
このような課題を解決するためには、負担が小さく、かつ正確な進捗報告を行える環境の整備が必要です。具体的には、システムの導入やルールの明確化が挙げられます。例えば、リアルタイムでやり取りができるチャットツールを導入し、「毎日13時と17時にツールで進捗を報告する」などとルールを定めると、日々のルーチンに進捗の管理業務を組み込めるでしょう。
また、システムやルールを整えるだけではなく、メンバーの心理面への配慮も必要です。たとえば、特定のメンバーに負担が偏ってしまった結果、当該メンバーが体調を崩して進捗が滞るリスクや、タスクの遅れについて報告がなかったがために納期に間に合わないなどのトラブルが発生する可能性が考えられます。
これらは自分の仕事を遂行しなければならないという責任感と、仕事が思うように進んでいないという現状の隔たりが原因です。本来であれば、管理者が進捗管理をしてタスク量を調節して各メンバーへの負担を均等に配分したり、余力のあるメンバーを遅延している作業に割り当てたりすることで予防すべきです。そのためにも「業務が遅れたら怒る」のではなく、チームで目標を達成するためにもメンバーが恐れず進捗を報告できるように声がけすることが大切です。
また、進捗状況の報告を口頭やチャットなどで受けたとしても、忘れてしまったりログによって流されてしまったりする可能性があります。正確に状況を管理するには、進捗報告と記録に同じツールを使用し、進捗状況を瞬時に把握できるように可視化しておくことが望ましいと言えます。
チームのタスク管理の課題2:プロジェクトの変更で現場が混乱する
取り組んでいるプロジェクトが途中で変更になるケースは多々あります。その場合、現場はタスクの内容や工数の見直しなどが必要になり、混乱が発生してしまいます。その結果、大幅にプロジェクトの進行が遅れてしまう、といったことも珍しくありません。
個人の仕事であれば、自分の裁量で仕様やタスクを変更できますが、チームプロジェクトにおける方向転換は容易ではありません。大幅な方向転換を求められるケースでは、現状では適材適所に配置されたメンバーであっても、変更に伴い対応できなくなる可能性があるため、それまでの体制のままプロジェクトを進めることすら難しくなることもあるでしょう。
この状況下において管理者は、メンバーの配置や業務のアサインを見直す必要があります。このプロセスはプロジェクト発足当初とほぼ同じ工程であり、時間と労力を消費します。メンバーも担当する業務が大きく変わり、モチベーションが低下してしまうかもしれません。
プロジェクト変更における管理方法とポイント
プロジェクト変更において管理者がやるべきことは、変更に伴う業務全体への影響を正確に把握することです。どのような影響を及ぼすのか正確に把握できていないと、対処のしようがありません。言い換えれば、全体への影響を把握できていれば、リスタートへ向けてスムーズに動き出せるでしょう。
また、変更時には、それまで異なる業務を遂行していたメンバーに別の仕事を割り当てることもあります。手掛けている業務の引き継ぎができれば問題ありませんが、タスクの引き継ぎ担当者が見当たらず、業務から離れられないといった状況も考えられます。アサインの見直しはほかの業務やプロジェクトとの調整も必要になるため、メンバーの状況を常に把握しておける環境の整備が不可欠です。状況をきちんと把握できていれば、「Aさんは今手が離せないから、〇〇の業務にはBさんを割り当てよう」といった判断ができます。
さらに、変更時は現場が混乱するため、各々が勝手に業務を進めようとすると、さらなる混乱を招くおそれもあります。いずれにせよ、管理者として日頃からメンバーとの密接な情報共有を行うことが大切です。密接な情報共有ができれば、メンバー同士でうまく連携をとりつつ業務を進められるでしょう。
チームのタスク管理の課題3:プロジェクトのコストが正確に把握できない
プロジェクトの規模にもよりますが、チームで取り組むプロジェクトにおいては物品の発注や下請けへの依頼などを異なるメンバーが担当することもあり、コストをリアルタイムで把握するのは困難です。しかし、コストを把握するのが困難だからといって疎かにしてしまうと、予算を大幅にオーバーしてしまい、後々の問題に発展するおそれがあります。
加えて、ただでさえリアルタイムでのコスト把握が難しいなか、プロジェクトに変更が生じたときは、その影響がより顕著に現れます。いくつもの変更が生じたケースでは、当初算出したコストで対応できなくなる可能性があるため、プロジェクト変更時にはコストの再評価が必要となり、管理者の負担が増えます。
プロジェクトのコストの管理方法とポイント
コストの管理方法のポイントは、コストを見積もりやすい環境の整備にあります。例えば、プロジェクト全体の可視化が挙げられます。全体像をリアルタイムで可視化できれば、コストを見積もりやすくなります。
そして、管理者は各メンバーの進捗状況を正確に把握しなくてはなりません。明らかに仕事の進みが遅いメンバーがいる場合は、新たな人材の投入も視野に入れる必要があります。そうなると当然追加のコストがかかります。進捗状況を把握できていれば、都度必要な仕事量を算出できるため、コストに変更が発生する場合でも問題なく見積もりができるでしょう。
また、コストの集計は時間のかかる作業であるため、自動化したいところです。こちらはツールやシステムの導入によって実現可能です。
プロジェクト管理に特化したツールの導入で課題を解決
管理者の努力だけで、これらの課題に対処するのには限界があります。管理者はただでさえやるべきことが多いため、マンパワーでの解決は現実的とは言えません。ここで紹介した課題を解決するには、プロジェクト管理に特化したツールの導入によって管理コストの軽減を図る方法が有効です。会社の方針でプロジェクト管理ツールの導入が難しくても、タスク管理ツールは最低限導入したいところです。
プロジェクト管理ツールは、各メンバーの進捗状況をリアルタイムで把握でき、コスト管理や品質管理なども含めたプロジェクト全体の管理を可能にします。本記事でご紹介してきたさまざまな課題を、根本から解決できるでしょう。
おすすめのプロジェクト管理ツールは「OBPM」です。プロジェクト管理に関する知識の集大成であるPMBOK(Project Management Body of Knowledge)に準拠したツールで、プロジェクト全体像や進捗の可視化・合理化を実現できます。名だたる企業に導入されてきた実績があり、信頼性も高いツールです。進捗管理や品質管理、要員管理など、あらゆる管理を統合でき、質の高い管理体制を実現できるのも、OBPMの特徴といえるでしょう。
まとめ
個々の進捗状況がわからない、変更が難しいなど、チームのタスク管理の課題は多々あります。本記事では、よくある課題と解決するためのポイントをお伝えしましたが、管理者のマンパワーでの解決には限界があります。現実的な解決策として、チームプロジェクトにおけるタスク管理に、プロジェクト管理ツールを導入してみてはいかがでしょうか。
プロジェクト管理について詳しくまとめた資料もご用意していますので、こちらもぜひご活用ください。
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