システム開発において、適切なタスク管理ができていないと、開発状況について正確に把握できず、納期の遅延などビジネスの信用問題に発展する恐れがあります。そこで本記事では、システム開発におけるタスク管理の課題について解説するとともに、プロジェクト管理の見える化・合理化を実現するツール「OBPM」について解説します。
システム開発におけるタスク管理の課題
システム開発におけるタスク管理の課題としてはどのようなものが挙げられるでしょうか。今回は代表例として「納期管理の難しさ」と「アジャイル開発への対応」の2つについて解説します。
納期管理の難しさ
課題の筆頭となるのは「納期管理の難しさ」です。「システム開発に遅れは付き物」と言われてしまうほど、システム開発においてプロジェクトの遅延は宿命的な課題となっています。納期が延びるということは、見積よりも多くの工数が発生しているということになり、採算も悪化し、赤字になるリスクもあります。
納期が遅れる主な原因としては、「作業工程の見積もりの甘さ」「タスクを割り当てる人選の失敗」「要件の不確かさ」「進行中に要件が変更される」「進捗状況の把握が難しい」など多岐に渡ります。これらのいずれかひとつでも致命的になり得るものですが、システム開発の現場においては複数の原因が重なって問題を引き起こすことも珍しくありません。こうした状況を改善するためには、適切なタスク管理を徹底する必要があります。
アジャイル開発への対応
アジャイル開発が多くなってきているという点も、システム開発におけるタスク管理を難しくしている一因です。「機敏さ」や「身軽さ」を意味するアジャイル(agile)という単語に表されるように、アジャイル開発のポイントとなるのは、短時間で素早いシステム開発です。
従来のウォーターフォール開発の場合、「要件定義」「設計(基本・詳細)」「実装」「テスト(単体・総合)」といったように、各段階に分割された作業工程を一方向的に進めていきます。ウォーターフォール開発において、クライアントへの要望をヒアリングする作業は、企画・設計の段階であらかじめ完了させておくことが必須でした。
アジャイル開発は「反復増加型」の開発手法です。アジャイル開発の場合は、あまり厳密に要件を固定せず、1週間から1カ月程度の短期間で開発とリリースを繰り返し、その反復ごとに仕様の変更やバージョンアップを行います。例えば、現在リリースされているスマホゲームの多くは、毎週あるいは毎日のようにコンテンツが更新され、バージョンアップが繰り返されています。これもアジャイル開発の典型例であり、ある意味では未完成な状態でリリースし、ユーザーの反応を見ながら現在進行形で企画設計から開発までのサイクルを短いスパンで繰り返しているのです。
このように、アジャイル開発では、厳密な要件を定めないまま短時間での開発を繰り返し行います。そのためクライアントは、その反復期間内であれば自由に要望をリクエストできるなど、大きなメリットが得られるのです。しかし、このアジャイル開発の柔軟さこそが、タスク管理において将来の予測を困難なものにさせてしまうといった大きな問題を生じさせているのも事実です。
システム開発で広く採用されるPMBOKとは?
先述したように、システム開発においては常にタスク管理の難しさが付きまといます。しかし、当然ながら納期の遅れやスケジューリングの不安定さなどの常態化は可能な限り避けなければなりません。こうしたリスクを軽減する方法論として役に立つのが、米国のNPO「PMI」が策定したPMBOKです。
PMBOKについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
関連記事:PMBOKを理解しよう PMBOK とは
PMBOKとは
PMBOK(Project Management Body of Knowledge)を日本語にすると、「プロジェクトマネジメント知識体系ガイド」という訳になります。その名の通り、PMBOKはプロジェクト管理に役立つガイドラインであり、特にシステム開発の分野においてはまさに世界標準のものとして広く参考にされています。PMBOKにより得られるもの
PMBOKに準拠したプロジェクト管理ソフト「OBPM」
PMBOKはプロジェクト管理について有益な示唆を与えてくれますが、あくまで一般化された知識であり、自社の個別的案件にそのまま使うことはできません。そこで有用なのが、PMBOKを現場で簡単に適用できるようにしたプロジェクト管理ソフト「OBPM」です。OBPMとは
OBPMはシステムインテグレータ社が開発したプロジェクト管理ツールです。OBPMはPMBOKに準拠した国内で唯一のプロジェクト管理ツールであり、PMBOKの提唱する「10の知識エリア」に対応した機能を備えています。つまり、OBPMを導入するたけで、PMBOKに沿った合理的なプロジェクト管理やタスク管理を実現できるようになるのです。OBPMによるタスク管理の課題解決
OBPMには、プロジェクト全体の管理に役立つ機能が備わっています。コスト管理に関しては、従来の実績コストのみの管理とは異なり、プロジェクトがスタートする前の原価見積や今後の原価見込みの算出も自動化できます。また、メンバー間でのコミュニケーションを一元管理して共有する手段も標準装備されていて、システムテストや障害の報告・対応などの品質管理にも有用です。
なお、メンバー登録機能によって組織変更の実行や管理もスムーズに行えます。OBPMは、こうした機能を通してシステム開発計画の立案やタスク管理を効率化し、アジャイル開発で生じる課題の解決に導きます。
その他に使えるタスク管理ツール5選
OBPM以外にも、システム開発のタスク管理に活用できるツールがあります。以下では、5つのツールをピックアップし、その特徴を紹介します。
Evernote Teams
チームのコラボレーションやナレッジの共有を促進する情報共有ツールです。重要な情報を書いたノートやタスクリスト、スケジュールなどをチームメンバーと共有することで、タスク管理の効率化に寄与します。最低2ユーザーからの利用が可能で、初期費用は無料、1ユーザー月額1,100円で導入できます。
参照元:https://evernote.com/intl/jp/teams/
Jooto
Jootoはクラウド型のタスク管理ツールです。ドラッグ&ドロップで操作できるカンバン方式でチームの全体の業務を簡単に管理し、進捗状況を把握できます。スタンダードプランの場合、4人までの利用が無料で5人目からは1ライセンスごとの購入が必要です。1ユーザー月額500円~(年間契約の場合は1ユーザー月額417円~)と、比較的低コストで利用できます。
参照元:https://www.jooto.com/
Taskworld
Taskworldは、総合タスク管理・プロジェクト管理を見える化するツールです。全プロジェクトのタスクをタイムラインに表示させ、ガントチャート機能によってチームメンバーがどのような仕事をどの程度進めているのか、お互いの進捗状況を把握することもできます。チャット・メッセージ機能も備わっているので、コミュニケーションツールとしても活用でき、テレワークの業務効率化に有用です。1ユーザー月額1,400円~(年間契約の場合は1ユーザー月額1,050円~)で導入できます。
参照元:https://taskworld.com/ja/
チームハック
ームハックは、「プロジェクト管理」「タスク管理」「ドキュメント管理」「テキストチャット」など、豊富なタスク管理機能が備わったツールです。チームハックだけで、ひと通りのタスク管理ができるため、いくつもツールを使い分ける必要がなくなります。また、実工数を可視化できるので、具体的な改善策を明確にし、管理工数の削減と生産性の向上にも役立ちます。無料で使えるお試しプランのほか、1ユーザー1,200円~(年間契約の場合は月額1ユーザー1,000円~)で利用できるツールです。
参照元:https://teamhack.io/
eセールスマネージャー
eセールスマネージャーには、ダッシュボードやタイムライン、スケジュール、商談リストなどタスク管理に役立つ機能が多数搭載されています。一度入力するだけで全ての機能に情報が反映されるマルチアウトプット機能が搭載されているので、営業工数の削減に有用です。使える機能が豊富なだけあって、料金は比較的高額な設定になっており、1ユーザー月額3,000円~で導入できます。
参照元:https://www.e-sales.jp/
まとめ
ツールを使ってタスク管理の課題を解決するには、自社の用途に合った最適なツールであるかどうかを見極める必要があります。
特に柔軟性が求められるシステム開発においては、PMBOKに準じたプロジェクト管理ツールOBPMが有用です。IT業のプロジェクト管理に特化したバージョンもあるので、業務の効率化を実現させるために検討してみてはいかがでしょうか。
また、プロジェクト管理力強化につながるポイントをまとめた資料もご用意していますので、こちらもぜひご活用ください。
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