仕事の効率化を図るうえで、適切なタスク管理は欠かせません。さまざまな現場でタスク管理は行われており、ツールを活用するケースも増えています。本記事では、タスク管理の基本的な知識や手法、ツールに求められる機能などについて解説します。
タスク管理とは
業務やプロジェクトの効率化でよく話題にのぼるワードですが、そもそもタスク管理が具体的にどのようなものなのかご存じでしょうか。タスク管理とは、個々が担う業務の内容を明確にし、取り掛かる優先順位を決めて仕事の効率化を図る管理手法を指します。
ビジネスにおけるタスクとは、プロジェクトを完遂するためにやるべき業務で、明確な期日が決まっているものを指します。ToDoと混同されることが多いのですが、違いは期日が明確かどうかです。ニュアンスの違いではあるのですが、ToDoは「やらなくてはならないが、明確にいつまでにやらなければならないというところまでは決まっていないこと」という使われ方をされます。ですから、プロジェクトや仕事の完成に向けて各メンバーに割り当てられた個別業務がタスクで、ToDoは日常における業務を指すようなイメージになります。
プロジェクトを完遂するには、個々のメンバーが担う個別業務を正確に把握し、優先順位を決めて取り掛からなくてはなりません。1人の遅れが、プロジェクト全体の進捗に影響することがあるからです。このような事態を回避するため、タスク管理で優先順位を明確にし、効率よく仕事を進めることが重要です。
下記の記事ではWBS(作業分解図)を中心としたタスク管理の考え方についても解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
タスク管理とは?プロジェクトにおける考え方を解説(Vol.23)
タスク管理の目的
タスク管理の目的は明確で、プロジェクトの円滑な進行と完遂のために行われます。一般的にプロジェクトはチームで取り組むため、各メンバーの業務進捗状況を把握しつつ進めなくてはなりません。管理者が状況を把握できていなければ、期日間近になって「プロジェクトが終わらない」といったことも起こりえます。
このような事態を避けるべく、期日までの綿密なスケジューリングを行い、それに沿ってプロジェクトを進めていきます。一方、管理者はメンバーの状況を把握・管理し、必要に応じてリソースの再配分を行います。
メンバーの管理がきちんとできていれば、そのときどきの状況に合わせた対処が可能です。「Aさんの業務が遅れているようだから、Bさんを応援に行かせよう」「Aさんの仕事が予定より早く終わりそうだから、〇〇の業務も任せよう」といった判断もできるようになります。
タスク管理の実施方法
適切なタスク管理を行うには、実施の流れや方法を理解しておかなければなりません。流れや方法をきちんと理解できていなければ、効果的なタスク管理は行えないでしょう。ここからは、タスク管理の具体的な実施方法を解説します。
タスク管理の流れ
まず行うべきは、タスクの洗い出しです。プロジェクトの全体像から、どのような業務が発生するのか、どのくらいの工数が必要になるのかを考えながらピックアップします。タスクはできるだけ細かく、明確に洗い出しましょう。
タスクの抽出が終わったら、優先順位を設定します。優先順位を明確にしないと、優先度の低い仕事から手をつけて優先度の高い仕事を圧迫してしまい、プロジェクト全体の遅れにつながるおそれがあるからです。優先順位を決めたら、期日を設定しスケジュール化しましょう。
実際にプロジェクトが始動したら、進捗管理を行わなくてはなりません。個々の業務進捗を正確に把握し、リソースの投入や再分配を行います。また、状況によってはタスクの見直しが必要になることもあります。クライアントに納期を短縮された、といったケースでは、タスクの優先順位も変わってくるでしょう。
タスク管理の方法
タスク管理の方法は多々あります。やるべきことをノートやメモ帳などに書き出す、Excelにまとめる、といった方法は、従来よく行われてきました。しかし、この手法はすぐに取り掛かれる反面、効率がよくありません。
おすすめなのは、タスク管理ツールの利用です。タスク管理に特化したITツールをうまく活用すれば、効率的な管理を実現できます。無料のツールもいくつかリリースされているので、自社のプロジェクトにあったタスク管理ツールの導入を視野に入れてみましょう。
さらなる効率化を求めるのなら、プロジェクト管理ツールの導入もおすすめです。プロジェクト全体の効率的な管理を実現できるツールで、タスク管理やコスト管理、品質管理まで可能な製品もあります。プロジェクト全体のスムーズな進捗をサポートしてくれるのが魅力です。
また、プロジェクト管理ツールなら、プロジェクトに関する情報を統合管理できるので、メンバーとの情報共有もしやすくなります。チーム内の円滑なコミュニケーションを実現でき、メンバーが重要な情報を見落とす心配もなくなります。
下記の記事では、チケット管理やガントチャートを使ったタスク管理についてご紹介しています。
【プロジェクトマネジメント講座 第11章】タスク管理とチケット管理
プロジェクト管理に求められる代表的な5個の機能
プロジェクト管理ツールに求められる主な機能としては、スケジュール管理やスコープ管理、統合管理、要員管理、コミュニケーション管理などが挙げられます。ここでは、多くの企業が導入しているプロジェクト管理ツール「OBPM」を例に、代表的な5つの機能を解説します。
スケジュール管理
スケジュール管理は、プロジェクト管理の核となる機能です。各メンバーのタスクを登録すれば、進捗状況を把握でき、滞りなく進んでいるかどうかを確認できます。
OBPMでは、ガントチャートによるタスクの管理が可能です。ガントチャートで業務の進捗状況が可視化され、個々のタスクの状況を正確に把握できます。プロジェクト全体の進み具合も一目でわかるため、適切なリソースの投入、再分配を実現できます。
進捗状況データの保存や、Excelへの出力もでき、さまざまなシーンに対応できるのも特徴です。例えば、クライアントから進捗の報告を求められたときなどは、ガントチャートで可視化した進捗状況をExcelに出力して提出できます。
スコープ管理
プロジェクトを完遂するために必要なタスクや成果物を明確にして管理する手法をスコープ管理と呼びます。規模の大きなプロジェクトになると、タスク漏れが発生する可能性が高まります。そのような事態を回避するために行われるのがスコープ管理です。
プロジェクト管理に欠かせないスコープ管理機能は、OBPMにも実装されています。OBPMでは、プロジェクトスコープと成果物スコープ2つの観点から管理を行えることが特徴で、ガントチャートとの関連付けも可能です。
OBPMでは管理の焦点となるスコープの設定を標準化できるため、プロジェクト管理の経験が少ない管理者でもタスク漏れを起こさずプロジェクトを完遂できるようになります。
統合管理
近年は、1つのプロジェクトで仕事が完結するケースばかりではありません。プロセスごとに分けて契約を行うケースも増えており、いくつもの小さなプロジェクトが密接に関わりあうことが多々あります。このような状況に対応するには、プロジェクトを横断した統合管理が必要です。
OBPMでもプロジェクトの統合管理が可能です。プロジェクト同士の相関関係を適切に管理できるため、メインのプロジェクトがどの業務と関わっているのかを適切に把握できます。親プロジェクトごとに子プロジェクトを同一のグループに分けて管理できるため、現場が混乱する心配もありません。
複数部門にまたがるプロジェクトも管理できるほか、既存プロジェクトからの再利用も可能で、タスク管理をより強力に支援してくれます。
要員管理
プロジェクトを円滑に進めるためには、タスクを実施する要員の管理が重要です。要員管理が適切に行えていないと、特定の業務に必要以上の人員を割いてしまったり、必要なところに十分なリソースを投入できていなかったり、といったことが起こります。
OBPMでは、タスクの割り振り状況を可視化できます。各メンバーの負荷状況を一目で把握るため、負荷の大きい業務もスピーディに抽出でき、そのときどきの状況に合わせた適切な対処ができるのです。
手が空きそうな人員をいち早く把握できるため、すぐに次の仕事を割り当てられ、メンバーが手待ちになることもありません。
コミュニケーション管理
複数のメンバーで取り組むプロジェクトにおいては、メンバー間の円滑なコミュニケーションが欠かせません。個々にタスクを割り当てていても、それぞれの業務は密接に関わっているため、しっかりと連携しながらプロジェクトを進める必要があります。
コミュニケーションが不十分で情報共有が滞ると、特定のメンバーが重要な情報を見落とし、全体の進行が遅れてしまうおそれもあります。また、メンバー同士の距離感が近く、うまくコミュニケーションをとれているつもりでも、口頭でのやり取りではどうしても伝え漏れや聞き間違いなどが起こってしまいます。
OBPMには、メンバー間でのスムーズなコミュニケーションを実現する機能を実装しています。メンバー間のQ&Aや課題・障害などをデータベースで一元管理することで、円滑なプロジェクトの進行を後押ししてくれます。情報共有からデータの管理、メンバーの柔軟な権限設定など、きめ細かな管理ができるのも特徴です。
プロジェクト管理に求められる5つの機能が揃っているOBPMなら、総合的に情報を管理できるため、今まで以上に円滑なプロジェクトの進行を実現できるでしょう。
まとめ
プロジェクトの円滑な進行と完遂を求めるのなら、タスク管理もできるプロジェクト管理ツールの導入を検討してみましょう。合理的なプロジェクト管理を実現でき、コミュニケーションの円滑化も図れます。
プロジェクト管理に関する詳しい資料もご用意しております。ぜひご活用ください。
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