プロジェクト管理におけるチケット
チケットというと、電車や船、飛行機などの乗車券やコンサートやスポーツの入場券を思い浮かべるのではないでしょうか。プロジェクト管理にもチケットという言葉をよく耳にすることがあります。日々プロジェクトで発生した実施すべき作業項目や障害、課題などのタスクを登録、管理しています。これがチケットと呼ばれています。作業内容や優先度、発生日、期日、担当者なども登録します。個人的なプロジェクトにおける管理としても利用できますが、プロジェクト全体としてどれだけチケットが発行されていて残タスクは何があるのか等状況を把握する手段として利用されます。
チケットを発行して、抜け漏れをなくしていくということはプロジェクト管理としては重要ですが、それぞれ個別のチケットとなっているために、関連性が把握しにくい、ガントチャートと紐付いていない等デメリットもチケット管理をしているお客様から聞くことがあります。
今回は統合型プロジェクト管理ツールとして弊社でも利用し、IT企業を中心に150社以上の企業に導入している「SI Object Browser PM(OBPM)」の機能をもとに、弊社で活用しているプロジェクト管理の「チケット」をご紹介したいと思います。
OBPMでのチケット管理
OBPMには「チケット(TODO)管理」というプロジェクト管理機能があります。OBPMでは、チケット稼働開発※1の考え方を取り入れ、障害、課題、サブ明細、質問・回答、リスクなどの個々の作業単位をチケットとして区分をまたいで一元管理することができます。例えば、個人が朝出社してOBPMのチケット(TODO)管理をみて、優先度が高い作業や期限が迫っているチケットを確認して作業を実施したり、PMやPLは、各プロジェクトメンバーにどのような残チケットがあるのかをみたり、抜け漏れがないのか等プロジェクト全体を管理することができます。
OBPMはプロジェクト管理に必要な機能(原価管理、進捗管理、要員管理、品質管理等)が統合されて管理できるツールです。各プロジェクトで発生したチケットを束ねて対応者、プロジェクト、状況、期日などで検索することもできます。個人が各プロジェクトから一つ一つチケットを確認するのではなく、この画面を見れば自分の対応すべきチケットを把握することができます。また、プロジェクト管理機能が統合されているのでチケットから実際の各プロジェクトのチケットに遷移することができるので作業効率も上がります。部門長はメンバーがどんなチケットを担当していて、特定の人にチケットが多く割り当てられて作業負荷がかかっていないかなど把握することができます。
次にOBPMでチケット管理ができる内容をいくつかご紹介します。
※1:チケット駆動開発 (ticket-driven development; TiDD) とは、プログラム開発手法の一種で、作業をタスクに分割しBTS(Bug Tracking System/バグ管理システム)のチケットに割り当てて管理を行う開発スタイル。細かな修正作業の多い従来開発の中で生まれたが、アジャイル開発との親和性が高い]ことから、エクストリーム・プログラミングをはじめとするアジャイル開発でも実践されている。(Wikipediaより抜粋)
【障害管理】チケット機能
プロジェクトで発生する障害を登録・管理することができます。1つの障害を1チケットとして発行して管理することもできますが、同一内容の障害やディグレードが発生した障害などを関連障害として発生元障害(チケット)へヒモ付けて管理することができます。また、何度も言っていますがOBPMは統合プロジェクト管理ツールなので、別機能として実装しているコミュニケーション管理の「質問・回答管理」とも連携でき、受け付けた質問(チケット)が障害だった場合は質問(チケット)と障害(チケット)を関連付けて障害管理へ登録できます。質問・回答管理については後ほどご紹介します。また、発生した障害の分析は「テスト予定実績管理」という機能にて分析することができます。
【リスク管理】チケット機能
プロジェクトを立ち上げる際には、必ず内部のチェックを実施します。想定したリスクに対して、事前に対策を決めて対応内容をしっかりと認識しておく必要があります。
そのようなリスクをチケットとして登録して対策を講じたかどうかなどを管理することができます。OBPMでは、プロジェクトのタイプごとにWBSやリスク、品質基準など15項目をテンプレートとして活用することができる「ドメイン」という機能があります。(詳しくは、プロジェクトマネジメント基礎講座 第6回【プロジェクト管理の標準化】:プロジェクトマネジメント連載シリーズを参照ください。)あらかじめ想定されるリスク項目(チケット)をテンプレートとして登録しておけるので個々のプロジェクトにおけるリスクの洗い出しがしやすくなりますし、抜け漏れがなくなります。
【課題管理】チケット機能
プロジェクトが進んでいくと様々な課題が発生します。課題も障害と分けてチケットとして管理することができます。OBPMにはプロジェクト進捗報告管理機能があり、日次、週次、月次報告などプロジェクト報告を提出し報告時点の品質(Q)原価(C)、進捗(D)の定量情報や報告内容の定性情報を管理することができます。発生した課題(チケット)は、「プロジェクト進捗報告」機能と連動しているので、発生課題(チケット)数と課題(チケット)残数情報をプロジェクト進捗報告画面で確認することができます。また、OBPMは社員以外の委託先や顧客にも利用してもらうことができるので、発生した課題(チケット)の内容により、委託先メンバーと共有する課題(チケット)、顧客と共有する課題(チケット)に分けて管理することができます。
【質問・回答管理】チケット機能
プロジェクトにおけるやり取りはメールなどで実施していると検索に不便だったり、見落としてしまったりすることも多く見受けられます。プロジェクトで発生した問合せ事項は「質問・回答管理」へチケットとして登録して情報共有することができます。先の課題管理と同じく社員以外の委託先や顧客にも利用してもらうことができるので、問合せの内容により、委託先メンバーと共有する質問(チケット)、顧客と共有する質問(チケット)に分けて管理することができます。顧客からすれば、メールではなく質問(チケット)を登録していけば一覧で対応状況も把握できますし、お互いにメールを送った、届いていない等の認識のズレもなくなります。また、問合せ内容が障害に関するチケットだった場合は、質問に関連する障害(チケット)として障害管理へ登録できます。
その他管理できるチケットとしては、OBPMではガントチャート機能にて工程、(工程兼タスク)、タスク、明細の3つの区分にて最大5階層での進捗管理を行う事ができますが、各工程タスク・明細を実施するにあたっての細かな作業をサブ明細(チケット)として登録・管理することでより細かなスケジュール管理ができます。また、成果物のレビューにて指摘された対応内容をチケットとして登録して対応状況等の管理を実施することができます。
■プロジェクト管理にチケットを上手に活用しよう
日々プロジェクトが進んでいく中で様々な事が発生します。課題や障害、質問等何かあればすぐにチケットを登録して管理することがとても大切です。個人だけではなくプロジェクトで共有できることが、成功プロジェクトの要素の一つであると考えます。もっといえば、部門や全社でどのようなチケットがあるのかも把握できればもっとよい効果を発揮できるはずです。
もちろんプロジェクト管理には、チケットだけでは管理できない、進捗管理や原価管理、要員管理も必要になるので合わせてうまく管理することも重要になります。OBPMであれば、統合管理が出来るので困っている方がいらっしゃればまずは資料をダウンロードしてみてください。
プロジェクト管理にチケットを上手く利用して、成功プロジェクトを増やして行きましょう。
なお、進捗管理のポイントをまとめた資料もご用意していますので、こちらもぜひご活用ください。
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