間接費の考え方とプロジェクト管理手法を学ぶ 〜新米プロジェクトリーダー奮闘記~(Vol.2)

 2017.06.26  株式会社システムインテグレータ

そう、私はプロジェクトリーダーに任命されたのです。

今日、私、『新米太郎』はSI Object Browser PM(OBPM)で『プロジェクト登録』をしました。PL(プロジェクトのリーダー)の欄には私の名前をセットします。

そう、私はプロジェクトのリーダーに任命されたのです。

いつも先輩リーダーたちのもとで仕事をしてきて、はや3年。
いつか自分も、先輩たちと同じリーダーという立場でプロジェクトを管理していきたいという野望を抱いてきましたが、ついに念願が叶った瞬間でした。

初めての『プロジェクト登録』をしながら、「プロジェクトリーダーになったからには、しっかりと管理をして大きな利益を出し、プロジェクトを成功させるぞ!」と、鼻息も荒く意気込んでいました。

そもそも間接作業ってどういうもので、どんな管理をしてるのだろう?

リーダーにもなると、今まであまり気にも留めていなかったことが気になるものですね。
一通り『プロジェクト登録』を終え、『プロジェクト一覧』を眺めていると、ふと、「開発部共通費」とか、「全社管理費」「有給休暇」というプロジェクトに目が留まりました。

そういえば、普段『工数入力』をするときに、間接作業の工数は「開発部共通費プロジェクト」に入れ、有給休暇を消化した時には「有給休暇プロジェクト」に付けるよう指示されていて、深く考えずにやってきたけれど、そもそも間接作業ってどういうもので、OBPMではどんな管理をしてるのだろう?

先月も先輩たちが「今月は“共通費”が予想以上に降ってきたから粗利が低くなったよね」とか言ってたな。“共通費”と“間接作業”ってどんな関係があるのかなぁ?“降ってくる”って何のことなんだろう?

自分のプロジェクトの利益が低くなるのも嫌だし、この際「間接作業」のことを先輩に聞いてみることにしよう。

「間接作業」について先輩に聞いてみよう!
〜「直接費」、「間接費」 原価の要素について〜

太郎:センパーイ!少しお時間よろしいでしょうか。
OBPMでお聞きしたいことがあるんです。

先輩:お、リーダーになって色々気になり始めたようだね。いいよ、何が知りたい?

太郎:「間接作業」についてです。OBPMには、「開発部共通費」とか、「全社管理費」「有給休暇」などの間接作業用のプロジェクトがありますよね。私たちが工数入力をするときに、「間接作業の工数は適切な間接プロジェクトに付けるように」とも指示されていますよね。この間接作業のプロジェクトって、どんなものを管理するためのプロジェクトなのか、プロジェクトに“降ってくる”ってどういうことなのか、気になっています。

先輩:「間接作業」についてか。よし分かった。
ところで、「直接費」、「間接費」とか、原価の要素について勉強してる?

太郎:...は、はい。勉強してます(汗)でも、詳しく教えて頂きたく。。。(汗汗)

先輩:はいはい。では、最初から説明するね。
プロジェクトを管理していくうえで、原価について勉強することはとても重要なことだから、よく聞いてしっかり理解してほしい。

先輩:製品を作るにあたって、かかった費用のことを「原価」と言うんだけれど、わかりやすくOBPMに置き換えると、「1つのプロジェクトの開始から終結までにかかった費用」のことを「原価」と思っていいよ。一般的な原価の要素には、「労務費」、「外注費」、「経費」、「材料費」があるのだけど、材料費についてはIT系プロジェクトでの発生割合はかなり低いから、説明は省略するね。
「労務費」は、プロジェクトに直接参画するメンバの人件費のことだよ。
プロジェクトのメンバがOBPMで『工数入力』をすると、標準単価が掛けられてそれぞれのプロジェクトに労務費が発生することはわかっているね。

次に、「外注費」は、協力会社に作業を委託することで発生する費用のこと。OBPMで管理する外注費には大きく分けて「一括委託」と「工数委託」があって、例えばプログラム開発を一括で発注し、納品されたプログラムに対する対価を支払うのが「一括委託」だね。一方で、うちの会社に来て頂いているパートナーさん達を「工数委託」と言うんだ。「工数委託」の人たちも、我々社員同様に、プロジェクトのメンバとしてアサインして、OBPMに『工数入力』をしてもらっているから、委託の契約単価が掛けられて各プロジェクトに費用が発生する仕組みなんだ。『工数入力』をしてるからと言っても、これは「労務費」ではなくて「外注費」だから混同しないようにね。

それから「経費」だね。経費にはいろんなものがあるけれど、身近な経費と言えば「旅費交通費」だね。客先に行ったときに交通費精算をシステムに入力してるよね。それがOBPMでは「変動経費」として扱われているんだ。

プロジェクト管理に関するお役立ち資料

太郎:はい、原価の要素については勉強しました。
工数入力だけでなく、外注費も経費も「プロジェクトコードを指定して」システムで入力をしているから、プロジェクトに直接付加される原価ということですよね。

先輩:そう、だから、プロジェクトに直接付加する原価を「直接費」と呼ぶんだよ。
一方で、どのプロジェクトに使われた費用なのかが不明確な費用があるよね。

部門の定例会議に参加した工数や、事務処理の工数、セミナーや研修などのイベントに参加するとか、部内サーバのメンテナンス作業なんかも、部の仕事(プロジェクト)を進めるうえで必要な作業ではあるけれど、個別プロジェクトの直接作業ではなく、間接的な作業(部内活動)の意味合いが強いよね。だから、こういった作業に対して発生した費用のことを「間接費」って言うんだ。OBPMの『プロジェクト一覧』で見ると「開発部共通費」というプロジェクトがそれだね。OBPMでは、「間接費」のことを「共通費」という言葉で表現していて、「共通費」プロジェクトには特別な機能が搭載されているんだ。

太郎:そうか、だから部門ごとに共通費プロジェクトが用意されていて、部のメンバが間接作業をした時の工数入力先プロジェクトや作業工程が決められているんですね。

先輩:そう、個々のプロジェクトでは、プロジェクトを遂行するためだけに発生した費用を管理していきたいから、間接費に相当する工数や費用は混ぜないのがポイントだね。

『プロジェクトメンバ登録』でアサインされたメンバだけが、そのプロジェクトに工数入力できる仕組みになっているのも、プロジェクトに無関係な人に工数の入力をさせないためなんだ。一方で、間接作業用のプロジェクトには、部に所属している人全員が工数入力をする可能性があるよね。OBPMには「部門配下」という便利機能があって、間接作業用プロジェクトの主管部門配下に所属している人ならば、いちいち『プロジェクトメンバ登録』をしなくても工数入力が許可される仕組みになっているんだよ。

販管費と粗利の算出方法

太郎:部のメンバの入れ替えがあったときに、毎回『プロジェクトメンバ登録』をメンテナンスするのって大変ですものね、なるほど。

ところで、OBPMには「有給休暇」プロジェクトや「全社管理」プロジェクトも登録されていますが、同じ考え方で作られているんですか?

先輩:いや、「有給休暇」プロジェクトや、「全社管理」のプロジェクトについては、少し違うんだ。「有給休暇」や「全社管理」プロジェクトに発生した費用は、部門の共通費ではなく、「販管費」に相当する費用と考えるんだ。

販管費というのは、会社の営業活動をするにあたって必要な費用のことで、一般的には「販売費及び一般管理費」と言うんだけれど、販管費は売上原価に算入しない費用というところが共通費と違う点だね。

販管費について詳しく話をすると時間がかかるので、ここではOBPM上の直接費、共通費、販管費の関係を簡単に説明するね。

①直接プロジェクト  [直接費] ・・・プロジェクトに直接発生する原価
②開発部共通費    [共通費] ・・・部門活動をした間接費
③有給休暇・全社管理 [販管費] ・・・全社扱いで管理する販管費

 

普段私たちが管理をするプロジェクトというのは、①直接プロジェクトだよね。
OBPMのプロジェクトの利益というのは次のような計算で成り立っているんだ。 

売上     ・・・プロジェクトの契約金額
直接原価   ・・・プロジェクトに直接発生する原価(労務費、外注費、経費)
粗利(直接) ・・・売上-直接原価
共通費    ・・・部の間接作業PJから「配賦されてきた原価」
原価     ・・・直接原価+共通費
粗利     ・・・売上-原価
販管費    ・・・OBPMではマスタ設定次第で見込みの販管費を自動で算出する
営業利益   ・・・粗利-販管費

注目してほしいのは共通費の「配賦されてきた原価」という部分だね。

原価の自動配賦

OBPMには間接プロジェクトの原価(共通費)を、直接プロジェクトの原価に「自動で配賦する」機能が搭載されていて、これが共通費プロジェクトにだけ備わっている特別な機能なんだ。直接プロジェクトを遂行するために必要な部門活動費なのだから、共通費は直接プロジェクトに適切に配賦して、それも踏まえて個々のプロジェクトの粗利を管理しようという考え方だね。

間接プロジェクトの原価を配賦するかしないかは、プロジェクトを登録するときに決まるんだ。それぞれの登録方法は、「配賦をしない間接プロジェクト」の場合には、OBPMの『プロジェクト登録』で、契約形態を「社内PJ」で作成するんだ。そうすると、売上のない原価管理だけをするプロジェクトという意味を持ち、配賦処理も行わない。「社内PJ」で間接費を管理する場合には、部門全体の利益を把握することが大切になるよね。個々の直接プロジェクトでいくらよい粗利を出していたとしても、間接費が膨大に発生していて、部門全体で見たときには結局赤字になっている、なんてことでは悲しいからね。

一方で、「配賦をする間接プロジェクト」の場合には、OBPMの『プロジェクト登録』で、契約形態を「共通費」で作成するんだ。共通費プロジェクトに発生した原価は、OBPMの月次締処理(仮締めの都度)の時に、配賦先対象の直接プロジェクトに対して自動で配賦をしてくれる。配賦のパターンは、『自社マスタ設定』で以下の4種類からOBPM導入初期に選択することになっている。

①社員作業工数で按分
②社員+工数委託の作業工数で按分(⇒当社選択)
③社員+工数委託の金額で按分
④社員+工数委託+一括委託の金額で按分


うちの会社では、社員と工数委託者が入力した工数の比率によって共通費の金額が按分され、それぞれの直接プロジェクトに「降ってくる」っていうことだね。
もちろん、共通費配賦対象から除外するプロジェクトを設定することもできるよ。

太郎:なるほど。「降ってくる」っていうのは「共通費原価が配賦されてくる」っていうことなんですね。
だから先輩たちは、毎月配賦されてくる共通費の金額を気にしながら、直接プロジェクトの粗利を管理しているっていうことか。(聞いといてよかったぁ) 

先輩:OBPMは、導入時のマスタ設定の仕方によっていろんな利用方法を選択することができる ツールだから、一概には言えないのだけれど、工数を100%いずれかのプロジェクトに入力する運用方法を選択した場合には、間接作業用のプロジェクトは登録した方がいいよね。直接費と間接費を明確に区分けできることが一番のポイントではあるけれど、会社の文化に合わせて共通費の配賦をする/しないの選択もできるし、分析の観点で言えば「稼働率」もわかるようになる。(稼働率=直接プロジェクト工数/総工数)

一方で、ある特定のプロジェクトだけを管理するためにOBPMを導入したとか、OBPMの『標準ランクマスタ設定』を月額計算でなく、時給計算で利用して、間接作業はOBPMに入力しないような運用方法を選択した場合には、間接作業プロジェクトは不要ということだね。

OBPMの理想的な使い方

太郎:なるほど、OBPMの運用方法によって間接プロジェクトを登録したほうがいいかどうかが決まってくるんですね。
先輩は何社もOBPMの導入支援を経験していると思いますが、他の会社もうちの様に共通費プロジェクトの原価を配賦したり、「販管費」を管理して、OBPMで営業利益まで見ているのですか? 

先輩:うーん、実際そこまで見ている会社は少ないかな。
多くの会社では、直接プロジェクトにだけ工数入力をしているところがほとんどで、共通費、間接費をプロジェクト化して、現場や部門が管理している会社は少ないかな。 

OBPMは共通費も販管費も管理できるのがいいところだし、現場・部門が間接費を意識してOBPMを利用できているうちの会社は、その点進んでいると思うよ。

さっきも言ったけれど、直接プロジェクトだけいい利益を出していたとしても、間接費用を含めてみたら、部門の利益が低かった、では意味がないよね。だから間接費用を管理するということは、部門・会社のトータル利益を良くする点で非常に重要なことなんだ。

にもかかわらず、現場(OBPM)で管理せずに、管理部門(経理部)などが集計した結果を、“翌月”部門にリターンしているパターンが多い。間接費を管理・コントロール・改善していくにしては、タイミング的にも遅いし、現場の間接費への意識も上がらないしね。

太郎:そうなんですね、他社も本当は当社のようにやった方が絶対いいですよね。だって、OBPMで管理できるんだから。
私もこれからプロジェクトリーダーとして直接プロジェクトの粗利を管理してくので、間接費の重要さについて、意識するようにします。
ありがとうございました!

先輩:おう!お礼は生中1杯でいいぞ。

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