リソースマネジメントとは?種類や手法を徹底解説

 2022.07.12  株式会社システムインテグレータ

プロジェクトを円滑に進行するためには、人材や設備など多くの経営資源が必要です。しかし、経営資源の量には限りがあるため、無駄なく使用していかなくてはなりません。このようなリソース管理のことを「リソースマネジメント」と呼びます。

リソースマネジメントは、各種リソースの質や量などを適切に管理して、効率的なプロジェクト進行を可能にする方法です。この記事ではリソースマネジメントの概要や種類、具体的な方法や重要性などについて解説します。

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リソースマネジメントとは

リソースマネジメントとは、ビジネスにおける各種リソースを効率良く扱えるように管理する方法のことです。リソースには「活動するための資源」という意味があります。

ビジネスの場で使うリソースは「ヒト」「モノ」「カネ」を指すのが一般的で、これらに加え「時間」「情報」「知的財産」なども含まれます。このようなリソースは効率を考えて使用しなければすぐに不足してしまいます。目標達成のために必要な要素は何か、どれほどのリソースが必要かなどを把握する必要があるのです。

リソースマネジメントの種類

リソースマネジメントの種類はさまざまです。ここでは、プロジェクト実施時に注意すべきリソースマネジメントについてご紹介します。

「ヒト」のマネジメント

「ヒト」は「人的資源」とも呼ばれる重要性が特に高い経営資源です。プロジェクトを進行させるためには人材が必要です。そのため人材の管理ができないと満足なリソースマネジメントを行えません。

また、人的資源は管理が難しいとも言われています。一人ひとりスキルや経験に差があるうえに、モチベーションなどの感情要素によっても生産性が変化するからです。そのため、ヒトマネジメントでは人材配置やモチベーション管理に注意する必要があります。ヒトマネジメントの結果によって、ほかのリソースマネジメントの成功率も変わります。

「モノ」のマネジメント

「モノ」は「物理的資源」とも呼ばれています。オフィスの設備や備品など会社の物理的な所有物を指すほか、パソコンにインストールされているソフトウェアやサーバー、ネットワークのようなインフラなども該当します。業務に必要な道具全般が、マネジメントの対象です。

ヒトのリソースが豊富にあっても、モノがなければ作業はできません。しかし、ヒトやモノのリソースを維持するにはコストがかかるため、収入とコストのバランスも考える必要があります。

「カネ」のマネジメント

「カネ」は「運営資金」とも言い換えられます。プロジェクトメンバーの給与や備品購入費用など各種の資金、借入金、株式、債券などが該当します。前述したように、ヒトやモノなどのリソースを確保するためには、資金が必要です。そのため、プロジェクト達成に必要な額の資金を算出して、適切な使い方を考えなければなりません。

資金が多ければ多いほど、ヒト・モノなどのリソースが確保できるため、経営規模の拡大につながります。しかし、資金がなくなればプロジェクトの中止など、大きな損失につながるかもしれません。このように、プロジェクトを無理なく継続させていくためにも、カネのマネジメントは必要です。

「時間」のマネジメント

リソースには「時間」も含まれます。誰にでも平等に与えられるリソースだからこそ、その使い方が重要になります。どんなプロジェクトにも期限があります。一般的に、プロジェクトは細かなタスクに分けられ、タスクそれぞれにも期限を設けて進行します。この期限までにタスクを完了させるには、作業メンバーのスキルや経験などを考慮して適材適所を心がけた人員配置が重要です。

また、急なトラブルへの対処にかかる時間も考え、対応策も準備しておく必要があります。限られた時間のなかでより効率的にプロジェクトを進められれば、品質の向上やクライアントとの良好な関係にもつながるでしょう。

「情報」のマネジメント

各会社が持っているさまざまな「情報」も経営に役立つリソースの一種です。技術やノウハウ、顧客情報などのさまざまな無形財産が該当します。そのため、技術やノウハウを習得しているベテラン従業員は、ヒトのリソースと情報のリソースの両方に含まれます。

情報は「ヒト」「モノ」「カネ」のような形があるものと比べてマネジメントがおろそかになりやすい経営資源です。しかし、情報の有無によっては、個人の作業から会社経営全体まで大きな影響が生じることもあるため、忘れずに管理しましょう。

「知的財産」のマネジメント

会社で開発・保有した「知的財産」も重要なリソースに含まれます。著作権や特許、ブランドなど、いずれも法的に保護されています。自社ならではの強みとして効果的に運用していきましょう。適切なマネジメントを行えば、より多くの利益をもたらしてくれます。

ただし、知的財産をリソースとして扱うためには、事前に商標権や特許権などの権利を取得しておかなくてはなりません。自社の強みを最大限に引き出せるように、権利の取得は必ずしておきましょう。

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具体的なリソースマネジメントの方法

Head of department standing and talking to smiling young employees in office

リソースマネジメントを行う際は、対象のリソースに応じて適切な方法を選ばなければなりません。たとえば「ヒト」のマネジメントの方法は「ストレスマネジメント」「スキルマネジメント」「人材管理マネジメント」などさまざまであるため、場面に応じて使い分けが必要です。

ここでは、リソースマネジメントの具体的な方法をリソースの種類ごとに解説します。各リソースを最大限に活かせるように、マネジメント方法を知っておきましょう。

「ヒト」のマネジメント

「ヒト」のマネジメントは「HRM(Human Resource Management)」とも呼ばれます。前述した通り、リソースマネジメントのなかでも最重要とされるため、あらかじめマネジメント方法を把握しておく必要があります。

ストレスマネジメント

日常のストレスの対応方法を考えて、対処する方法です。適度なストレスはモチベーションの向上などにもつながりますが、過度なストレスは従業員の心身に影響を及ぼします。従業員の体調悪化などでプロジェクトの進行に悪影響が出ないように、ストレス管理も行いましょう。

ストレスマネジメントの一般的な方法としては、定期的なストレスチェックテストが挙げられます。月に一回、週に一回などの頻度で従業員のストレスをチェックし、ストレス値が高い従業員には適切なケアを施します。適切なケアが行えれば、働きやすい職場環境が整い生産性も向上するでしょう。

スキルマネジメント

従業員一人ひとりが持っているスキルを可視化するマネジメント方法です。スキルが可視化できれば、従業員それぞれの強みを活かせる業務やポジションに配置でき、業務効率の改善が図れます。

また、プロジェクト進行に不足しているスキルを育成することも忘れてはいけません。このように、スキルを生かしたり補ったりすることで、プロジェクトだけでなく組織全体の能力向上も図れます。

人材管理マネジメント

従業員の評価制度や採用、配置などを管理するマネジメント方法です。適切な人材管理によって従業員のモチベーションの向上や離職率の低下を図ります。

従来は、経営戦略や財務戦略などが企業の成長において最重要とされていましたが、近年は自社独自の優位性が注目されています。そのため、自社の強みになるような人材育成が重要となっているのです。

パフォーマンスマネジメント

目標管理やフィードバックなどを活用して、従業員の行動を結果につなげるマネジメント方法です。ビジネス目標の達成を目的として、従業員のスキルやモチベーションを向上させます。

パフォーマンスマネジメントを成功させるためには、定期的なフィードバックや、上司・部下のコミュニケーションの増加、部下へのコーチングなどが有効とされています。また、最初に実現可能な目標を定めることが大切です。

PMBOK人的資源マネジメント

「PMBOK」と呼ばれる人的資源のマネジメント知識集の活用も有効です。PMBOKは「Project Management Body of Knowledge」の略称で、プロジェクトマネジメントに関するノウハウや手法が体系的にまとめられています。

最新版のPMBOK7ではパフォーマンス領域と原理・原則に分類されており、マネジメントとして「何をするべきか」「何が不要か」「漏れはないか」などのチェックリストとしても使用できます。

PMBOKに関しては以下のページも参照してください。
【第1章】PMBOKを理解しよう:PMBOK とは

「モノ」のマネジメント

「モノ」のマネジメントは、ビジネスに使用する備品や生産機械などを調達・管理することです。

購入やレンタル、必要であれば修理や手入れも行います。社内で使用する設備にかかるコストを考慮して、最もコストパフォーマンスに優れた方法を考えましょう。

なお、調達した備品の整理整頓も重要です。備品は、必要なタイミングですぐに取り出せなくてはなりません。備品を紛失して追加で調達するような状況に陥らないよう、備品や機械はすべて管理しておきましょう。

「カネ」のマネジメント

会社経営に用いる資金は、安定した経営を行えるように適切なマネジメントが重要です。新しいプロジェクトの立ち上げや製品の開発・製造、さらに人材採用・育成にも適切な投資を行いましょう。

なお、資金の調達元は売上金だけではありません。必要に応じて融資を受けることも選択肢に入れましょう。最終的に元本より多くの利益になるように、資金の調達・利用を効率良く行ってプロジェクトを進めていきましょう。

「時間」のマネジメント

限られている業務時間を最大限に活用して、従業員とチームにより高いパフォーマンスを発揮させるマネジメント方法です。時間を無駄なく使うためには、業務の優先順位を決め、時間配分を考えることが大切です。優先順位の低い作業は、ほかの従業員に任せることも考えましょう。

ただし、初めての作業などでは、自分の予想よりも多くの時間がかかることがあります。そのため、毎日の業務内容と所要時間は記録しておきましょう。作業ごとに目標を定めて目標達成率を定期的に振り返れば、業務効率が把握でき、効率よく作業を進められます。

「情報」のマネジメント

「情報」のマネジメントでは、所有している情報を見直し、情報の活用能力を高めることが求められます。会社で所有している情報は、各業務のプロセスごとに整理して、いつでも閲覧できるように整えましょう。情報共有などがスムーズに行えれば、作業効率も向上します。

また、情報だけでなく情報を扱うプロセスも管理して、情報の信頼性を高めることが大切です。信頼性の高い情報を管理することで、さらに能率的なプロジェクト進行が可能になります。

「知的財産」のマネジメント

「知的財産」のマネジメントでは、自社が持つ知的財産の元になる技術・権利などを、法的に管理します。特許権や著作権、意匠権などといった知的財産は、自社独自の強みを発揮し他社と差別化を図るためにも欠かせない重要なリソースです。

なお、知的財産を活用できる場所は、製品開発現場だけではありません。自社独自の技術を活かして、社内の開発力・営業力を向上させられることもあります。

リソースマネジメントの重要性

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ここまでご紹介してきたように、リソースマネジメントはプロジェクトを成功させるために欠かせない作業です。どのようなプロジェクトも「ヒト・モノ・カネ」の3種が揃っていなければ進行できません。各リソースを適切に振り分けられれば、プロジェクトをよりスムーズに進められるでしょう。

では、プロジェクトのスケジュール策定を例にマネジメントの流れを見ていきましょう。

スケジュール策定の際には、まずプロジェクトに必要なヒト・モノなどの量や自社の人材が所有している技術・ノウハウなどを確認します。リソースの把握ができたら、プロジェクトを構成する各業務に割ける時間などを考えるという流れです。あらかじめリソースマネジメントによって、リソースの全量が把握できていればプロジェクトの進行は円滑に進むでしょう。

マネジメントの効率化にはプロジェクト管理ツールの活用がおすすめ

リソースマネジメントは重要ですが、マネジメントは知見がなければ成功しません。リソースマネジメントを実施するために、各社から提供されているプロジェクト管理ツールの運用も検討しましょう。

プロジェクト管理ツールは、プロジェクト全体の進捗管理やTo Doリスト、メンバーの役に立つ情報などを一括管理できるツールです。機能や導入費用などはツールごとに異なるため、導入時には自社の状況を分析して、予算や必要な機能を洗い出しましょう。

まとめ

この記事では、リソースマネジメントの概要や種類、具体的な方法や重要性などについて解説しました。リソースはプロジェクト進行や会社経営のために欠かせないものであり、適切な管理・運用が求められます。

しかし、リソース管理が完璧でも、進捗や品質の管理を怠っていてはプロジェクトの成功には繋がりません。プロジェクト管理力を強化するためには、いくつかのポイントにも注意しましょう。以下の資料では、プロジェクト管理力を高めるためのポイントについてまとめています。併せてご覧ください。

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