なぜ企業はERPを選択するのか?(プロジェクト型ビジネス企業編)

 2020.08.31  株式会社システムインテグレータ

2021年4月1日から収益認識基準が適用となり、売上計上に関する考え方が大きく変わってきます。適用対象となる上場企業は約3,700社と言われており、その一部がプロジェクト型ビジネス形態に該当しますが、一般的には下記のような企業を指します。

  • 具体的なモノを持たない知的労働型サービス業
  • プロジェクト単位で売上を管理しており、売上の原価の中で、労務費が占める割合が高い企業
  • 顧客から特定のプロジェクトを請け負い、社内やパートナー企業の人材を割り当て、受注したプロジェクトを遂行する企業

具体的には、SIer、ソフトウェア開発、広告代理店業、広告制作会社、イベント業、Web制作企業、コンサルティング企業、建設業、設備工事業、エンジニアリング業、メンテナンス業、etcなど、情報通信業からサービス業、建設業まで幅広い業種が対象範囲となります。

そんなプロジェクト型ビジネス企業も、昨今は事業の効率化をはかるために、業務ソフトウェアの集合体からERPパッケージへシステムリプレイスされる傾向が強く表れています。

ERPのキホン~ERPの基礎からDXへの活用まで徹底解説~

ERP導入の目的

ERPパッケージは販売、在庫、購買、原価、生産、会計、人事、給与など、企業に必要な業務を管理するためのシステムを統合したオール・イン・ワンのソフトウェアです。

ERPパッケージでは、企業内に必要な業務(システム)が全て繋がっていますので、一度入力された情報は、業務手順に従って自動的に必要な部門(人)に流れていきます。このため、業務にヌケやモレが無くなるというわけです。

何より個別の業務ソフトウェアだけでは、それぞれのシステム上にデータが分散されているため、必要な情報を取り出すのに時間が要してしまいます。これでは素早い経営分析ができず、企業の意志決定を行う際の遅れにも繋がりかねません。スピード感がある経営が求められている昨今、多くの点でマイナスが生じてしまっているのです。

失敗から学ぶERP導入プロジェクトの進め方
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ERPによる課題解決  ~弊社基幹システムリプレイス経験からの振り返り~

パッケージ・ソフトウェアおよびクラウドサービスの企画開発・販売、コンサルティングなどを事業としている弊社もプロジェクト型ビジネス企業に該当しますが、多分に漏れず、10数年前まではExcel、Access、汎用パッケージソフトなど個別の業務ソフトウェアを使用していました。その当時の課題をまとめたものが以下となります。

状態

発生事象

課題

標準業務フローはあったが・・・

・ルールが周知徹底されていない

・属人的な処理が可能な状態

・業務のヌケ、モレが発生

伝票処理は全てExcel

・個人で規定フォームを修正

・担当者ごとの独自フォーマットが多数存在

・前後業務間のデータが連携されず、二重入力などの非効率な状態

Excelで保存・管理

・案件毎にファイルができあがり、膨大な量となる

・ファイルの修正がいつでも可能

・変更履歴が残らない

・情報の検索に手間がかかる

業務統制が不十分

・各種伝票処理のフローは個人で自由に変更可能

・業務のヌケ、モレが発生

承認処理は紙による回覧

・承認に必要な申請書が多量に発生

・押印処理が煩雑になる

・ムダな書類が大量発生

・承認履歴を追うのが手間

・承認処理自体に時間がかかる

プロジェクト単位の進捗把握が不十分

・必要な情報を短時間でチェックできない

・全体の進行状況が把握できない

・プロジェクトの遅れや問題発見に時間を要する

・効率の良い人員配置ができない

採算把握に時間がかかる

・採算管理用ファイルを別途作成

・PMの管理工数増加

・潜在的な赤字プロジェクトが予見できない

標準業務フローや運用ルールはありましたが、属人的な業務処理が多数発生し、その結果非効率で統制力のない業務管理となっておりました。

そこで、基幹業務を担うシステムをERP「GRANDIT」にリプレイスし、経営管理全体の統合システム化を図りました。

なぜ企業はERPを選択するのか?(プロジェクト型ビジネス企業編) 1図1:ERP「GRANDIT」導入効果をBefore/Afterで比較

図1は個別パッケージソフトによる現行業務の問題点と「GRANDIT」導入による効果を示してます。これにより、伝票処理業務の省力化や内部統制の強化など、間接業務に関わるコストの低減に成功し、プロジェクト採算管理レベルの向上と可視化を実現しております。

プロジェクト型ビジネス企業のERP導入事例

その他のプロジェクト型ビジネス企業では、実際どのようにERPを利用しているでしょうか。今回は、ほとんどの業務をパッケージ標準機能で使用し、BPR(Business Process Re-engineering:ビジネスプロセス・リエンジニアリング=業務改革)の手段としてERP導入を試みた導入事例をご紹介します。

当初は属人的で、部門によってバラバラ、統一されていない状態である「慣れ親しんだやり方で個別最適化された業務プロセス」でしたが、GRANDIT導入により「迅速な経営判断を可能にする、業務プロセスの標準化」に成功した事例です。

導入事例記事には書かれておりませんが、本ユーザは今年バージョンアップも行っており、プロジェクト進行基準や国際会計基準などの業務要件もパッケージ標準機能としてご提供しております。

プロジェクト型ビジネス企業へのGRANDIT導入事例:ANAシステムズ株式会社 様

バックオフィス業務改善ならシステムインテグレータ

多くの企業で人手不足が大きな課題となっていますが、バックオフィス業務にはいまだに属人化した作業やアナログ業務が残っており、企業の成長と発展を阻む大きな壁となっています。
バックオフィスの業務プロセスを最適化することで、コスト削減や属人化の防止だけでなく企業全体の生産性向上にもつながります。
当社はERPをはじめとする情報システムの豊富な導入実績をもとに、お客様一人ひとりのニーズに合わせた最適な改善策を提案します。業務の洗い出しや問題点の整理など、導入前の課題整理からお手伝いさせていただきます。
バックオフィス業務にお悩みをお持ちの方は、お気軽に株式会社システムインテグレータまでご連絡ください。

まとめ

プロジェクト型ビジネス企業ではプロジェクト管理が業務の中心です。“中心”ということは、業務面で周囲に多くの関係ある業務が存在することになります。プロジェクト管理の周りにも「見積」「契約」「原価」「売上」「実行予算」などの関連する業務がありますが、これをERPに切り替えることで、経営全体の業務最適化を図る企業が非常に多くなってきています。

弊社が取り扱うERPパッケージ「GRANDIT」は、プロジェクト型ビジネス企業の多様な業態に対応しており、「計画通り以上」の成果実現を支援します。プロジェクト型ビジネス企業向けERPパッケージ導入を検討される場合には、お気軽にお問い合わせください。

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