総務省が毎年公表している最新の情報通信白書(令和元年版)では「進化するデジタル経済とその先にあるSociety 5.0」の中で、デジタル経済の進化の先にある社会を「Society 5.0」として、その在り方を展望しています。
本ブログでは「Society5.0」実現のキーであるICT(情報通信技術)に焦点を当て、それがERPに与える影響なども述べていきます。
「Society5.0」の社会とは
平成が終わり令和の時代が始まりましたが、「デジタル経済においてはデータが価値創出の源泉となるとともに、ICTが経済活動の根本となるコスト構造を変革」しようとしています。企業ではコスト構造変革を実現するコア技術としてICTを位置づけ、実際より多くの投資をICT対象にして始めています。
我が国では、こうしたICTを活用した「新たな働き方」により「経済発展と社会的課題の解決」を目指す社会を「Society5.0」として推奨しています。
「Society5.0」では、ICTと現実空間が 溶け合い、ICTによるつながりを活かすことで、社会の全体最適を実現しようとしていますが、特に以下の2点に注目しています。
・データが価値創出の源泉
・時間/場所/規模の制約を超えた活動が可能
以下にそれぞれに対するICTの役割とERPとの連携について述べていきます。
データが価値創出の源泉
コンピュータの高性能化・低価格化や5Gに代表される通信インフラの発展・普及により、膨大なデータ(ビッグデータ)を収集することができるようになりました。従来では人ではできなかったビッグデータの分析も、AIが人の代わりに実行し、かつ「未知の発見」を行うことで、データを「価値創出の源泉」に変える社会の実現が近づきつつあります。
情報通信白書では先進事例として、小松製作所が建設生産プロセス全体を最適化する「スマートコンストラクション」を挙げています。
(出典:未来投資会議資料)
建設機械に取り付けられたセンサーから収集する様々なデータの他に、測量/設計図面/地質データから、正確な施工計画や進捗管理を行うと共に、問題発生の際にはAIが最適な対処方法を提案する仕組みとなっています。
ERPとの関連性はどうでしょう。このような建設現場で発生する業務に関しては、ERPは得意分野ではありません。しかし、ビッグデータと企業経営を支えるバックオフィス業務などERPとの連携は非常に重要です。
例えば、プロジェクト作業ごとに発生する労務費・材料費・外注費の集計を行い、実行予算との比較を行う原価計算など、これまで人手で生み出していたデータそのものをICTが生み出すビッグデータの活用により、データを生み出すための業務プロセスそのものをオートメーション化することが可能です。
このようにERPは現場からバックオフィスまでの業務全体の最適化を支える「要」となることが想定されます。
時間/場所/規模の制約を超えた活動
インターネット利用によるIOT(モノのインターネット)の普及により、時間・場所を超えたグローバルビジネスが容易に実現可能になります。
アマゾンに代表される多品種少量の「ロングテール市場」に関しても、ICTによるコスト構造の変革により、小規模(小ロット)である個人個人のニーズに合わせた商品を安価に提供しています。
こういったグローバルビジネスの中で、ERPは受注・購買・保管配送・売上といった基幹業務を一手に引き受けると共に、個々のデータを集積することにより「ビッグデータ」を構築しています。
いわば、ERPはICTを用いて海外企業や消費者をも、そのバリューチェーンに組み込んでおり、社会の「プラットフォーム」として「デジタルトランスフォーメーション」の実現に寄与しています。
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最後に
ICTにより、人間の「可能性」が大きく強化される中で、企業における基幹業務の内容も変化しつつ強化されてきています。そういった変化の中で、「Society5.0」では、基幹システムに対して、取引先や消費者をも巻き込む社会全体での最適な仕組みの実現が求められています。
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出典:「令和元年版情報通信白書」(総務省)より作成