中小企業向けおすすめERP11選!選び方や比較ポイントを解説

 2024.12.24  株式会社システムインテグレータ

企業間の情報管理が重要視される現代、多くの経営現場で「ERP(Enterprise Resource Planning)」が広く導入されつつあります。ERPは、資源要素(ヒト・モノ・カネ・情報)を一元的に管理し、配分を最適化する経営戦略を指します。導入当初は、このようなシステムを利用できるのは主に大企業に限られていました。しかし、近年では中小企業向けに適したERPシステムも数多く登場し、その普及が進んでいます。

そこで本記事では以下のポイントについて詳しく解説します。

  • 中小企業にERPは本当に必要なのか?
  • 中小企業がERPを導入するメリットとデメリット
  • 中小企業におすすめのERPシステム3選
  • 中小企業におすすめのERPを比較紹介

これらの内容を通じて、中小企業が直面するさまざまな課題に対する解決策や、ERP導入のメリット、注意すべきポイントについて詳しく説明していきます。

ERPとは?対象範囲は?

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「ERP」とは、「Enterprise Resource Planning」の略称です。

ERPは、ヒト・モノ・カネといった企業の経営資源を統合的に管理し、効率化を図るための概念を指します。この考えをもとに構築されたシステムが「ERPシステム」または「ERPパッケージ」と呼ばれます。本ブログでは、これらをまとめて「ERP」と記述します。

ERPは、財務管理、人事管理、在庫管理、販売管理など、企業活動に関わるデータを一元化し、効率的な管理を実現します。これにより、業務全体の透明性が向上するとともに、部門間の情報共有が円滑になり、生産性を大幅に向上させることが可能です。

中小企業におけるERP導入の利点と課題

中小企業においてERP(Enterprise Resource Planning)は、導入のハードルが高いと考えられがちです。特に、初期投資や運用コストが大企業に比べて相対的に重く、「自社の規模では必要ないのでは?」という意見が一般的です。しかし、競争環境が急速に変化する現代では、中小企業こそERP導入の効果を最大限に活用できる可能性があります。

利点

業務効率化

ERPを導入することで、財務、在庫、販売、調達といった多岐にわたる業務を統合的に管理でき、情報の一元化が図れます。これにより、従業員の手作業削減やデータの重複排除が可能となり、生産性向上に直結します。

意思決定の迅速化

中小企業では、経営層が現場との距離が近い一方で、リアルタイムデータを十分に活用できていないケースが多々あります。ERPを導入すれば、売上、在庫、顧客情報などをリアルタイムで可視化できるため、データに基づく迅速かつ的確な意思決定が可能になります。

競争力の強化

顧客ニーズの変化に迅速に対応するには、柔軟かつ標準化された業務プロセスが必要です。ERPはその基盤となり、中小企業が市場の変化に対応できる体制を構築します。

課題

コスト負担

ERP導入にはライセンス費用、カスタマイズ費用、トレーニングコストが発生し、中小企業にとって大きな経済的ハードルとなります。

運用の複雑さ

ERPの運用には一定のITスキルが必要であり、適切な人材やサポート体制がない場合、十分に活用できない可能性があります。

スケールの適合性

中小企業の業務規模に合わないERPを選ぶと、過剰な機能や複雑な仕様が逆に業務負担を増やしてしまうリスクがあります。

 

中小企業にとってERPは、競争力を高める上で重要なツールと言えます。しかし、**「導入の目的を明確にし、自社の規模やニーズに合ったERPを選択すること」**が成功の鍵となります。近年では、中小企業向けに特化した軽量なSaaS型ERPや、モジュール単位で段階的に導入できる製品も増加しています。これらの選択肢を活用することで、過度なコスト負担を避けつつ、業務効率化や競争力強化といったメリットを最大限に享受できるでしょう

中小企業におすすめのERP導入形態

中小企業においてERP(Enterprise Resource Planning)は、導入のハードルが高いと考えられがちです。特に初期投資や運用コストが大企業と比較して相対的に負担となりやすく、「自社の規模では必要ないのでは?」という考え方が一般的です。しかし、競争環境が急速に変化する現代においては、中小企業こそERP導入の効果を最大限に活用できる可能性があります。ポイントを押さえ、適切な導入形態を把握すれば、負担を抑えて導入を進めることが可能です。

クラウド型ERP

クラウド型ERPとは、インターネット上で利用可能なERPシステムのことです。初期投資を抑えられることや運用の手間が軽減される点で、中小企業にとって魅力的な選択肢です。

中小企業に適しているポイント
  1. 低コスト・柔軟な価格モデル

    サブスクリプション形式で利用できるため、予算に限りのある中小企業でも導入しやすい特徴があります。また、ITインフラの構築が不要で、初期費用を大幅に削減可能です。

  2. 運用の手軽さ

    システム管理やアップデートはベンダーが対応するため、専任のIT担当者を必要とせず、限られたリソースで運用可能です。

  3. 短期間で導入可能

    テンプレート化された導入プロセスにより、短期間で利用を開始できます。時間が重要な中小企業にとっては大きな利点です。

  4. スケーラビリティ

    企業の成長に合わせて機能やユーザー数を柔軟に拡張できるため、成長志向の中小企業にも適しています。

業界特化型ERP

業界特化型ERPとは、特定の業界に必要な機能があらかじめ実装されたERPシステムのことです。中小企業が抱える個別の業務課題を解決するのに最適です。

中小企業に適しているポイント
  1. 業務に必要な機能だけを提供

    大規模ERPにある不要な機能を省き、自社の業務に特化したシンプルな機能を備えています。例えば、製造業向けには生産管理、小売業向けには在庫・店舗管理に特化した製品があります。

  2. 導入期間の短縮

    業界固有の課題に対応済みの設計がされており、カスタマイズの必要が少ないため、迅速に導入が可能です。

  3. コストパフォーマンスが良い
    必要最小限の機能で運用できるため、コストを抑えることができます。特に特定業務に集中している中小企業にとっては非常に効果的です

中小企業にとって、クラウド型ERPと業界特化型ERPは、コストや運用負担を抑えつつ、必要な機能を効率的に導入できる理想的な選択肢です。企業の規模や業種、成長フェーズに合わせて、自社の業務課題を効果的に解決できるタイプを選ぶことが成功の鍵となります。

初期段階では、クラウド型ERPの基本プランを導入することで、低コストで迅速に運用を開始できます。その後、企業の成長やニーズの変化に応じて、業界特化型ERPの追加機能やモジュールを組み合わせるハイブリッドアプローチを採用することで、柔軟かつ効果的なシステム運用が可能となります。

▼参考記事

クラウドとオンプレミスの違いをERPの種類別に解説

中小企業がERPを導入する際の比較ポイント

それでは、実際にERPを導入する際にどのような点を考慮すれば良いのか、主なポイントをご紹介します。

自社の改善したい業務に適しているか

ERPには、汎用的なものから特定業種に特化したものまで、さまざまな種類があります。まずは自社の業務を洗い出し、どの業務を効率化したいのかを明確にしましょう。

例えば、人事、会計、販売といった基幹業務も企業によって重点が異なります。

自社がどのような運用を実現したいのかを具体化し、それをサポートできるERPを選定することが重要です。

コストと機能のバランスは問題ないか

ERPは、保有する機能が豊富であるほど高額になる傾向があります。また、費用は以下の要素によって大きく異なります。

  • カスタマイズの範囲
  • オンプレミス型かクラウド型か

豊富な機能があっても、使わない機能が多ければコストが無駄になります。一方、低価格でも必要な機能が不足している場合、ERP導入の目的が果たせません。自社が実現したいことを明確にし、コストと機能のバランスを慎重に見極めましょう。

ベンダーの経験は十分か

ERP導入は、既存のシステムや運用方法を一新する大きなプロジェクトです。特に、データの統合管理を行うERPは、導入による影響範囲が広がるのが一般的です。

そのため、十分な知識やノウハウを持ったベンダーからのサポートが不可欠です。また、必要に応じてERPコンサルタントを活用することで、企業の課題解決を円滑に進めることができます。

それでは、実際にERPを導入する際にどのような点を考慮すれば良いのか、主なポイントをご紹介します。

自社の改善したい業務に適しているか

ERPには、汎用的なものから特定業種に特化したものまで、さまざまな種類があります。まずは自社の業務を洗い出し、どの業務を効率化したいのかを明確にしましょう。

例えば、人事、会計、販売といった基幹業務も企業によって重点が異なります。

自社がどのような運用を実現したいのかを具体化し、それをサポートできるERPを選定することが重要です。

コストと機能のバランスは問題ないか

ERPは、保有する機能が豊富であるほど高額になる傾向があります。また、費用は以下の要素によって大きく異なります。

  • カスタマイズの範囲
  • オンプレミス型かクラウド型か

豊富な機能があっても、使わない機能が多ければコストが無駄になります。一方、低価格でも必要な機能が不足している場合、ERP導入の目的が果たせません。自社が実現したいことを明確にし、コストと機能のバランスを慎重に見極めましょう。

ベンダーの経験は十分か

ERP導入は、既存のシステムや運用方法を一新する大きなプロジェクトです。特に、データの統合管理を行うERPは、導入による影響範囲が広がるのが一般的です。

そのため、十分な知識やノウハウを持ったベンダーからのサポートが不可欠です。また、必要に応じてERPコンサルタントを活用することで、企業の課題解決を円滑に進めることができます。

関連ブログ:ERPコンサルタントが担う役割とは?活用の重要性や必要スキルを紹介

サポートは充実しているか

ERPを活用するうえで、トラブルが発生した際に迅速かつ十分なサポートを受けられるかどうかは非常に重要です。ERPは企業活動に欠かせない業務に深く関わるため、問題発生時には迅速な対応が求められます。

ベンダーが提供するサポート範囲や対応スピード、サポート体制が充実しているかを事前に確認しましょう。

関連ブログ:ERPコンサルタントが担う役割とは?活用の重要性や必要スキルを紹介

中小企業におすすめのERP

中小企業はERPを導入すべき?メリット、課題、おすすめ製品をご紹介 5

ここからは具体的に中小企業へおすすめできるERPを11つご紹介します。

1.GRANDIT サブスクリプション

経理、債権、債務、販売、調達・在庫、製造、人事、給与、資産管理、経費の10モジュールを利用でき、オンプレミス型、クラウド型を選択して導入することができます。

導入実績は1,200社を超え、ERP導入に実績のあるシステム会社13社が集結し、多彩な業務ノウハウを集大成させた次世代コンソーシアム方式を採用しており、優れたコストパフォーマンスが特徴です。

ユーザー指定のインフラ環境を構築できるほか、Microsoft Azure環境と併せて提供することもできます。多言語・多通貨対応によって海外のグローバル企業にも対応できるでしょう。柔軟性の高いERPです。

2.奉行VERP

国内企業に求められる高い業務水準を網羅しているERPです。製品ラインナップはERP業界No.1ともいわれており、会計、固定資産、人事、労務、販売管理など業務アプリケーションごとのシステム構築が可能です。ユーザーが必要とする業務だけを選び、必要な機能のみ導入することができます。

外部との連携に対する柔軟性も高く、データ連係、アダプタ機能、API連携など、エンジニアが持っているようなプログラミングのスキルが無くとも、データ連携処理が自由に作れるので、様々なクラウドサービスとシームレスにつながることができるでしょう。

また認定インストラクターが6,000人近くおり、情報セキュリティの評価基準ISO15408を認証取得しています。タンドアロン、オンプレミス、クラウドから利用環境の選択が可能です。

3.GRANDIT miraimil

GRANDIT miraimilは経理や販売、調達在庫など、中小企業が主要とする基幹業務の機能を備えた統合型クラウドERPです。商社・卸売業・IT・情報サービス業に特化するなど、日本の商習慣に合わせた機能になっているため、細かい設定をしなくてもすぐに利用開始できます。

また、クラウドサービスでの提供となるため、導入から利用開始をスピーディに、かつ安価で実施できます。

4.マネーフォワード クラウドERP

マネーフォワード クラウドERPは、財務会計管理から人事労務管理など、バックオフィス業務全体を統合管理できるクラウドERPです。

スモールスタートや短期導入が可能なERPで、最短1ヶ月で導入が可能です。

また、「経理系業務」や「人事系業務」など、サービス単位での導入が可能なため、必要な機能のみ選んで導入することが可能です。

5.クラウドERP ZAC

ZACは900社を超える導入実績を持つクラウドERPです。案件・プロジェクト型ビジネス向けの機能を多く備えており、プロジェクト管理を得意としています。

リアルタイムの損益管理や、プロジェクトごとの収支管理を行うことができ、スピーディな経営判断に役立ちます。

6.クラウドERP freee

クラウドERP freeeは経理業務に特化したERPです。会計や経費精算、請求書などで細かくサービスに分かれており、自社の環境や課題に応じて適したプランを選択することができます。

予算に応じて導入が可能なため、個人事業主から中堅・中小企業まで幅広く活用されています。レポート機能や分析機能が充実しており、分析結果を経営活動に活用することもできます。

7.Clovernet ERPクラウド

Clovernet ERPクラウドはNECネクサソリューションズが提供するERPです。財務会計から販売管理、在庫管理、勤怠管理まで、中小企業のバックオフィスをまとめて効率化することが可能です。

システムのインフラ管理や保守、バージョンアップや法令対応もすべて行ってくれるため、社内でのシステム管理負荷も軽減できます。 

8.GEN

GEN(ジェン)は中小企業向けの純国産クラウドERPです。販売管理や在庫管理、生産管理などをブラウザで一元管理できます。

商社やアパレル、ITサービス、工場など、各業種の商習慣にフィットした業界別サービスを7つ提供しています。

画面やマスタの追加、入力項目の追加など、コーディング不要でカスタマイズを自由に行うことができます。

9.Oracle NetSuite

Oracle NetSuiteは、Oracle社が提供する中堅・中小企業向けの海外産クラウド型ERPです。世界で37,000社以上の導入実績を持ち、製造業、サービス業、流通業、金融業など、幅広い業種に対応可能な豊富な機能を備えています。BI機能が標準搭載されており、最新の売上状況や財務状況をダッシュボードでリアルタイムに確認できるため、迅速な経営判断をサポートします。

また、Oracle社は大手企業向けに「Oracle Fusion Cloud ERP」も提供しており、企業の規模やニーズに応じた選択が可能です。

10.Reforma PSA

ReformaPSA(レフォルマ ピーエスエー)は株式会社オロが提供するクラウドERPです。「販売管理」「購買管理」「勤怠・工数管理」「経費管理」を統合して管理することができます。

クラウドERP「ZAC」で培ったノウハウをもとにIT・広告・WEB制作などの商習慣に特化させることでコストダウンを実現しています。

11.スーパーカクテル

スーパーカクテルは、食品業界やプロセス型製造業を中心に、幅広い業種に対応するERPです。生産管理機能をはじめ、販売管理や在庫管理を統合し、業務効率化とデジタル化を支援します。

オンプレミスとクラウド型の両方で提供され、地方企業のデジタル化を促進しています。特にインボイス制度対応やIT導入補助金の活用事例が多い点が特徴です。

まとめ

業種や規模によってマッチするERPは異なります。会社の組織規模や自社の既存業務との適合性を考え、自社とマッチするERP製品を選ぶことが業務の効率化につながるでしょう。

会社の従業員たちが管理・運用しやすい現場のユーザビリティを追求し、慣れないシステムから業務効率化を図れないなど、逆にコスト増にならないように注意することが大切です。ERPにお悩みであれば株式会社システムインテグレータにお任せください。

また、中小企業にもマッチするであろう、国産のERPを比較した資料をご用意しました。
ERPを検討する上で、必ず比較するポイントについてマトリクス形式でまとめ、ERPを比較検討する上で考慮すべき基本的なポイントや、押さえておきたいポイントなどもまとめております。ご検討にぜひお役立てください。


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