クラウドとオンプレミスの違いをERPの種類別に解説

 2020.01.06  株式会社システムインテグレータ

経営情報の可視化、運用負担の軽減、データ活用の促進など、ERPにはビジネスに大きな変革をもたらし、競合優位性を手にするためのシステムを構築する力があります。10年前まで「ERPは大企業が導入するもの」という認識が強かったですが、最近では事業規模に関わらず幅広い企業がERP導入に取り組んでいます。
その理由が、「クラウドERPの台頭」です。オンプレミスではないクラウドを活用したERPは、従来のERPにはなかったさまざまな利点があり、ERP導入や運用の敷居を大幅に下げてくれました。
本稿では、クラウドERPの種類を解説し、さらにオンプレミスとの違いを比較します。これからの時代、どのようなERP導入を目指すことがベストなのか?そのヒントにしていただければと思います。

クラウドERPの種類

クラウドERPというのは、分かりやすく言えば「インターネット上で利用できるERPシステム」のことです。
従来のERP導入といえば、ERPベンダーよりソフトウェアライセンスを購入し、自前で調達したサーバーにインストールし、ネットワークを構築してシステムを利用するというのが一般的でした。
一方、クラウドERPがSaaSとして提供される場合には、ソフトウェアライセンスの購入やサーバーへのインストール、ネットワークの構築といった一連の作業は不要になります。ただし、一口にクラウドERPといってもいくつか分類があります。ここではその種類を確認していきましょう。

クラウド上に構築するERP

このタイプのクラウドERPは、ソフトウェアライセンスを購入することやサーバーを調達するといった点では、従来のERP導入と同じです。ただし、ERPはクラウド上に構築します。さらに「パブリッククラウド」と「プライベートクラウド」の2つに分類され、それぞれに特徴が異なります。

パブリッククラウド

複数のユーザーで同じリソースを共有するマルチテナント型のクラウドです。とはいっても、インフラ環境は仮想的に分断されているため、個別のリソースは用意されています。パブリッククラウドの特徴は何より安いことです。クラウドベンダーはサーバーのリソース消費を全体通して均一化することで通常よりも安価にサービスを提供できます。ただし、場合によっては他社からの干渉を受けて、パフォーマンスが低下するなどの問題もあります。

プライベートクラウド

自社専用のリソースとして利用できるのがプライベートクラウドです。パブリッククラウドに比べて価格は高くなりますが、他社からの干渉を一切受けず、自社向けのワークロードのみが稼働するメリットがあります。
パブリッククラウドとプライベートクラウドの違いを分かりやすく言い表すならば、分譲マンションと一軒家をイメージしていただくと分かりやすいと思います。

ERPに関するお役立ち資料

SaaSサービスとして利用するERP

SaaSとは「Software as a Service」の略であり、サービスとしてのソフトウェアという意味です。つまり、インターネットを通じてソフトウェアをサービスとして提供しているものを指します。SalesforceのCRMやDropBoxなどを想定するとわかりやすいでしょう。
SaaSサービスは料金体系が非常にシンプルかつ安価なことで人気を集めています。また、サーバー調達やソフトウェアインストールといった導入の手間がかからないため、IT技術者が少ない環境でも導入しやすいのが特徴です。ただし、SaaSサービスは機能まで含めてパッケージされているため、基本的にユーザー側で細かくカスタマイズすることはできません。

代表的なクラウドERP

ここで、代表的なクラウドERPをご紹介します。

GRANDITクラウドサービス

国産ERPとして実績の高いGRANDITをクラウド上で運用するサービスです。AWS、Azure、IIJ GIOのほか、様々なクラウドプラットフォームを選択することが可能です。中堅・大企業を対象としており、PaaS/IaaSサービス型のクラウド提供になります。柔軟性・拡張性・耐障害性・保守性・経済性に優れており、環境に応じてさまざまなカスタマイズを加える事ができます。

https://products.sint.co.jp/grandit

Microsoft Dynamics 365

マイクロソフト社が提供するSaaSサービス型のクラウドERPです。顧客管理と営業支援を中心として複数の業務アプリケーションと、AIの搭載やAzureで提供されるサービスとの連携を売りにしています。その他、Office365などマイクロソフト社製品との相性が良いのも特徴です。

https://dynamics.microsoft.com/ja-jp/

Oracle NetSuite

クラウドERPベンダーとして20年以上の実績があるSaaSサービス型のクラウドERPです。基幹業務を網羅したシステムに、独自の開発プラットフォームを提供することでカスタマイズ性を高めた製品です。

https://www.netsuite.co.jp


この他にもクラウドERPは多数提供されています。それぞれに異なる特徴があり、サポート体制も違うため、「自社に最適なクラウドERPは何か?」を慎重に検討しながら選ぶことが重要になります。

クラウドERPとオンプレミスの違い

結局のところクラウドERPとオンプレミスの違いは何なのか?オンプレミスでのERP導入にメリットはないのか?その様な気になる疑問を踏まえ、以下の比較表を見ていきましょう。

  クラウドERP オンプレミス
初期投資 サーバー調達やネットワーク構築は不要であり、導入期間も短いため初期投資は安価 サーバー調達、ネットワーク構築、ソフトウェアインストール、パラメータ設定など導入までの作業項目が多く、パートナーのコンサルを必要とし、導入期間も長いため初期投資は高額
コスト形態 経費として毎月の支出に加算できる 資産として減価償却処理を行う
運用費 システム運用はベンダー任せにできるが、月々(毎年)の契約料金が発生するため、環境によって一概に安いとは言えない。契約及び運用期間によっては、オンプレミスの初期費用を超える場合も ベンダーに支払う保守運用費、物理的なサーバーメンテナンスやアップデート対応などを考慮すると、システム運用費は高額になりがち
運用負担 物理的なサーバーメンテナンス等はすべてベンダー任せにでき、システムアップデートも自動的に行われるので運用負担が少なく、戦略的な運用に集中できる 物理的なサーバーメンテナンスやシステムアップデート、その他必要に応じた対応が必須であるが、自社独自の細かな運用設定ができる
カスタマイズ 提供されるERPによりカスタマイズの自由度は異なるが、オンプレミスのERPに比べて制限があるケースが多い。ただし、GRANDITのようなソフトウェアをクラウド基盤に設定する場合には、既存の柔軟なカスタマイズが可能となる カスタマイズの自由度は非常に高く、可能な限りビジネス要件を満たせるがアドオン開発の肥大化に注意が必要
セキュリティ クラウドベンダーが提供するセキュリティ要件で決定される 閉じられたネットワークの中で利用するためセキュリティ性は自然と高くなるが、自社責任においてセキュリティを強化する必要がある
インフラ調達 管理画面から操作するだけで、最短数分で仮想サーバーをインスタンス化でき、インフラ調達が非常に安易 拡張の必要性が生じてから実際にインフラを調達するまで時間がかかる
システムとの連携 他システムとの連携に制限がある場合が多いが、最近ではクラウド間連携のサービスが豊富にある インターフェースを自由に構築することで、あらゆるシステムとの連携が可能になる
耐障害性 クラウドベンダーが運用のすべてを行っているので、ベンダーの運用形態に依存する 自社独自の対応なのでコストはかかるが、インシデント管理体制を整えれば障害時も素早い回復が可能
可用性(冗長化) 複数の仮想環境をインスタンスしても低コストであり、冗長化が容易である 別途、冗長化環境の構築が必要なので高額化しやすい
災害復旧(DR) データセンターの所在地によって災害復旧性を高めることができ、海外リージョンを選択してリスクを回避することも可能 データセンターの所在地による

いかがでしょうか?クラウドERPとオンプレミスは、それぞれメリットもデメリットも併せ持ちます。どちらがベストかは、企業が求める要件によっても異なりますが、昨今のクラウドファーストを考慮すると、まずはクラウドERPから検討してみるのも良いかもしれません。皆さんなら、クラウドERPとオンプレミス、どちらを選択しますか?

もし、検討を開始される場合には、弊社までお気軽にお問い合わせください。

国内ERPパッケージ比較表

新規CTA
新規CTA

RELATED POST関連記事


RECENT POST「ERP導入」の最新記事


この記事が気に入ったらいいねしよう!
新規CTA
【大阪開催】多様な働き方を支援する “進化系” ERP GRANDITハンズオンセミナー
失敗から学ぶERP導入プロジェクトの進め方

RANKING人気資料ランキング

RECENT POST 最新記事

RANKING人気記事ランキング