ERPとは?意味や導入のメリット、基幹システムとの違いも解説

 2021.02.07  株式会社システムインテグレータ

ERPとはEnterprise Resources Planningの略で企業資源計画のことです。しかし、ERPは計画そのものを表す使い方よりも、企業の基幹業務システムを指す言葉として使われることも多いです。

本記事では、

  • ERPとは?基幹システムとの違いについて
  • ERPシステムの種類やメリット
  • ERPパッケージの比較に必要なポイント

これらの内容を主に、ERPの基本から基幹業務を効率よく行うためのERPシステムについて詳しく説明していきます。

ERPのキホン~ERPの基礎からDXへの活用まで徹底解説~

ERPとは?

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企業資源計画とは具体的に何をすればいいのか?計画を立てることによってどんな影響があるのか?などの疑問が浮かぶのではないでしょうか。

まずはERPについて詳しく知るために、概念、背景、定義を整理しておきましょう。繰り返しになりますが、ERPとは概念のことであって、システムそのものを表しているものではありません。間違えやすい部分ですので、情報を整理していきます。

ERPの概念

ERPすなわち企業資源計画とは、保有している経営資源を有効的に活用するために、統合化や効率化を図るための計画・概念のことです。社内における業務全体を把握し、現場レベルではなく、経営レベルの大きな視点で最適化を図る考え方のことを表しています。

諸説ありますが、ERPが生まれた背景はMRP(Material Resource Planningの略)資材所要量計画が発展したものだと考えられています。生産管理手法であるMRPに会計や労務といった管理業務まで含めたものが今のERPです。

▼ERPの概念や変遷をより詳しく知りたいという方はこちら

ERPとは何か?MRPとの違いや、管理手法の変遷を解説

ERPと基幹システムの違い

ERPと基幹システムの違いは「経営視点による最適化」か「現場視点による最適化」の違いがあります。もう少し掘り下げると、ERPは経営基盤を安定させ強化させる考え方のことで、基幹システムは特定の現場業務を効率化するシステムのことです。

基幹システムは基幹業務そのものの効率化を目指すITシステムなので、会計管理システムや原価管理システムなど、業務ごとのシステムが構築されています。そのため、基幹システムはERPの一要素ということになります。

効果的なERPを実現するためには基幹業務だけをいくら効率化しても、売り上げを増やしたり、会社の効率性を増したりすることは不可能でしょう。基幹業務を効率化し、原価や人件費など様々な数字を分析、細かなPDCAをまわしていくことで成果が見込めます。

ERPパッケージは基幹業務も含めた会社全体の作業、原価、設備などをデータベースで一元管理し、広い視野を持って経営判断をサポートすることができるシステムです。

ERPのクラウド型とオンプレミス型の違い

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ERPの概念やシステムの意味を整理したところで、次はERPのクラウド型とオンプレミス型について説明していきます。以下の表にそれぞれの特徴をまとめましたのでご覧ください。

 

クラウド型

オンプレミス型

特徴1

オンラインサーバーによってシステムを利用するためコストがかからず、設備をあらたに追加する必要がないので、スピーディに導入ができる。

自社に専用のハード機器を置くため導入コストや期間がかかってしまうが、一般的なインターネット環境と切り離して運用ができるので、セキュリティが強力。

特徴2

インターネットにつながっている媒体であれば操作可能。例えばパソコンだけでなくスマホからも操作ができるなど。

自社独自のシステムを構築できるので、細かいところまで自社専用にカスタマイズできる。

注意点

セキュリティも含めて、システムの全てを提供するベンダーに依存してしまう傾向がある。

導入コスト、ランニングコストがかかり、一度導入すると簡単には変えにくい。

クラウド型はオンラインで全て完結できるので、システムの導入ハードルが低くなります。万が一、自社とシステムの相性が合わない場合でも、サブスクリプションモデルが多いので、すぐにシステムを変更することも可能です。手軽に素早く導入できるメリットは強く、クラウド型のERPの人気は年々高まっています。

対してオンプレミス型は独自のネットワークで繋ぐことができるので、セキュリティ面で強固になるのとカスタマイズ性が高いです。しかし、導入までに必要な期間が長く1年以上かかってしまうこともあり、専門的な知識を持ったエンジニアが必要になる場合もあります。

▼クラウド型とオンプレミスの違いは詳しくは以下の記事をご覧ください

クラウドとオンプレミスの違いをERPの種類別に解説

ERPのメリット

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ERPを導入すること得られるメリット大きくは3つです。

失敗から学ぶERP導入プロジェクトの進め方
新規CTA
  • 会社の情報を一元管理できる
  • 業務効率がアップする
  • 成功企業のノウハウを活用できる

会社の情報を一元管理することによって、経営判断に必要な情報をオンタイムで知ることができます。経営者にとって情報の鮮度と確度は重要です。膨大な量のデータが一つのシステムに統合され、ダッシュボードによって視覚的に一目でわかるようになっていれば、分析や判断することに集中することができるでしょう。

また、情報を一元管理するためには、全ての業務をシステムで連携し統合させることが必要です。そうすることによって、システム同士の有機的な連動ができるようになり、業務の効率化にもつながります。

例えば「契約書や見積書は一度発行すれば、複数の工程で入力しなくても共有できるようになる」ようなことです。最大の効率化とは、ミスを防ぎ余計な手間を無くすことでもあります。全ての業務が一つのシステムによってつながることで無駄な作業がなくなります。

このようなメリットは、成功企業のノウハウが詰まっているシステムを導入するからこそ得られます。ERPは確かな成果が見込めるシステムでなければなりません。成功企業のベストプラクティスを活用できるのもERPの大きなメリットです。

ERPパッケージと導入費用

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ERPパッケージというのは、必要と考えられる機能が搭載されたERPのことを表しています。

受託開発でゼロから作り上げるERPのことをフルスクラッチと表現しますが、熟練したエンジニアがいるなど、仕組みを熟知した人材が必要になります。余程の理由がない場合は、情報の一元管理や業務効率化はパッケージ化されているもので可能です。

以下、ERPパッケージを4種類に分け、その違いについてまとめます。
実際に導入を考える際の参考にしてみてください。

ERPパッケージ種類

  1. 統合型
  2. コンポーネント型
  3. 業務ソフト型
  4. クラウド型

また共通する導入費用についてですが、ERPの導入費用を構成するものは、主に、ライセンス費用とシステムを設定するための導入設定費用が必要です。

他にもシステムを使えるようになるためのトレーニング費用や、オンプレミス型であれば、ハードウェア費用やシステム自体の開発費費用なども必要になります。必要最低限の機能を備えた最小のパッケージだと、おおよそ500万が相場です。

価格構成を詳しく知りたい場合はこちらの記事をご参照ください。

ERPライセンス価格と体系

1.統合型ERP

基幹業務や経営判断に必要なシステムをカバーしているERPです。基本的にはERPと言えば統合型のものを示すのですが、後述するコンポーネント型や業務ソフト型のように企業形態や規模に応じて導入することもできます。

2.コンポーネント型ERP

コンポーネントとは「部品」や「構成要素」という意味で、必要な要素だけを選んで組み合わせて使用することができるERPを表しています。運用導入後、他に必要なシステムができた場合は追加することも可能です。

3.業務ソフト型ERP

特定の業務に特化し、一つの業務に関するデータのみ一元化することを目的に導入するERPです。導入費用が安価におさえられるので、小規模事業者が導入を検討することが多いタイプでもあります。

4.クラウド型ERP

導入コストが安く、すぐに使用できることからERPや管理システムといったITシステムソリューションを身近にしたのがクラウド型です。

過去ERPのような管理システムは、オンプレミスでしか導入できませんでした。しかし、インタネーネットやクラウド環境が整ったことで、クラウド型ERPが使えるようになり、企業が導入するハードルが下がり普及しているといえるでしょう。

ERP比較:4つのポイント

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ここでは自社に最適なERPを導入するための具体的ポイントをご紹介します。

効率化や経営判断をサポートしてくれるERPは非常に優秀なシステムですが、ネックになるのがシステム選定の難しさです。比較する際におさえておきたい4つのポイントを詳しく解説しますので、実際にシステムを選ぶ際の参考にしてみてください。

比較する際におさえておきたい4つのポイント

  1. 自社の規模と合っているか
  2. 自社の業務と合っているか
  3. 柔軟に対応することができるか
  4. 長く利用することができるか

具体的なメーカーによる比較が知りたい場合はこちらをご覧ください。

SAPだけじゃない!定番ERPパッケージの違いを比較

1.自社の規模と合っているか

ERPには、前述した統合型やコンポーネント型といった規模に応じた選び方が可能です。

ERPは企業規模によって、必要とされる機能や使用するアカウント数も違います。自社の規模に合わせたERPを選択することで、期待する効果と見合ったコストで導入することができるでしょう。

例えば、大企業であれば既に運用しているシステムを導入している可能性があるので、連携ができるか、もしくは移行がスムーズにできるものかどうかを検討する。対して、システムの導入が初めてとなる中小企業であれば、導入コストをなるべくかけず、事業規模に応じて必要な機能を拡張していけるクラウド型を優先して探す。などです。

比較をする際には、大企業向けなのか、中小企業向けなのか、という観点を持つことが大切です。

また、ERPの中には欧米で作られた製品も存在します。欧米と日本では会社の規模感も違うので、海外製でおすすめのものであっても、日本の企業には合わない可能性があるので気をつけましょう。

2.自社の業務と合っているか

ERPは提供するメーカーによって対応できるモジュール数が異なります。モジュールとはERPシステムを構成する要素で、会計経費、原価管理、人事、給与、マイナンバー管理、目標管理、勤怠管理などの機能を表しています。導入の際には、自社に必要なモジュールがあるかどうかを確認してください。

中には、モジュール以外にもBI(ビジネスインテリジェンス)ツールや、Eコマースなど外部取引先と連携する機能が搭載されているものもあります。自社の業務に合わせて必要なシステムが導入できるERPを選びましょう。

3.柔軟に対応することができるか

クラウド型とオンプレミス型を選択できるかどうか、外部ツールとの連携はどうか、カスタマイズはどれほどできるのかなど、機能の柔軟性も大切なポイントです。

利用していく中で、一度導入したシステムになんらかの機能を追加したい状況は起こりえます。その時に既存の仕組みを壊さずに柔軟に追加、編集できるERPを選びましょう。

例えば、海外展開を考えている企業の場合は、多言語・他通貨対応ができるERPがおすすめです。このように将来的にグローバルな事業展開を考えている企業であれば、海外の商売にも対応できるERPを選びましょう。

4.長く利用することができるか

大企業から中小企業まで、共通して長く利用するために重要なポイント。それは運用にかかるコストでしょう。ERPは単発的に利用するITソリューションではありません。

社内の基幹業務を効率化し経営判断を助けるという特性から、一度導入した後は根幹のシステムを変えずに長く使い続けられるかは大切なポイントです。導入後、数年で使えなくなってしまってはイニシャルコストがかかる上に、システムの再選定が必要になってしまっては大きな損失になってしまいます。

また、システムのアップデートがしっかりとできること、法改正に対応できること、テレワークのように多様化するワークスタイルにも対応できるかなど、更新性が高いことも重要です。

バックオフィス業務改善ならシステムインテグレータ

多くの企業で人手不足が大きな課題となっていますが、バックオフィス業務にはいまだに属人化した作業やアナログ業務が残っており、企業の成長と発展を阻む大きな壁となっています。
バックオフィスの業務プロセスを最適化することで、コスト削減や属人化の防止だけでなく企業全体の生産性向上にもつながります。
当社はERPをはじめとする情報システムの豊富な導入実績をもとに、お客様一人ひとりのニーズに合わせた最適な改善策を提案します。業務の洗い出しや問題点の整理など、導入前の課題整理からお手伝いさせていただきます。
バックオフィス業務にお悩みをお持ちの方は、お気軽に株式会社システムインテグレータまでご連絡ください。

まとめ

業種や規模によってマッチするERPは異なります。ERPはメーカーや対応しているシステムの種類によってもできることが違うため、選ぶことが難しいITシステムです。

本記事ではまとめきれない情報など、主に国産のERPを比較した資料をご用意しました。

国産のERPであれば、国内の商習慣にも対応した日本企業向けのERPを選択できるので、初めて導入をする企業から、既存のシステムから乗り換えたい企業まで対応できるERPが揃っています。

資料内ではERPを検討する上で、必ず比較するポイントをマトリクス形式でまとめ、考慮すべき基本的なポイントをおさえていますので、ご検討にぜひお役立てください。

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