基幹系システムって何?懸念点を解決してくれる「ERP」との違いまで解説!

 2021.05.28  株式会社システムインテグレータ

基幹系システムとは、企業にとって重要かつ必要不可欠な業務を管理するシステム群のことです。

業種や業態によって、導入する基幹系システムは異なるため、「これが基幹系システムである」と一言で定義するのは難しい部分があります。また、ERPとも混同されがちです。

本稿では、基幹系システムの概要や種類、メリットとデメリット、そしてERPとの違いなどについて具体的に解説していきます。

基幹系システムとは?

基幹系システムって何?懸念点を解決してくれる「ERP」との違いまで解説!

企業や組織にとって主要となる基幹業務を管理するためのシステムが、「基幹系システム」です。

基幹業務に関しては、こちらの記事でも詳しく解説しています。

基幹業務とは?業務内容とシステムについて解説

あるひとつのシステムを、基幹系システムと呼んでいるわけではなく、例えば財務会計システム、人事給与システム、販売管理システムなど、業種や業態によって基幹系システムとするものは異なります。

基幹系システムをうまく活用することで、業務の効率化や標準化といいったことが期待できます。また、主要な情報を一元管理、かつ可視化できるため、経営判断にも役立てることができるでしょう。

もし、基幹系システムが何らかの理由で使えなくなってしまうと、企業活動自体に大きな影響を及ぼす恐れがあります。システムが停止するだけでなく、蓄積されたデータが失われるなどの場合でも、多大な影響や損失が出る可能性もあるでしょう。

このように、企業活動を進めていく上で重要かつ必要不可欠であり、強固なセキュリティ管理が求められるのが基幹系システムです。

情報系システムとの違い

主要な業務を管理する基幹系システムの他に、業務を円滑に進めるのに便利な「情報系システム」というものがあります。

情報系システムには、スケジュール管理システムやグループウェア、メールソフト、ビジネスチャットツール、最近ではWeb会議システムなど、コミュニケーション系のシステムが含まれます。

基幹系システムとの違いは主に2つあり、1つはそのシステムが使えなくなった場合の影響度や、代替可能なものがあるかどうかという点です。

先述した通り、基幹系システムは使えなくなってしまうと、経営活動そのものに影響が及ぶ恐れがあります。一方、情報系システムは使えないことで不便はありますが、経営活動に直接影響するわけではないので、基幹系システムよりも影響度は小さいといえるでしょう。

例えば、メールソフトが使えなくなっても、ビジネスチャットツールや電話で代替可能ですし、スケジュール管理なども、一旦手書きで管理するなどといったことが可能です。

2つ目の違いは、基幹系システムのほうがより重要なシステムであるが故に、導入するとなった場合の際のハードルが高い点です。

情報系システムのほうが、比較的導入が容易であるケースが多いのが実情です。

基幹系システムと情報系システムの違いはこちらの記事でも詳しく解説しています。
「基幹系システム」と「情報系システム」の違いを徹底解説!

基幹系システムの種類

基幹系システムって何?懸念点を解決してくれる「ERP」との違いまで解説!-1

先述した通り、基幹系システムといっても決まった定義はありません。業種や業態によって異なりますし、いくつか種類があります。

どのような種類があるのか、基幹系システムの代表例をいくつかご紹介していきましょう。

在庫管理システム

在庫はいずれお金になるモノであるため、特に小売、卸売業、製造業などの業種にとっては、企業経営を左右する要素であり、厳密な管理が必要です。

そのため、在庫管理システムは基幹系システムとして位置づけられており、モノの流れや数量を正確に把握するための役割を担います。

在庫管理システムを活用することで、在庫量を正確に把握し、商品や製品を求められたタイミングで適切に提供しやすくなります。

また、在庫管理のオペレーションを標準化できる、在庫状況の問い合わせに対するレスポンスが早くできる、商品の提供までのリードタイムを短くできる、可視化によって過剰在庫の抑止力になるなどのメリットもあります。

販売管理システム

販売管理とは、モノやサービスを販売する流れから、請求、入金、支払いというようなお金の流れまでを管理することです。

業種によって多少異なりますが、販売管理システムがカバーする機能を細分化すると、受注管理、出荷管理、請求管理、仕入管理、在庫管理というように分かれています。以下は、その機能の詳細です。

  • 受注管理:見積りや受注を入力、データ出力、記録などができる機能
  • 出荷管理:受注内容から出荷依頼、出荷内容の記録や管理ができる機能

  • 請求管理:受注や出荷データをもとに請求、回収、消込の管理、記録ができる機能
  • 仕入管理:在庫状況や出荷予定の確認、発注、仕入先への支払いなどができる機能
  • 在庫管理:受注や仕入と連動、在庫状況を把握できる機能

このように、販売管理に関わる幅広い機能を備えているのが、販売管理システムです。

人事給与システム

人事給与システムは、大きく分けて2種類の機能に分類できます。

1つ目は、勤怠管理、給与計算、入退社手続きなどの労務的な機能です。勤怠情報から自動的に給与計算が行えたり、入退社時に必要な情報を一元管理できたりと、効率化を図ることができます。

2つ目は、採用活動、人事評価、役職や部署の管理など、ヒトという経営資源を適材適所に配置するための人事的な機能です。人事評価のデータや、社員一人ひとりの能力や成長度合い、配置を把握することで、人材の移動や穴埋め、教育体系構築などに役立てることをができます。

また、最近ではマイナンバー制度が始まったことによって、よりセキュリティ機能が整備されたシステムが重要視される傾向にあります。

財務会計システム

適切な税務申告や、株主などのステークホルダーへ財務情報を適正に開示するための会計を財務会計といい、そのために必要な帳票作成や財務諸表の作成など、会計処理がができるものを財務会計システムといいます。

元来、伝票作成、帳簿・帳票作成、試算表や財務諸表の作成は、それぞれ個別に作成が必要でしたが。しかしそれらを全て同一のシステムで作成、連動させることで、よりリアルタイムに正確な経営状況を把握することができます。システムを利用して作成するため、

作業工数削減や、転記ミスなどの削減にも役立つでしょう。

財務諸表だけでなく、売掛金や買掛金の管理や、請求データを売上データに連動させたり、経費精算や記帳データを取り込むことができるシステムもあります。

基幹系システムのメリット・デメリット

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基幹系システムには効率化や情報の一元化など、多くのメリットがあることは。しかし、いくつかデメリット的な面があることも忘れてはいけません。

ここでは、基幹系システムのメリット・デメリットについて、整理しながら解説していきます。

メリット

基幹系システムのメリットは、2つ挙げられます。

1つは業務効率の向上、もう1つはデータの一元化、可視化です。

例えば、販売管理システムで見積書を作成し、その見積書の内容で受注ができた場合は、その見積りデータをそのまま受注データに活かすことができます。

さらに受注データから出荷、請求、入金消込と、システム内でデータを連動させることができ、重複する処理を削減することができます。

また、上記の例のようにシステムの流れに沿って業務が進んでいるため、業務の標準化を図ることができ、人材の早期戦力化などに役立ちます。

2つ目のメリットがデータの一元化と可視化ですが、基幹システム内に主要な情報が全て蓄積されることで、情報の一元的が可能です。

管理できるだけでなく、重要な情報を常に最新の状態でで見ることができるため、迅速な経営判断に役立てられる可能性が高いと言えるでしょう。

デメリット

デメリットも大きく2つあります。

1つは、経営の根幹となるシステムのため、導入と移行のハードルが高いという点です。

基幹系システムは止まってしまうと経営に多大な影響を与えるため、入れ替え時のリスクヘッジが重要であり、そのリスクヘッジのために一時的に二重でシステムを動かす必要があるなど、業務負担が発生します。

また、今までの慣れた業務フローやインターフェースがかわるなどの一時的な負担が発生する可能性もあります。

2つ目のデメリットは、複数の基幹系システムを導入していると、情報がバラバラになって管理が煩雑化してしまうという点です。在庫管理システムや販売管理システムなど、それぞれの連携ができていないとメリットで上げた情報の一元管理も難しくなります。

この基幹系システムの懸念点に関しては、カバーできるものとしてERPがあります。

そのシステムの煩雑化を解消するERPとはいったいどういうものなのか、次章で詳しく見ていきましょう。

基幹系システムの課題を解決?「ERP」

基幹系システムって何?懸念点を解決してくれる「ERP」との違いまで解説!-3

ERPが、なぜ基幹系システムの課題を解消することができるのか、一体どのようなものなのか解説してきます。

ERPとは?

Enterprise Resource Planningの略で、直訳すると「企業資源計画」となります。これは、ヒト、モノ、カネ、情報という経営資源を、システムを活用することで一元的に管理し、有効に活用する、経営を効率化するという概念です。

資源利用を最適化するためのマネジメント手法であるMRP(Material Resource Planning)から派生したといわれており、具体的には、基幹系システムそれぞれが保有しているデータベースを1つにまとめ、それぞれの機能を統合することができるものです。

複数の基幹系システムのデータが、ERPに集約されることで、情報のボリュームや質が向上し、多面的に共有することも可能になります。

ERPのメリット

ERPのメリットは、まず基幹系などのあらゆるシステムの一貫性を図ることができるという点です。

バラバラの基幹系システムを使っていては、情報の一元化が難しく、業務効率の低下や情報共有が難しくなってしまいますが、ERPは企業資源を有効活用するという考え方のもとに、複数のシステムを一元管理するため、このような課題を解消することができます。

また、その一元化された情報は、ERPを利用していればどこからでも抽出することができます。
もちろんデータによっては閲覧制限はできますが、見ることのできる情報の幅が増え、共有が行いやすくなります。

情報の幅が増えるという点では、基幹系システムよりもさらに経営の可視化を進められるというメリットもあります。

各基幹系システムなどそれぞれが本来持っていた情報を集約することで、より深いデータを抽出できる可能性もあります。

そのデータによって、意思決定の質やスピードも向上できる可能性もあがります。

ERPのシステムそのものにもメリットがあり、開発段階で様々な会社のオペレーションを参考にしており、より成果の上げれている企業の、体系的なビジネスプロセスを、ERPの導入によって真似ることができます。

ERPそのものについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。

ERPとは?統合基幹システムの種類やメリットなどを解説

ERPの種類<クラウド型ERP/オンプレミス型ERP >

次に、ERPの種類について解説していきます。

ERPの種類は大きくクラウド型とオンプレミス型があります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

クラウド型ERP

インターネット上にERPのシステムを構築するのが、クラウド型ERPです。

インターネット環境さえあればシステムを利用でき、プラットフォームが全てクラウド上に用意されているため、ソフトウェアのインストール、ERPのためのサーバーの設置なども不要です。

そのため初期費用、ランニングコストなどを低く抑えることが可能になります。

クラウドなので、現在導入が非常に進んでいる、在宅勤務などのテレワークとの相性も非常にいいです。

一方でクラウド上にサーバがあるため、社外からのアクセスや情報持ち出しが可能になり、セキュリティ面が不安要素として上げられます。クラウド型ERPを利用する場合は情報漏洩対策などの内部統制も重要になります。

オンプレミス型ERP

システムをインストールするサーバーなどのハードウェアを自社内に用意し、メンテナンスなどの運用も含めて自社で行う方法です。

自社の環境に合わせてシステム構築を行うため、統合型ERPのような形で、カスタマイズしやすいというメリットがあります。

ただし、サーバーなどのハードウェアを全て自分たちで用意する必要があるため、初期費用や導入コスト、メンテナンスやアップデートなどの運用負担がかかるなどのデメリットもあります。 

クラウドERPとオンプレミスのERPの違いについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。

クラウドERPとは?メリットや導入ポイントを徹底解説

ERPの種類<パッケージ型ERP/フルスクラッチ型ERP >

システムを作る場所がどこか、という部分がクラウド型とオンプレミス型の違いですが、

場所ではなく作り方の違いで分けられたのが、パッケージ型とフルスクラッチ型です。

簡単に言うと、既製品かオーダーメイドかの違いです。

あらかじめ一般的に必要だとされている機能が備わっているのがパッケージ型です。

早く低コストで導入可能なのがパッケージ型のメリットです

必要な機能をゼロからすべてつくる受託開発のような作り方が、フルスクラッチ型です。

企業独自の商習慣に対応したシステムを構築することができますが、パッケージ型と比較して時間とコストがかかります。

完全統合型Web-ERP「GRANDIT」

GRANDITは、クラウド型の完全統合ERPです。

業務適応力とシンプル仕様のバランスを保持しており、経理、販売、在庫、製造、人事、資産管理、などの合計10モジュールにより構成されています。

基本となる基幹業務を網羅したモジュールで構成されていますが、組み合わせは自由に変えることが可能です。

基本モジュールに加えて「生産管理アドオンモジュール」「工事管理アドオンモジュール」「プロジェクト管理アドオンモジュール」「継続取引管理アドオンモジュール」などを独自開発しており、さまざまな業種への適用範囲を拡張しています。

システムの寄せ集めのようなつぎはぎのシステムではなく、業務の統合度や操作の一貫性の高い真のERPです。

バックオフィス業務改善ならシステムインテグレータ

多くの企業で人手不足が大きな課題となっていますが、バックオフィス業務にはいまだに属人化した作業やアナログ業務が残っており、企業の成長と発展を阻む大きな壁となっています。
バックオフィスの業務プロセスを最適化することで、コスト削減や属人化の防止だけでなく企業全体の生産性向上にもつながります。
当社はERPをはじめとする情報システムの豊富な導入実績をもとに、お客様一人ひとりのニーズに合わせた最適な改善策を提案します。業務の洗い出しや問題点の整理など、導入前の課題整理からお手伝いさせていただきます。
バックオフィス業務にお悩みをお持ちの方は、お気軽に株式会社システムインテグレータまでご連絡ください。

まとめ

基幹系システムは、経営活動に必要不可欠な業務をシステム化したものですが、基幹系システムの中にも様々な業務範囲があり、それぞれの基幹業務がバラバラのシステムを使っていては、煩雑になってします。

そこで、ERPという基幹系システムのデータを一元化できるシステムを活用することで、より業務効率や経営判断のスピードが向上しやすくなります。

基幹系システムを検討する際は、ぜひERPも含めて検討をしてみてください。


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