2025年の崖とSAP ERP 2025年問題|解決すべき企業の課題とは

 2019.07.11  株式会社システムインテグレータ

2018年9月、経済産業省がDX(デジタルトランスフォーメーション)レポート を公表し、「2025年の崖」が話題になっております。あらゆる産業において、デジタル技術を活用した新しいビジネスモデルの参入が登場しつつある時代にもかかわらず、レガシーシステム(=既存の業務システム)の複雑化、ブラックボックス化により、グローバルでの競争力を失う可能性があることを示唆してます。
※DXとは、最新のデジタル技術を駆使して、企業が戦略やプロダクト、業務フローなどを変革させていくことを表す概念です。

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「2025年の崖」による影響

DXレポートでは、レガシーシステムの維持により、2025年以降、日本経済は年間約12兆円もの経済的損失を被り続ける可能性があると言われています。その理由は、レガシーシステムはアーキテクチャも古く、今では使われないプログラミング言語を使用しており、システムの維持・管理コストが多くかかるからです。この状態が続いてしまうと、IT予算の8割以上が現状システムの維持に費やされ、企業衰退の道を歩むことになります。

「2025年の崖」と「SAP ERP 2025年問題」

また、日本国内で2,000社を超えると言われているSAP ERP利用ユーザは「2025年の崖」と同じタイミングで「SAP ERP 2025年問題」にも直面することになります。以前のブログ「SAPから国産ERPへのリプレイス 」でもご説明しているとおり、既存のSAP ERPのサポートサービスが2025年に終了するため、SAP ERPスイート製品の最新版である「SAP Business Suite 4 HANA(S/4HANA)」への移行か、別のERP製品への移行を迫られています。

S/4HANAはSAP社が用意した純正の移行先ですが、アーキテクチャやデータベースは従来のSAPとは異なり、全く新しいものとなってます。そのため、システム移行にかかるスケジュールや稼働工数は、別のERP製品と同等であると言われています。そうした理由からか、S/4HANAへの移行を断念するユーザも少なくないようです。

レガシーシステムを整理して、システムの拡張や変更を適切に行うという意味では、どちらも2025年までに解決しなければならない課題であると言えます。

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移行したくても移行できない?

現在、大手企業で運用されている基幹システムの50%以上が、システム導入後20年経過しています。つまり、レガシーシステムが過半数を超えるわけですが、基幹システム移行に携わるエンジニアの人材不足が問題視されています。

基幹システムを手掛けるITベンダーでは、2000年問題への対応やERP導入ブームの頃に新人だった若手SEが、現在40代~50代になってシステムリプレイスに携わっている一方、基幹システムSEの新規参入はそう多くもない状況です。なぜなら、ITベンダーはAIやDXなど新規分野にリソースを割り当てており、基幹システム部門に若手を投入しない傾向だからです。仮に配属されたとしても、基幹システムのスキルを習得するのは難易度が高く、時間も要するため、企業側の要求を満たせる人材が少ない状況でもあります。

2025年問題を乗り越えるには?

経済産業省は、2025年までにレガシーシステムの複雑化・ブラックボックス化を適宜廃棄、仕分けをしながら刷新をしていくことを推奨しておりますが、このレガシーシステムからの脱却が「2025年の崖」を乗り越えるポイントでもあります。
冒頭でも記載したとおり、レガシーシステムは複雑化、ブラックボックス化してしまっているため、QCD(品質、コスト、スケジュール)で重大な問題が発生し、うまくいかないプロジェクトが多いです。特に、要件定義や適用分析など上流フェーズに課題が集中するため、プロジェクトが本格化する前にグランドデザインフェーズにて現実的な再構築方針を決定することが重要です。
ERPプロジェクトの上流フェーズに関しては、以前のブログ「ERPプロジェクトの進め方【要件定義編】 」で詳しくご説明してますので、ご覧ください。

バックオフィス業務改善ならシステムインテグレータ

多くの企業で人手不足が大きな課題となっていますが、バックオフィス業務にはいまだに属人化した作業やアナログ業務が残っており、企業の成長と発展を阻む大きな壁となっています。
バックオフィスの業務プロセスを最適化することで、コスト削減や属人化の防止だけでなく企業全体の生産性向上にもつながります。
当社はERPをはじめとする情報システムの豊富な導入実績をもとに、お客様一人ひとりのニーズに合わせた最適な改善策を提案します。業務の洗い出しや問題点の整理など、導入前の課題整理からお手伝いさせていただきます。
バックオフィス業務にお悩みをお持ちの方は、お気軽に株式会社システムインテグレータまでご連絡ください。

まとめ

基幹システムの2025年問題はすぐそこまで差し迫ってきています。ERPも従来の業務効率を高める「守り」の経営はもとより、競争力を高める「攻め」のIT投資として、新しいテクノロジーとの融合によるデジタル化時代の最適化が求められています。

企業のヒト・モノ・カネのデータを押さえる統合型ERP「GRANDIT」は、業種別アドオンテンプレートの提供、「RPA」「IoT」「AI」など最新テクノロジーとの調和のほか、周辺システムとの連携など、データを最大限に活用した「進化系ERP」として企業の競争力を大きく高めていきます。

また、2025年にかけてはERP市場全体の需要が高まると見られており、弊社ではGRANDIT開発エンジニアの採用/育成と、GRANDIT開発パートナーの開拓/育成に取り組んでおります。

レガシーシステムからのリプレイスをご検討の際にはお気軽にお問い合わせください。

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