WBSツールおすすめ12選!選び方から使い方まで初心者向けに徹底解説

公開日 
 株式会社システムインテグレータ

WBSツールおすすめ12選!選び方から使い方まで初心者向けに徹底解説

プロジェクト管理の成功にWBSは不可欠ですが、「Excelでの管理に限界がある」「どのツールを選べばいいかわからない」とお悩みではありませんか?結論、プロジェクトを成功させるには目的に合ったツールの導入が鍵となります。本記事ではWBSの基礎から、失敗しない選び方、無料・有料別のおすすめツール12選を徹底比較します。

この記事でわかること:

  • WBSの基礎とツール導入のメリット
  • 自社に最適なWBSツールの選び方
  • 無料・有料別のおすすめツール比較
  • WBS作成の基本ステップと導入のコツ

1. そもそもWBS(作業分解構成図)とは?

WBSとは「Work Breakdown Structure」の略称で、日本語では「作業分解構成図」と訳されます。その名の通り、プロジェクト全体の成果物を頂点とし、そこから必要な作業をより小さな管理しやすい単位(タスクや作業パッケージ)へと階層的に分解し、構造化した一覧図のことです。プロジェクト管理における最も基本的かつ重要な手法の一つとされています。

例えば、「新しいWebサイトを構築する」という大きなプロジェクトがあったとします。このままでは何から手をつければ良いか漠然としていますが、WBSを用いることで以下のように作業を分解・整理できます。

  • Webサイト構築
    • 1. 計画・要件定義
      • 1-1. ヒアリング
      • 1-2. 要件定義書の作成
      • 1-3. スケジュール策定
    • 2. 設計
      • 2-1. サイトマップ作成
      • 2-2. ワイヤーフレーム作成
      • 2-3. デザインカンプ作成
    • 3. 実装
      • 3-1. フロントエンド開発
      • 3-2. バックエンド開発
      • 3-3. CMS導入
    • 4. テスト・公開
      • 4-1. テスト環境での動作確認
      • 4-2. 本番環境への移行
      • 4-3. 公開

このように、大きな成果物から具体的なタスクへとトップダウンで分解していくことで、プロジェクトの全体像を正確に把握し、実行すべき作業を抜け漏れなく洗い出すことが可能になります。

1.1 WBSの目的とプロジェクト管理における重要性

プロジェクト管理の現場では、工数の見積もりが甘かったり、必要なタスクが漏れていたりといった理由から、プロジェクトが遅延し予算を超過してしまう問題が頻繁に起こります。その根本的な原因の多くが、プロジェクト初期段階でのWBS作成が不十分であることに関係しています。

WBSを作成する主な目的は以下の通りです。

  • 作業の洗い出し:プロジェクトに必要なすべての作業を抜け漏れなくリストアップする。
  • スコープの明確化:「やること」と「やらないこと」の範囲を明確にし、関係者間の認識を統一する。
  • 工数・コスト見積もりの精度向上:分解された個々のタスク単位で見積もりを行うことで、プロジェクト全体の工数やコストの精度を高める。
  • 責任分担の明確化:各タスクの担当者を割り当てることで、誰が何に責任を持つのかを明らかにする。
  • 進捗管理の基準設定:個々のタスクの進捗を追跡することで、プロジェクト全体の進捗状況を客観的に把握する。

WBSは、その後のスケジュール計画(ガントチャート作成)、リソース計画、コスト管理、リスク管理など、あらゆるプロジェクト管理活動の基礎となります。いわば、プロジェクト全体の設計図であり、成功への羅針盤とも言えるでしょう。精度の高いWBSを作成することが、プロジェクトを成功に導くための最初の、そして最も重要なステップなのです。

1.2 WBSとガントチャートの違い

WBSと共によく使われるプロジェクト管理のフレームワークに「ガントチャート」があります。この2つは密接に関連していますが、その目的と役割は明確に異なります。しばしば混同されがちですが、その違いを正しく理解することが重要です。

端的に言えば、WBSは「何を(What)」やるべきかを洗い出し構造化するものであり、ガントチャートはWBSで洗い出したタスクを「いつ(When)」誰が(Who)やるのかを時間軸上に可視化するものです。つまり、まずWBSを作成してタスクをすべて洗い出し、そのタスクを基にしてガントチャートで具体的なスケジュールを組む、という流れが一般的です。

両者の違いを以下の表にまとめました。

観点 WBS(作業分解構成図) ガントチャート
目的 プロジェクトに必要な作業をすべて洗い出し、階層的に構造化する。 作業のスケジュール、担当者、依存関係を時間軸で可視化し、進捗を管理する。
表現するもの タスクの親子関係、作業の構成要素(リストやツリー構造)。 タスクの期間、開始日・終了日、担当者、タスク間の関連性(横棒グラフ)。
時間軸の有無 なし。作業のリストアップが主目的であり、時間的な要素は含まない。 あり。横軸が時間軸となっており、スケジュール管理が主目的。
主な用途 タスクの洗い出し、スコープの明確化、工数見積もりの基礎。 スケジュール計画、進捗管理、リソース配分の調整。

このように、WBSはプロジェクトの「静的な構造」を示し、ガントチャートは「動的なスケジュール」を示すものと理解すると分かりやすいでしょう。効果的なプロジェクト管理のためには、両方を適切に使い分けることが不可欠です。

2. WBSを作成・活用する6つのメリット

WBSを作成・活用する6つのメリット

WBSは単なるタスクリストの作成にとどまらず、プロジェクト管理の精度を飛躍的に高めるための強力なフレームワークです。WBSを適切に作成し活用することで、プロジェクトマネージャーやチームメンバーは数多くの恩恵を受けることができます。ここでは、プロジェクト成功の鍵となる6つの具体的なメリットを詳しく解説します。

2.1 プロジェクト全体のタスクを抜け漏れなく洗い出せる

プロジェクトの初期段階で「何をすべきか」を網羅的に把握することは、成功の絶対条件です。WBSは、最終的な成果物から逆算し、必要な作業をトップダウンで階層的に分解していく手法を用います。これにより、思いつきや個人の経験則だけに頼るタスクの洗い出しとは異なり、体系的かつ網羅的に作業をリストアップできます。

大きなタスクをより小さな管理しやすい単位(ワークパッケージ)にまで細分化していく過程で、これまで見えていなかった細かい作業や、タスク間の依存関係が明確になります。タスクの抜け漏れは、後工程での手戻りや予期せぬトラブル、スケジュール遅延の主要因となるため、これを計画段階で未然に防げることは極めて大きなメリットと言えるでしょう。

2.2 正確なスケジュールと工数見積もりが可能になる

「このプロジェクトは3ヶ月で終わるだろう」といった曖昧な見積もりは、プロジェクト失敗の典型的なパターンです。WBSを活用すれば、このような感覚的な計画から脱却できます。

WBSによって分解された最小単位のタスクは、具体的な作業内容が明確であるため、過去の類似プロジェクトの実績データや担当者のスキルレベルに基づいて、現実的な工数(作業時間)を見積もることが容易になります。そして、個々のタスクの工数を積み上げていく(ボトムアップ積算)ことで、プロジェクト全体の総工数や期間を高い精度で算出できます。さらに、各タスクの依存関係を考慮してガントチャートなどに落とし込むことで、無理のない現実的なスケジュールを作成でき、プロジェクトの遅延リスクを大幅に低減させることが可能です。

2.3 メンバーの役割と責任範囲が明確になる

プロジェクトが円滑に進むためには、チームメンバー一人ひとりが自身の役割を正しく認識し、責任を持ってタスクを遂行することが不可欠です。WBSでは、洗い出された各タスクに対して担当者を割り当てます。

これにより、「誰が」「何を」「いつまでに行うのか」が一目瞭然となり、役割分担が明確になります。責任の所在がはっきりすることで、メンバーの当事者意識が高まり、主体的な行動を促進します。また、「あの人がやってくれるだろう」といった思い込みによる作業の重複や、「これは自分の仕事ではない」といった責任の押し付け合いを防ぎ、チーム全体の生産性向上にも繋がります。結果として、各メンバーが自身の業務に集中できる環境が整うのです。

2.4 精度の高い進捗管理が実現する

プロジェクトの進捗管理において、「進捗率90%」と報告されていても、実際には最も重要な作業が手つかずだった、というケースは少なくありません。これは、進捗の定義が曖昧なために起こる問題です。WBSは、この課題を解決します。

WBSで細分化されたタスク単位で進捗を管理するため、「完了」か「未完了」かが客観的に判断しやすくなります。これにより、プロジェクト全体の進捗状況を、感覚ではなく具体的な事実に基づいて正確に把握できます。遅延しているタスクやボトルネックとなっている箇所を早期に特定できるため、問題が深刻化する前に迅速な対策を講じることが可能です。精度の高い進捗管理は、計画と実績の乖離を最小限に抑え、プロジェクトを計画通りに推進するための生命線となります。

2.5 プロジェクトスコープが明確になる

プロジェクトにおける「スコープ」とは、そのプロジェクトで作成する成果物や作業の範囲を定義するものです。このスコープが曖昧なままプロジェクトを開始すると、途中で次々と新たな要求が追加され、収拾がつかなくなる「スコープクリープ」という現象を引き起こしがちです。

WBSは、プロジェクトの成果物を頂点として、それを構成する要素をすべて分解して記述したものです。つまり、WBSそのものがプロジェクトスコープを詳細に定義したドキュメントとなります。これにより、プロジェクトで「やること」と「やらないこと」の境界線が明確になり、関係者全員で共有できます。スコープクリープを未然に防ぎ、予算超過や納期遅延といった致命的なリスクを回避する上で、WBSは極めて有効な手段です。

2.6 関係者間の認識齟齬を防ぐ

プロジェクトは、プロジェクトマネージャーやチームメンバーだけでなく、クライアント、経営層、関連部署など、多くのステークホルダー(関係者)が関わります。それぞれの立場や知識レベルが異なるため、プロジェクトの内容に対する認識にズレが生じやすいものです。

WBSは、プロジェクトの全体像と構造を階層的に図で示すため、専門知識がない人でも直感的に理解しやすい「共通言語」としての役割を果たします。これにより、関係者間での「言った・言わない」といったトラブルや、成果物に対する期待値のズレを防ぎ、円滑なコミュニケーションを促進します。

認識齟齬が起こりやすい場面 WBSによる解決策
クライアントとの要件定義 成果物を細分化することで、「何を作るか」の具体的なイメージを共有でき、スコープ外の作業も明確になります。
チーム内でのタスク分担 タスクの担当者と責任範囲が明記されるため、「誰がやるのか」という曖昧さがなくなり、作業の重複や漏れを防ぎます。
経営層への進捗報告 プロジェクト全体の構造と各タスクの進捗状況を視覚的に示すことで、専門的でない経営層にも現状を正確に伝えられます。
WBSによる認識齟齬の防止効果

このように、WBSはプロジェクトに関わるすべての人々が同じ地図を見て目的地を目指すための、強力な羅針盤となるのです。

3. なぜWBSツールが必要?Excel管理との違いを比較

なぜWBSツールが必要?Excel管理との違いを比較

プロジェクト管理において、WBS(作業分解構成図)の作成に表計算ソフトのExcelを利用している現場は非常に多く見られます。ほとんどのビジネスPCに導入されており、多くの人が使い慣れているため、手軽に始められるのが大きな魅力です。しかし、プロジェクトの規模が大きくなり、関わるメンバーが増え、タスクが複雑化するにつれて、Excelでの管理には限界が見え始めます。ここでは、多くのプロジェクトマネージャーが直面するExcel管理の具体的な課題と、専用のWBSツールを導入することで得られるメリットを比較しながら、なぜ今、WBSツールが必要とされているのかを徹底解説します。

3.1 ExcelでのWBS管理における課題・限界点

手軽さが魅力のExcelですが、組織的なプロジェクト管理においては、いくつかの深刻な課題を生む原因となりがちです。これらの課題は、プロジェクトの遅延や品質低下に直結する可能性があります。

3.1.1 リアルタイムでの情報共有が難しい

Excelファイルにおける最大の課題は、複数人での同時編集が原則としてできない点にあります。共有サーバー上のファイルを誰かが開いている間、他のメンバーは「読み取り専用」となり編集できません(排他制御)。このため、「〇〇さんの編集が終わるまで待つ」といった非効率な時間が発生します。結果として、各メンバーが進捗状況を個別に報告し、プロジェクトマネージャーがそれを手動でマスターファイルに転記・集約することになり、情報の反映に大きなタイムラグが生じ、最新状況の把握が困難になります。

3.1.2 ファイルのバージョン管理が煩雑になる

プロジェクトの進行中、WBSは仕様変更やスケジュールの見直しで頻繁に更新されます。Excelで管理していると、「WBS_v2_〇〇修正.xlsx」「WBS_最新版_240820.xlsx」「WBS_最終FIX.xlsx」といった類似ファイルがサーバー内や各メンバーのPC内に乱立しがちです。その結果、どれが最新の正しいファイルなのか判別できなくなり、古い情報をもとに作業を進めてしまう「先祖返り」といった致命的なミスが発生するリスクが高まります。情報の正確性と一貫性を保つことが極めて困難になるのです。

3.1.3 更新・メンテナンスに手間がかかる

タスクの追加や削除、スケジュールの変更が発生した際、Excelでは関連するセルを手動で一つひとつ修正しなければなりません。特に、タスクの依存関係や日程を関数で複雑に組んでいる場合、一行追加しただけでレイアウトや数式が崩れ、修正に多大な時間がかかることは珍しくありません。また、WBSと連動してガントチャートを作成している場合、WBSの変更をガントチャートの図形に手作業で一つずつ反映させる必要があり、二度手間になるだけでなく、ヒューマンエラーの温床となります。

3.2 WBSツールを導入するメリット

専用のWBSツールは、Excel管理における前述の課題を根本から解決するために設計されています。ツールを導入することで、プロジェクト管理の効率と精度は飛躍的に向上します。Excel管理との違いを以下の表で確認してみましょう。

比較項目 Excelでの管理 WBSツールでの管理
情報共有 排他制御により同時編集が困難。更新の反映にタイムラグが発生する。 リアルタイムで複数人が同時編集可能。変更は即時に全員へ反映される。
バージョン管理 ファイルが乱立し、最新版の特定が困難。先祖返りのリスクが高い。 常に最新の状態に一元化されており、変更履歴も自動で記録・追跡できる。
更新・メンテナンス 手作業での修正が多く、手間がかかる。数式崩れや入力ミスのリスクがある。 ドラッグ&ドロップ等の直感的な操作で簡単。タスクの依存関係も自動調整される。
機能連携 他ツールとの連携は限定的。手動でのデータ転記やインポート/エクスポートが必要。 ガントチャート、カンバン、課題管理、工数管理など多彩な機能とシームレスに連携する。
属人化リスク マクロや複雑な関数を組むと、作成者以外はメンテナンスできなくなる。 標準化された操作性で誰でも使いやすく、業務の属人化を防ぐ。
Excel管理とWBSツールの機能比較

3.2.1 リアルタイムでの情報共有と共同編集

クラウド型のWBSツールの多くは、インターネット環境さえあれば、場所やデバイスを問わずに複数人が同時にWBSへアクセスし、編集作業を行えます。あるメンバーがタスクの進捗率を更新すると、その変更が即座に関係者全員の画面に反映されるため、常にプロジェクトの最新状況を共有できます。また、タスクごとにコメント機能やファイル添付機能が備わっているツールも多く、コミュニケーションの活性化と認識齟齬の防止に大きく貢献します。

3.2.2 テンプレート活用による作成工数の削減

多くのWBSツールには、システム開発、Webサイト制作、イベント運営、製品開発といった業種やプロジェクトの種類に応じたテンプレートが豊富に用意されています。これらのテンプレートを活用することで、ゼロからWBSの構成を考える手間を大幅に削減し、プロジェクトの立ち上げを迅速化できます。また、過去に成功したプロジェクトのWBSをテンプレートとして保存し、類似案件に再利用することで、組織全体のノウハウを蓄積・標準化することも可能です。

3.2.3 ガントチャートや他機能との連携

WBSツール最大のメリットの一つが、プロジェクト管理に必要な他の機能との強力な連携です。WBSにタスクと期間、担当者を入力するだけで、自動的にガントチャートが生成され、プロジェクトの全体像とスケジュールを瞬時に可視化できます。タスクの開始日や終了日をドラッグ&ドロップで変更すれば、依存関係にある後続タスクの日程も自動で再計算されます。さらに、カンバン方式でのタスク管理、課題管理(チケット管理)、工数管理、予実管理といった機能群とシームレスに連携し、情報を一元管理することで、管理業務の効率を飛躍的に向上させます。

4. 失敗しないWBSツールの選び方【5つのポイント】

失敗しないWBSツールの選び方【5つのポイント】

WBSツールは数多く存在し、それぞれに特徴があります。多機能なツールが必ずしも自社に最適とは限りません。ツールの導入で失敗しないためには、自社のプロジェクトの規模や目的、チームの働き方に合った製品を慎重に選ぶことが重要です。ここでは、WBSツール選定時に必ず押さえておきたい5つの比較ポイントを詳しく解説します。

4.1 1. 提供形態(クラウド型 or オンプレミス型)

WBSツールは、提供形態によって大きく「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類に分けられます。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自社のセキュリティポリシーや働き方、予算などを考慮して最適な形態を選びましょう。

項目 クラウド型 オンプレミス型
概要 ベンダーが提供するサーバー上のソフトウェアを、インターネット経由で利用する形態。SaaSとも呼ばれる。 自社内にサーバーを設置し、ソフトウェアをインストールして利用する形態。
初期費用 比較的安価、または無料。 サーバー購入費やライセンス費で高額になりやすい。
月額費用 ユーザー数や機能に応じた月額・年額費用が発生。 サーバー維持費や保守費用が発生するが、月額利用料は不要な場合が多い。
導入スピード アカウント登録後、すぐに利用開始できる。 サーバー構築やインストールに時間と専門知識が必要。
カスタマイズ性 制限がある場合が多い。 自社の業務に合わせて柔軟にカスタマイズ可能。
メンテナンス ベンダー側で行うため不要。 自社でアップデートやセキュリティ対策を行う必要がある。
向いている企業 ・迅速に導入したい企業
・リモートワーク中心のチーム
・情報システム部門がない中小企業
・独自のセキュリティ要件がある企業
・既存システムとの連携を重視する大企業
提供形態による比較

近年では、導入の手軽さや場所を選ばずに利用できる利便性からクラウド型が主流となっています。しかし、厳格なセキュリティ要件や複雑な社内システムとの連携が必須な場合は、オンプレミス型が適していることもあります。

4.2 2. 機能の過不足はないか(必須機能と便利機能)

WBSツールに搭載されている機能は多岐にわたります。自社のプロジェクト管理において「何を実現したいのか」を明確にし、必要な機能が揃っているかを確認しましょう。機能は「必須機能」と、あると業務がさらに効率化される「便利機能」に分けて考えると整理しやすくなります。

4.2.1 必須機能

WBSの作成と基本的なプロジェクト管理を行う上で、最低限必要となる機能です。

  • WBS作成機能:タスクを洗い出し、階層構造で管理する基本的な機能。
  • ガントチャート機能:WBSで作成したタスクを時系列で可視化し、スケジュールやタスク間の依存関係を管理する機能。
  • 担当者・期限設定機能:各タスクに担当者と開始日・完了日を設定する機能。
  • 進捗管理機能:タスクのステータス(未着手、作業中、完了など)を更新・共有する機能。

4.2.2 便利機能

より高度なプロジェクト管理やチームの生産性向上に役立つ機能です。

  • 工数管理・予実管理機能:タスクごとの予定工数と実績工数を入力し、予実対比を可視化する機能。正確なコスト管理に繋がります。
  • リソース管理機能:メンバーごとのタスク量や負荷状況を可視化し、リソースの適切な配分を支援する機能。
  • コミュニケーション機能:タスクにコメントやファイルを添付し、関係者間での情報共有を円滑にする機能。
  • 他ツール連携機能:ビジネスチャット(Slack、Microsoft Teamsなど)やカレンダーツール、ストレージサービスなど、普段利用しているツールと連携できる機能。
  • レポート機能:プロジェクトの進捗状況やコスト状況をグラフなどで自動的に集計・出力する機能。報告書作成の手間を削減できます。

多機能なツールは魅力的ですが、使わない機能が多いと操作が複雑になり、かえって定着を妨げる原因にもなります。まずは必須機能を確実に満たしているかを確認し、その上で自社の課題解決に繋がる便利機能が搭載されているツールを選ぶのがおすすめです。

4.3 3. 操作性は直感的で使いやすいか

どんなに高機能なツールでも、現場のメンバーが使いこなせなければ意味がありません。特にプロジェクト管理ツールを初めて導入する場合や、ITツールに不慣れなメンバーがいる場合は、誰でも直感的に操作できる分かりやすさが非常に重要です。

操作性を確認する際は、以下の点をチェックしましょう。

  • ドラッグ&ドロップでタスクの順番変更や期間設定ができるか
  • 画面のレイアウトが見やすく、目的の機能にすぐにアクセスできるか
  • タスク登録などの日常的な操作が、少ないステップで完了するか
  • ページの表示や更新などの動作がスムーズで、ストレスなく使えるか

多くのツールでは無料トライアル期間やデモが提供されています。必ず導入前に複数のメンバーで実際に触ってみて、操作感を確認することをおすすめします。現場の意見を聞くことで、導入後の「使われない」という事態を防ぐことができます。

4.4 4. サポート体制は充実しているか

ツールの導入時や運用中に不明点やトラブルが発生した際、迅速かつ適切なサポートを受けられるかは重要なポイントです。特に専任の情報システム担当者がいない企業にとっては、手厚いサポート体制がツールの定着を大きく左右します。

サポート体制を比較する際は、以下の点を確認しましょう。

  • 問い合わせ方法:電話、メール、チャットなど、どのような方法で問い合わせが可能か。
  • 対応時間:平日の日中のみか、夜間や休日も対応しているか。
  • 日本語対応:海外製のツールの場合、日本語でのサポートが受けられるか。
  • 導入支援:ツールの初期設定や運用方法について、個別のサポート(オンボーディング)があるか。有償か無償かも確認しましょう。
  • ヘルプコンテンツ:オンラインマニュアルやFAQ、使い方を解説する動画などが充実しているか。

導入前の検討段階から問い合わせを行い、その対応の速さや丁寧さを見ておくことも、サポートの質を見極める一つの方法です。

4.5 5. 料金体系は予算に合っているか

WBSツールの料金体系は、提供形態や機能によって様々です。自社の予算内で継続的に利用できるか、費用対効果は見合っているかを慎重に検討する必要があります。

主な料金体系には以下のようなものがあります。

  • ユーザー課金制:利用するユーザー1人あたり月額(または年額)で費用が発生する最も一般的なプラン。
  • プラン別固定料金制:利用できる機能や容量に応じて複数のプラン(例:フリー、スタンダード、エンタープライズ)が用意されている形式。
  • 買い切り制:オンプレミス型に多く、初期費用としてライセンス料を支払う形式。

料金を比較する際は、単に月額料金の安さだけで判断せず、以下の点にも注意しましょう。

  • 初期費用の有無
  • 最低利用人数最低契約期間の縛り
  • 将来的にユーザーが増えた場合の追加コスト
  • 必要な機能がオプション料金になっていないか

長期的な視点でコストをシミュレーションし、自社の事業規模や成長予測に合った料金体系のツールを選ぶことが重要です。安価なプランで導入しても、必要な機能が使えずに上位プランへ変更せざるを得なくなり、結果的に予算をオーバーするケースも少なくありません。

5. 【一覧比較表】おすすめWBSツール

【一覧比較表】おすすめWBSツール

プロジェクト管理を成功に導くためには、タスクの洗い出しと構造化が不可欠です。その強力な手法であるWBS(作業分解構成図)を効率的に作成・運用するために、多くのWBSツールが提供されています。しかし、選択肢が多すぎて「どのツールが自社に合っているのかわからない」と感じる方も多いのではないでしょうか。

この章では、数あるWBSツールの中から特におすすめの12製品を厳選し、機能や料金、特徴を一覧表で分かりやすく比較します。無料プランの有無や提供形態(クラウド型・オンプレミス型)など、選定に欠かせないポイントを網羅していますので、ぜひツール選びの参考にしてください。

ツール名 料金(月額/1ユーザー) 提供形態 主な機能 特徴 無料トライアル
SI Object Browser PM 要問い合わせ クラウド / オンプレミス WBS、ガントチャート、EVM、工数管理、要員管理、品質管理 PMBOKに準拠した統合型プロジェクト管理ツール。大規模・複雑なプロジェクトや品質管理を重視する開発現場に最適。 あり
Wrike 無料プランあり
有料:$9.80〜
クラウド WBS、ガントチャート、かんばんボード、レポート機能、工数管理 カスタマイズ性が非常に高く、様々な業務プロセスに対応可能。外部ツールとの連携も豊富で、部門横断での利用にも強い。 あり
MA-EYES 要問い合わせ クラウド / オンプレミス WBS、プロジェクト管理、販売管理、購買管理、経費管理 プロジェクト管理だけでなく、販売・購買・経費といった業務プロセス全体をカバーするERP(統合基幹業務システム)。 要問い合わせ
Asana 無料プランあり
有料:1,200円〜
クラウド WBS(リスト、ボード、タイムライン)、タスク管理、ポートフォリオ管理 直感的な操作性と美しいUIが魅力。個人のタスク管理からチームのプロジェクト管理まで幅広く対応できる。 あり
Backlog 無料プランあり
有料:2,178円/月〜(チーム・プランによる)
クラウド / オンプレミス WBS、ガントチャート、かんばんボード、Git/Subversion連携、Wiki 国産ツールで、特にソフトウェア開発チームに人気。シンプルで分かりやすく、非エンジニアでも使いやすい。 あり
Jira Software 無料プランあり
有料:1,000円〜
クラウド / オンプレミス WBS、スクラムボード、かんばんボード、ロードマップ、レポート アジャイル開発のデファクトスタンダード。スプリント計画やバックログ管理など、開発に特化した機能が豊富。 あり
monday.com 無料プランあり
有料:1,200円〜
クラウド WBS、ガントチャート、かんばんボード、ダッシュボード、自動化機能 カラフルで視覚的なインターフェースが特徴。テンプレートが豊富で、IT以外の様々な業種でも活用しやすい。 あり
ClickUp 無料プランあり
有料:$7〜
クラウド WBS、タスク管理、ガントチャート、ドキュメント、マインドマップ 「オールインワン生産性向上アプリ」を謳い、機能が非常に豊富。一つのツールでタスク、ドキュメント、目標管理まで完結させたいチーム向け。 あり
Trello 無料プランあり
有料:$5〜
クラウド かんばんボード、リスト、カード、自動化(Butler) かんばん方式によるタスク管理が非常にシンプルで使いやすい。WBSの最小単位のタスクを直感的に管理するのに向いている。 あり
Notion 無料プランあり
有料:$8〜
クラウド ドキュメント作成、データベース(テーブル、ボード、リスト)、Wiki ドキュメント管理とタスク管理をシームレスに連携できる。自由度が高く、チーム独自のWBSやプロジェクト管理DBを構築可能。 あり
Redmine 無料 オンプレミス WBS(プラグイン)、ガントチャート(プラグイン)、チケット管理、Wiki オープンソースで完全に無料で利用できる。自社サーバーで運用でき、プラグインによる拡張性が高いが、構築・運用には専門知識が必要。 -
Lychee Redmine 無料プランあり
有料:900円〜
クラウド / オンプレミス WBS、ガントチャート、工数管理、EVM、CCPM Redmineをベースに、日本のビジネス向けに高機能化・UI改善を行ったツール。直感的な操作で本格的なプロジェクト管理を実現。 あり
おすすめWBSツール 機能・料金比較一覧表

※本比較表の内容は、2025年8月時点で弊社が独自に調査した情報をもとに作成しています。製品仕様や提供内容は変更される可能性があります。最新の情報や詳細については、必ず各社が公開している公式資料・ウェブサイトをご確認ください。

上記の一覧表は、各ツールの概要を掴むためのものです。料金プランや機能の詳細は頻繁に更新される可能性があるため、導入を検討する際は各ツールの公式サイトで最新情報をご確認ください。次の章では、この中から「無料で始められるツール」「多機能で本格的な有料ツール」といった目的別に、さらに詳しく各ツールの特徴を解説していきます。

6. 【目的別】おすすめの人気WBSツールを紹介

【目的別】おすすめの人気WBSツールを紹介

ここからは、数あるWBSツールの中から特におすすめのものを「無料で始められるツール」と「多機能で本格的な有料ツール」に分けてご紹介します。それぞれのツールの特徴や強みを比較し、自社のプロジェクトに最適なものを見つけてください。

6.1 無料で始められるおすすめWBSツール

まずは、コストをかけずに導入できる無料プランが充実したWBSツールです。小規模なチームや、初めてツールを導入する企業におすすめです。

6.1.1 Asana:タスク管理の王道ツール

Asanaは、世界中の多くのチームで利用されているタスク管理・プロジェクト管理ツールです。WBS作成においては、タスクをリスト形式で洗い出し、サブタスク機能を使って細かく階層化することができます。直感的な操作性と豊富な機能のバランスが良く、初めてWBSツールを使う方でも安心です。

タイムライン機能を使えば、作成したタスクリストをガントチャート形式で可視化し、タスク間の依存関係も設定できます。無料プランでも最大15名まで利用可能で、小規模プロジェクトであれば十分に対応できるでしょう。

項目 内容
主な機能 タスク管理、サブタスク、リストビュー、ボードビュー、カレンダービュー、タイムラインビュー(ガントチャート)、担当者設定、期日設定
無料プラン あり(最大15名まで)
おすすめのユーザー 個人、小規模チーム、初めてプロジェクト管理ツールを導入する方
Asanaのプラン概要

6.1.2 Trello:カンバン方式で視覚的に管理

Trelloは、「ボード」「リスト」「カード」を使ってタスクを視覚的に管理するカンバン方式のツールです。カード内にチェックリストを作成することで、タスクを分解し、簡易的なWBSとして活用できます。ドラッグ&ドロップの簡単な操作でタスクの進捗を管理できるため、誰でもすぐに使いこなせるのが魅力です。

「Power-Up」と呼ばれる拡張機能を追加することで、ガントチャート表示やカレンダー連携など、機能をカスタマイズできます。まずはシンプルに始めたい、視覚的な分かりやすさを重視したいチームに最適です。

項目 内容
主な機能 カンバンボード、カード、チェックリスト、自動化機能(Butler)、Power-Upによる機能拡張
無料プラン あり(ボード数10個まで)
おすすめのユーザー 視覚的なタスク管理を好むチーム、アジャイル開発の現場、個人のタスク管理
Trelloのプラン概要

6.1.3 Notion:自由自在にカスタマイズ可能

Notionは、ドキュメント作成、データベース、タスク管理など、様々な機能を一つに集約したオールインワンツールです。テンプレートが豊富に用意されていますが、データベース機能を使えば、自社の運用に合わせてWBSやガントチャートをゼロから構築できます。その圧倒的なカスタマイズ性の高さが最大の特徴です。

WBSの各タスクに詳細な仕様書や議事録などのドキュメントを直接紐づけられるため、情報が分散しません。プロジェクトに関するあらゆる情報を一元管理したいと考えているチームにとって、非常に強力なツールとなるでしょう。

項目 内容
主な機能 ドキュメント作成、データベース(テーブル、ボード、カレンダー等)、テンプレート機能、外部サービス連携
無料プラン あり(個人利用向け)
おすすめのユーザー カスタマイズ性を重視する方、情報の一元管理を目指すチーム、ドキュメント管理とタスク管理を両立したい方
Notionのプラン概要

6.2 多機能で本格的なおすすめ有料WBSツール

次に、より大規模で複雑なプロジェクト管理に対応できる、高機能な有料ツールをご紹介します。工数管理や予実管理、外部ツール連携など、本格的な機能を求める企業におすすめです。

6.2.1 OBPM Neo:PMBOK準拠の統合型プロジェクト管理

OBPM Neoは、プロジェクト管理の知識体系であるPMBOKに準拠した国産の統合型プロジェクト管理ツールです。WBS作成はもちろん、工数管理、進捗管理、品質管理、採算管理まで、プロジェクト全体の状況を可視化できます。

特に、EVM(出来高管理)分析機能を標準搭載しており、コストとスケジュールの観点からプロジェクトの健全性を客観的に評価できる点が強みです。システム開発業や建設業など、正確な予実管理が求められるプロジェクトに最適で、プロジェクトの標準化と品質向上に大きく貢献します。

項目 内容
主な機能 WBS、ガントチャート、工数管理、EVM分析、要員計画、採算管理、品質管理、ドキュメント管理
提供形態 クラウド型 / オンプレミス型
おすすめのユーザー システム開発会社、建設・製造業、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)、大規模プロジェクトを管理する企業
OBPM Neoのプラン概要

6.2.2 Wrike:カスタマイズ性と連携力に優れたツール

Wrikeは、業務やチームに合わせてワークフローを柔軟にカスタマイズできるプロジェクト管理ツールです。タスク、フォルダ、プロジェクトを階層構造で管理でき、精緻なWBSを構築できます。リアルタイムで更新されるダッシュボードやレポート機能が強力で、プロジェクトの状況を多角的に分析・把握することが可能です。

また、400以上の外部アプリケーションと連携できるため、既に利用しているツールとシームレスに繋ぎ、業務の効率化を図れます。マーケティング部門やクリエイティブチームなど、部署を横断したコラボレーションが多い企業におすすめです。

項目 内容
主な機能 WBS、ガントチャート、カスタムダッシュボード、リアルタイムレポート、工数管理、外部アプリ連携
提供形態 クラウド型
おすすめのユーザー 部署横断でプロジェクトを進める企業、データに基づいた進捗管理を行いたいチーム、外部ツール連携を重視する企業
Wrikeのプラン概要

6.2.3 MA-EYES:プロジェクト型ビジネスに特化したERP

MA-EYESは、プロジェクト管理に加えて、販売、購買、勤怠、経費といった基幹業務までをカバーするプロジェクト管理会計・ERPシステムです。WBSによる進捗管理はもちろんのこと、プロジェクトの見積から原価管理、採算管理までを一気通貫で管理できるのが最大の特徴です。

プロジェクトの進捗状況と経営数値をリアルタイムに連携させることで、迅速な経営判断をサポートします。システム開発、広告、コンサルティングなど、プロジェクト単位でビジネスを行う企業全体の業務効率化と収益性向上を実現します。

項目 内容
主な機能 プロジェクト管理(WBS、進捗)、販売管理、購買管理、勤怠・経費管理、プロジェクト原価計算
提供形態 クラウド型 / オンプレミス型
おすすめのユーザー プロジェクト単位で事業を行う企業(IT、広告、コンサルティング等)、経営情報とプロジェクト情報を連携させたい企業
MA-EYESのプラン概要

6.2.4 その他のおすすめツール

上記以外にも、特徴的なWBSツールは数多く存在します。

  • Backlog(バックログ):国産ツールならではのシンプルで分かりやすいインターフェースが人気のツールです。特にソフトウェア開発チームに支持されており、Git/Subversionといったバージョン管理システムとの連携機能も強力です。
  • Jira(ジラ):アジャイル開発の現場でデファクトスタンダードとなっているツールです。WBSをバックログとして管理し、スプリントやカンバンボードと連携させることで、柔軟かつスピーディな開発プロジェクトを支援します。

これらのツールも選択肢に加え、自社の開発手法やチーム文化に合ったものを選びましょう。

7. WBSツール導入・活用のポイント

WBSツール導入・活用のポイント

WBSツールは導入するだけでプロジェクトが成功する魔法の杖ではありません。その効果を最大限に引き出すためには、ツールの機能を理解し、正しい手順でWBSを作成し、組織全体で活用していくための準備が不可欠です。ここでは、ツールの導入から実際のプロジェクトで成果を出すまでの具体的なポイントを、WBS作成の基本ステップと、導入を成功させるための社内準備の2つの観点から詳しく解説します。

7.1 WBS作成の基本的な4ステップ

WBSツールを使えば、WBSの作成や更新が効率的に行えます。しかし、ツールが思考を代行してくれるわけではありません。プロジェクト成功の鍵を握る質の高いWBSを作成するために、以下の基本的な4つのステップを確実に踏むことが重要です。

ステップ 内容 ポイント
ステップ1:成果物の定義 プロジェクトで達成すべき最終的な成果物(ゴール)を明確に定義します。 関係者全員で合意形成を行うことが重要です。「何を作るのか」が曖昧だと、後続のタスク分解も曖昧になります。
ステップ2:主要タスクの洗い出し 成果物を完成させるために必要な大きな作業の塊(マイルストーンやフェーズ)をトップダウンで洗い出します。 システム開発であれば「要件定義」「設計」「開発」「テスト」などが該当します。抜け漏れがないように全体を俯瞰します。
ステップ3:タスクの分解 洗い出した主要タスクを、さらに具体的な作業単位(ワークパッケージ)へと細かく分解していきます。 担当者が明確に割り当てられ、8時間(1人日)~40時間(1人週)程度で完了する粒度まで分解するのが一般的です。
ステップ4:構造化と詳細設定 分解したタスクを階層構造に整理し、各タスクの担当者、工数(期間)、依存関係(前後関係)を設定します。 多くのWBSツールでは、この情報を基にガントチャートが自動生成され、スケジュールを可視化できます。
WBS作成の基本ステップ概要

これらのステップを丁寧に行うことで、プロジェクトの全体像が明確になり、精度の高いスケジュールと工数見積もりが可能になります。WBSツールに搭載されているテンプレート機能を活用すると、過去の類似プロジェクトの構成を参考にできるため、作成工数を大幅に削減できます。

7.2 導入を成功させるための社内準備

高機能なWBSツールを導入しても、社内の運用体制やルールが整っていなければ形骸化してしまいます。ツール導入を単なる「ツールの入れ替え」で終わらせず、プロジェクト管理の品質を向上させるための「業務改革」と捉え、以下の準備を進めましょう。

7.2.1 導入目的の明確化と共有

まず最初に、「なぜWBSツールを導入するのか」という目的を明確にし、関係者全員で共有することが最も重要です。「Excel管理からの脱却」といった漠然とした目的ではなく、「リアルタイムな進捗共有による手戻りの削減」「見積もり精度の向上による利益率改善」「タスクの属人化解消」など、具体的な課題と目指すゴールを設定します。目的が明確であれば、ツール選定の軸が定まり、導入後の利用促進にも繋がります。

7.2.2 スモールスタートで定着を図る

新しいツールを全社一斉に導入すると、現場の混乱や反発を招くリスクがあります。まずは特定の部門や小規模なプロジェクトで試験的に導入する「スモールスタート」がおすすめです。小さな成功体験を積み重ね、効果を実感したメンバーから徐々に利用範囲を広げていくことで、スムーズな全社展開が可能になります。また、試行期間中に見つかった課題を基に、本格導入前に運用ルールを改善できるというメリットもあります。

7.2.3 WBS作成ルールの標準化

ツールを導入しても、各プロジェクトマネージャーが自己流でWBSを作成していては、全社横断での状況把握やデータ活用は困難です。最低限、以下の項目については社内ルールを定め、標準化を図りましょう。

  • タスクの粒度: どこまで細かくタスクを分解するかの基準を設けます。(例:最短1日、最長5日)
  • 命名規則: タスクの名称を誰が見ても理解できるように、命名ルールを統一します。(例:【設計】〇〇画面詳細設計)
  • 更新頻度: 進捗状況をどのタイミングで更新するかを決めます。(例:毎日終業時、週次ミーティング前など)
  • テンプレートの整備: プロジェクトの種類ごとに標準的なWBSテンプレートを用意し、品質のばらつきを防ぎます。

これらのルールを策定し、ガイドラインとして文書化することで、組織全体のプロジェクト管理レベルの底上げが期待できます。

7.2.4 運用体制の構築とトレーニング

ツールの導入と定着を推進するためには、責任者や推進担当者を明確にした運用体制の構築が不可欠です。担当者は、ツールの設定管理や問い合わせ対応、活用方法のレクチャーなどを担います。また、導入初期には利用者全員を対象としたトレーニングや勉強会を実施し、基本的な操作方法や運用ルールを周知徹底することが、ツールのスムーズな定着を後押しします。ベンダーが提供する導入支援サービスや研修プログラムを活用するのも有効な手段です。

8. まとめ

本記事では、WBSの基礎知識からツールの必要性、選び方のポイント、おすすめのWBSツールまでを網羅的に解説しました。Excelでの管理には限界があり、専用ツールを導入することでタスクの可視化やリアルタイムでの情報共有が実現し、プロジェクト管理の精度は格段に向上します。ご紹介した選び方を参考に、自社の目的や規模に合った最適なツールを選び、プロジェクトを成功に導きましょう。プロジェクトマネジメントに課題を感じている方向けに、プロジェクトマネジメントに関する詳しい資料もご用意しております。ぜひご活用ください。


RELATED POST関連記事


RECENT POST「WBS」の最新記事


WBS

ExcelでWBSを作る方法。タスク管理用テンプレートも紹介!

WBS

WBSとは?目的やメリット、作成方法について解説【プロジェクトマネジメント講座 第7章】

WBS

進捗管理ツールとは?導入時のメリットや選び方のポイント、おすすめツールを徹底解説

WBS

【2024年最新版】無料のおすすめプロジェクト管理ツール15選!ツール選定のポイントも解説

OBPM Neo TOPへ