カスタマーサクセスの3つのステップ(その2):目標と現状の差分を比較し、それに必要なアクションを実行(Vol.3)

 2020.06.11  株式会社システムインテグレータ

トラッキング&コントロール(tracking control)

私がいろいろな会社のプロジェクト管理状況を見て、パッとレベル分けしているポイントを教えましょう。

レベル4:計画と実績の差異分析を行い、計画の標準や運用方法の見直しに役立てている
レベル3:計画の標準があり、それをテンプレートとして計画を立て、実績と対比させている
レベル2:計画を立て、計画と実績を対比させている
レベル1:実績だけ把握・管理している
レベル0:プロジェクト遂行中に実績をきちんと把握できていない。

どうでしょうか。世の中、意外と実績だけ管理してプロジェクト管理できている気になっていることが多いのですが、それだとまだレベル1なんです。大切なのは「計画と実績の対比」で、さらに「差異を縮めるためのアクション」が取られて初めてゴールに向かって進められるのです。

前回、プロジェクト管理を社内に推進するためのゴール(目標)を設定し、さらにゴールを達成するためのプロセスの目標設定を行いました。
こちらのミッションは「プロジェクトの成功」ではなく、「プロジェクト管理レベルを上げる」ことですが、その実現のために「計画と実績の対比」と「差異を縮めるためのアクション」は同じく重要です。

社内に向かって「ゴールを目指して頑張ろう!」と声高らかに叫ぶだけでは、現場の人たちは何をすればよいか戸惑ってしまいます。崇高なゴールを設定したのに笛吹けど踊らずと言った状態になっているのは、毎年社長が「赤字プロジェクトの撲滅」と叫び続けているのに、何年経ってもいっこうに赤字プロジェクトがなくならないソフトウェア会社を思い浮かべます。

具体的に何をするのかを明確に示すことが必要なのです。そのためにプロセスの目標設定を行うのですが、それがすなわち計画です。つまり「プロセスの目標設定=計画」として、実績を把握して差異を小さくするためのアクションを取るわけです。ちなみに、計画に対する実績を把握することをトラッキング、差異を縮めることをコントロールと呼び、プロジェクト管理の世界ではこれをtracking controlと言います。

ギャップ分析(Gap Analysis)

ゴール(最終目標)と現状との差は途中では把握できません。時間軸が違うのです。そのため、前回立てたプロセスの目標設定も現状、1か月後、3か月後、1年後というようなマイルストーンで目標値を設定しました。ゴール間際になって大きな差異に気付いてももう手遅れでアンコントロールです。なのでマイルストーンごとに目標と実績の差(Gap)を把握して、手を打つ必要があります。

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私は会社の野球部(ドランカーズ)の部長なので、野球の話を少しばかりしましょう。ドランカーズは、いつも2回戦敗退レベルなのですが、なんとかせめてもの目標である3部リーグの優勝を実現したいです。そこで、高校野球の監督経験のある友人を監督に迎えて、その目標実現をお願いしたとしましょう。

彼が最初に行ったのは、データを使ってチームの戦力の分析を行い、課題を明確にすることでした。

  • 1番バッターの出塁率が低い
  • 4番バッターの打点が少ない
  • ピッチャーのコントロールが悪く、四球が多い
  • 野手のエラーで相手に得点を許している

などが挙げられ、その課題1つ1つに対して対策(アクション)を設定して改善していったのです。

上記の課題はフラットですが、実は目標設定は階層型でブレークダウンの概念が必要になります。今度は、経営の話を少しばかりしましょう。

当社では、毎年、会社の中期経営計画(3年計画)を立てています。それをベースに各事業部での目標(アクションプラン)を定め、それをチーム目標に落とし込んで行きます。各チームは、週次もしくは月次くらいの感覚で目標と現状とのギャップを分析し、それを埋めるための具体的なアクションを設定して行きます。チームレベルになると、アクションは数値目標も含めてかなり具体的になります。「大阪城の火事」という逸話のように、階層構造の下層に行くにつれ目標とアクションはより具体的になります。逆に言えば、抽象的な計画ではなく、より具体的なアクションプランを立てるノウハウとスキルが必要になるのです。

プロジェクト管理に関するお役立ち資料

アクションプランを設定する

具体的なアクションプランと書きましたが、そもそもアクションプランとは具体的なものです。以前、私もそうでしたが、勢いだけで掛け声のような抽象的なプランを掲げ、途中で挫折することも少なくありません。

今度はダイエットの話をしましょう。「今年は積極的に運動に調整し、5キロやせる」とプランを定めたとしましょう。このプランの問題は何でしょうか。はい、ゴール目標は数値で設定していますが、プロセスの目標(計画)には数字がなく定量化されていない点ですね。「積極的に」では人によってばらつきがあり、tracking controlできる指標になりません。

例えば「週に3回、30分のランニングを3ヶ月間続ける」であればより具体的で分かり易いですね。そして、ランニングした日と走った時間を記録して、目標と実績をトラッキング&コントロールするわけです。

アクションプランを設定する際は、次の2点が大事です。

  • 期間を定める
  • 数値化する

アクションプランを立てるメリットの1つは、もちろんアクションに取り組みやすくなることです。もう1つは、経過を見ながら柔軟に軌道修正することができる点です。そういう意味では、上記の2つにもう1つ加えてもいいかも知れません。アジャイルなアクションプランって感じです。

  • 柔軟に設定変更する

なお、アクションプランを立てる際の注意点ですが、勢いづいて高すぎる設定をしないことです。あまりにも高すぎる山だと登る前から気持ちが萎えてしまうこともありますので。

設定したアクションプランを遂行していくためには

さて、プロジェクト管理を徹底させるためのアクションプランが立てられました。
そのアクションプランが目的に沿ったもので、具体的であり、スケジュール化されているなどのチェック行い、ひと段落と言ったところで、あとは結果を待つばかりなり…。

ちょっと待ってください。アクションプランは立てて終わりではありません。そのアクションプランがスケジュール通りきちんと実行されているか、運用ルールを逸脱していないかなどをチェックすることも重要です。

アクションプランは多くの場合、半年もしくは1年のサイクルで計画されます。その間、逐次、実行状況を監視する必要があります。
当社の例でお話しましょう。当社では、立てられたアクションプランを各部門の週次ミーティングでチェックを行います。その上でPMOが定期的に進捗状況、およびガントチャートなどのメンテナンス状況をチェックします。チェックはチェックシートを用いて細かく行います。

そして、メンテナンスが遅れている理由、進捗状況が良くない理由などを確認します。状況によってはアクションプランの微調整を指示します。いわゆるPDCAのサイクルを繰り返し行うわけですね。これらを地道に継続していく愚直さが重要です。

アクションプランもプロジェクトの一つです。長年PMOを経験していた立場から言いますと、計画されたアクションプランのメンテナンスが疎かになり始めた時、プロジェクトが危険信号を発している状態と言えます。緩まずにしっかり見極め続けることによって、濁った水がいつの間にか澄んできたように、ある日、ゴールに近づいていることを実感できるのです。それを信じてミッションを果たしてゆきましょう。

カスタマーサクセスチーム
鈴木 宏明

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